NieR : Breath of the Automata   作:たまごの文字書き

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2700UAありがとうございますm(*_ _)m
マジで頑張ります。
人類に栄光あれ。


人形と技師

「本当にやめた方がいいと思いますよそれ...」

後から現場に来たシモンという男は、私達の驚愕する様子を見て呆れた声で呟く。

「だってみーんなそーいう反応するからつい面白くてー」

プルアは上機嫌にそう言う。

ミファーはやってしまったといった表情で額から汗をだらだら流し、そそくさと隅の方へと移動。パーヤは丸くなって完全に顔面防御体勢を取り、そして私は机に突っ伏したまま座る。

「まーまーそう落ち込まないでっ、アンタたちのことは秘密にしておくからサ。」

渋々顔を上げ、私はプルアの話を聞く。彼女の実年齢はとうに100歳を超えているのだが、アンチエイジング技術で6歳くらいの少女にまで若返っているらしい。

「そーいうワケで改めて自己紹介するネ。アタシはプルア、このハテノ古代研究所で所長をやっているワ。そっちは助手のシモン。ちょっとだけ変わってるけど仲良くしてあげてネ。」

椅子の上によじ登ってなんとか私と目線を合わせ、チェキチェキしながら彼女はそう私に伝える。

「...A2だ。あっちにいるパーヤとミファーのことは...既に知っているんだろ。」

大きなため息をついて、私はプルアと目を合わせる。

「モチロン。ミファー様とはあまり会うことはなかったケド、100年前一緒に戦った仲だヨ。パーヤの方は最後に見たのは若返る前だったから印象変わっちゃってるだろうけどねー。」

一人だけテンションが高いプルアは、ペラペラと自身の昔話を語る。

ミファーはこくりと軽く会釈をし、パーヤはまだ床に転がっている。

「そ、れ、よ、り、だ」

ずいと身体を乗り出して、プルアが私に顔を近づける。

「A2ということは、キミが噂の異界から来たアンドロイドちゃんだネ?」

言わなくても分かるくらい興味津々といった表情で、プルアは私に聞く。

「ああ。そういうあんたはとっても優秀な研究者サマなんだってな。」

不機嫌丸出しで私は彼女に応える。子どもの相手は苦手だ。ましてや中身が大人なら尚更やりにくい。

「そのとーり。アタシもキミのことは聞いているワ。色々気になることがあるし、話がてら身体の方も早速調べさせて貰ってもいい?」

「ああ。変なことしないならな。」

頼むから普通に修理して欲しい。

 

──────

 

「うーん...」

「...どうにかなりそうか?」

「正直サッパリだワ。キミの身体に使われている技術...どれをとってもこの世界には存在していない。遺物に使われているメカニズムとも訳が違うし、オーバーテクノロジーもいいところよ。」

傷から露出している断線したケーブルやら破損した電子機器やらを細かく丁寧に調べ上げて、プルアは肩を竦める。

彼女のセンスや立ち振る舞いにはいろいろ怪しいものがあるが、研究者としての技術や知識は一流のものだった。人は見かけによらないというのはまさにこの事である。

「まあそりゃあそうだよな...」

私はうつ伏せの状態のまま、軽く相づちをうつ。

全く違う世界から来たんだ。全く異なる技術の進歩を遂げていて当然である。

「それにキミ、こっちに来てからは神獣って扱いになってるらしいシ...ちなみにミファー様の癒しの力でA2を直したりはできないの?」

──ごめんなさい。魂だけの存在である今の私は、癒しの力は使えないの...私がつけた傷なのに...──

ミファーが寂しげに項垂れる。

「気にするなと言っているだろ。それに、アンドロイドは別に生きている訳じゃない。仮に力を行使できたとしても、おそらく私には効かない。まあこういう故障は何度も経験している。お前のせいじゃない。」

私もずっと単独行動をしていた身だ、多少の修理なら自分でできる。だが、大きめの傷に対してはパーツを奪って──向こうから危害を加えて来たんだから腕や足の一つくらい文句は言わんだろう──取り替えるのが手っ取り早かったため、そもそも「修理」という行為をしていない。ここにきてアンドロイド特有の便利さが裏目に出ている。

「ふむ...」

プルアは先程までとは打って変わって真剣な表情で考え込んいる。

「まあ、人間も重症の病気や怪我は治らなかったりするんだろう?それと同じだ。私のこの傷はそういうものだったってことで諦め──」

「──三日ちょーだい。」

話を遮ってプルアが言う。

「三日キミの身体を弄り回していいなら、この傷を直せる。」

真っ直ぐな瞳で、彼女はそう断言した。

「あ、ああ。構わないが...」

「それと、彼女ちゃんとミファー様には、A2の修理に必要な素材を取ってきてもらいたい。お願いできる?」

平常心を取り戻したパーヤとやや落ち込み気味のミファーに、プルアは頭を下げる。

「か、顔をあげてください!もちろんやりますから...!」

──うん。ちょっとでもA2のために何かできるなら...私も手伝いたい。──

二人とも快く承諾してくれるようだ。

「ありがとう。...ほんとは今日中に直してあげたいんだけどね...ここまで何もかもが未知となると...悔しいけど時間が欲しいワ。」

プルアは苦虫を噛んだような顔で舌打ちをする。

「気にしないでいい。元々頼んだのは私の方だ。まあその...義体に変なことされないなら、私はなんでもいい。」

「ありがとうA2。アタシの誇りにかけて、キミを直して見せる。」

技術者としての何かに火がついたのだろうか。眼鏡の奥の彼女の瞳は、真剣そのものもである。

じっとこちらを見つめて考え込むそんなプルアを見て、私は自らを預けることを決めたのだった。




ミファーとプルアってほぼあったことなさそうですよね。
それと時系列的にはリンクがハテノ村に来た後なので青い炎はついています。
A2さん色々できるようになる予定です。

プルアによる修理期間の小話「人形の姿」は性的描写を含むので「NieR:Breath of the Automata R-18」の方に掲載されています。気になる方はあらすじの方にURLを貼っておりますので、覗いていてみてください。こちらの話を読まなくても本編を読み進めるのに影響はありません。
誤字脱字、解釈不足等ありましたらコメントにてお伝え頂けると幸いです。
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