ダンジョンにモニカがいるのは間違っているだろうか   作:刺身の盛り合わせ

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ポケモン最終回、タイプ・ワイルド流れたところで涙が止まりませんでした。
どうも、刺身の盛り合わせです。

今回はダンジョン突入後、第17階層でのお話です。
本当は道中ヘルメスとヘスティアの会話などいくつかイベントがありましたが、今回はカットします。
17階層で現れる敵と言えばゴライアス、そんな大物相手にツムギが大活躍する回になっています。
どんな内容になっているか、お楽しみください。

それとアンケート終了しました。
結果は「今の章(第四章)が終わってからで・・・」が多かったので、設定集は第四章が終わったら投稿することにします。
また、今回後書きにオマケがありますので、ぜひ読んでください。

感想と評価、お気に入りを登録してくださった方々、そしてこの作品を読んでくださっている方々。
本当にありがとうございます。

それでは、どうぞ。


第51話 『実力』

覆面の冒険者ことリュー・リオン、そしてアスフィの活躍により、(ミコト)達が13階層でベル達に怪物進呈(パス・パレード)を仕掛けた場所へ辿り着いた一行は、現場の状況から正規の道筋を通り安全階層(セーフティポイント)である18階層へ向かったとの予測を立て、途中で鉢合わせする可能性を考慮し正規ルートで18階層を目指していた。

しかし、17階層にて迷宮の孤王(モンスターレックス)であるゴライアスが、18階層に繋がる洞窟の前に陣取っていたため進むことが出来ず、足止めを食らっていた。

 

「……つまり、これまで倒してきたモンスター達みたいに倒すことは不可能、ってことかい?」

 

「はい。ゴライアスの推定能力はLv.4、中堅ファミリアでも犠牲を覚悟で挑まなければならない程凶悪です。そんな相手にこの少数パーティで挑むのは自殺行為と言っても過言ではありません」

 

「でも、それだと18階層にいると思われる彼の下へ行けないのでは?」

 

「えぇ。ですから、倒すのではなく、『足止め』を行います。……ツムギ」

 

リューからの疑問点に『足止め』と答えたアスフィは側にいたツムギに声をかけた。

 

「貴方には、ゴライアスの『足止め』をお願いします。方法についてはあなたに一任します」

 

先程アスフィ自らが少数パーティで挑むのは自殺行為と言ったはずなのに、ツムギ一人でゴライアスの足止めを任せようとしていることに、捜索隊の一行(ヘルメス除く)は驚きを隠せなかった。

 

「ちょっと待てアスフィ殿。貴公は何を言っているのか分かっているのか!?」

 

「そうですアスフィ殿、あまりにも危険です!」

 

「まぁまぁ、安心してください皆さん。これぐらい何ともありませんから!それでは私がゴライアスの動きを止めてきますので、アスフィ様は皆さんの誘導をお願いしますね!」

 

一人で足止めを辞めさせるべくアスフィを説得しようとした一行だったが、指示を受けたツムギが説得を止めさせ、これからの流れを簡単に伝えるとゴライアスの下に向けて駆け出していった。

 

「おいヘルメス、なんでキミは止めないでいるんだ!?」

 

「何で止めないかって…止める必要がないからだよ、ヘスティア?」

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

ゴライアスの下に向けて一人駆け抜けていくツムギ。

浮かべる表情は真剣そのものだったが、その裏側では所属ファミリアの団長で、かつ憧れの存在である『アスフィ・アル・アンドロメダ』への想いを募らせていた。

 

『アスフィ様が私にお願い!この期待に絶対応えてみせる!』

 

『オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッ!!』

 

そんな自分に向かってくるツムギを見つけたゴライアスは、けたたましい咆哮を上げると、ツムギを叩き潰すべく、右の拳を握り締め一気に頭上までに振り上げようとした。

 

「そこ、ですッッ!!」

 

ゴライアスが右腕を振り上げきったところで、両手に装備した籠手をゴライアスの右腕に向けて勢いよく振り上げた。

すると、手の甲を覆う金の武具に開いた穴の部分から糸が出てきたかと思うと、ゴライアスの右腕めがけて飛んで行き、右腕を縛り上げた。

自分の右腕に巻き付いた糸など気にせず右腕をツムギに向けて勢いよく振り下ろそうとするゴライアスだったが―――

 

