転生者達の地球防衛   作:蓬莱鈍足

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巷がEDF6の二周年でお祝いの中、デジボク2にはまっていたころに書いていた文章を上げるマン。
デジボクのオペ子はいいぞ。
EDF6、2周年おめでとう!(遅刻)

陸男の独白で解釈違いが発生したことは内緒だぜ!


SP技

EDFが存在するこの世界にもアニメやゲームは存在する。

この世界にも超能力を使った必殺技で敵を一網打尽にするバトル物は人気であった。その人気はグッズや広告などで広まりを確認することができる。

 

コマンダーと呼ばれている転生者は戦場に街に残されたそれらの広告を思い出しふと思ったことを口に出した。

 

『陸男には必殺技はないの?』

「急にどうしたんだコマンダー」

 

転生者からのあんまりな問いに分かりやすく戸惑いを見せる陸男。

それに対し転生者は真剣だった。彼の頭にはEDFのとある外伝作品が浮かんでいた。

「デジボク地球防衛軍」である。

 

デジボク地球防衛軍は本家地球防衛軍シリーズと違い、操作するキャラクターを最大4人選び、彼らの武器や能力を補正するアクセサリーを選定しミッションへ臨む。操作キャラクターであるブラザーたちには個性が存在し、ブラザー固有のアビリティとスペシャルが設定されている。

そう、スペシャル。これがアニメやゲームでいう必殺技のポジションに値する。

前世、インベーダーと呼ばれる侵略者と戦ったEDF隊員であり伝説の男その人である超人陸男なら必殺技を使えるのでは?という転生者の考えである。転生者は陸男に夢を見ていた。見すぎていた。

 

「コマンダー、あんたはゲームやアニメの見すぎだ」

 

陸男なら必殺技が出せそう、そう言う転生者の話に陸男は呆れた。

転生者は実は陸男のこともゲームキャラとして操作してたんですけどね、という言葉を飲み込みハハハと否定も肯定もせず笑う。

 

『いやー、前に操……仲間だったの陸戦兵が使えてさ。凄い強いんだこれが』

「陸戦兵?その隊員はインベーダーと戦ったか?」

『うん』

 

陸男が分かりやすく顔をしかめた。そして決心したように言う。

 

「決めた。俺も必殺技を作る」

『作る!?』

「俺と同じインベーダー時空の陸戦兵ができるんだ。俺にもできるはずだ」

『その隊員はインベーダーとは戦ったけどちょっと違う……』

 

その隊員、いや地球そのものがカクカクしていたぞ。という転生者の言葉は、必殺技を使える見知らぬ隊員に対抗心を燃やしている陸男の姿に届くことはなく小さく萎縮して消えた。

 

数日後。

 

「必殺技ができた」

『できたの!?』

 

陸男の必殺技!と驚きと興奮で浮かれている様子を隠せていないコマンダーと自信たっぷりな顔つきな陸男は訓練所に向かった。

 

訓練所で陸男はライサンダーを手に取る。陸男がよく戦場に担いでいる武器だ。

陸男はライサンダーを射撃用の的に向かって構え、深呼吸をして息を整える。

転生者は陸男のその姿に違和感を覚えた。

いつもの戦闘時の陸男と様子が異なるのだ。

まるで機械のように無機物的で、的をライサンダー越しに見る陸男の姿に一切の感情はない。殺気や敵意はもちろん当ててやるという気概さえも。これは当てる対象が人工物だからという理由にはならないだろう。

あまりの異様さに同じ訓練所で射撃訓練をしていた隊員が訓練の手を止めて陸男を見る。

 

そんな周りの様子も気にせず、陸男は引き金を引き発砲する。ライサンダーの重い銃撃音と共に対象の的のど真ん中に穴が開く。そのまま機械的に次弾を装填し再度的に穴をあける。弾が切れたらリロードをして再度発砲。

その連射とリロード速度は通常ライサンダーではありえない速度だった。

転生者はこの現状に似たものを知っていた。

 

『礼賛の刻だ』

 

デジボク地球防衛軍で陸戦兵2のスペシャルだ。

地球に礼賛を捧げて武器の性能を引き上げるという訳の分からない理屈で連射力とリロード速度を倍増させる自己強化系バフだ。火力は高いが連射速度とリロード性能で劣るライサンダー系との相性が良く、発動すれば単独で大物を次々と仕留める殺戮兵器の出来上がる。

元ネタの隊員は地球に礼賛を捧げて武器の性能を引き上げるとの事だが、今の陸男は礼賛なんて感情は全くみられなかった。

30秒ほどたったころか、陸男はライサンダーを撃つ手を止めた。ライサンダーの銃身付近の空気が揺らめいている。相当熱を持っているのだろう。

陸男が転生者の元に戻る。転生者は陸男に問う。

 

