NieR : Breath of the Automata 作:たまごの文字書き
NieR:Automata FAN FESTIVAL 12022 壊レタ五年間ノ声 見に行ってまいりました。
最高でしたほんとにもうハイ。
ゲーミングA2フィギュア売ってくれないかな...()
人類に、栄光あれ。
私が動けるようになったこともあり、カカリコ村への帰路は三日もかからなそうである。プルアは細部に至るまで調整を加えていたらしく、私の動きは一人で行動していた時のエラーまみれのそれとは見違えるほどに向上していた。つまり、今の私は新品同然なのである。当然、魔物とも度々遭遇したが、ミファーはおろかパーヤの力を借りるまでもなかった。
「これが...本来の二号さんの実力...」
呆然とするパーヤを尻目に、私は今の私に確かな感触を覚えていた。
この力は、大きな力。多くを救い、導くことができる。
そして同時に、多くを殺し、奪い、消し去ることもできる。
...前の私なら。機械生命体を憎み、バンカーを憎み...この世の全てを憎んでいたあの時の私なら、どうしていただろうな。
自嘲にも似た感情が、じんわりと心に染み上がってくる。
そしてこの力について考えているのは、私だけではなかった。
──ねぇ、A2。──
青白い槍をしまったミファーが、不安げな顔で私に問いかける。
──貴方は、これから...どうするの?──
少々言葉足らずなその問いかけには私への疑心と、幾分かの恐怖が混ざっているように見えた。
強大な力というのは、時に意図せずとも人を負の感情へと沈めてしまう。
分かっていても、少しばかり寂しいものである。
「どうするって...やることも特にないからな。パーヤの隣で、出来ることをするさ。」
努めて穏やかに、私はそう返した。
──そっか。...そう、だよね。良かった...──
ほっと小さく息をつき、彼女の肩の強ばりが少し解けていくのを感じる。
「どうかしたか?」
──ううん。なんでもないの。ただ...ただ、貴方がその...どこか遠くの存在になってしまったように感じて...──
少しバツの悪そうな表情で、ミファーは私から目をそらす。パーヤはじっと私を見つめていたが、その顔には「隣にいる」という言葉に安堵を覚えつつも、どこか確信に至らないような、安定しない思いを孕んでいるように見える。
皆、私が怖いのだ。
それでも、私を信じたいのだ。
今の私にはそれが分かる。
「...わかっていると思うが、私はアンドロイドだ。当然お前たちとは違うし、人類にはできないようなことだって簡単にできる。」
私は太刀を背中の青いリングにしまい、二人に向き直る。
「だがな、私は私だ。お前たちとは違くても、私はお前たちと行動を共にしている。少し前なら考えられもしなかったが、今の私は確かに、お前たちの隣を歩いている。」
友に、2Bに、9Sに、パスカルに、ポッドに、アネモネに、デボルとポポルに、色んな機械生命体に、色んなヨルハに出会うことで...そしてこのハイラルでインパに、シドに、プルアに出会うことで...ミファーと出会い、彼女を救うことで──
──パーヤと出逢い、愛を知ることで。
「だからその...なんだ、私はどこかへ行ったりはしない。少なくともこの今は、お前たちを手放しはしない。」
少し照れくさくなって、私は言葉を濁す。
「不安なのは私も同じだ。それでもお前たちはこんな私を...違う存在の私を受け入れてくれるから...私もそれに応えたいと、思う。」
やはり言葉にするのは苦手だ。昔は殴るか壊すかして色々解決してきたが...それだけでは自己満足の範囲に過ぎないと、一度死んでわかった気がする。
「こんなもんで、いいか?喋るのは...元々性にあわない。」
頭をかきながら、私はぶっきらぼうにそう締めくくった。
一瞬の沈黙を経てから、パーヤが突然私に抱きついてきた。
「お、おい!ミファーも見てるんだぞ...」
と思ったら、ミファーも抱きついてきた。
彼女達は、何も言わなかった。
何も言わずにアンドロイドの硬い胸に顔を埋め、偽物の皮膚の上に涙を流していた。
じんわりと感じる二人の暖かい温もりを通して、私は私を信じてくれる仲間の存在の大きさを再認識する。
日が沈み、月が登る。
そんな世界の不思議も当たり前に感じるくらいには、どうやら私はこの世界に受け入れられているようだった。
双子馬宿のふつうのベッド上で、隣で寝息を立てている恋人の髪を撫でながら、私はこの束の間の平穏を噛みしめていた。
穏ヤカナ眠リなど、私には似合わないと知っていながら。
大きな歯車が動き出す音が、人知れず、静かにこの世界を包み込んでいく。
二章終わりです。
進展あるようでないような二章でしたが、三章はまた神獣絡みにしようかなと。
ダルケルさんのとこに行きます。
誤字脱字、解釈不足等ありましたらコメントにてお伝え頂けると幸いです。