NieR : Breath of the Automata   作:たまごの文字書き

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大変お待たせ致しました。ようやく手が空いたので何とか執筆を再開することができました。まだ生きておりますのでご安心を。
17000UA感謝です。引き続き、本作品をご愛読頂けると幸いです。それでは。
人類に栄光あれ。


人形と人間の成長

ハテノ村について数日のこと。

 

〈ふむ...どうやらキミと僕とでは力の流れが違うみたいだね。〉

「流れ...ですか?」

何度目かの失敗の後、リーバルはパーヤにこう告げた。

〈僕達リト族は風の力を自身の外から操るんだ。というか「借りる」と言った方が正しいね。風の精霊に祈りを捧げ、その見返りとしての力を貸してもらっている...そういう感覚さ。〉

「なるほど...」

〈でもキミたちシーカー族はそんな精霊信仰もないし何より大昔に捨てた古代技術があるくらいには科学に精通している。どんなに強力で偉大な力も全て自分たちの手で作り上げてきたんだ。それこそ神獣みたいな馬鹿でかいヤツをさ。〉

遠くにうっすらと見えるリト村の山頂へ、リーバルは目をやる。

〈だからだろうね。キミの力は内側から発せられている。僕達とは真逆の流れだ。それもかなり強めに...力のコントロールが効いていない。放出するにしても吸収するにしても、過不足が大きすぎる。キミのあの青い札の技がまだ未完成なのも、それが理由なんじゃない?上昇気流の特訓が上手くいかないのもそのせいってのもあるだろうね。〉

「な、なるほど...リーバル様にはその流れが見えているのですか?」

子どもみたいな私の質問。彼はぽかんとした表情を浮かべ、さも当然かのように返した。

〈当たり前だろう?流れが見えなければ力は使えないじゃないか。もしかしてハイリア人ってのはそんなのも見えないのかい?〉

「恥ずかしながら...全く...」

〈はぁ〜...全く難儀な種族だね。空も飛べなければ力の流れも見えない...そりゃあ姫サマも苦戦するわけだ。〉

呆れたようにけらけらと笑い、彼は少しばかり遠い目をする。

〈ほら、続きをやるよ。流れが見えないんじゃあ身体で覚えるしかないからね。〉

「あ、はい!」

──────

「『たいむあうと』をお願いします!」

「タイムアウト?そんなルールあったっけか。」

〈キミはほんとに何も聞いてないんだねA2...試合中に1回だけ休憩時間を取れるってプルアも言ってたじゃないか。〉

「あー...そうだったな。」

明らかに理解していない返事がリーバルに返ってくる。

 

「ふむ...何か作戦があるようだネ...ヨシ!許可しよう!時間は長めに三分あげようかナ。」

そう言ってプルアが指をぱちんと鳴らすと、ネットに大きくタイマーが表示される。

〈無駄にハイテクだね...絶対に必要ないでしょこの仕様...〉

呆れた目で高性能ネットを見るリーバルに気づくこともなく、パーヤは自身の内側に意識を集中していた。

 

オクタ狩りを続けていく中で、自身の力の動きに少しだけ気づいてきた。心ノ臓の辺りから、放射状に体外へ放出される力の流れ。それを器用に上方へ巻き付けるように流すことで「リーバルの猛り」は完成する。

だが、パーヤにはまだ、それをこなせるほどの十分な練度がなかった。力の放出量が多すぎて、姿勢の制御が安定しない。しかし、今回やろうとしているのはそれではない。

閉じた瞳をぱちりと開き、彼女は目の前の大海原と睨み合いをする。

自身の中に溜まっている力をぐいと前に引き出し、風を織り上げていく。初めはそよ風ほどだった気流も、だんだんとその力を増してつむじ風になる。

普段はここで出力に調整ができず失敗しているが、今回その必要はない。

力任せに作り上げられた突風が、パーヤの周り──ではなく、彼女の前方に形成されていく。

「はあぁぁあ!」

強烈なまでに練り上げられた巨大な竜巻は、彼女の声とともに、海の中へ投げ出された。

どん。

竜巻は大きな音を立てて水とぶつかり。大爆発を起こす。

吹き飛ばされた大量の水が飛沫となって海岸に降りかかる──のではなく、ぐるぐると円を書いて宙に巻き上げられていく。

海上に発生した上昇気流は一瞬のうちに巨大化し、山のように大きな積乱雲を形成した。

「な...なんなのよコレ...」

──すごい...風の力にこんな使い方があっただなんて...──

〈これが策、ねぇ...〉

「へぇ...なかなかやるじゃん。」

感心するのもつかの間、ウオトリー村のビーチを滝のような雨が襲った。

同時に、三分経過のブザーが鳴り響く。

 

試合、開始だ。

 

「うわわワ!パーヤ、アンタホントになにやって──」

どん。

凄まじい水飛沫を上げて、ミファーが強烈な一撃を相手コートの隅に叩き込んだ。

 

...見えなかった。

今までとは比べ物にならないスピードの弾丸サーブ。

大雨によって自身の狩場を手にしたミファーは、そのスピードも力も数倍に強化されている。

 

得点板(プルア製自動掲示板)に表示される「18-1」の文字。

 

──反撃開始、だね!──

「...はい!」

土砂降りの中、二人は勢いよくハイタッチをするのだっ──

「──ちょっと!チョット!ホントに何言ってんの!こんな中バレーなんてできるワケないでショ?!」

「おいおい、せっかく面白くなってきた所じゃあないか。水を差されちゃあ困る。」

〈僕は全く構わないよ。これでやっとミファーが動きやすくなった訳だしね。〉

慌てふためくプルアを、A2とリーバルが制止する。

「キミたちまで...!...んもぉぉ風邪引いたらアンタ達のせいだからネ!」

 

...仁義なきバレーボール大会、第2ラウンド開始である。




水で強化されるゾーラの特性はティアキン世界に寄せすぎたかも知れません...まあ厄黙でも水メインの演出ではあったからご愛嬌ということで。
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