ダンジョンにモニカがいるのは間違っているだろうか   作:刺身の盛り合わせ

64 / 84
ダンメモ6周年イベント始まりましたね。
どうも、ピックアップキャラは全員当てた刺身の盛り合わせです。

ということで最新話です。
今回はダンス回、そして神の宴はこの話で終了です。
前回オリジナル、とか言っておきながら半分ぐらい原作通りになってます。
かなり難産で、思ったより書くのに時間がかかりました。

感想と評価、お気に入りを登録してくださった方々、そしてこの作品を読んでくださっている方々。
本当にありがとうございます。

それでは、どうぞ。


第62話 『Shall We Dance?』

「むっ、このケーキも中々ですよ、ヘスティア様」

 

「モニカ君、こっちのチキンも絶品だぜ?……どうにか持って帰れないかなぁ」

 

ヘスティアに連れられ、知人だという神様達に挨拶をして回ったベルとモニカ。

パーティーが始まり二時間ほど経ち、小休止をもらったモニカはヘスティアと共に料理のあるテーブルに戻り料理を味わっていた。

 

「アンタ達、二人そろって何やってるのよ…。というかヘスティア、アンタまた持って帰ろうとしてるの?」

 

「いやいや、そんなわけないじゃないか、ヘファイストス~」

 

「なぁモニカ、ベルがどこにいるか知らないか?」

 

「確かバルコニーの方へ向かったはずだが…何か用でもあったのか?」

 

「いや、ちょっと話でもしようと思ったんだが「楽しんでおるか、ヴェル吉!」――うおっ!?」

 

途中で近づいてきたヴェルフと共に料理を食べていると、突然一人の女性がヴェルフと肩を組むように背後から飛びかかってきた。

その女性は黒目と褐色の肌で、左目に眼帯を付けており、黒の生地に椿の絵が描かれた着物を着ていた。

 

「いきなり何の用だ、椿!」

 

「何だ、用が無ければ話しかけてはならんのか……っと、お主がヴェルフとパーティを組んでおる者か?手前(てまえ)は椿・コルブランド。【ヘファイストス・ファミリア】のLv.5の鍛冶師兼、団長も務めている」

 

「私はモニカ・ヴァイスヴィント。【ヘスティア・ファミリア】のLv.2の冒険者だ。ヴェルフとはパーティを組ませてもらっている本当はもう一人仲間がいるのだが…すまない、今は席を外していてな」

 

「モニカ……あぁ!主神様が武器を作った一人か!どうだ、主神殿が直々に打った武器の使い心地は!」

 

「「……ハァァァ!?」」

 

椿のその一言に、話を聞いていたモニカとヴェルフはまるで時間が止まったかのように固まったかと思うと、会場中に響き渡るほどの大声を上げた。

 

「ど、どうしたんだいモニカ君!?そんなに大声を上げて!?」

 

「ヘスティア様、私のサーベルはヘファイストス様が直々に製作した、というのは本当ですか!?」

 

「え゛っ。モ、モニカ君?い、一体どこでその話を……!」

 

「先ほど椿殿が教えてくれました」

 

ヘスティアがモニカの指差した方向を向くと、やっちゃった、というような表情をした椿と借金について何とか誤魔化すようにとアイコンタクトを送るヘファイストス、何かに納得がいったような表情をしたヴェルフの姿を見つけた。

 

椿君め……!モ、モニカ君、少し考えるんだ。ヘファイストスの作る武器っていうのは一振り何億ヴァリスもするんだぜ?零細ファミリアの主神である僕が、そんな借金作るわけないだろう?」

 

「確かに、それはそうですが……」

 

「そうだろうそうだろう!…おっ、何か始まったみたいだよ、モニカ君!せっかくだから見に行こうぜ!」

 

「えっちょ、ヘスティア様!?手を引っ張らないでください、自分で歩けますからぁ!?」

 

武器の件を勢いだけで誤魔化すことにしたヘスティアは、モニカの手を引いて会場の中心へと向かっていった。

ヘスティアがモニカの手を引いて向かった先では舞踏が行われており、各ファミリアの主神達が自分の眷属達と共に楽しく踊っていた。

 

