ダンジョンにモニカがいるのは間違っているだろうか   作:刺身の盛り合わせ

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さりげなくアンケートやってます、ぜひ答えてください。
どうも、刺身の盛り合わせです。

ということで最新話。
そして第五章に突入です。
今章は原作第6巻のお話が中心になっています。
モニカがどのようにアポロン・ファミリアと戦うのか、ぜひお楽しみください。

感想と評価、お気に入りを登録してくださった方々、そしてこの作品を読んでくださっている方々。
本当にありがとうございます。

それでは、どうぞ。


第五章
第58話 『焰蜂亭』


18階層に現れた漆黒のゴライアスを見事に倒し、ベル達が地上に戻ってから三日後。

地上に帰還してから二日は休息に費やしたベル達は、知り合いの人達に無事に帰還したことを伝えに回っていた。

そして日没後、ヴェルフとモニカのランクアップ記念の祝賀会のために、ヴェルフ行きつけの『焰蜂亭(ひばちてい)』に訪れていた―――

 

「手紙を書き終えるのに、だいぶ時間をかけてしまった……」

 

のだが、冒険者依頼(クエスト)でオラリオを2週間弱放れていた+帰ってきてすぐベル達の救援に向かったため、ラキア王国宛ての手紙を書く時間を取れなかったモニカ。

ベル達と一緒に休息を取りながら手紙を書いていたものの、書く内容が多かったため思っていたよりも時間がかかり、書き終わって投函を終えた頃には既に夜で、もう祝賀会が始まっている時間だったのである。

 

「ここが『焰蜂亭(ひばちてい)』か。早速入ろう……へぶぅ!?」

 

ヴェルフお手製の地図のおかげで『焰蜂亭(ひばちてい)』に到着したモニカ。

店の中に入るために手でドアを押そうとしたところ、ちょうど中からドアが開いて顔にドアが直撃したのであった。

 

「は、鼻が…!?すまないが、ドアを開ける前に一度確認を………『凶狼(ヴァナルカント)』!?」

 

ぶつかったことで真っ赤になった鼻を手で押さえながら、ドアを開けてきた人物に注意をするために顔を上げると、そこにいたのはいかにも不機嫌な表情をした【ロキ・ファミリア】の『凶狼(ヴァナルカント)』ベート・ローガであった。

 

「………ッチ」

 

入り口前に立っていたことや先日の18階層でキャンプにいたことについて何か言われるのかと身構えたモニカだったが、ベートは何も言わずに舌打ちをすると、モニカの側を通りホームへと向かっていった。

その後すぐに同じファミリアの仲間と思われる冒険者達がベートを追いかけるため、モニカの側を通り抜けていった。

 

「何だったのだ、一体?…っと、それよりもベル達を待たせているのであったな。すまない、遅れて……ってベル!?」

 

ベートの不機嫌そうな姿に少し疑問を覚えつつも、ベル達を待たせていることを思い出したモニカは、急いで店内へと入った。

そこで最初に目にしたのは、鼻血を出して床にへたり込んでいるベルと、ベルを囲んでいるリリとヴェルフであった。

ベルに近づきケガの状態を見ると、顔を殴られたのか鼻血を出しているのに加えて、顔や腕などところどころに擦り傷が出来ていた。

それはベルだけでなく、ヴェルフもところどころに擦り傷があり、状況から乱闘に巻き込まれたのは想像がついた。

 

「詳しいことは後で聞こう。今はホームに戻って治療をするぞ。…貴公らも共に来て何が起こったのかヘスティア様に説明してくれないか?」

 

「「はい!/おう」」

 

怪我が思ったよりもひどかったため、一旦祝賀会をお開きにし、治療のためホームへの帰還と状況説明をリリとヴェルフにお願いするモニカ。

リリとヴェルフは快く快諾すると、ヴェルフにベルを背負ってもらい四人は焰蜂亭(ひばちてい)を後にするのであった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

「ふ~ん、なるほどね、喧嘩かー。ベル君が思ったよりやんちゃで、ボクは嬉しいような、悲しいような……」

 

