ダンジョンにモニカがいるのは間違っているだろうか   作:刺身の盛り合わせ

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刺身の盛り合わせです。
何とか今日中に書けました第三話!(実際は四話)

今回はあとがきの方に現在の時間軸がどうなっているのかをものすごく簡単に書いているので、もしも暇があったら見てみてください。

評価とお気に入り登録をしてくださった方々、本当にありがとうございます!
励みになります!

それでは、始まります。

10/22 サブタイトルの変更を行いました


第3話 『はじまり』

ヘスティアと、『仕事の終わる時間に屋台の場所へ改めて訪れてほしい』という約束を交わしたモニカ。

約束の時間が近づいてきたので、ヘスティアの働いていた屋台に向けて進んでいると、何故か屋台の方面に人混みが出来ていた。

進むことが出来なかったため、周りにいる人達に何があったのか聞いてみることにしたのであった。

 

「すまない、ここで一体何があったんだ?」

 

「あぁ、なんでも話によるとな、ここにあった屋台が爆発したらしい」

 

「…爆発、だと?」

 

「うん、爆発」

 

「…爆発!?あの、この屋台で働いているヘスティアという神がどこにいるか分かるか!?」

 

「ヘスティアちゃん?それならその爆発した屋台の側にいるよ」

 

「情報感謝する!…すまない、どいてもらえないか!」

 

側にいた男性から何があったのか教えてもらったモニカ。

自分をファミリアに誘ってくれた神が爆発に巻き込まれたともなれば、軍人として日々鍛錬を積んでいたモニカでも動揺を隠すことが出来ず、人混みを押しのけ前に進んでいった。

 

「ヘスティア様!?無事か!?」

 

「ん?あぁモニカ君!ボクなら無事だ、安心するんだ!」

 

人混みから抜けて前に出ると、そこには丸コゲになったヘスティアとボロボロになったと思われる屋台の残骸があった。

 

「ヘスティア様よ、一体何が…」

 

「えーっと…実は調理用の発火装置で屋台が爆発しちゃってね…」

 

「…とりあえず、ヘスティア様が無事でよかった」

 

「それじゃあおばちゃん、ボクは新しい団員の儀式を行わないとだから、帰るね!」

 

「それはいいけど、今日とこれからのバイト代は全部屋台の修繕費に回すからね、ヘスティアちゃん!」

 

「…何も言わないでくれ、モニカ君」

 

もしかして、入るファミリアを間違えたのではないのか?

モニカはそんなことを考えながら、ヘスティアと共にヘスティア・ファミリアのホームへと向かっていった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

ヘスティアについて回ること数分。

メインストリートから外れて、細い裏道を通りながら何度も角を曲がり、街の人の喧噪が聞こえなくなったあたりで、袋小路にたどり着いた。

二人の目の前にはところどころ石材が剥がれ落ちた外観をした、崩れかけている教会があった。

 

「まさか、この廃墟がホームなのですか!?」

 

流石に自分がこれから所属するファミリアのホームがほとんど廃墟だと思っていなかったモニカ。

 

「いやいやいや、流石にそれは違うからね!?この教会の地下に部屋があってね。そこがホームなんだよ」

 

「そ、そうだったのですね…」

 

「あからさまにほっとしてるね…。とにかく!道を覚えてもらわないといけないからね、ちゃんとついてきてくれよ?」

 

正面玄関から教会内に入ると、床のタイルは割れて雑草が大量に生えていたり、天井には大きな穴が開いているなど、外見に負けず劣らずの荒廃具合であった。

奥にある祭壇に向けて進んでいくと、書物の収まっていない本棚が多くある小部屋の入口があり、一番奥の本棚の裏にある地下階段を降りると、生活臭溢れる地下室へ出た。

 

「ここがボク達【ヘスティア・ファミリア】のホームだよ!さっ、そこのソファーに座ってくれよ!」

 

「ありがとうございます、ヘスティア様」

 

「さて、さっそく神の恩恵(ファルナ)を刻もうかと思ったんだけど…そろそろだね」

 

「?そろそろとは一体…」

 

ヘスティアに促され、部屋に入ってすぐの場所に置いてある紫色のソファーに座ったモニカ。

ヘスティアの発言の意図を聞き返そうとした瞬間、階段を降りてくる誰かの足音が聞こえた。

足音の主は声を張り上げつつ、地下室の扉を開け放った

 

「神様ー!帰りまし…た…?」

 

「やぁやぁお帰りー」

 

モニカの目の前に現れたのは、白髪で深紅の瞳をしたヒューマン。

どうやら自身の主神以外の人間がいるという事態に遭遇した結果、思考が停止したようである。

 

「……ッは!?か、神様ッ!?もしかしてその人は!?」

 

「あぁ!ボク達のファミリアの新しい入団者、モニカ君だ!」

 

「本日よりヘスティア・ファミリアに入団することになった、モニカ・ヴァイスヴィントだ。これからよろしく頼む。」

 

「僕、ベル・クラネルって言いますッ!これからよろしくお願いします、ヴァイスヴィントさん!」

 

「そちらでは名前が長くて呼びにくいだろう?モニカと呼んでくれ」

 

「分かったよ、モニカ!」

 

「それと、大事なことなので二人に言っておきたいことがある」

 

「「?」」

 

「私の年齢は十七歳で、子供という年齢ではない。そこのところを間違えないように!」

 

「「……えええええええええええええッ!!??」」

 

