前に書いた話だとストーム1がエアレイダーだったけど、この話だと違います。
話が繋がってないけど許して。
EDFがプライマーに劣勢である歴史改変された世界。その世界でまだEDFが機能している時期のことだ。
とある基地のビークル庫でこそこそと隠れて出撃準備をする人影があった。
転生者ことコマンダーだ。
ヘルメットとアーマーを完全装備し、ビーグル庫にあったフリージャーを勝手に整備しいつでも出撃できるように準備をしていた。
今現在、とある基地付近にマザーシップが砲撃をしながら近づいて来ている。コマンダーと陸男は基地防衛のために応援に来ていた。
優勢世界でも歴史改変された劣勢世界でも必ずコマンダーと陸男がいる基地付近で砲撃を垂れ流してくるマザーシップ。二人はそれを二人だけで無断撃破をしている。
毎回異なる基地にいるにも関わらずマザーシップを撃破しているため、運命に組み込まれているような気がしてコマンダーは不快感を感じていた。だが止めるのもそれはそれで負けた気がしてずるずるとループした際は毎回撃破を続けていた。
移動と引き撃ちで使うフリージャーに必要装備をくくり着けているコマンダー。そんな彼に近づく人影があった。
コマンダーは陸男が来たのかと振り向くと、全く知らない隊員がいた。
そのレンジャーはずいぶんと色彩が特徴的なアーマーを着ていた。
アーマー色が特徴的な隊員はネームド隊が多い。コマンダーは有名なネームド隊を思い浮かべた。
グリムリーパーことストーム3やスプリガンことストーム4。個人だが軍曹もそうだ。それ以外だとブルージャケットとかもある。あとは……名前は知らないけどショットガン隊とかロケラン隊とか。
コマンダーは陸男と二人で戦っていることが多いため他の隊の情報に疎かった。
謎の隊員をよく見ると、アーマーに迷彩が入っていなかった。
迷彩が入っていないアーマーを着ている隊員はプライマー襲撃直後に入隊した元民間人の新人が大半だ。陸男もその部類である。
コマンダーはプライマー襲撃以前からEDF所属であったので、謎の隊員は後輩にあたる。
気が乗らないが、年功序列を引き合いに出してビーグル庫から出ていって貰おうと、コマンダーは謎の隊員に話かけた。無断出撃がバレたら色々面倒なのだ。
『よぉ、よそ者。オレ達のビークル庫になんか用か?ん?』
自分も他の基地から来た応援の部隊のくせに他者を部外者呼びである。
慣れない威圧的な態度で謎の隊員に話しかける。
「初めて来た基地だったので何があるか把握しておこうと思いまして」
謎の隊員には効果は無く、普通の対応をされる。
自分はチンピラみたいな態度をし、それを大人な対応であしらわれる。演技とはいえ人間的に負けた気がして心にくる物があった。
『ここはビークル庫だ。フリージャーやグレイプ系の車両が置いてある。新人が来る場所じゃない』
「貴方は何をしているのですか?」
『オレはフリージャーを整備しているんだ』
謎の隊員もヘルメットをかぶりバイザーで顔が隠れているため表情を正確に知ることは難しいが、怪しまれていることをコマンダーは悟った。
フル装備のレンジャーが整備。なおかつ無関係使な物をフリージャーに乗せる図なんて怪しむに決まってる。
ヘルメットの下で冷や汗をかくコマンダーに天の助けがきた。
「必要な物は持ってきたぞ……どうしてここにあんたみたいな人がいるんだ?」
陸男だ。フル装備で荷物が乗った荷台を押しながらビークル庫に入ってきた。
陸男は謎の隊員に話しかける。
「そういえば、あんたのことを基地のお偉いさんが探していたぞ。行った方がいい」
そういいながらビークル庫の出口を指差す。
わかった、と謎の隊員はしぶしぶといった体でビークル庫の出口へ向かって行った。
『助かった……ありがとう陸男』
「戻ってくる前に出撃しよう。幸い俺達は顔も名前も晒してしないからどうにかなるだろう」
陸男は荷物からスナイパーライフル2丁とアサルトライフル2丁を出した。
「すまない。どうしてもリバーサー系の場所がわからなかった」
この世界はゲームではないため途中回復がリバーサーでしか基本はできない。
でもコマンダーには特殊な投擲弾がバックパックにあった。
『大丈夫だ。エリアルリバーサーがある』
ゲームでバックパックにカテゴリーされていたアイテムだ。
マザーシップの護衛をフリージャーで引き撃ちで処理する作戦だが、フリージャーにくっつけることができるので使えないことはないだろう。
マザーシップへ向かうため、陸男とコマンダーは基地を無断で飛び出した。
***
ゲームでいう外周引き撃ち作戦地域へ到着したコマンダーと陸男。視線の先にはマザーシップがある。砲撃で直下の建物は消し炭にされていた。
マザーシップが街を破壊していく姿は陸男にとっては前世ぶり、コマンダーにとっては前回のループぶりである。
二人は戦闘直前の最終準備をしていた。
