ダンジョンにモニカがいるのは間違っているだろうか   作:刺身の盛り合わせ

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スーパーマリオブラザーズムービー見てきました。
一言で表すなら、『ゲーム好きなら見に行くべき作品』だと思います。
どうも、今年の映画は個人的に豊作揃いだと思っている刺身の盛り合わせです。

ということで、最新話です。
今回からついに漆黒のゴライアスとの戦闘がスタートです。
大体3、4話あれば終わるかなぁと思います。
また、今回はちょっと地の文が多めになっているかもです。
それと今回後書きの最後におまけがあります。

感想と評価、お気に入りを登録してくださった方々、そしてこの作品を読んでくださっている方々。
本当にありがとうございます。

それでは、どうぞ。



第55話 『漆黒のゴライアス~生誕~』

水晶を突き破ったモンスターは、まずは18階層の天井から生首が生えたように頭部を晒すと、すぐに肩と腕も出現させて上半身を剥き出しにすると、階層全土をわななかせる凄烈な産声を上げた。

本来ならば17階層に迷宮の孤王(モンスターレックス)として出現するモンスターのゴライアスが、通常とは異なる全身が黒くなった姿で安全階層(セーフティポイント)に生まれ落ちた。

ゴライアスは水晶を割りながら腰まで姿を現すと、大量の水晶の破片と共に重力に従い天井から落下し、直下にあった中央樹を二本の大足で踏みつぶし着地すると、ゆっくりと顔を上げて大樹から飛び降りた。

そんなゴライアスが最初に狙いをつけたのは、ベル達から逃げるために中央樹付近を横断する際中で、ゴライアスの一番近くにいたモルド一派であった。

 

『―――オオオオオオオオオオオオオアアアッ!!』

 

「は、はひゃあああああああああああああああああああっ!?」

 

モルドとの決闘を行っていた東の森の出口に辿り着いたベル達も、眼前の光景に目を見開いていた。

出口へ向かう間、ヘスティアから『神の存在を感じ取ったダンジョンが、彼女達を滅ぼすために18階層にモンスターを直接産んだ』という説明を簡単にされたベル達だったが、目の前の黒いゴライアスを見て震慄(しんりつ)していたが、ベルはモルド達の阿鼻叫喚を聞き、助け出すべく飛び出そうとしたところで、リューに手を掴まれた。

 

「本当に、彼等を助けに行くつもりですか?」

 

「助けましょう」

 

「……あなたはパーティのリーダー失格だ。だが、間違っていない」

 

リューからの質問に間髪入れずに決断したベル。

そんなベルに微笑を向けたリューは、ケープを翻し森から飛び出していった。

それにぐっと胸を詰まらせたベルは、背後へ振り返った。

モニカが、リリが、ヴェルフが、(ミコト)が、桜花(オウカ)が、千草(チグサ)が、そしてヘスティアが。

誰もが異を唱えず笑みを浮かべ、頷いた。

ベルの声に合わせ、八つの影が森を抜け、ゴライアスの暴れる階層中央へ向かうのであった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

「スコット、ガイル、どこだ!?助けろっ、助けてくれええええっ!?」

 

モンスターの鳴き声と冒険者達の交錯する中、モルドは半狂乱に陥りながら仲間の名前を呼んでいた。

あらゆる種類の中層のモンスターが四方八方から途切れることなくモルドに襲い掛かってきており、両手に持つ長兼で反撃を行っていたものの、モルドの理性は限界を迎えつつあった。

バグベアーの薙ぎ払いを肩に喰らい地面に叩きつけられたモルドは、叩きつけられた勢いで長剣を落としてしまい、気づいた時には目と鼻の先に三頭のバグベアーがおり、今にも覆い被される直前であった。

 

「や、止めろおおおおおおおおおお!?」

 

モルドの絶叫が断末魔に変わるよりも早く、鋭い斬閃がモルドの視界に入り込んだ。

モルドの長剣を使いバグベアーの首を切り裂くベル。

地面に倒れているモルドを庇いながら、ベルは間髪入れず二体目のバグベアーの胸部に刺突を行い、魔石を打ち抜かれ灰となり崩れ落ちた。

最後の一体が腕を横に振り被りベルに攻撃しようとしたが、背後に回っていたモニカから刺突を受けて魔石を砕かれ灰になった。

 

「……なんで、てめぇら……」

 

