ダンジョンにモニカがいるのは間違っているだろうか 作:刺身の盛り合わせ
という訳で、戦闘回です!
今回から数話はソード・オラトリアの内容に絡んでいきます。
感想と評価、お気に入りを登録してくださった方々、本当にありがとうございます!
うれしくてニヤニヤが止まらない毎日です!
それでは、どうぞ。
11/5 題名の変更を行いました
「一体全体、シル殿はどこを回っているのだ?…この綿あめというもの、なかなか美味しいな!」
ベルと分かれ、祭りを楽しみつつシルを探すモニカ。
そんな彼女の右手には綿あめ、左手にはりんご飴のような何かを持っていた。
道に沿って並んでいる出店に寄っては買い食いしながら西のメインストリートを一通り探し終わったモニカは、ベルとの集合場所でもある闘技場前に向かうことにした。
闘技場前に到着すると、ギルド職員が何やら慌ただしく動いているのを発見し、モニカは職員の一人に近づき声をかけた。
「すまない、何かあったのか?」
「キミ、もしかして迷子の子供!?さっき親御さんが探してたよ!?」
「私は迷子の子供ではない!冒険者だ!」
「え゛っ!?…ま、間違えてしまい誠に申し訳ございません!?」
「いや、そこまで謝らなくて大丈夫だ。こちらが申し訳なくなる…。ではなく!一体何があったのだ?」
「実は、闘技場の地下からモンスターが逃げ出してしまい…現在周囲の冒険者の皆様に協力を呼び掛けておりまして…」
「了解した。そのモンスター達がどこへ行ったか教えてもらえないか?」
「はい、あちらの方向にモンスターが何匹か向かったそうです」
「了解した、直ちに向かう!」
「ありがとうございます!」
以前のようなことが起きた場合のために、と持ってきていたサーベルの柄に手を置き、いつでも抜刀できる体勢をとりつつ、ギルド職員に教えてもらった方角に進んでゆくモニカ。
やがて入り組んだ街の中に入っていくと、住民を襲おうとしているゴブリンを見つけることが出来た。
「貴公、頭を下げるのだ!」
襲われそうになっている住民に声をかけながらモンスターに突っ込むモニカ。
サーベルを抜きながら左から右に横一線に切り払いを行ったことで、ゴブリンの胴は真っ二つになり、ゴブリンはモニカを視界に入れたその瞬間に灰へとその姿を変えた。
「貴公無事か?今この地域にいると、モンスターに襲われる可能性がある。幸い、ここに来るまでモンスターは見なかったので、後ろの道を通って大通りに逃げるといい」
「あ、ありがとうございます!」
住人が逃げるのを確認したモニカ。
奥へと足を踏み出そうとすると、よろめくほどではないものの、ぐらりと振動を感じとった。
地震というにはあまりにもお粗末なものであったのだが、ラキア王国で軍人になるため積み重ねてきた経験とダンジョンで培われた感覚が、振動に対して警鐘を鳴らしている。
この警鐘が勘違いであることを祈りつつ、街の奥へ進んでいくモニカであった。
◆◆◆◆◆
モニカが振動を感じ取ったのと同時刻。
主神であるロキの『アイズがモンスターを討ち漏らした場合、そのモンスターを倒してほしい』という頼みを聞き、家屋の屋根伝いに移動していたティオナ・ティオネ・レフィーヤも振動を感じ取っていた。
そして、自然に身構えていた彼女たちのもとに、何かが爆発したような轟音が届いた。
引き寄せられるように轟音のもとに視線を飛ばすと、通りの一角から膨大な土煙が立ち込めていた。
「き―――きゃああああああああああああああああああああっ!?」
次いで女性の金切り声が響き渡った。
揺らめきを作りながら煙の奥から現れたのは、石畳を押しのけながら地中から出現した、蛇に酷似する長大なモンスターであった。
ぞっっ、と首筋に嫌な寒気を感じ取ったティオナとティオネは同時に、一足遅れてレフィーヤが駆け出し、屋根の上を跳びながら一直線に突き進み、悲鳴を上げて市民が一斉に逃げ惑う際中、三人は通りの真ん中へ勢いよく着地を決め、臨戦態勢に入った。
「こんなモンスター、ガネーシャのところはどこから引っ張ってきたのよ…」
「新種かな、これ……?」
煙が完全に晴れ渡ったことで、モンスターの全体像が見えた。
簡単に説明をするのならば、『顔のない蛇』と形容するのが最も相応しい見た目となっていた。
「ティオナ、あいつを叩くわよ。レフィーヤは様子を見て詠唱を始めてちょうだい」
「「分かった/は、はいっ」」
目つきを鋭くするティオネの指示に、ティオナ達だけでなくモンスターも反応した。
地面から生える体を蠢動させ、全身を鞭のようにしてティオナとティオネに力任せの体当たりを仕掛けるものの、二人は見事に回避する。
体当たりした先で嫌な音を立てて細い体をくねらせるモンスターに対して、二人はすかさず死角から拳と蹴りを叩きこむものの、凄まじい硬度を誇る滑らかな体皮に渾身の一撃が阻まれるどころか、逆に二人の手足にダメージを与えてきた。
二人の攻撃に悶え苦しむ素振りを見せたモンスターは、氾濫した川の激流のような勢いで体を蛇行させることで怒りを表し、より苛烈に攻め立ててきた。
二人は一撃でもくらえば一溜りもない敵の攻撃をことごとく避けながら、モンスターに見打を見舞う。
「打撃じゃ埒が明かない!」
「あ~、武器用意しておけばよかったー!?」
互いに決め手を見いだせないまま、状況が停滞する中。
レフィーヤは自身が歯牙にもかけられていないことやティオナ達が時間を稼いだことで、余裕をもって詠唱を行い狙い撃つことが出来るため、レフィーヤは山吹色のを展開しつつ速やかに魔法を構築した。
「【狙撃せよ、妖精の射手。穿て、必中の矢】!」
そして最後の韻を終え、解放を前に魔力が収束した直後、モンスターがそれまでの姿勢を覆しレフィーヤの方向に振り向いた。
「―――ぇ」
その異常な反応速度に、レフィーヤの心臓は悪寒と共に打ち震える。
ティオナ達がすでに退避を始めているのを視界に入れた瞬間にレフィーヤは気づく、―――このモンスターは自身の『魔力』に反応した、と。
レフィーヤがそのように直感した、次の瞬間。
「紫電、一閃ッ!」
叫ぶ声と弾かれるような音が通りに響く。
レフィーヤが振り向くと、そこには地面から黄緑の突起物が生えており、自身に攻撃する直前であったことが見て取れた。
そして、以前豊穣の女主人に訪れた際、ベートに凄まじい威圧を放った少女が自身の側に立っていた。
「無事であったか、貴公」
その少女こそが、モニカである。
ここまで読んでいただきありがとうございました!
はい、という訳でモニカの介入でレフィーヤが吹き飛ばされませんでした!
ですが、内容が一部変わりましたが、全体的な流れはあまり変わりません。
レフィーヤの決意のシーンはソード・オラトリア一巻の山場のシーンですからね。
その代わり、誰とは言いませんがレフィーヤの代わりにズタボロになる人がいます。
イッタイダレナンダロウナー()
次回は明日には投稿できないかもしれないです。
なので、気ままに待っていてください。
それでは、次回。
モニカは……
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仲間
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相棒
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