ダンジョンにモニカがいるのは間違っているだろうか   作:刺身の盛り合わせ

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デレステ8周年ですよ、めで鯛!
どうも、刺身の盛り合わせです。

ということで、最新話です。
題名にもある対価、これがどういう意味なのかはぜひ本編を読んで確かめてください。

それと、現時点でのモニカのステイタスを後書きの最後にのせておきます。
そしてアンケートやってるので、ぜひ回答をお願いします。

感想と評価、お気に入りを登録してくださった方々、そしてこの作品を読んでくださっている方々。
本当にありがとうございます。

それでは、どうぞ。



第69話 『勝利の対価』

「―――と、いうことで!ボク達【ヘスティア・ファミリア】の戦争遊戯(ウォーゲーム)勝利とサポーター君の正式移籍、新たな本拠(ホーム)の改築祝い……そして!ベル君のLv.3昇格(ランクアップ)を祝して!かんぱーい!!」

 

「「「「「かんぱーい!!」」」」」

 

【アポロン・ファミリア】との戦争遊戯(ウォーゲーム)での勝利から数日は、色々なことが起こった。

まず戦争遊戯(ウォーゲーム)の終了直後、『勝った暁には、要求を何でも呑む』と約束したアポロンに『ホームを含む全財産の没収』と『【アポロン・ファミリア】の解散』、『アポロンのオラリオからの永久追放』の合計三つの罰則を言い渡したヘスティア。

要求通り【アポロン・ファミリア】は即時解散、アポロンは眷属達との別れと退団の儀を済ませるとオラリオから一人追われるように出ていった。

無所属(フリー)となった元団員達は気長にこれからの道を模索する者や他派閥からの勧誘(スカウト)を受け入団する者、落ちぶれる者とそれぞれの道を進んでいった。

中にはヒュアキントスのようにアポロンに心酔し、ギルドの戦力流出禁止令(せいし)を振り切ってまで、己の生涯の主神を追う者達もいた。

その後、戦争遊戯(ウォーゲーム)の勝者の権利で【アポロン・ファミリア】のホームである豪邸を手に入れたヘスティア達は、賠償金としてヘスティア達のもとに転がり込んできたアポロン・ファミリアの資産を使い、趣味の悪い彫像(アポロン像)の撤去も含めた屋敷全体の改装を【ゴブニュ・ファミリア】に依頼。

彫像撤去の際に一悶着あったものの、最終的には三階建てで奥行きがある、質素ながらも品も良い新築同然の邸宅が完成したのであった。

また、脱退金を持ってソーマとのけじめを一人で付けに行ったリリは、晴れやかな顔をして【ソーマ・ファミリア】から担保として預けていた『ヘスティア・ナイフ』と共に出てきた。

こうして、戦争遊戯(ウォーゲーム)終了後に色々と会ったヘスティア達。

新たな本拠(ホーム)である『竈火の館』が完成したところでヘスティアが祝勝会をしようと言い始めた。

まだ引っ越し作業も終わっていなかったものの、「こういうことは早めにやるべきだ!」というヘスティアの説得…もとい押し切られ開かれた祝勝会。

鳥肉(チキン)の簡単な網焼きステーキに何匹もの豪快な魚の丸焼き、極東料理という米を使った御握り、ジャガ丸くん、ちょっとのお酒を準備し、ヘスティアの音頭に合わせ乾杯するモニカ達。

 

「……しかし、よくまともになったもんだな」

 

「ですが、流石はゴブニュ様の【ファミリア】ですね」

 

「元々建築を司る神だからね。それに、こちらが依頼した通りの完璧な仕事をしてくれたよ…」

 

「え……?それでは!?」

 

「俺達が頼んだことも!?」

 

「……ふっ」

 

「「「「「!/お?/お!/おおっ!/ほぉ…」」」」」

 

 

○○○○○

 

 

「……よっと。後もう少しで入口付近の荷物は終わりだな」

 

(ミコト)が極東式の檜風呂(ひのきぶろ)の浴室、ヴェルフが館裏庭の一角に建てられた石造りの鍛冶場、ヘスティアとリリが地図を片手に屋敷内の内装や特筆事項をメモして回っている最中、ベルとモニカはまだ終わっていない引っ越し作業を行っていた

 

「ある程度片付いたことだし、少し休憩……何だ?」

 

正面玄関の引っ越し作業を終えたところで、外で言い争いをしている声を聞いたモニカ。

ドアを開けて外に出ると、ホームの敷地の外の沿道で言い争い――というより駄々をこねる子供のように半分泣き散らしながらホームを囲む鉄柵に抱き着く少女と、苛立ちを隠せないように怒りながら少女の服を引っ張り引き剥がそうとしている、どこかで見たことのある二人組の少女がいた。

