北斗の拳世界に転生した転生者だけど、アイリを拾ったら心ならずも原作と関わることになっちゃいました   作:ひいちゃ

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199X年世界は核の炎に包まれた!

海は枯れ、地は裂け、全ての生物が死滅したかのように見えた。

だが、転生者は死滅していなかった!

* * * * *

レイの参戦で妹のココを救出することのできたナノルたち。
しかし、牙大王は奥の手を出して、彼らの奈落の底に叩き落す!

だが激しい戦いの末、牙大王は倒れ、牙一族は壊滅したのだった。

歓喜に沸くマミヤの村。だがそこに凶報がもたらされる!

ある村を壊滅させた、ケンシロウと同じく胸に七つの傷を持つ男。彼は一体何者なのか!?

ケンシロウと、そしてナノルの新たな戦いが始まるのだった!


(ジャギ編)第七話『謎の女拳士カレン! お前たちの首は私が獲る!!』

「た、助けてくれ……! 七つの……胸に七つの傷を持つ男に率いられた一団が、わしらの村を……!」

 

 この元舞鶴市だった村に駆け込んできた老人の言葉は、その場にいた全員に衝撃をもたらした。特にケン……ケンシロウの衝撃はそれ以上だった。

 

「心当たりがあるのか、ケン!?」

 

 レイが、そうこわばった顔で聞いてくる。両親を殺し、アイリをさらった男に関わることだけに、心穏やかではいられないのだろう。

 ケンもまた……いや、聞き手以上にこわばった顔で答えた。

 

「ジャギ……かつて兄と呼んだ男だ……」

 

 そう言うと、ケンはくるりとレイたちに背を向けた。オレはケンの意図を察し、声をかける。

 

「行くのか?」

「あぁ。ジャギを討たねばならん」

 

 やはり……。

 

「一緒に行くか? ジャギのアジトの入り口までだったら送っていくぜ」

 

 だがその提案は、ケンが首を振ることによって断られた。

 

「いや。これは北斗の問題だ。その問題に、お前たちを巻き込むことはできん。これまで世話になったな」

 

 そう言ってケンは、そのままその場を歩き去っていった。

 

* * * * *

 

 ケンが村を出た次の日、オレもフラニーやココと一緒に旅立つことにした。

 

 最後の荷物をバギーに積み込み終えたオレに、マミヤさん、リン、バットと一緒に見送りにきたレイが言う。

 

「ナノル、本当に行くのか?」

「あぁ。オレはどこかに腰を落ち着けるより、旅して色々なところを見て回るのが性に合ってるんでな」

「そうか。こんな世紀末、そんな観光に良い土地があるとは思えないが」

 

 そう真面目な顔で聞いてくるレイに、オレは苦笑して答える。

 

「そんなこともないぜ。見てみる気になればどんなところでも名所になるもんさ」

「そうか。良い旅をしてきてくれ」

「あぁ」

 

 そしてそこでレイはフラニー……アイリに目を向けて言った。

 

「フラニー、帰って来たくなったら、いつでも帰ってこい。俺の、お前の次に大切な者と一緒にここで待っている」

「レイ様……ありがとうございます」

 

 まるで他人のように接するフラニーに、レイは少し寂しそうな顔をした。

 でも、フラニーの次に大切な人って……ははーん、そういうことね。傍らのマミヤさんに目を向けたレイは、どこか柔らかい目をしていた。

 

「ナノル、なんでにやにやしてる」

「い、いや、なんでもないぜ。そちらも、その『大切な者』と仲良くやってくれよ」

「あぁ。ナノル、フラニーのことをよろしく頼む」

「あぁ、任された。じゃあな」

 

 そしてオレは、バギーに乗り込んで村を出て行ったのだった。

 

* * * * *

 

「これが法隆寺ですか……」

 

 と、フラニーが目の前の建造物を見上げながら言う。

 

「修学旅行で来たり、写真で見たことあるけど、やっぱり最終戦争で荒れ果てた姿を見るとショックだよね」

「そうだな。これはこれで別の風情があるけど、やはり荒れ果てた姿を見ると哀しいものがあるな」

 

 少し沈んだ感じのココに、オレもそう返す。

 

 かつての奈良の町。そこがオレたちが、マミヤさんの村を出てはじめに立ち寄った町だった。

 そしてそのオレたちの前には、斜めに傾き、崩れかけた法隆寺の五重塔があった。あの核戦争で完全に崩れなかったのは幸いだが、こうしてみると、やはり核戦争の恐ろしさを感じずにはいられない。

 

 そこに、一人の老人がやってきた。

 

「見慣れない人たちじゃな。他の町からいらっしゃったのかな?」

「えぇ、観光で」

「観光! それはまた奇特な方たちじゃ。ですが、この町から早く去ったほうがいいですぞ」

「どうしてです?」

 

