新幹線の中、花札屋の作った最新の携帯ゲーム機を弄る相棒の魔法少女を見ながら僕、キリーナ・ジーナスは考える。
本当にあれが今回の作戦の主戦力なのか、本当にあんな腐った性格の女が日本中で崇め、称えられている不死鳥の魔法少女なのか。随伴している不死鳥の魔法少女に対しての第一印象はクソ女、であった。
第一声からしてもうドブ色の性根が滲み出ていた。
「おいゴミども、熱海に着いたら起こせ」
いや、分かる。僕も大人の事情と表現される様な様々に対して思いを馳せるだけの経験を短い人生ながらに積んできたつもりだ、そんな事を思えども人間的なアレルギー反応は抑えようも無い。ジーナスは怒りのあまり自律神経がおかしくなり震える右手を握ったり開いたりしながら耐える。
いや、それにしてもだろ、いくらなんでもだろ。頭の中の正論に対して返す言葉も分からぬまま楽しそうに隣でチョコをまとった棒状の焼き菓子をポリポリと食べている相棒に微笑んだ。
「ペッキー好きなんですか?百合華さん?」
「好きだ、旅行の時は余計に美味しく感じる」
そんなやり取りに何とか精神の安定を取り戻そうとしていたら前の席に座る例のドブ女がまるで五月蝿いとでもいう様に自身の座席を肘で強打する。
「ウルセエぞゴミども、アタシの眠りを邪魔すんな」
口に出しやがった。
「不死鳥、申し訳ない。私の騎士には良く言い聞かせておく」
そう言って、ジーナスの方を見ながら申し訳なさそうに微笑む相棒にジーナスは何とも言えない感情が沸き上がるのを感じた。何故貴女がそんなに気を使う必要があるって言うんです、こんなヤツに、こんな、こんな
「百合華さん、気を付けます」
身体に馴染んだ事なかれ主義で相棒に謝れど思わずには居られない。
最初からゴミ呼ばわりと言うのはどうなのだ?いや、別に僕も綺麗で清潔な温室ハッピーワールドに生まれたと言うつもりは無い、だが、ゴミ?ゴミぃ?貴女、そもそも待ち合わせに30分も遅れとといて何を笑えるジョークを吐いてるんで?このクソ人格ドブ色女。
おい。
一つ前の席、こちらを軽く振り向きながら流れる様に反戦マークが二つ眼の位置に描かれたアイマスクを着ける先輩かつ今回の引率の魔法少女をじっとりとした目で見ながらジーナスは腕を組んで眠る事を決めた。なんとも、自分はまだ魔法少女達とは違う世界に居るのだ、自分だったら例えそこそこの戦力差があってもここまで人格の腐った相手と何日も過ごす事が決まったら相棒の様に楽しそうにあーだこーだは言わずただただ不愉快で堪らないだろう。
「熱海に着いたら起こせよ?新人のゴミ共、いいな?」
そう言う先輩魔法少女にジーナスはただただ分かりましたとだけ答え微笑むのだった。
飲み過ぎた、禁酒します。
区切りの良いところまで書けたらセルフで加筆修正します。