「そうは、させませんッッ!!ぬおりゃァァァァァァア!!」

 

力強い掛け声と共に一本背負いの要領で、全身を使ってゴライアスの右腕と繋がっている糸を右方向に全力で引っ張るツムギ。

ゴライアスがツムギへ振り下ろそうとしていた右腕は、ツムギが全力で糸を引っ張ったことで直撃せず、ゴライアスの左前方向に大きく軌道を逸らされた。

更に、右腕を無理やり前に引っ張られたことで前にバランスを崩したゴライアスは、足がつんのめった結果バランスを取ることが出来なくなり―――

 

『オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッ!?』

 

―――凄まじい音を上げながら右半身を下にする形で地面に倒れ伏したのであった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

「「「「「………………」」」」」

 

【ヘスティア・ファミリア】と【タケミカヅチ・ファミリア】の一行は、目の前で起こった出来事に言葉を失っていた。

その出来事を引き起こした張本人であるツムギは、立ち上がろうとしたゴライアスを糸で地面に縛り付けていた

その光景を見ていたアスフィは主神であるヘルメスとモニカ達の居る方向へ振り向いた。

 

「ツムギがゴライアスを地面に縛り付けたことで時間は稼げましたので、長時間の足止めは出来ません。なので、今の内に18階層に繋がる洞窟へ向かいます。皆さん走って付いて来てください!」

 

そうして先頭をアスフィにヘルメスとヘスティア、モニカ、【タケミカヅチ・ファミリア】の面々、殿(しんがり)にリューの並びで地面に倒れているゴライアスの横を走り抜けていくこととなった。

 

「……ヘルメス。改めて聞くけど、君の団員は軒並みLv.2じゃなかったのかい?」

 

「はははっ、そういえば【ランクアップ】を申請するのを忘れてたねぇ!」

 

ヘスティアからの疑惑の目にいけしゃあしゃあと答えるヘルメス。

そうして倒れたゴライアスの側を走っていると、どこからか『ブチッ』っという音が響いた。

 

「ご、ごめんなさいアスフィ様!そろそろ押さえるのも限界です~!!」

 

ツムギが言った通り、ゴライアスを地面に縛り付けていた糸は一本、二本…と次第に切れ始めていた。

 

「ツムギ、貴女も急いで合流しなさい!他の皆さんももっと走って!」

 

「分かりました、アスフィ様!」

 

アスフィの指示に従い、18階層へ向かうモニカ達の列の最後尾に合流したツムギ。

その間にも糸はどんどんと千切れていき―――

 

『オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッ!!』

 

モニカ達が18階層への洞窟にあと一歩で到着というところで、縛り付けていた糸が完全に千切れたゴライアスが、立ち上がり咆哮を上げた。

 

「ヤバいヤバいヤバい、走るんだみんなぁ!!」

 

「「「「ウオオオオオオオオオ!!?」」」」

 

自分の右足の側に侵入者達を見つけたゴライアスは、拳よりも足で踏みつぶした方が早いと考えたのか、右足を上げるとモニカ達のいる場所へ動かし、全員を一気に踏みつぶそうとした。

 

「そうは、させない……ッ!!」

 

しかし、最後尾にいリューが跳び上がり、長い木刀を振り抜くことでゴライアスの右足の下腿部を勢いよく殴り飛ばした。

勢いよく殴り飛ばされたゴライアスの右足は左咆哮へと吹き飛ばされたことによってバランスを崩し、再び地面に倒れることとなった。

ゴライアスが倒れてくる前に何とか洞窟内に入ることが出来た一行

しかし、ゴライアスが倒れた時に発生した風に背中を押され、下り坂を全力で駆け下りることとなった。

 

「ぐぬあぁっ!?」

 

「ヘスティア様、ご無事ですか!?」

 

下り坂を駆け抜け出口と思われる穴から何とか外に出ることが出来た一行。

ヘスティアは生い茂った草に足を取られ顔から地面にダイブしており、モニカはそんなヘスティアを心配して近づき、ヘルメスは地面に座り込んで大笑い、それ以外の冒険者達はリューを除いて盛大に肩で息をしており、その中でもアスフィは何故か一番疲弊していた。

 

「おおおおお、顔がぁぁぁぁ……顔が焼けるように熱いぃぃぃぃぃ!?モニカ君、ボクの顔何ともなってないよね!?」

 