 

「……一体全体何をやっているのだ、ダフネ殿、カサンドラ殿」

 

「あっ……【炎輝(フルゴル)】。………えっとね、この子が今まで使っていた枕をなくしたらしいの」

 

一体何をしているのかと問いかけると、ダフネは短髪(ショートヘアー)を揺らしながら溜息をつきながら、鉄柵に抱き着いているカサンドラを見下ろしながら話し始めた。

 

「枕?」

 

「そう。新しいものを買えばいいって言ってるのに……」

 

「あ、あの枕じゃないと駄目なのぉ~。あれがないと、私、寝付けなくて……」

 

「ふむ……つまりカサンドラ殿は、館に枕を置き忘れたからそれを取りに来た、ということか。それなら取ってこよう。場所はどこか聞いてもいいか?」

 

無くした枕がモニカ達のホーム内にあると言うカサンドラにその枕の場所を尋ねるモニカ。

モニカの発言に驚いた表情を浮かべるダフネの横で、カサンドラも驚きの表情を浮かべつつもおずおずと口を開いた。

 

「その、覚えてはいないんですけど……『予知夢(ゆめ)』でここにあるって、お告げを……」

 

予知夢(ゆめ)?」

 

「だからぁ!そんな馬鹿(ばか)げた話を言うの、止めなさいってば!!」

 

「お願いだから信じてよぉ~~~~っ!」

 

「―――カサンドラさんと、ダフネさん?モニカさん、何かあったんですか?」

 

「あぁ、ベルか。実は―――」

 

枕がここにあるという『予知夢(ゆめ)』――見えにくい柱の隙間に枕が挟まっている内容の夢とのこと――を見た、という突拍子なことを言い他派閥のホームを尋ねようとしているカサンドラを、恥ずかしい真似は止せと叱りつけていたダフネ。

ダフネとカサンドラの言い合いを聞き入口までやって来たベルは、事のあらましをモニカに尋ねた。

 

「―――なるほど、それなら僕達で探してきますよ?」

 

「「え、えぇっ!?/ハァッ!?」」

 

「いや待てベル。私達だけで行っても場所が分からん……カサンドラ殿、夢で見た場所に案内――「ちょ、ちょっと待ちなさい!」――どうした、ダフネ殿?」

 

モニカから話を聞き、モニカと同じように枕を探してこようと言い始めたベルに驚きを隠せない二人。

さらに、モニカの口から『本拠(ホーム)に入って探さないか』という言葉が出かけたところで、ダフネがストップをかけた。

 

「自分達の本拠(ホーム)に他派閥の冒険者入れるなんて正気!?……それに、夢よ、夢っ、この子の妄想なのよっ?それを信じるのっ?」

 

「も、妄想……」

 

「だが、カサンドラ殿は『ここに枕がある』と夢で見たのだろう?」

 

「は、はい!……あ、あの、信じてくれるんですか………?」

 

うろたえるダフネを宥め、カサンドラに視線を移し改めて確認を取るモニカ。

まさか信じてもらえるとは思えず固まっていたカサンドラは、はっとなって頷くと、恐る恐る尋ねた。

 

「あぁ、信じるとも。それでは早速行こうではないか」

 

「そうですね。とりあえずカサンドラさんの夢で見たって場所に行ってみましょう!」

 

そう言って二人を先導する形で本拠(ホーム)の中に入るモニカとベルに、瞳を潤ませながら二人に付いて行くカサンドラと呆れたような表情を浮かべながらその後ろを歩くダフネ。

それから数分後。

 

「あ、あったっ!!」

 

「嘘、本当にあった……」

 

夢の中で見た枕が挟まっているという柱の元へカサンドラ主導のもと向かったモニカ達。

そして辿り着いた場所で柱を一本ずつ確認していくと、見えにくい柱の隙間に挟まっている枕を見つけたのであった。

 

「あのっ、本当にありがとうございました!私を信じてくれて、本当に、本当に……!!」

 

「お、落ち着けカサンドラ殿。困っている人を助けるのは当たり前のことだ、そこまで感謝することではないぞ」

 

「そ、そうですよっ。そこまで感謝されることじゃないような……?」

 

枕を抱きしめながら頭を下げるカサンドラに、そこまでしなくていいと伝えるモニカ。

枕回収後、ホームの外でカサンドラからの感謝の言葉を受け取ること数分。

胸に抱いた枕に顔の半分を(うず)めると、チラチラとモニカを見つめると、未だ疑わしい目付きをしているダフネに身を寄せ、枕を抱きしめたまま、こそっ、と耳打ちをした。

 

「えっ……本気?それでいいの?」

 

「うんうんっ……!」

 

