NieR : Breath of the Automata   作:たまごの文字書き

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閲覧数とかもみれるのですねすげぇ。
想像以上に色んな人に見ていただけて嬉しいっす。
物語進めます。人類に栄光あれ。


人形に世界を教える

「で、そのインパって奴はどこにいるんだ。」

外に出る頃にはもう蒸し暑いほど日が高くなっていた。

「あそこの館ですよ。もうすぐです。」

パーヤの話をきく限りかなりの老婆らしいのだが、会話になるのだろうか。

そもそも人類は100年ちょっと生きたらもう動けなくなってしまうようだ。

パーツの交換もできない、傷の自然治癒も遅い。病にもかかる...。

それでも懸命に生き、喜び、悲しみ、慰め合う。

...儚いな。

 

「こちらで少し待っていてください。」

そうこうしている内に、遠くに見えていた館の前まで来た。

パーヤは二人の門番に軽く挨拶をすると、階段を上がって部屋の中へと消えた。

言われた通りに門前で待つ。

...暇だ。

特にやることもないので、気まずい空気打開のために門番どもに話しかけてみる。

「...おい。インパってどんな奴だ。」

「なかなか高圧的な方でございますな。少なくとも貴方のように失礼な方ではありませぬ。」

「そりゃあ大層気難しい婆さんなことで。」

「いくら客人とはいえ、インパ様を侮辱するのは許しませぬぞ。」

門番らは腰の刀に手をやり、私をキッと睨む。どうやら逆鱗に触れてしまったらしい。

視線、立ち振る舞いからみるに場馴れはしているようだ。

煽ったのはこっちだし、軽く運動でもするか。

背中に手を回し、白の約定を握る。腰を深く落とし、二人の攻撃パターンを予測する。

「あいにくだが、あんたら人間様じゃ私には勝てないぞ。」

「それはどうですかな。」

 

ぴんと空気が張り詰める。

 

「二号さーん!こちらへどうぞー!」

パーヤの呑気な声で、静止していた世界ががらがらと崩れ去る。

「...だそうだ。」

「くれぐれも、あのお方に無礼を働かぬよう。」

「ああ。悪かったな。」

分かってもらえればよいのですと、私が通れるよう二人が道を開ける。

私は大剣を背にしまい、館への階段のぼった。

 

「...あんたがインパ...さんか。」

「インパでよい。してお主は...ほお。これはまた珍しい。お主、からくりの類であるな?」

「ああそうだ。パーヤから聞いてないのか?」

「ふむ。ぬしについては『別の世を生きた者』、とだけじゃの。」

戸を開くと、何枚も重ねた座布団の上にインパは正座していた。確かに歳はかなり食っているようだが...その言葉には重みがあり、それでいてすっと心に染みてくるような温かさがある。

「あとは本人から直接聞くべきだとな...。してお主、名をなんと申す?」

少し前のめりになってインパがきりだす。

「...A2だ。」

「えーとぅー...じゃの。それは型番名じゃな?」

「ああ。アンドロイドに名前はない。...互いに名をつけて呼んでいた奴らもいたがな。」

「ふむ...そうであったか。してA2よ。ぬしには伝えたいことが山ほどあるが...」

「...ああ。当たり前だがわからんことばかりだ。そもそも...私のいた世界に人類はいなかった。」

「ほお。人がいない世界と。災いの仕業かね?」

「まあ大体そんな感じだ。私たちアンドロイドには──」

 

私は私の世界のことを、こと細かくインパに語った。

別にざっくりとした説明でも良かったのだが...この老婆には、何故かしっかりと伝えるべきだと思った。

 

「──ってわけで、私は...多分一回、死んだんだと思う。」

「そのようなことが...辛い話をさせたな。」

「別に気にしてない。まあするとしたら...9Sのことは、心配だな。勿論パスカルも。あと森の王国にいる4Sと...アネモネと、デボルとポポルも...」

端で座っていたパーヤが何故かふくれっ面だが気にしない。

「...優しいのじゃな、A2は。」

「はぁ?妄言はよしてくれ婆さん。」

「ほっほっほ。そうじゃな。今はまだ...よしておくとするかの。」

「...まあいい。私のことは大体話したぞ。今度はあんたの番だ。」

「そうじゃの。では語るとしよう。このハイラルの歴史を、今を、そして100年前に何があったのかを──」

 

インパの話はゆったりと、しかし噛みしめるように進んで行った。歴史については...要するにガノンとかいう厄災が度々襲ってきたって感じだろう。そしてそのガノンに100年前、ハイラル王国は滅ぼされたって訳だ。

「──して、今も尚、姫君はハイラル城にてその身を賭してガノンと戦っておられる。」

「人間の身で100年も...か。それを助けるべく100年眠りこけてた記憶喪失勇者様が各地で動き回ってるって訳だな。」

「左様。今は各地で再び暴走を始めた四体の『神獣』をおさめに向かっておる。」

「...この世界も大変だな。」

「辛い思いも何度もした。じゃが...今、ようやくこの100年の戦いが終わろうとしておる。ハイラルの勇者リンクの目覚めによってな。」

「だいたい分かった。で、私は何をすればいい?」

「...我らの手助けをしてくれるのか?」

「まあな。別にやることもないし。」

パーヤが熱い視線を向けてくるが気にしない。

「お主は本当に優しい心を持っておる...。ならば、是非とも頼みたいことがある。」

「なんでも言ってくれ。」

「四体の神獣の話はしたな?」

「ああ。リンクとかいうのが解放しようとしてる奴だろ。」

「そうじゃ。その神獣じゃが...このハイラルの大地の東、ゾーラにある神獣ヴァ・ルッタは既にリンクの手によって解放されておる。じゃが...」

インパの眉間にきりりとシワがよる。

「じゃが、解放されたはずのルッタの様子がおかしいという情報が入った。お主にはこれの調査を願いたい。もしやミファー様の魂に──」

「ようするにそのルッタとかいうやつの所に向かえばいいのか。」

「そうじゃ。パーヤと共にな。」

「うぇ?!」

突然の呼び出しにパーヤは顔を真っ赤にする。

「分かった、ありがとな。──パーヤ、そういうことだ。行くぞ。」

「あ、え?ちょ、ちょっと待ってください~!」

すたすたと館を出るA2の後を、パーヤは慌てて追いかけた。

「ほっほっほ。若さはいいのう。」

その後ろ姿を、インパはまじまじと見つめる。

 

「異界より渡りし者...か。果たしてこれは良き兆しか。それとも──」




パーヤの心境時系列ではリンクに恋心抱く前にA2が来たって感じです。
パーヤは男性の前でアレなだけで普段とかは結構明るめなんじゃないかと勝手に妄想しております。100年前のインパの生き写しみたいなとこあるし()それにしてもちょっとテンション高すぎるかも...
誤字脱字、解釈不足等ありましたらコメントにてお伝えくださると幸いです。
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