「……大丈夫です。特に怪我もないみたいなので安心してください、ヘスティア様」

 

「あっはははははっ!?死ぬかと思ったー!」

 

それぞれ落ち着いてきたことで自分達が人だかりに囲まれていることに気付いた一行は、顔を上げ自分達を囲んでいる人だかりを見渡した。

人だかりの中からこちらを見ているベルを見つけたヘスティアは、青みがかった双眸(そうぼう)をまん丸にすると、ベルに向けて転がるように走り出してベルの腹に突撃した。

そのままの勢いでベルを押し倒すと、人前にもかかわらず体中をぺたぺたと触れ、両の頬をぐにぐにと引っ張っていたが、ベルによって頬を触っていた手を止められた。

なぜダンジョンの中にヘスティアがいるのか聞くために上体を起こそうとしたベルだったが、言葉を遮られるように首に両手を回され、一杯に抱き着かれた。

 

「……良かったぁ」

 

突然の抱擁に口をパクパクさせて言葉をなくしたベルだったが、ヘスティアのかき消えそうな声を聞いた瞬間に力が抜け冷静になったことで、ヘスティアがダンジョン内にいる理由に気付いたベルは、ヘスティアに抱き返そうとした瞬間に現在の自分の状況に気付き、上げた手の行き場をなくしていた。

 

「いい加減にしてください、ヘスティア様」

 

「あ、コラッ、感動の再開に水を差すんじゃない!?は、離せーっ!?」

 

リリに襟首を捕まれベルから離されるヘスティア。

必死に抵抗するものの、『恩恵(ステイタス)』があるリリに勝てるわけがなく、離れた所へ引きずられていった。

 

「ベル、やはり貴公は無事だったか」

 

「え……モ、モニカさん!?帰ってきてたんですか!?お帰りなさい、モニカさん!」

 

「…ただいま、ベル」

 

返事と共に穏やかな笑みを浮かべるモニカ。

初めて見るモニカのアルカイックスマイルに普段とのギャップを感じたベルは、顔を赤らめたのであった。

 




ここまで読んでいただきありがとうございました。

というわけでツムギ大活躍でした。
これまではあまり描写していませんでしたが、ツムギはゴライアスは倒せないけど足止めは出来るぐらい強いです。
そんなことが出来る理由は、ツムギの持つ『縦横操糸(読み方は今後発表予定)』という『レアスキル』が大きく影響しています。
このスキルは簡単に説明すると、糸を自分の好きな強度に変更し、自分の好きな場所へ向かわせることが出来るという内容になっていて、ツムギはこのスキルのおかげで糸を使って戦うことが出来る……という設定になっています。

そして、ようやくベルと再会したモニカ。
ちなみに背後では空気を読んで黙って二人の会話を見ているリューと、この二人に突撃しようとしてアスフィに止められているヘルメスが居たりします。
最後のベルがドキッとした部分は作者が入れたかった部分です。
こういう描写は今後どこかでふらっと入れることが出来たらなぁと思います。
このことについては今後のお楽しみ、ということで…

前書きにも書いた通り、後書きの最後におまけがあります。
内容としては前回の最後と17階層の間のお話で、モニカとリューのお話になっています。

誤字脱字、また文章でおかしな部分があれば報告をぜひお願いします。
それでは、次回。



おまけ

バベル内部にあるダンジョンへ向かうための螺旋階段を下る際中、モニカはヘスティアの護衛を【タケミカヅチ・ファミリア】の面々に任せると、一行の一番後ろを歩いていた覆面の冒険者の下へ向かった。

「…もしかしてなのだが、貴公は『豊穣の女主人』で働くリュー殿なのか?」

「……その通りです。よく分かりましたね、ヴァイスヴィントさん」

「まぁ、先ほど地上で向かい合った際に気付いたのだがな……改めてだが、ベルの捜索に参加してくれて感謝する、リュー殿」

「……シルから『ベルさんを助けて』と頼まれましたから」

「たとえそうだったとしても、ここまで助けに来てくれたのだ。それだけで感謝に値する、というものだ。……それと、下の名前で呼ぶのは長いだろうし、モニカと呼んでくれ」

「……分かりました。それでは、今回私がここにいることは他の方には内緒にしてください、モニカさん」

「了解した、リュー殿」

話を終えたモニカは、再びヘスティアの護衛に戻るのであった。

モニカは……

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