NieR : Breath of the Automata 作:たまごの文字書き
1600UA感謝です。
最近割と寝不足です。
人類に栄光あれ。
「...クソ!」
戦いは劣勢を極めていた。怨念を纏い巨大化したミファーは、その巨躯に似合わない素早さで私の攻撃をすらりと躱し、青白い槍で的確に反撃してくる。距離を取ろうにも、私は遠距離から殴る手段を持ち合わせていない。必然的に敵の土俵で戦わなければならなかった。
───ふフっ。早ク私を倒さないト、さっキの女ノ人、全部取り込ンじゃうヨ...?───
「うるさい!」
攻撃を躱し背後をとる。槍を突き出した姿勢では避けようがないはず。だが───
───ワッ...と。危なカったぁ...───
これだ。ミファーはどろりとその身体を水に沈め、別の場所から再び現れる。
どうやら怨念の力で、水のある場所を自由に移動できるようだ。
そしてこの大部屋は足元が少量の水で浸されている。つまりミファーはこの部屋全てを任意のタイミングで自由に移動できるということになる。場所を変えようにも人質を取られているのは私だ。どうにもできない。
「チィ!」
何か、弱点はないのか。奴の動きを、動きさえ止められれば───
『俺たちゾーラ族は水と共に生きる種族。つまり雷にはとっても弱いんだゾ...』
不意に、記憶領域にシドの言葉が浮かんでくる。ゾーラは...雷に、弱い?
そうか。それならば───
───アれ、考えごトですカ?───
「しまっ───」
突然背後からミファーが現れ、強烈な一撃を背中に貰う。
身体中が悲鳴をあげ、エラーを吐き続ける。
背中は皮膚ごと切り裂かれ、内部の電子部品が露出する。
ぼやけた視界で何とか立ち上がろうとするが、両脇から大きな指が私を掴みあげた。
───あーあ。モう、動けナサそうですね...───
なけなしの力で大剣を振り上げるが、簡単に弾き飛ばされてしまう。
───リンクは...もっト強くテ...賢カッたですよ?───
「...馬鹿で、悪かったな...」
吐き捨てるように私は言う。
───まあ、いいヤ。私も...悪魔じゃナいので...───
ミファーはその美しい容貌の上に、私を高々と持ち上げる。
───大切ナ人に、合わせテあげまスね?───
潤いに満ちたその両唇がゆっくりと離れ、深紅の大穴が私の足下に広がる。
甘い香りの吐息が、呼び寄せるように私を包む。
「...私なんか食っても、腹壊すだけだぞ...」
頬を朱に染めながら、ミファーはにっこりと微笑む。
───...最後まで諦めガ悪いでスね。それじゃあ...───
彼女の大きな指が私を解放し、私は為す術なくその口の中に落ちていく。
───いただキます。───
柔らかな舌が優しく私を受け止め、口腔へと引き寄せる。
ぱくん。
紅色の世界に閉ざされる。
「うぁあ...」
生温かい口内で弄ばれ、私は全身にべっとりと唾液を塗りたくられる。
何とか手を動かそうにも、優しく舌が絡みついて私を無力化する。
「...こいつ...遊んでやがる...」
私を飴玉のように転がし、味を堪能しているようだ。
甘露のような香りのするのミファーの口の中で、私はその大きな舌に愛撫され続けた。
だんだんと奥の方へと寄せられ、喉の奥が顕になる。
潤滑剤をしっかりと全身に塗られた私に、摩擦は起こり得ない。
───貴方モ、あの女の人モ、全部私とひとつにしてあげマす...───
舌がぐいと私を持ち上げ、喉の奥へと落とす。
───さようなら。───
ごくり。
喉が動く音がして、私はミファーの体内に取り込まれた。
嚥下運動に押しやられ、私はどぼんと胃の中に落下する。
「...パー、ヤ」
目の前に見覚えのある女性が倒れている。
全身に鞭を打ちながら、私は怨念の肉体に沈みこもうとしている彼女を引きずり出した。
彼女の荷物を漁り、回復薬とエレキ薬を手に取る。
私は薬を口に含んでパーヤの唇に当て、無理やり薬液を流し込む。
効力が広まっていくのを確認して、私は自らの中心、ブラックボックスに集中する。
...よし。これで、準備は整った。
「おい、ミファー。」
ニヤリと笑って、私は体内からミファーに話しかける。
視界が赤くなる。全身が熱暴走を始める。
「腹壊しても、自己責任だからな。」
Bモード、発動。
全身が120パーセントでフル稼働する。当然ボロボロの義体は一部ショートし、背中の傷から高圧の電流が流れ出す。
───ああアああアあああアア!!!───
甲高い悲鳴が反響し、真っ赤な世界が私とパーヤをぐいと押し上げる。
喉を逆流し、私たちは外へ吐き出された。
私は渾身の力でパーヤを抱き寄せ、受身をとる。
ミファーはずしんと音を立てて倒れ込み、びりびりと身体を痙攣させていた。
私は懐から残心の小刀を手に取る。
「なあミファー。お前の愛情は、確かに間違ってない。」
ぐっと足に力を入れ、跳躍。
「心を、感情を持つ者なら、誰だってそうなる。」
ミファーの目が見開かれる。
「でも、少しやりすぎたな。」
私はその胸に、白銀の刃を突き刺した。
悲痛な叫び声を上げながら、ミファーの身体は崩壊していく。
刺した傷口から怨念が霧散し、消えていく。
..また、壊れた心の後始末だったな。
手の中の小刀が、指の間から落ちる。
いつも、そうだ。私はいつも...壊れた人形を、壊してきた。
ウイルスに乗っ取られたかつての仲間が、目を赤くして叫ぶ9Sの姿が、記憶領域に浮かびあがる。
ああ。そうか。だから私のデータは、E型なんだ。
自嘲するように笑うと、私は力なくばたりと膝から倒れ込む。
そして、静寂。
戦いの終わりはただ、静寂であった。
おっきい女の子って夢ありますよね。
ミファーちゃんとっても優しいからA2を呑み込んだ後いたわるようにお腹をさすってそう。
どろっどろの愛ってやっぱいいですね。
誤字脱字、解釈不足等ありましたらコメントにてお伝えいただけると幸いです。