ダンジョンにモニカがいるのは間違っているだろうか   作:刺身の盛り合わせ

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どうも、BOX周回もしてる刺身の盛り合わせです。

という訳で最新話です。
今回はサポーターと一緒に初ダンジョン!
一体どうなるのか、お楽しみください。

感想と評価、お気に入りを登録してくださった方々、本当にありがとうございます!

それでは、どうぞ。


第23話 『お試し』

リリルカ・アーデから、サポーターとして迷宮探索に同行したいという交渉を受けたベルとモニカは、彼女の持ちかけてきた話を吟味するため、場所を中央広場からバベル二階の簡易食堂、そこにあるテーブルを挟んで言葉を交わしていた。

 

「…という訳で、リリは【ファミリア】に帰りたくないのですが、今の宿に泊まり込むのも手持ちのお金が心もとなくなってきました。ですから、ぜひっぜひっぜひっ!リリはお二人とダンジョンに潜りたいのです!それと、リリの主神のソーマ様は他の神様達のことに未来永劫無関心なので、そちらの神様がソーマ様を目の敵にしていない限り、【ファミリア】間で争いが勃発することはまずないと思います」

 

「え、ええっと、リリルカさんの事情は分かったけど…最後に一つ、確認させてもらっていいかな?…僕達、本当に会ったことない?」

 

「リリはお二人とは初対面の筈なんですが…見間違えだったりしません?」

 

「リリルカ殿もこう言っている、貴公の間違いではないのか、ベル?」

 

「…もしよければ、そのフードを取ってくれないかな?」

 

「こ、これで良いですか?」

 

ベルからの要求に目に見えて動揺したリリルカ・アーデ。

頼りなく体を左右に揺らした後にフードを脱ぐと、そこにあったのは可愛らしい獣の耳で会った。

 

「…じゅ、獣人?」

 

「は、はい、リリは犬人(シアンスロープ)です」

 

数秒ほど呆然としたベルであったが、少女の耳をもっと近くで確認するため勢いよく立ち上がるとテーブルに身を乗り出し顔を近づけた。

顔を近づけた瞬間、横にいたモニカに頭を思いっきり叩かれることとなった。

 

「あいたぁ!?」

 

「何をしているのだ貴公は!?女子の耳をジロジロと見るなど…!」

 

「リ、リリルカさん、ごめんなさい!」

 

「い、いえ、リリは大丈夫です!…それより、お二人共、どうでしょうか?リリを雇ってもらえませんか?」

 

「…それじゃあひとまず、今日一日だけ、サポーターをお願いします」

 

「私としてもお願いしたい、リリルカ殿」

 

「ありがとうございます!それと、リリのことはリリとお呼びください」

 

「そうだ、貴公への契約金などはどのぐらい払えばいいのだ?」

 

「そうですね…今日はお試しという形なので、探索での収入を分ける形で良いですよ?リリは三割も恵んでもらえると飛び上がってしまうほど嬉しいです」

 

「ええっ、それだけですか?いいですよ、もっとちゃんと…」

 

それからしばらく、三人で顔を近づけ合い話し込んだ。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

ベルとモニカ、リリが訪れたのは7階層。

本来であればパーティの連携がより求められる階層なのだが、ベルはモニカにリリの護衛を任せ、モンスターの群れに一人で立ち回っていた。

上空から降下してきたパープル・モスを往なして羽を断ち短刀を打ち込み倒す。

側にいたキラーアントの一匹をヘスティア・ナイフで串刺しにし、振り下ろされた鉤爪をエイナからもらった緑玉色(エメラルド)のプロテクターで弾き、甲殻の間を縫って短刀で一閃。

キラーアントにしっかり止めを刺し、残存しているモンスターの群れへ休むことなく駆け出していった。

 

「ベル様お強い~!」

 

「あまり深追いはするな、ベル!」

 

ベルがモンスターを蹴散らす光景を脇に、リリはベルが屠った死骸を一か所にまとめ、モニカはそんなリリの護衛と周辺の警戒を行っていた。

 

「ベ、ベル様-っ、新しいのが産まれました!」

 