「ムッ、中々楽しそうなことが始まっているじゃないか!ボクも踊りたいなぁ…チラッチラッ」

 

「!……ではヘスティア様、私と踊っていただけますか?」

 

「あぁ、もちろん!」

 

ヘスティアの真意を読み取り、笑顔を浮かべながら右手を差し出し、ヘスティアをダンスに誘うモニカ。

ヘスティアはほほ笑みを浮かべながら差し出されたモニカの手を取ると、二人で手を繋ぎながらダンスホールとなっている広間の中心へ向かうのであった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

「ヘスティア様、次は右に動きますっ」

 

「…っとと。ようやくステップを踏むのにも慣れてきたね、モニカ君」

 

ダンスホールに向かったモニカ達は、モニカが先導(リード)する形でダンスを行っていた。

最初は二人共ダンスに慣れずぎこちなくステップを踏んでは頭をぶつけていたが、コツをつかんだモニカの先導(リード)によって、ようやく揃ってステップを踏み始めていた。

 

「よーし、このまま流れに乗って踊ろうじゃないか…ってぁあああああああああああああ!?ベルくーんっ!!」

 

「!?な、何ですかヘスティア様!?いきなり叫んで……って、あぁ…」

 

踊っている最中に突如大声を上げたヘスティアに驚いたモニカ。

ヘスティアの目線を追った先にいたのは、一緒にダンスを踊っているベルとアイズであった。

 

「手を放してくれモニカ君!ボクはヴァレン何某からベル君を引き離さないといけないんだ!」

 

「今は私と踊っている最中ですし、今ベルの元へ行くのは周囲の邪魔になります!せめて終わってからにしてください!」

 

「ぬぅうううううううううう!手を放してくれモニカ君――!!」

 

『ぬぐぅぉおおおおおおおお!手をはなしてぇやリヴェリアママ!ウチはあんのドチビんとこの眷属からアイズたんを引き離さんといかんのや!!』

 

『ええい、周りの邪魔になるから大人しくしていろ!』

 

『………』

 

『…オッタル、ここにミノタウロスの群れを連れてこれないかしら?』

 

『不可能です、フレイヤ様…』

 

ベル達の元へ向かおうとするヘスティアを止めるべく、手を放さないモニカ。

モニカ達の反対側からは、ヘスティアと同様にアイズ達の元に突撃しようとするロキとそれを止めるリヴェリア。

更に離れた場所ではフレイヤがオッタルに無茶ぶりをしたり、ヘルンがベルに憎しみを込めた目線を送っていた。

モニカとリヴェリアによってヘスティアとロキの邪魔が入らず最後まで踊ることが出来たベルとアイズだったが―――

 

「ベル君っっ、今度はボクと踊ろうぜ!!」

 

「アイズたんもうちと踊ろー!!拒否権はなしやァ!」

 

踊り終わるのと同時にその場にモニカを置いてきたヘスティアが矢のように飛んできてアイズを突き飛ばし、鬼気迫る表情でベルの両手を掴んでいた。

突き飛ばされたアイズはヘスティアと同様にリヴェリアを置いてきたロキがこれまたヘスティアと同様にアイズの両手を掴んでいた。

ヘスティアが光の速さで身だしなみを整えていると、離れた場所に置いて行かれていたモニカとリヴェリアが近づいてきて、それぞれの主神に小言を言っていた。

 

「―――諸君、宴は楽しんでいるかな?」

 

それを見ながら苦笑していたベルだったが、いつの間にか従者とともにアポロンがすぐ側に立っており、気づけばアポロン中心に円が出来上がっていた。

笑みを浮かべながら挨拶をするアポロンに対し、怪訝な表情をしながら返事をするヘスティア。

ことを荒立てないようヘスティアが話しを付けようとしたものの――

 

「私の子は君の子に重傷を負わされた。代償をもらい受けたい」

 

ヘスティアの発言に被せるように要求を出してきた。

この発言に固まったヘスティア・ファミリアの一行だったが、すぐに復活したヘスティアはアポロンに激怒した。

それに対しアポロンはまるで演劇かのように大袈裟に動いて如何に自分が悲しんだのか表現すると、ベル達の側に全身を包帯でぐっるぐる巻きにした木乃伊(ミイラ)状態の小人族(パルゥム)の団員、ルアンが歩み寄ってきた。

