ダンジョンにモニカがいるのは間違っているだろうか   作:刺身の盛り合わせ

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刺身の盛り合わせです。
今回は早く書き終わったので、先に投稿しておきます!
前回の最後に書いた通り、今回から本編に入っていきます。
というわけで、アイズとの出会いからスタートです!

評価とお気に入り登録をしてくださった方々、本当にありがとうございます!

それでは、始まります。

10/23 文章の内容を一部変更


第4話 『出会い』

モニカ・ヴァイスヴィントがヘスティア・ファミリアに所属することになってから約一週間。

この週は彼女にとって怒濤の連続であった。

担当アドバイザー、《エイナ・チュール》との出会い。

もちろんダンジョンについての勉強会や確認テストも行われたが、モニカは元々軍人を目指していたこともあり、全て一日で終わらせた。

それからはベルとダンジョンに共に入り、次第にダンジョンの攻略を進めていった。

初日は1階層で止まっていたダンジョン攻略だったが、お互いの連携もとれるようになった結果、ダンジョンの攻略もどんどん進んでゆき、パーティーとしての一体感も次第に高まっていった。

 

「「ほぁあああああああああああああああああああああああああああああああっ!?」」

 

『ヴヴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!』

 

……息ピッタリで、モンスターから逃げ出すほどにである。

 

「な、何でこんなところにミノタウロスがいるんですかーっ!?」

 

「そんなこと、私が聞きたいわ!?うー、くそ!だから言ったのだ、私達に5階層はまだ早いと!!」

 

「でも、モニカさんだって賛成してくれたじゃないですか、5階層に行くの!?」

 

「現在の我々の力がどの程度通じるのかを確認するためだ!それに、すぐに5階層から出ていくつもりだったのだぞ!!」

 

『ヴモォオオオオオオオオオオオオオッ!!』

 

「うわぁあああああああああああああ!!」

 

「いかん、走れベル!追いつかれるぞ!!」

 

ベルとモニカ、二人を追いかけているのは牛頭人体のモンスター、ミノタウロス。

LV.2にカテゴライズされるモンスターで、本来であれば中層の15階層に出現する魔物となっている。

 

「!モニカさん、この先行き止まりです!?」

 

「何ッ!?…くそっ、道を間違えたか…!?」

 

ミノタウロスから全力で逃走してきたものの、地図を見ずに行き当たりばったりで走ってきたのもあり、行き止まりに追い詰められてしまった二人。

壁に両手をつき、恐怖で身を固くするベル。

対して、ベルの少し斜め前に立ち、サーベルの柄に手をかけミノタウロスをにらみ続けているモニカ。

 

『ヴォオオオオオ――…』

 

「…ベル。私がどうにかして奴の注意を引き付ける。その時に一気に脇を駆け抜けて、ギルドにこのことを報告しに行ってくれ」

 

「だ、ダメだよそんなの!?モニカさんを置いて逃げるなんて!?それに、僕、足がすくんでてーー」

 

「たとえ無理でもやらなければならん。それに、ここでこいつを放置したらこいつは間違いなく地上に進んでいく。ここより上層にいる冒険者だけじゃなく、神ヘスティアや地上にいる人々を守るためにも、誰かがこいつをこの場に留めねばならんのだ。だから、敏捷値の高い貴公が行く必要があるんだ、ベル・クラネル」

 

軍人になるために鍛えてきたこれまでの経験と自身の直感が、目の前の相手にはダメージを与えられないと判断している。

例えそうだったとしても、何の罪もない人々を傷つける可能性のある存在を放置することは一軍人として、そしてモニカ個人としても無視することは出来ない。

その為にも、この場からベルを逃がし、増援を呼んできてもらう必要があるのだ。

そこで自分が出来ることは、増援が来るまでこの場でミノタウロスを引き付けておく必要がある。

それに、自分には使命があるので、こんなところで死ぬつもりはないのだ。

いざとなれば切札(・・)を切ることも考えつつ、モニカはベルに声をかける。

 

「準備はいいか、行くぞッ!」

 