「………私は子供ではなぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!」

 

モニカのことを10歳の子供だと考えていたベルとヘスティア。

二人の発した驚きの声で、自分がどのように思われていたのか気づいたモニカはとても激しく怒った。

ここで出した怒り声によって、元々崩れかけていた教会の一部が追加で崩れることとなった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

「そ、それじゃあ気を取り直して、入団の儀式を始めようか、モニカ君!」

 

「そ、そうですね!さっそく始めましょう、モニカさん!」

 

モニカが怒ってから約数分後。

ベルとヘスティアの二人はなるべくモニカを怒らせないようにするために、神の恩恵を刻むための準備をしていた。

 

「というわけでベル君?君はいったん外に出ておいてくれ」

 

「え?なんで外に出ないといけないんですか、神様?」

 

「ベル君?君が恩恵を刻んだときはどういう状況だったか覚えてるかい?」

 

「……ぼ、ぼぼぼぼ僕!外で待ってるので終わったら呼んでくださいーー!!!?」

 

ヘスティアから言われたことによりこれからモニカがどのような格好をするのか思い出したベル。

顔を真っ赤にして地下室から出て大急ぎで階段を駆け上がっていった。

 

「…なんだったのだ、一体?」

 

「あー…、気にしないで大丈夫だよ?それより、今から儀式を行うから、服を脱いでこちらに背を向けて座ってくれ」

 

「な!?ふ、服を脱ぐのか!?」

 

「うん、恩恵を刻む場所が背中だから、服を脱ぐ必要があるんだよね?」

 

「な、なんだ…そう言うことは前もって言ってほしい、ヘスティア様」

 

「…モニカくぅん、今君は一体なぁにを想像したんだぁい?」

 

「い、今のは忘れろー!?」

 

一通りいじられたところで、ヘスティアに背を見せる形でソファーに座るモニカ。

二度目というのもあり、慣れた手つきで神の恩恵(ファルナ)を刻み始めるヘスティア。

恩恵を刻む間少し時間が出来るので、ヘスティアはモニカが冒険者になる理由は何なのか聞くことにした。

 

「ところでモニカ君。君はどうして冒険者になりたいと思ったんだい?」

 

「…使命の為だ」

 

「使命、かい?」

 

「ああ、私にはある使命がある。それはこのオラリオでなければ達成することが出来ないのだ」

 

『嘘をついているわけではない…となると、本当に使命の為だけにこのオラリオに冒険者になりに来たのか、彼女は…』

 

神は下界にいる子供達がつく嘘を見抜くことが出来る。

先程のモニカの発言が嘘ではないと知ることが出来たヘスティアは、彼女に質問を投げかけた。

 

「…なあ、モニカ君。君のその使命は、ベル君を傷つけるものかい?それに、キミはその使命が終わったらどうするつもりなんだい?」

 

ヘスティアにとって大事なこと。

それは、彼女の眷属であるベルに危害が及ぶのかどうか。

そして、その使命が終わりを迎えた時、モニカが一体どうするのかについてである。

もしも、モニカの言う使命とやらがベルや今後いるかもしれない眷属達に危害を加えるものであったら…そんなこと、想像もしたくない。

ヘスティアはモニカの答えを待ち続けた。

 

「…きっと、ベルに危害は及ばないはずです。それに、使命が達成されたら、私は故郷に帰るつもりです」

 

「……そっか」

 

先程のモニカの返答に、嘘は一つもなかった。

彼女には彼女の人生があり、使命が終わり自分の故郷に帰ることは仕方のないこと。

自分の我儘で彼女の人生を狂わせてはいけない。

いつか、彼女がこのファミリアを、このオラリオから離れることになったら、その時は笑顔で見送ってあげよう。

ヘスティアが考えていると、いつの間にか神の恩恵(ファルナ)の刻印は終わっていた。

 

「…刻印終わったよ、モニカ君」

 

「ありがとうございます、ヘスティア様」

 

「改めてようこそ、【ヘスティア・ファミリア】へ!」

 

これから、彼女はどのような道のりを歩んでゆくのか。

彼女がこのオラリオを去っていくその日までは、自分が主神として、彼女の物語を書き綴っていくのだ。

ふとヘスティアの脳内にとある光景が浮かんだ。

それは、彼女がオラリオから去らず、ベルと共に冒険へ向かうのを見送る自分という光景。

そんな光景がこれから先もずっと続いてほしい。

ヘスティアはモニカの背に刻まれた物語を見つめながら、そんなことを考えていた。

 




ここまで読んでいただきありがとうございました!
モニカのステータスは始まりというのもあって数値がオール0なので、今回は書かないことにしました。申し訳ありません。
また、話の都合上、ベルの神様への贈物の日数が少し前倒しになりました。

とりあえず今回で原作が始まる前のお話は終了です。
次回からは原作ストーリーにモニカがスルリと入り込んでいきます。
違和感を消せるように頑張っていきます!

次回もゆっくり待っていてください。


おまけ:現在の時系列
原作開始一か月前:モニカ、神アレスから使命を受けラキア王国を出発
              ↓
原作開始二週間前:ベル、ヘスティアと出会いファミリア入団
              ↓
原作開始一週間と二日前:ベル、ヘスティアに髪飾りを贈る
              ↓
原作開始一週間前:モニカオラリオに到着、そしてヘスティア・ファミリアに入団 ←今ここ
              ↓
             原作開始

モニカは……

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