『ちさたき』を特等席で見るために   作:セーフハウスの窓

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 オリ主が目覚めるだけの話なので駆け足進行


1話:起床

 私は気がつくと子供たちと銃を握っていた。

 何があったの?私?

 死んだのは覚えている、これといって言うことはない、ただの事故死だった。

 それが気がついたら子供になっていただなんて理解の範疇外である。

 というかなんで銃握ってるん?

 周りの子どもたちもバンバン遠くの的を射撃しているけどなんなん?少年兵養成所かなんかか?

 でもそれにしては明かりはしっかりと灯っているしかなり設備が整っており清潔感あふれる空間である、いや硝煙の匂いは充満しているが。

 

『苧環!射撃が止まってるぞ!』

「は、はい!」

 

 聞き覚えの無い名前にとっさに返事を返す。

 いや、聞き覚えがないのは嘘だ、知識としての形で記憶が残っている。

 私の名前は……私に与えられた名前は苧環(おだまき)ゆかりだ。

 自分の知識を掘り返していくに連れて今の状況を理解する。

 なるほどね、ここはリコリコの世界で私はリコリスとして育成されているわけだ。

 そして何より大事なのは私には多大な天からの才能がそれも戦闘に有意義なそれが与えられているということ。

 吉さんもといアラン機関にはまだ目をつけられていないようだけれど、正直いくらリコリスとして育てられたとはいえこの世界普通に死にかねないのでとても安堵した。

 しかし同時に心配している事もある。

 ここは北海道支部なのだ。

 千束にもたきなにも会えないじゃないですかー!やだー!

 百合の間に挟まるのは言語道断だが、それはそれとしてせっかくリコリコの世界でリコリスになったのにちさたきを生で見れないなんてそんな…どうしてそんな生殺しを…

 こうなったら本部への栄転を狙うしかない、幸いにしてまだ電波塔事件は起きておらず、おそらく千束もまだ本部所属のはず……とにかく成果を上げて本部を目指すぞ!

 

『苧環ィ!』

「すみません!」

 


 

 私が目覚めてから一月ほどが経過した。

 ひとまず改めて思い出したこと、そして自分の体について纏めようと思う。

 今私の年齢は6歳……6歳に銃握らせるって正気か?

 まああの千束も7歳時点で心臓交換後に電波塔事件解決してるって事はそれより前から訓練はしてるって事だしね。

 そして6歳にして既に任務につく前、最初からセカンドリコリスとなっており紺色の制服を貰っている。

 今のところ同い年の赤服に関する噂は聞こえてこない、いくら支部が違うとはいえ6、7歳で赤服になったリコリスが居れば噂の1つ2つは聞こえてくると思うし、発破をかけるために司令からも話されたりするだろう、ということは未だに千束はいないと言うことだ。

 だとしたらあと何年待たなきゃいけないんだ…

 というか千束が17の時にちさたきが成し遂げられるのに、確かミカ先生曰くリコリスの実働は成人ならない程度、成人を超えたらどうなるんだ?

 支援者としてDAに関わり続けることは可能なのだろうか?

 なんでこんなに早くセカンドキャリアについて考えなきゃいけないんだ、本当に神様は残酷すぎる。

 まあそれはこれから考えていけばいい、問題は私の体……というか私に与えられた才能と体質だ。

 まず与えられた才能は身体操作。

 おそらくこの世界において私以上に自分の体を思いのままに操ることができる人類は存在しないだろう、なにせ思考と操作がダイレクトに繋がっているのだ。

 人間の反射神経の限界は0.1秒と言われているが、私の限界はそのさらに十分の一である0.01秒に迫る、ただし意図してその限界に迫ることはできなくてそこまで行けるのは本当に調子がいい時とか、あるいは最高に集中してる時で普段は0.1〜0.05秒辺りが限度だ。

 そしてこの身体操作の才能に付随した厄介な体質、それが常時体に何もリミッターがかかっていないのだ。

 そのため普段から意識して力を抑えなくては常人の倍以上の怪力で物や自分の肉体を破壊してしまう、この制御がとにかく大変なのだ。

 文字を書こうとペンを握れば握りつぶして手がベトベトになってしまうし、飲み物を飲もうとコップを握りつぶして手のひらがズタズタになったこともある。

 あぁ、あとスキップをしようとして天井に頭をぶつけた事もあったっけ……

 とにかく制御が大変なこのじゃじゃ馬ボディで日常生活を送るこの大変さを例えるなら、公道で制限速度を守りながらフルスペックのF1マシンを動かすようなものだ。

 その代わりやろうと思えば垂直な壁だって走れるし、多分水の上も15メートルまでなら走れる、あらゆる陸上競技の世界記録だって塗り替えられるだろう。

 あともしかすると私は内臓の操作もできるかもしれない、深く意識すれば筋肉のそのさらに内側にある内蔵の感覚までつかむことができる。

 うまくやれば強制的に心臓を動かすことで元々リミッター無しの上、更に血を巡らせて酸素を筋肉に送り込んでブーストすら可能かもしれない。

 そんなことをすれば私の体がどうなるかなんて分からないけど……持ってくれよオラの体……!みたいな事にはならないといいなぁ。

 まあそんな事しなくてもよっぽどやばい人……それこそ千束とかが相手じゃなきゃまあ負けない程度にはこの体は強い。

 なにせ北海道支部において私より強いのは北海道支部のファーストで一番強い人のみで、その人にも今のところ経験値の差とうっかり殺しちゃわないようにだいぶ出力控えめで戦っているが故に負け越しているというだけなのだ。

 やろうと思えば10メートルやそこらなんて一足だし、コンクリの壁なんかは拳で破砕できてしまう程度にはパワーが有るのだ、そんな事をすれば私の拳も砕け散ってしまうのでやりたくはないのだけれど。

 それともうひとつ、詳細はよくわからないのだが胸の奥に言いようの無い飢餓感というか、渇きを感じている。

 食事をしても水を飲んでも寝ても解消されない、医務室の先生にも聞いてみたし、疲れ果てるまで運動をしてみたけど解消されず正体はわからない。

 ただその衝動は日々少しずつ溜まっていっているのはわかる、しかし解決策はないのだ、なんせ正体不明だからね。

 わからんもんに対応する方法を考えても仕方がないのでとりあえず身体を慣らすために訓練や任務を頑張っていこう、そしてゆくゆくは本部へ栄転を……!




 続きは未定です。

 苧環(おだまき)
 花言葉:愚か
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