 ココがそう聞くと、老人は表情を思い切り沈ませて、口を開いた。

 

「えぇ、それは……」

 

 そこで悲鳴が響いた。驚いたフラニーが戸惑ったように声をあげる。

 

「ど、どうしたんですか!?」

「また奴らが来たようです。胸に七つの傷の男の手下たちが……」

「胸に七つの傷の男の!? ナノル兄……」

 

 不安そうなココの頭を軽くなでると、オレは軽く頭をかいた。

 

「やれやれ……あまり原作には関わりたくないんだがなぁ……」

 

* * * * *

 

 そこでは、ジャギの手下たちが、彼の銅像を前に暴虐を行っていた!

 

「おい、このお方の名前を言ってみろぉ!!」

 

 ジャギの手下が、地面に首まで埋められた男に、怒鳴るように質問する。だが、何も知らない男は、ただ混乱するばかりだ。

 

「え、えと……?」

「なに、知らないだとぉ? おい、そこの男。このノコギリで、この男の首を斬り落とせ!」

「え、そ、そんなぁ……ぶぎゃっ!!」

 

 ジャギの手下に、男の首を切るように命じられた別の男は、それを拒否して殴り飛ばされた。

 

 そこに、オレたちがやってきた。

 

「おい、お前! このお方の名前を言ってみろ! この胸の傷を見ればわかるだろう!」

「あぁ、知ってるよ」

「よし。じゃ、言ってみろ!」

 

 そしてオレはその手下に言ってやる。

 

「ジード様だろう?」

「なにぃ~!? もう一度言ってみろぉ!」

「ジードじゃないとすると、ジャギ様だったか?」

「てめぇ、ふざけやが……ぶぎゃっ!!」

 

 激昂し、殴りかかろうとしたその手下に、ダガーナイフの峰打ちをくれてやる。情けないことに、その手下はこの一撃で吹き飛ばされた。すぐさま、他の手下たちがオレの周囲を取り囲む。

 

「てめぇ、俺たちが誰の手下かわかってやってやがるのか!?」

「あぁ、知ってるよ。ジード様の……だろ!?」

 

 そう言ってオレは、取り囲んだ手下たちに斬りかかっていった!

 

「がべれ!?」

「ぶべらっ!?」

 

 闘気を込めたダガーナイフがひらめき、手下の二人を切り裂く!

 

「それっ!」

「うぎゃっ!」

 

 後ろから襲ってくるモヒカンに、ココがダーツを放ち、敵の目を貫く!

 

「こいつを捕まえればなぁ!」

「きゃあ!」

「させるかよ!」

「びぎゃっ!!」

 

 忍び寄ってきてフラニーを捕まえようとする手下に、ダガーナイフを投げつけて倒す。

 

 

 そうやって戦っていくうちに、残りの手下は三人になっていた。 

 

* * * * *

 

 激闘の末、残った手下はあと三人。その三人も、腰が引けて、闘志が崩れかけているのが目に見えていた。

 

 そしてオレが一歩を踏み出した時……。

 

「お、覚えてやがれ!」

「今日はこの辺にしといてやる!」

「ケンシロウ様に言いつけてやる!」

 

 それで闘志が折れた彼らは、捨て台詞を吐いて逃げ出していった。

 だが、彼らが逃げ切ることはできなかった。

 

 彼らの前に一人の女性が現れ……鋭い動きで蹴りを放ったのだ。そして……!

 

「か、か、かーるーびー!!」

「ちーずー!!」

「ば、ばーがああぁぁぁ!!」

 

 手下たちは切断されて肉塊へとなり果てたのだった。

 これは……南斗聖拳!? 足技を主としているところからすると、シュウの白鷺拳に似ているが……。

 

 そして彼女はオレを見ると、構えをとった。

 

「私は……カレン。南斗翡翠拳のカレンだ! ケンシロウ様にあだなす者は全て肉塊にしてやる!!」

 

 すさまじい殺気が、オレとココ、フラニーを襲った!

 

 




感想、お待ちしています!

* 次回予告 *<テーレッテー!!

レイと同じ南斗の拳を使う女拳士、カレン。
そのすさまじい殺気と恐るべき技がナノルを襲う!

ナノルはこの強敵にどう立ち向かうのか!?

次回、『北斗の拳世界に転生した転生者だけど、アイリを拾ったら心ならずも原作と関わることになっちゃいました』

第八話『仮面の女拳士! 南斗の技を使う恐るべき者よ!!』

「なかなかやるな。たいていの奴なら、蹴り連打の手刀で深手を負い、その後の蹴り連打で死んでいる」
「はぁはぁ……誉めてくれてありがとよ……」

※次の更新は、12/1 19:00の予定です。お楽しみに!

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