そうしてベルに合図を出し、サーベルを抜きつつ走り始めようとしたその瞬間。

 

『ヴォ?』

 

目の前にいたミノタウロスが、一瞬のうちにバラバラの肉塊になった。

 

「へっ………………!?」

 

「なッ………………!?」

 

二人分の息を飲む声が聞こえる中、牛の怪物に代わって一人の少女が現れた。

蒼色の軽装に身を包み、黄金財宝に負けないほどの輝きを持つ金の長髪、輝くように美しい金色の瞳、そして手に握られている細身のサーベル。

彼女の名は、『剣姫』アイズ・ヴァレンシュタイン。

≪ロキ・ファミリア≫に所属する、オラリオが誇るトップクラスの冒険者のうちの一人。

この迷宮都市では知らない人がいないほどの有名人である。

 

「あの……大丈夫、ですか?」

 

ほんの数秒呆けていたものの、不意に聞こえてきた言葉に、はっと我に返るモニカ。

後ろを振り向くと、腰が抜けたのか、ミノタウロスの血を浴びて真っ赤になったベルが尻餅をついており、『剣姫』はそんなベルに手を貸そうとしていた。

その姿は、先ほどミノタウロスを瞬殺した剣士には全く見えなかった。

そして、手を差し出されたベルは、目の前の『剣姫』の顔を見つめていると、だんだんと顔を紅潮させると……。

 

「ほぁああああああああああああああああああああああああっ!?」

 

奇声を上げながら、どこかへ走り去っていった。

 

「…………………」

 

「んなぁ!?」

 

手を貸そうとするも逃げられてしまい、呆然とする少女と、助けてもらったのに対して、何も言わず立ち去っていく仲間に対し先ほどよりも驚く少女。

とにかく、助けてもらったのだから、お礼を言おうと思った瞬間、彼女は一つのことを思い出した。

ヘスティアから聞いた、ベルがゴブリン一匹倒しただけですぐにホームへ戻って来たという話を。

先程ベルはミノタウロスの血で真っ赤な状態だったが、どこかへ走り去っていった。

ベルがダンジョン内に留まってくれていれば特に問題はない。

もしも、そのままの状態でダンジョンを出ていったら?

…間違いなく阿鼻叫喚になる。

 

「助けてもらって大変申し訳ないのだが、私の仲間が血まみれのままダンジョンから出る必要があるので追いかけなければならない!後日改めてそちらのファミリアにお礼を言うために貴公のファミリアにお邪魔させてもらいたいのだがいいか!?」

 

「……えっと、気にしないでいい。元々、原因は私達」

 

「……それがどういうことなのか詳しく聞きたいが、今は急を要する!また改めて後日聞かせてくれ!」

 

「……分かった。それと、あなたも血まみれ」

 

「忠告感謝する!それではまた後日どこかで会おう!」

 

早口で話し終わると、急いでダンジョンの出口に向かって走り始めるモニカ。

途中ですれ違う多くの冒険者達がギョッとした目でこちらを見てくるが、今はそれよりもベルの、いや街の方が大事なので気にせずダンジョンの出口に向かって走っていく。

そして何とかダンジョンから地上へ向かうための階段の元へたどり着くと、階段にも血の跡がついており、地上からはよく聞くアドバイザーの叫び声が聞こえた。

 

「何をしているのだあやつは…………。とにかく、一度血を落としに行かなければな」

 

ベルに続いて自身までもが血まみれの状態で地上、それもギルドに突撃してはさらに混乱を広めてしまう。

そのように考えたモニカは、バベルにあるシャワールームに行き、体についた血を洗い流してからギルドに向かうことにした。

 




ここまで読んでいただきありがとうございました。

ここだけの設定ですが、モニカは気持ちが昂ったり危機的状況に陥ると、ラキア王国にいた頃の性格や口調が出てきます。
化けの皮が剥がれるってやつですね。
例)ベル→ベル・クラネル
  ヘスティア様→神ヘスティア

次回も早く出せればいいなと考えています!

モニカは……

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