 

「ま、まさか、ベル君……本当にここまでボッコボコに……?」

 

「ベル…兎みたいな顔しておいて、そんな恐ろしいことを……」

 

「してませんしてませんしてませんしてませんっ!?」

 

震えて見上げてくるヘスティアとドン引きの表情を浮かべたモニカに対し、顔を真っ赤にして否定するベル。

更にアポロンは先にベルが仕掛けたのを見た証人が多くいる、と言い指を弾くと、モニカ達を取り囲む円から喧嘩の時に火蜂亭(ひばちてい)で見た客たちが出てきた。

あまりにも出来すぎな状況に嫌な予感を感じたモニカ。

 

「罪を認めない、というのならば仕方ない。ヘスティア――君に『戦争遊戯(ウォーゲーム)』を申し込む!」

 

アポロンの言い分をヘスティアがはねのけた瞬間、アポロンは嫌らしい笑みを深めて甲殻を吊り上げると、ヘスティアに『戦争遊戯(ウォーゲーム)』を申し込んだ。

モニカ達は驚愕する一方、アポロンの宣言を受けて周囲の神々はざわついていた。

 

「我々が買ったら……君の眷属、ベル・クラネルとモニカ・ヴァイスヴィントをもらう」

 

愕然としているヘスティアにさらに要求を重ねるアポロン。

その言葉にベルは思わず目を剥き、モニカは何かに気付いたような表情、ヘスティアは盛大な歯ぎしりをした。

 

「最初からそれが狙いかっ……!」

 

ヘスティア達が何を言っているのか分からず混乱して顔を左右に振るベルに、側にいたモニカがアポロンを睨みつけながら説明を―――

 

「要するにだ。ベル、貴公がいちゃもんをつけられた酒場の一件から何まで、神アポロンの計略だ…!我々を自らのファミリアに入れるための………ッ!?

 

―――行っている最中に、突如言葉を詰まらせたモニカ。

一体何があったのか、モニカの視線の先を向くと、アポロンが欲望だけを一途に煮詰めたようなおぞましい笑みを浮かべながらベルとモニカを見ていた。

 

「――駄目じゃないかぁ、ヘスティア~?こんな可愛い子達を独り占めしちゃあ~」

 

アポロンからの熱い視線を受け取り、ベルは肌を泡立たせ顔の色をなくし、モニカはあまりの気持ち悪さにベルの背中に隠れてしまった。

返答を求めるアポロンに対し、断固拒否するヘスティア。

にやつくアポロンに怒声を飛ばしたヘスティアは、ベルとモニカの手を掴むと、周囲の人混みを強引に割って進み、小さな全身を怒らせながら大広間を後にした。

会場の出口を通過する間際に扉に寄りかかっていたヒュアキントスの冷笑を見たモニカは、この騒ぎがこれで終わりとは考えられなかった。

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございました。

ということで、どうだったでしょうかダンス回。
せっかく二人参加できるようにしたんですし、モニカにはヘスティアと、リヴェリアはロキと踊ってもらいました。
また本文中には書いてないですが、離れた場所では椿にせっつかれてヴェルフとヘファイストスが踊っています。
好きな人と踊れてよかったね、ヴェルフ!

そしてモニカにヘスティア・サーベルが誰が作ったのかがバレました。
まぁ結局丸め込まれたのでモニカはすぐ忘れてしまいます。
そしてヴェルフが納得した表情を浮かべていた理由ですが、ヴェルフはベルとモニカ、二人の武器の整備を行ったことがあるため、その時に神聖文字を見て誰が書いたのか疑問に思っていましたが、それが今回解明された、という裏設定があります。

気持ち悪い神No.1、アポロンが本領発揮しました。
ついでにモニカの女の子部分も少し出してみました。
ロックオンされたベルとモニカがどうなるのか、ぜひ次回をお待ちください。
誤字脱字、また文章でおかしな部分があれば報告をぜひお願いします。
それでは、次回。

モニカは……

  • 仲間
  • 相棒
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。