陸男はフリージャーに追加の燃料を入れ、コマンダーは高いところに登り、道路がフリージャーで走れる状態かどうかを確認していた。
『道は問題なし。今回も引き撃ちできる』
「フリージャーの燃料も入れなおした。かなりの距離を走れるぞ」
『よし!フリージャーの位置情報も無線もきった。手順通りにマザーシップを』
「ちょっと待って!」
コマンダーと陸男に絶対聞こえることのない第三者の声が届いた。
声のする方向を見ると、あの色彩豊かな謎の隊員が輸送車両を背に立っていた。
『ゲェー!なんでここにいるんだよ!』
コマンダーは基地での演技を忘れて素になって叫んでいた。陸男も驚いた表情を見せていたがすぐにひそめて謎の隊員に口を開く。
「ストーキングとは随分ないい趣味をしているんだな。英雄殿」
『英雄?もしかして……えぇっ!?』
コマンダーは間抜け丸出しな声をあげた。
今のEDFで英雄なんて呼ばれる隊員なんてストーム1しかいないというのがコマンダーの考えだ。
まさか謎のレンジャーがストーム1だとは思わず、腰を抜かして騒ぎそうになったが、陸男とストーム1の間に流れる空気がそれを許してくれる雰囲気ではなかったので耐えた。
コマンダーは空気が読める男だった。
「本当に二人だけでマザーシップに挑むなんて無茶苦茶だ!命は大事にしろ!」
ストーム1に一喝され、コマンダーと陸男は顔を見合わせた。
二人は自分たちが死ぬなんて1ミリも考えていなかったのだ。慢心している訳ではない。どんなことが起こってもいいように対策は万全だ。
ただ認識が他隊員とは異なっていた。普通は二人だけでマザーシップに挑むなんて自殺行為の犬死必須である。
だが……
陸男はインベーダー時空で、開戦からずっとワンマンアーミーで戦い、最終的には一人でインベーダーを撃退している。
コマンダーはそんな陸男をコントローラーでコマンドを入力して操作していた。
マザーシップを他の隊員が少人数で落とすなんてことはできないと分かっているが、それを自分達に向けられるとは思ってもいなかったのだ。
そんな二人の様子に戸惑うストーム1。
今までマザーシップを撃破しに行く隊員はそれこそ命を捨てる覚悟がある者しかいなかったのだ。なのに目の前の二人からはその覚悟は全くと言っていいほど感じられない。
コマンダーと陸男は戸惑うストーム1を見て慌てた。
このまま基地の仲間を呼ばれたら自分たちの素性がばれてしまう。それ以上に少人数で誰も死なせないこの作戦の意味がなくなってしまう。
二人は雑にストーム1に同調し始めた。予想外の行動を取られるよりは、ある程度予想のつく行動を取ってもらった方がいい。対策しやすいからだ。
『俺たちは基地の仲間を守るためにマザーシップをと刺し違えるつもりだ』
「ソウダ、ソウダ」
『俺たちの墓場はここで、マザーシップはオレたちの獲物だ。ストーム1にもやるつもりはない』
「ソウダ、ソウダ」
心にもないそれっぽい単語を並べるコマンダー。口調からは覚悟も何も感じることはできない。陸男も基地でのストーム1への虚言はどこへやら、急に片言になった。
ストーム1はそんな二人を見て呆然とした後、呆れ笑いをする。
「EDFは仲間を見捨てない。ともに同行させてください」
『ダメだ。帰れ』
「ここを離れたら援軍を要請しますがそれでも帰らせますか?」
『え!?』
コマンダーは焦った。援軍なんてよばれたら何もかも台無しだ。
ぐぬぬ、と押し黙るコマンダーの肩に陸男が手を置く。あきらめろと言ったところか。
コマンダーは大きなため息を吐きストーム1の同行を許可した。
*
『ミッションコンプリートだ』
「やったな、コマンダー。マザーシップを撃破だ」
マザーシップを無傷で撃破した三人。
コマンダーはルーティンの一つが完了したかのようにマザーシップの撃破を軽く受け入れた。
陸男もインベーダー時空での経験や、コマンダーの様子から大したことではないと考えたのか、大して喜ぶことは無かった。
一方、ストーム1は…
「本当に三人だけでマザーシップを撃破できた…」
引いていた。
『あんたほどの戦士ならマザーシップなんて一人で落とせるだろ』
「さすがにキツイです」
『嘘だ^』
コマンダーはストーム1としゃべりながら、近くの自販機に行き飲み物を買っていた。
ストーム1にペットボトル飲料を渡しながら話の本題に入る。
『オレたちは先に基地に帰っているから、後はよろしく頼むよ』
「えっと、急にどうしたのですか」
コマンダーはマザーシップの残骸を指さして言う。
『俺たちは二人で戦ってきた。基地の指令や上官は、オレたちがどんな戦果を挙げても意を汲んで見て見ぬふりをしてくれている。だけど、ほかのお偉いさんにばれたらそうもいかない。
オレと陸…コイツは基地にいて、マザーシップはあんたが一人で撃墜した。そういうことにしてくれ』
「すまないが、そうしてくれないか。俺たちは集団行動が苦手なんだ」
コマンダーの説得に陸男も加わった。
ストーム1は居心地が悪そうに二人から視線を逸らした。