「なるほど、だからあんなに店が荒れていたのか…」

 

ベルとヴェルフの怪我の治療のためにホームに戻ってきたモニカ達は、治療を行いながら焰蜂亭(ひばちてい)で起こった出来事を聞いていた。

ベッドに座り、ヘスティアに安上がりの膏薬(こうやく)を優しく塗られるベル、その隣では「ヴェルフの影響でベルが冒険者気質(らんぼう)になった」、と言いながら乱暴に膏薬(こうやく)を塗りたくるリリと言い争いをしているヴェルフ、そんな四人を見ながらモニカはドアにぶつけた鼻に膏薬(こうやく)を塗っていた。

 

「にしても驚いたよ、君が喧嘩をするなんて。ベル君も男の子だったんだねぇ。…でも、やっぱり喧嘩はよくないぜ?サポーター君の言う通り、しっかり怪我までしているじゃないか」

 

「だって、あの人達っ、モニカさんに神様を馬鹿にしたんですよ!?」

 

ベルの初めてと思われる神様(ヘスティア)への反抗に、驚いた表情をするモニカ。

ベルとヘスティアは少しの間黙って見つめ合っていると、ヘスティアがふっと微笑んだ。

 

「君がボクのために怒ってくれるのはとても嬉しいよ。でも、それで君が危険な目に遭ってしまう方が、ボクはずっと悲しいな」

 

「……!」

 

「ベル君の気持ちはわかる、逆の立場だったら、ボクも火を吐くほど怒る。でもそれで相手と喧嘩したボクが、ボコボコになって帰ってきたら、ベル君はどう思う?」

 

「……泣きたくなります」

 

「だろ?ボクも同じさ。少し不公平かもしれないけど、主神(ボク)を馬鹿にされたって腹を立てないでくれよ。神ってやつは、子が息災であることが一番嬉しいんだ。だから、今度は笑い飛ばしてやってくれよ。ボクの神様はそんなことで一々怒るセコイやつじゃない、(ふところ)が広いんだ、ってさ!」

 

ヘスティアの慈愛ある微笑に、ベルの熱くなっていた頭が急速に冷えていった。

ベルがそれまで感じていた怒りや悔しさは、ヘスティアが全て優しく抱き寄せ包み込んだことで、全て溶けていったのであった。

 

「今度は、我慢します……ごめんなさい」

 

俯きながらヘスティアに謝り、今後はもうこのようなことはしないと約束したベルに対し、温かな暖炉の火のような笑顔をベルに向けると、ベッドに座っている自分の隣を手で叩いた。

素直に従いヘスティアの横に座ると、ヘスティアは手を伸ばしてベルの髪を撫で始めた。

髪を撫でるヘスティアと顔を赤くするものの逃げずにヘスティアからの撫でを甘んじて受け入れるベル、そんな二人を心なしか微笑ましそうに見守っているリリとヴェルフ、モニカであった。

 

「……ところで、何でモニカ君も怪我をしていたんだい?乱闘には参加してなかったって聞いたんだけど…?」

 

「……その、ドアにぶつかりまして」

 

「ド、ドア?何で?」

 

「………色々ありまして」

 

話せば【ロキ・ファミリア】の主神ロキとの仲がさらに悪くなると考えたモニカは、凶狼(ヴァナルカント)との一件はヘスティアに話さないことにしたのであった。

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございました。

ということで第五章スタートです。
今話でのモニカには焰蜂亭に後から合流してもらうことにしました。
元々の設定では、一緒に祝賀会に参加してもらって、『ルアンがモニカをチビと罵倒 → キレて乱闘 or 暴走したモニカをベルとヴェルフが二人で羽交い絞めにして店を出る』のどちらかになる予定でした。
ですが、何か違うような気がしたので没にして、祝賀会に後から合流してもらうということにしました。

次回はダフネ&カサンドラが登場です。
誤字脱字、また文章でおかしな部分があれば報告をぜひお願いします。
それでは、次回。

モニカは……

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