ダンジョンにモニカがいるのは間違っているだろうか   作:刺身の盛り合わせ

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どうも、刺身の盛り合わせです。

皆様、アンケートにお答えいただきありがとうございました!
思っていたよりもアンケートが集まったこともあり、たくさんの人が読んでくれているのだなぁと改めて実感しました!
『加える』が多数の票を獲得したということで、一度アンケートを終了します。
そして『圧』をモニカのスキルに加えることにします!
詳しい内容についてはあとがきにて。

感想と評価、お気に入りを登録してくださった方々、本当にありがとうございます!

それでは、どうぞ。



第11話 『覚醒前夜』

酒場から飛び出し街の中を突っ切って、一振りのナイフだけの装備でダンジョンに飛び込んだ。

ただひたすらにモンスターを追い求め、手の中にあるたった一つの武器をモンスター達にひたすらに振るい続けた。

弱くてみじめな自分の力を認め、絶えることなく湧き出てくる悔しさを糧に迷宮内を走り続けた。

高みにいるあの人との距離を少しでも埋めたいと、どれだけ険しく困難なのかさえも分かっていない高みへ辿り着こうと、ただ必死に。

馬鹿みたいに熱を灯す胸の奥の意思に全身を委ねながら、モンスターを狩りダンジョンを駆け抜けていった。

その結果、いまだ到達したことのない6階層への到達。

ボロボロになりながらのウォーシャドウの討伐。

ドロップアイテム、『ウォーシャドウの指刃』を左手に装備し、迫りくる新たなモンスター達に二振りの武器を携え突撃していく。

モンスターとの連戦を繰り返し続けたベルは、ボロボロの身体を引きずりながらも6階層を回り続けていた。

モンスターとの激しい戦闘の末、傷の無い個所を探すのが難しいほど全身を損傷しており、血を多く流しすぎたことでかなり思考がおぼろげとなり、周囲への警戒や注意力が散漫としていた。

 

『―――!!』

 

「ッ!?」

 

…背後からのウォーシャドウの襲撃に直前になって気づくほどである。

 

『ウォーシャドウに気付かないなんて、気を抜いていたのか!?…違う、血を流しすぎて思考が鈍くなってる!横に回転してかわす…時間が足りない!最初に戦った時みたいにカウンターが決まるとは思わない…反転して切り抜ける。これしかない!』

 

すぐさま反転し鉤爪状に折り曲げられた三枚の黒刃(ゆび)を振り下ろそうとするウォーシャドウに向かい合い、ナイフを構え走り始めようとするベル。

しかし、目の前のウォーシャドウに集中しすぎた結果、足元に跳んできたニードルラビットへの対処が遅れ、左足を刺され膝をついてしまう。

突然の左足への攻撃に体勢を崩したことで切り抜けることが不可能となったベルは、ウォーシャドウの指刃で足に刺さっているニードルラビットの魔石を一瞬で砕いたものの、横に回転して逃げることも出来なかったため、眼前に振り下ろされたウォーシャドウの黒刃(ゆび)に対して武器で受け止めるしかなかった。

 

「ぐっ!?…っがぁぁぁあ!!」

 

何とか攻撃を受け止められたものの、体力がほぼ無くボロボロの身体のベルに対し、無傷のウォーシャドウ。

ベルに振り下ろした黒刃(ゆび)に少しずつ力を入れてきており、少しずつだがベルの顔に近づいていた。

 

『ぐっ…、ダメだ。左足を攻撃されたのもあって、踏ん張りがきかない!このままだと押し切られる…!』

 

眼前の光景によって時間の流れがどうしようもないほどに緩慢になっていく。

頭の中に今まで目にしてきた情景が走馬灯としてすべて再生されていく。

その中でも、ひときわ鮮明な光を放つ憧憬(あの人)との出会い、そして今も恩恵(ちから)を与えてくれている大切な女神様(ヘスティア)の笑顔と、最近仲間になった少女(モニカ)の顔が浮かんだ。

 

『…そうだ、僕はあの人との距離を埋めなきゃいけない!それに、帰りを待っている人も一緒に進む仲間もいるんだ!こんなところで止まってなんかいられない!!』

 

時間の流れが元に戻るのと同時に力を入れるベル。

 

「止まるわけには、いかないんだ―――ッ!!」

 

先ほどまでウォーシャドウに押されていたものの、勢いを取り戻し左手を押し返そうとするベル。

しかし、ウォーシャドウも負けじと左手の黒刃(ゆび)に力を入れつつ、右手の黒刃(ゆび)も振り下ろしてくる。

何とか左手ウォーシャドウの指刃で右手の黒刃(ゆび)も受け止めれたものの、攻撃の腕が二本になるということは相手の力も二倍になったということ。

さっきは武器二本で腕一本を抑えて何とか拮抗していたのに対し、武器一本で腕一本ずつの現状は先ほどよりもかなり厳しいものとなっていた。

気合で何とか受け止めているものの、ベルの体力と気力は共に限界が近づいていた。

 

「僕は、こんなところで、負けるわけには…、いけないんだーーっ!!」

 

気合を振り絞り、何とかウォーシャドウを押し返そうとする。

それでもウォーシャドウの両手の黒刃(ゆび)がベルの顔に次第と近づいてきていた。

 

「よくぞ耐えた、ベル・クラネル」

 

『――――!!』

 

突如声が聞こえたと思ったら、声にならない断末魔を上げながら、ウォーシャドウが灰となった。

目の前のモンスターが消えたことで、先ほどまで入れていた力が行き場所を失い、前に倒れ這うような体勢になるベル。

 

「モニカさん…。どうして…ここに…」

 

ベルが顔を上げた先にいたのはモニカであった。

モニカはベルに近づきながら話し始めた。

 

「貴公が豊穣の女主人から出ていくのが見えたのでな、事情を簡単に聞いて追いかけてきた次第だ。…それよりも、貴公が無事でよかった。一度ホームに戻るぞ」

 

「でも、僕は…」

 

「そんな傷だらけの身体では、先ほどの戦闘の様に集中力が持たずモンスター相手に隙を作ることになる。それに、貴公が死ねば神ヘスティアは悲しむぞ?」

 

「…ホームに、帰ります」

 

「うむ、賢明な判断だな。立てるか?」

 

「は、い……」

 

何とか立ち上がってモニカと共にホームへ戻ろうとするベル。

しかし、直前まで極限状態でモンスターとの激戦を繰り広げたことと、血を多く流しすぎたこともあり、限界が訪れたのであろうか。

糸が切れたかのように地面に倒れ、そのまま気を失ってしまった。

 

「……これは、私が運んでやらなければならないか…どう運んだものか」

 

結局、モニカはファイヤーマンズキャリーでベルを運びつつ、モンスターへの警戒も同時に行いながら、ダンジョンの出口に向かって進んでいった。

 




ここまで読んでいただきありがとうございました!

モニカの新たに加えるスキルについてですが、名前と効果については簡単にですが思いついてます。
しかし、スキル内容の文章がなかなか思いつかないので、現在模索中です。
ちなみにスキル内容としてはミノタウロスの咆哮の下位互換みたいなイメージ。

あと最後に書いたファイヤーマンズキャリーですが、調べてもらうと分かりますが、要するに肩に人を担ぐ持ち方です。
モニカ(138C)とベル(165C)の間には身長差(大体27C程度)があるから…仕方ないね。

あと、今週末はまた予定があるので、あと一本だせるかな?って感じです。
次回をお楽しみに。

モニカは……

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