「えっと、無理そうです」
『大丈夫だって。英雄呼びされているんだ。いけるいける。戦果をプレゼントしちゃう』
「それは許可できません」
聞き覚えのある女性の声が耳に届く。
全体無線は切れているはずなのに通信が届くということは単独通信の類だろう。単独通信は陸男とストーム1と連携するために必須であったので切ってはいなかった。
そんな単独通信から今世はもちろん前世でもよく聞いた声がこちらに呼びかける。
コマンダーの顔色がみるみると青くなっていった。声の主に覚えがあった。
『戦略情報部の少佐……』
「コマンダーも俺も無線とか位置情報は切ったはずだが』
陸男も疑問を浮かべる中、少佐が機械のように答える。
「貴方たちと共に戦った彼の位置情報と個人通信の履歴から貴方たちを割り出しました」
そういい、所属基地とコマンダーと陸男の本名を暴露した。
コマンダーは自分と陸男の無線と位置情報は切っていたが、ストーム1のものは切っていないことを思い出した。
コマンダーは転生してから一番の後悔をした。
このままでは自分と陸男の情報が上層部に行き、好き勝手に遊撃できる環境がなくなってしまう。
でもコマンダーは危機的状況で一つの案をだした。ストーム1がいたから勝てましたと全てを押し付ければいいと。
今の段階では名前や所属がばれているだけだ。スコアの隠蔽や譲渡のことはバレていないので戦闘能力は一般隊員と同じようにみられるだろう。
コマンダーの心に余裕ができたのだが、
「たった三人ですべての敵を殲滅か……スコアの過少報告や譲渡の話は事実なようだな」
聞き覚えのある男性の声が耳に届く。作戦司令本部だった。
何故、スコアの過少報告や譲渡の話が本部の口から出てくるのかとコマンダーは戸惑いを見せた。
その戸惑いが伝わったのか本部が事を伝える。
「君たちの所属情報が判明した段階で、直属の上司や所属基地の指令に情報を提供してもらった。
彼らは君たちの功績を見て、精鋭入りをつよく希望していた」
コマンダーは昇格やら移動を強く拒否していた。基地の指令や上官は今の機会に精鋭入りをさせようと本部に願い出たようだ。
『オレたちは現状維持を希望します』
コマンダーがそう通信で伝える。だが今回の撃墜を含め、今までの戦果には目を見張るものがあると、少佐が撃破者不明の敵やスコア譲渡の敵、過少報告分の戦果数を述べた。
それを聞いたストーム1はドン引きしていた。
「仲間や本部のサポートをなしに二人だけでこの撃破数を稼いだんですか?化け物?」
『ストーム1には言われたくないんですけど!!』
感情的に言われたストーム1はかなり驚いた様子を見せた。
コマンダーは少しショックを受けた。陸男はとてもわかると言いたげな顔をしてコマンダーの肩に手を置いた。
陸男に関しては仲間から似たようなことをインベーダー時空で言われていた経験者なので、ダメージはないようだ。
「本来は貴方たちの上官にあたるものが責任を取るべき案件ですが、今回は特殊ケースなためこちらで貴方たちの処遇を決定します」
「今回も含めた今までの無断出撃、過剰報告への罰則や処分もある。今まで通りにとは思わないことだな」
そういい、通信を切った。
「俺たちは調子に乗りすぎたみたいだな。こうなるんじゃないかって思っていた」
『うぅ、吐きそう』
「あの、これ飲みます?」
『ありがとう、ストーム1。ってこれオレのあげた飲み物……』
一人の体調不良者を出しながらも三人は基地に帰還した。
そして、ストーム1からの強い要望で、コマンダーと陸男はストーム1を同じ所属になるのであった。
~二人の男の話~
「マザーシップを撃墜している人物に接触できた。相当な手練れでしたよ。それこそ二人だけで無事に帰還できそうなほどには」
「そうなのか、てっきり相打ちしているものなのかと思っていたが」
「それと、気になることがあって」
「何かあったのか」
「二人のうち一人、コマンダーと呼ばれていた人なんですが、彼がストーム1呼びをしたんです」
「なんだって」
「今の段階ではストーム1のコールサインをもらっていないんですよね」
「もしかして彼も…でも事故を起こしたときに一度もそれらしき人物はいなかったはず。どうなっているんだ」
戦闘場面はカット。
ただただ引き撃ちしている描写は必要なのかと思いまして。それ以前に書けん。
……将来的にゲーマー転生者をシリーズ化したいが、設定とかちゃんと決めないといかんのでしょ?
ストーム1の兵科が変わりすぎる。ストーム1を女の子にしたい欲もあるからウイングダイバーも気になる。でもこの掃きだめだとレンジャーになったりエアレイダーになったり。
戦闘もフリージャー引き撃ち以外の戦略を考えないと花がない。
色々考えないとな。
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ストーム1の描写を変えてごまかしました!(12/30)