バグベアー達を倒してもすぐに別のモンスターが距離を詰めてきており、息つく暇もなく新手の敵と戦い続けるベルとモニカ。

そんな二人の背中に掠れた呟きを漏らしたモルドだったが、がしっ、と襟首をリリに捕まれたかと思うと、倒れた姿勢のまま割れた水晶の散らばっている草原を引きずられていった。

 

「いっ、ででででででででででででででえぇっ!?だ、誰だっ、(ケツ)がぁ!?」

 

「ベル様とモニカ様のお邪魔になるので運んじゃいますよ!」

 

戦っているベル達とモンスターの位置関係を正確に見抜き、自分達に被害が及ばないように引きずっているモルドの体を左右に振って転進を繰り返し、たちまち乱戦地帯から抜け出したのであった。

 

「戦えないのなら身を隠すなり逃げるなりしてください。ベル様とモニカ様が助けてくださったお命を無駄にしないように」

 

「お、おいっ!?なんで、俺達を……助けるんだ?」

 

リリから開放されたモルドは、慌てて身を起こし、他の冒険者達を助けるために戦い続けているベルとモニカを見つめながらリリに尋ねた。

モルドからの質問に、リリは振り向きながら答えた。

 

「底抜けにお人好しなベル様に、感謝してくださいねっ」

 

両目を瞑り、べっ、と舌を出したリリは、再びベル達のもとへ向かっていった。

草原に一人取り残されたモルドは、打ちひしがれたような表情で、呆然と呟くのであった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

「…それにしても、モニカさんの魔法、凄いですね!」

 

「魔法…もしや、【ウェスタ・エール】のことか?」

 

リヴィラの街から援軍としてやって来た冒険者達にモルド一派ともども助けられたベルとモニカは、ヴェルフ達が戦っている激戦地に向かっている最中、ベルがモニカの魔法について話をしてきた。

モルド一派の救出に向かう直前、モニカは魔法を使用していたのである。

そのおかげで、ベル達はモルド一派の救援に通常よりも早く向かうことが出来たのであった。

 

「詠唱を始めたらモニカさんが炎に包まれてびっくりして、その後モニカさんを包んでた炎に僕達も包まれて凄いびっくりしました!炎も熱いのかと思ったら全然熱くなかったですし…それに、炎に包まれた時、【ステイタス】更新を行った後みたいに体に力がみなぎったんですよね」

 

「今回が初めての使用で、手探り状態だったが……、おかげでいくつか分かったことがある。先程の戦闘で私が連続で魔法を使用したが、何か違和感はなかったか?」

 

「えぇと……そういえば、最初と比べると動きが鈍くなってたような…」

 

「そう、最初よりも動きが鈍くなっていたのだ。使用時のデメリットの全容が掴めていない今は、慎重にならなくてはいけないな。……そろそろ激戦地だ。気を引き締めろ、ベル!」

 

「はいッ!」

 

そうして、ベルとモニカは話を切り上げると、漆黒のゴライアスの包囲網へと向かっていった。

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございました。

今回のモルドのくだりは、モニカが活躍出来る部分なので入れました。
それと、モニカは自分の魔法である【ウェスタ・エール】について、どのようなものかちゃんと理解していません。
なので今話と次話で【ウェスタ・エール】のデメリットについて理解してもらおうと思います。

前書きで書いた通り、最後におまけがあります。
内容としては、今話と前話の裏でツムギが何をしていたのかをざっくりと説明したものになっています。

誤字脱字、また文章でおかしな部分があれば報告をぜひお願いします。
それでは、次回。



おまけ~今回と前回のツムギ~

「ぬぁんで、モニカさんが捕まってるんですかぁ!!」

「これについてはッ、流石の俺もッ、想定外だったんだってばッ!!?」

ベルとモルドが戦っている広場の近くには、アスフィから頼まれ、使用後のサンダーソードをヘスティアにバレないようにモルドから回収した後、モニカが捕まっているのを知りヘルメスを問い詰めているツムギと、木の上に立ちながら、ツムギに問い詰められているヘルメス、非難と嫌悪感の視線をヘルメスに送るアスフィがいた。

「モルド!アスフィ様を囮にしたこと、この戦いが終わったら責任取らせますからね!覚悟しておきなさい!!」

しかし、突如18階層の天井から出現した漆黒のゴライアスの対処を任されたため、ツムギと共にリヴィラの街へ救援要請に向かったアスフィだったが、モルドによって強制的にゴライアスへの囮にされたのである。
アスフィを囮にしたモルドにキレながら、周囲のモンスター達を糸で締め上げながら倒していくツムギなのであった。

モニカは……

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