「ベル、上だ!」

 

「せぇー、のッッ!!」

 

ベルより高い壁から生まれたキラー・アントに対して、助走からの飛び蹴りを叩き込み、首をへし折って見事に退治した。

 

「あ~ぁ…どうするんですか、ベル様?コレ、壁に埋まっちゃってますよ?」

 

「あ、あはははは…ゴメンネ?」

 

「全く…、ベルが取るしかないであろうな。あんな高いところ、ベルならともかく私やリリでは届かないからな」

 

敵の涌出(ポップ)が一段落し、壁に埋まったまま息絶えたキラー・アントを解体する機会が来た。

キラー・アントの細い胴体を切ることができるのは、背丈が十分にあるベルだけであった。

ベルが腰に差しているヘスティア・ナイフを奪うため、自分の解体用ナイフを渡そうと―――

 

「ベル。解体にはヘスティア・ナイフを使って早く終わらせるのだ。解体の途中でキラー・アントがまた涌出(ポップ)したら危険だからな」

 

―――そう思っていたら、側にいたモニカに邪魔をされてしまった。

 

「それとベル。解体が終わり次第、一度地上へ戻るぞ。あと戻りながらでいいから、この解毒回復薬を飲んでおくのだぞ」

 

「え?まだ時間ありますよね?モニカさん今日戦ってないですし…。それと解毒って何ですか?」

 

「…貴公は先ほどパープル・モスを盛大に切り裂いていただろう?あのモンスターは毒鱗粉を持っているため、遠距離攻撃もしくは槍などで倒すのが基本だぞ?」

 

「えっ!?モ、モニカさん、何で黙ってたんですか!?」

 

「以前エイナ殿の勉強会で出た内容だったからな、覚えているものと思い黙っていたのだ。…今日のことはエイナ殿に報告するからな、みっちりとしごかれるといい」

 

「うぅ…、分かりました…」

 

もしもベル一人であったならば、あのナイフを取るのは簡単だったであろう。

しかし、モニカの目があるということもあり、ナイフを取る絶好の機会を逃してしまったリリは、どうやってベルのナイフを取ろうかと計画を立てていた。

 

「とりあえず、今日の冒険は、このまま帰ってベルに念のための治療を受けさせて終了しようと思うのだが…取り分は私達が5割、リリが4割、ベルの治療費と明日使う道具代で1割というので大丈夫か?」

 

「はい、大丈夫です」

 

「…………え?」

 

どうせ彼らも他の大嫌いな冒険者と同じで、自分に報酬を渡すことはないだろう。

そんなことを考えていたリリであったが、突然報酬の話が聞こえてきた。

 

「あ、あの、リリの取り分間違っていませんか?4割なんて…」

 

「いや、間違っていないが。…そうか、ベルの意見も聞かずに言ってしまった。ベルはどうだ?」

 

「僕もそれでいいと思います。それより、明日使う道具って…」

 

「そうじゃなくて!サポーターにこんなに報酬を出すなんておかしいです!前代未聞ですよ!?」

 

そのように言うと、ベルとモニカは驚いたような表情をしていた。

 

「いや、でもリリがおかげで戦いやすかったし…」

 

「ベルの言う通りだ。受け取ってくれ」

 

「で、ですがっ…!」

 

「…とりあえず、いったん外に出ませんか?ここだとモンスターがいつ出てくるか分かりませんし…」

 

「「そうだな/…はい」」

 

それから三人でダンジョンから出て換金を済ませた後、ごねるリリに報酬を渡してリリと別れ、ベルは今日の話を聞いたエイナの補習を受けることになったため、モニカは一人ホームへと帰って行った。

 




ここまで読んでいただきありがとうございました!

という訳でヘスティア・ナイフは盗まれませんでした。
まぁモニカがいますし、当たり前っちゃ当たり前ですよね。
なのでリューに脅されるリリはこの世界にはいません。

質問なんですが、モニカのステイタスって単品でまとめた方がいいですかね?
本編で更新されると内容も更新されるシステムにする予定です。
アンケート作っておくので、ぜひ投票をお願いします。

それでは、次回。

モニカは……

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