NieR : Breath of the Automata   作:たまごの文字書き

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初投稿だったのでお気に入り登録が嬉しくて続きました、はい。今回物語的には進展はあまりないです。文量ちょいと減りましたが、こんな感じでのんびり進めていこうかと。てことで人類に栄光あれ。


一章/神獣ヴァ・ルッタ
人形に飯を与える


その後のことは、あまり覚えていない。

...というか、思い出したくない。

人類様にはとんでもない姿をみせたもんだ。

ただ一つ言えることは、彼女は...パーヤはこんな醜い壊れた人形に黙って寄り添い...そして、暖かく抱きしめてくれた。

それが私にはどうしようもなく嬉しくて...同等に苦しいものだった。

私だけこんな幸福を知って、いいのだろうか。

...........。

やはり、あまり思い出したくないな。

 

夜が明けた世界は、これもまた美しいものだった。

太陽のやわらかな光につつまれ、木々が、家々が、そして...人々が、忙しなく働いている。

昨晩の涼しさを残しつつも、世界は新たな一日を刻み始めていた。そして。

「二号さん。ご飯でもどうですか?」

私の前に、「たまご焼き」が出現した。

──────

...明けの光に心をつき刺されながら、私はあの朝彼女に全てを話した。

自分がこの世界の住人ではないこと。前の地球のこと。滅びた人類のこと。2Bのこと、9Sのこと...そして、私が...私たちが、人間ではないこと。

彼女は私の素っ頓狂な身の上話を黙って聞き、そして...それでも尚、私に寄り添ってくれた。

ただ、私自身のこと...とりわけ古い過去の記憶については、まだ言えなかった。

別に特段言い難い話でもない。もう、終わった世界の話だ。

だが...だが、それでも、私の中で確かにそれは、私だけの「傷」だった。

誰にも見ることのできない、見せられない、大きな大きな傷。

まだ、触らせたくはなかった。

──────

「...だから私にメシは必要ないと言っているだろ。」

──────

パーヤは私の話を全て聞いて、私を抱きしめて...最後に、一つだけ訊ねた。

──貴女の...お名前は?

私は彼女の胸に顔をうずめながら、ぶっきらぼうに──いろいろしでかしたことに気がついて恥ずかしかったんだ、仕方ないだろ──

「A2...アタッカー、二号」

とだけ。

──それじゃあ...二号さんですね。私はパーヤです。

...さっき聞いた。

恥ずかしそうに笑うその笑顔は、私の記憶領域に消えない何かを残していった。

──────

考えごとは終わりだ。今はそれより...

「でも、食べられるんでしょう?ね、後悔はさせませんから。」

「...。」

差し出された「たまご焼き」を、まじまじと見つめる。

ふわふわのソレは丸みを帯びた四角い構造を成していて、薄黄色のボディからは温かな湯気が昇っている。その匂いは私の嗅覚センサーをたっぷりと刺激し、喉をゴクリと鳴らさせる。

「たまご焼きって言うんですよ。一口どうぞ。」

私は木製の棒を二本渡され、「たまご焼き」を食べるように促される。

「あ、そうか。二号さん箸は初めてでしたよね。」

「どっかで拾ったデータにあった。使い方は気まぐれで覚えている。」

「なんだ二号さん。食文化に興味あったんじゃないですか。」

「...うるさい。」

「塔」で手にしたことは秘密である。いろいろ釈然としないが、とりあえず私は目の前の「たまご焼き」と再び向き合う。

データにあったように箸をもち、切れ目に沿って分断する。一口で収まるほどの大きさになった「たまご焼き」を私は口元まで運ぶ。

「あっ...つ」

思わず声に出してしまい、私は頬を赤らめる。食材の経口摂取は久しぶりなんだ。これくらいいいだろ。

ふうふうと吐息を吹きかけ「たまご焼き」の温度を下げると、今度こそ私は「たまご焼き」を口腔内に誘導し、舌の上にのせた。

 

...うまい。

ふわふわのそいつは口の中で一瞬で溶け落ち、程よい甘さと塩味を味覚センサーに伝える。形容しがたい満足感が私に押し寄せ、咀嚼を催促してくる。

やわらかな味が口の奥へ滑べり落ち喉を通り抜けると、私の唇からほうっと吐息が漏れだした。

「...あまり見るな。」

パーヤがなんだか満足気に私の前に座って頬杖を着いている。

「お口に合ったってことでよろしいですね?」

...私は黙って2つ目のたまご焼きを口の中に入れた。

──────

「...ご馳走様。だっけか。...その、ありがとな。」

その後いくつかの品を用意してもらい、私は「食」の何たるを知った。最後の一つを完食すると箸を置き、データの通りに手を合わせて私はそう言った。

...なにやらパーヤが私をじっと見つめている。

「なにかついてるか?」

向けられる視線に耐えかね、私は無愛想に訊ねた。

「...わたし、二号さんになら食べられてもいいです。」

な、なんだ急に...。

慈しみとの好奇心の入り交じった目で彼女は私にそう言うと、さあ片付けと食器を持って消えていった。

...本当に人類の考えはよく分からん。




たまご焼きほぼ自分のペンネやんけって気づいた頃には書き終えてました対あり。
A2食事の時耳に髪をかきあげて欲しい願望を共有できる方は感想ください()
あ、髪結んでくれてもええんやで。
誤字脱字、解釈不足等ありましたらコメントにてお伝えくださると幸いです。
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