『ライサンダーが別の銃みたいな性能になってる。どうやったの?』

「自己暗示だな。俺はこの銃をこの秒間でリロードできて連射できるってな」

 

身もふたもない理由に周りで聞き耳を立てていた隊員は呆れたのか興味をなくしたのか射撃練習に戻る。

銃声響く訓練場の待機スペースに転生者と陸男は移動し話を続ける。

 

「俺が戦っていて一番力が出せていたのはコマンダーと共にインベーダーと戦っている時だった。あのときはどんな複雑な銃でも一寸のずれもなく最短時間でリロードができた」

 

陸男は転生者が陸男を操作していた時…インベーダーと戦っていた前世の事を言っていた。転生者の認識ではゲームだから時間きっかりでリロードが終わっていた。

だがこのプライマー時空ことEDF5・6の世界へ転生し実際銃を撃ってリロードをするとその時々で時間は変わることを転生者は思い知った。リロードをしているのは生身の人間でプログラムではないからずれが生まれる。

実際伝説の男としてインベーダーと戦った陸男はゲームとしての恩恵を受けていたのだろう。生身の人間だと必ず生まれるリロード時間のずれをが生まれない恩恵を。

 

「今は前と違って体は別々だが、コマンダーと共に戦えばインベーダーと戦っている時と同じように武器の最高の性能を引き出して戦えている。でもそれは武器の最高の性能で限界を出しているわけじゃない」

 

先ほど通常ならあり得ない速度で連射した自然冷却中のライサンダーを見ながら陸男は語る。転生者からはその顔の表情は見れない。

 

「だから俺は自己暗示をすることで武器の性能を限界まで引き上げる。この武器はこのリロード時間でこの連射速度をもった性能だってな。

自己暗示は得意だ。コマンダーと別々の作戦に参加するときはいつも自己暗示をしている。インベーダーと戦っている時みたいにコマンダーと俺は1つだって」

 

そう自己暗示しながら戦うと機械のように戦うんだなって他隊員に言われるがな、と陸男は冗談めかすように言う。だが冗談でもなんでもないのだろう。

その言葉の通り人間らしい感情の色が消え、淡々と引き金を引く姿…訓練場で見た機械のような異様な様子を見せていたのだろうと転生者は考えた。

陸男のやり方にほの暗い、不健康的なものを感じたが、自分も陸男がいない戦闘では“俺は陸男だ。誰がなんと言おうと陸男なんだ”というような自分を英雄だと思い込んでいる一般人のようなメンタリティーで戦闘に臨んでいたのもあり、転生者は陸男の自己暗示に関して何も言うことはなかった。

そもそも、自分の戯言…必殺技発言から始まり、転生者の期待に応えようとした陸男の頑張りに反するようなことを転生者が口を出せる訳がなかった。

 

『やっぱ陸男はすごいなぁ』

 

転生者は自己暗示に触れずに感嘆する。そんな転生者の様子に陸男は満足そうに笑みを浮かべた。

なお、この必殺技は……

 

「銃の冷却時間も必要だから使い時や使用時間も考えないといけないな」

『そうだね。銃本体の限界と陸男の負担を考えると30秒ぐらいでこの必殺技はやめたほうがいい』

 

デジボクとは違い使い勝手は悪い。

 

 

+++

 

 

ゲームとしてという言葉はつくが、コマンダーこと転生者は様々な世界線で侵略者から地球を救っている。地球を救うために様々な兵士と戦ってきた。

陸男は様々な世界線で転生者が戦っていたことを知っている。それがゲームであったことは知らないが知ったとしても転生者への思いや友情は何の変化はしない。

それほど陸男にとって転生者は大きな存在なのだ。

 

転生者を想う陸男には無意識ながらとある感情が巣くっていた。

 

劣等感

 

フォーリナー時空の特殊遊撃隊の隊長で部下がたくさんいるストーム1、この世界とは別であるプライマー時空の世界を救うために絶望の中を何度もループした人類の代表者。

そんな二人とは違いただの一般隊員である陸男は無意識ではあるが劣等感を覚えていた。

 

それでもコマンダーと共にインベーダーと戦った陸戦兵の中では一番の男だろうと思っていたのだ。

だがどうだ。実際は必殺技を使うインベーダー時空の陸戦兵がいる。

対抗心と焦りに後押しされた陸男は必死になって自分が使える必殺技を考えた。

そして……

 

“陸男はスペシャル技を取得した!”




「コマンダーも必殺技を考えてみたらどうだ?」
『そうだな……“リバースシューターXX”はどうだ?発動即回復する即効性の高い回復技!』
「普通に武器を撃っているだけなんじゃないかそれ」
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