驚きながら確認するダフネと顔を赤くしながらこくこくと頷くカサンドラ。

 

「【炎輝(フルゴル)】に【リトル・ルーキー】、一度出直すわ。それと、この()の探し物を見つけてくれてありがとう……またね」

 

嘆息しながらモニカ達に向き直りお礼を言うと、背を向け歩いて行った。

モニカ達にはにかみながら微笑みかけると、ぺこりともう一度お辞儀をしてダフネの後を追っていった。

 

「また……ってどういうことでしょうか?」

 

「私も分からん……が、とりあえず引っ越し作業を終わらせようではないか」

 

ダフネの言葉に疑問を覚えつつも、ひとまず引っ越し作業を終わらせるべくホームに戻るモニカ達。

中に入り荷物を二階に運んでいると、部屋の中にいたヘスティアに呼び止められた。

部屋に入りヘスティアのいる広間の窓辺へ向かうと、一枚の紙を見せつけられた。

 

「なになに…『【ヘスティア・ファミリア】、入団希望者募集!(きた)れ、子供達!!』」

 

「神様、これって……!」

 

「その紙に書いている通りさ、二人共!紙に書いてある時間まであとちょっと…入団希望の子供達がそろそろ集まってくる頃だぜ!」

 

そう言いながら窓の外に視線を飛ばすヘスティアに続くように、窓辺に駆け寄りヘスティアの視線を追うベルとモニカ。

窓から見た屋敷の正面、鉄柵で作られた巨大な正門の前には、様々な種族の亜人(デミ・ヒューマン)が人垣となって集まり出していた。

 

 

○○○○○

 

 

「まさか、こんなに集まるとは……」

 

紙に書かれていた時間になったことで正門が開かれ、屋敷前の庭に五十人は超す入団希望者が入ってきた。

それに合わせて(ミコト)を除いた全員で玄関前に移動し人だかりを眺めていくと、ヒューマンは勿論、エルフやドワーフ、獣人にアマゾネス、小人族(パルゥム)半亜人(ハーフ)と様々な種族、いかにも冒険者希望のたくましい男性から、オラリオに来たばかりの旅装姿の女性など沢山の格好の人達が談笑しながら、こちらをチラチラと窺っていた。

その中には少し前まで話を交わしていたダフネとカサンドラもおり、先ほどの『出直す』の言葉をベルとモニカは理解したのであった。

 

「それはそうです。この前の戦争遊戯(ウォーゲーム)に勝って一躍有名になりましたから。今一番勢いがある派閥(ファミリア)、ということで新人には魅力的に映っているのだと思われます」

 

「むっ、リリか。…だが、人が多いのは少し心配なところだな」

 

「確かに、人が増えるとしがらみなどは増えますからね」

 

「なに、みんな安心してくれ。これからこのボクが一人一人面接して、適性を見るから!」

 

「まぁ、こんなに大量に入団させるわけにもいかないですからね。頑張ってください、ヘスティア様」

 

「任せてくれ!それじゃあ、そろそろ面接w「ヘ、ヘスティア様ぁー!?」ど、どうしたんだい、(ミコト)君?」

 

リリとモニカ、ベルとヴェルフの話を聞き、横から自身が入団試験を行うと宣言するヘスティア。

そろそろ時間となるため、ヘスティアが満を持して入団式の刻限を告げようとしたその瞬間、屋敷の玄関扉を勢いよく開けて(ミコト)が大慌てで走ってきた。

血相を変えた(ミコト)の様子に小首を(かし)げるヘスティア。

全身を震わせる(ミコト)は、冷静さを失った表情でモニカ達と入団希望者の前に、右手で持っていた用紙を突き出した。

 

「に、に、荷物の中からっ、借金()()()()()()の契約書がぁ――――――――!?」

 

「「「ぶっふぅ!?/は?/よん、おく?」」」

 

(ミコト)の言葉にヘスティアは噴き出し、リリは固まり、ヴェルフはその場で立ちつくし、大勢の入団希望者は例外なく目を点にした。

そしてモニカは、側にいるベルと共に――凍結した。

震える瞳でゼロの数や血の色で記された事項の数々を目で追い、本物の『借金契約書』と確認したモニカ

現実逃避しようにも、共通語(コイネー)と【神聖文字(ヒエログリフ)】の両方で書かれたヘスティアの署名(サイン)がそれを許さなかった。

そして止めとばかりに、用紙の片隅に書き記された【ヘファイストス・ファミリア】の署名を見つけたところで、脳内で全てが繋がった。

 

『まさか、この借金は私達二人の武器の――』

 

「「ふ、ぁ―――/ほぇ―――」」

 

そこまで考えたところで、モニカは隣にいたベルと同時に意識を手放したのであった。

 

「ベ、ベル様、モニカ様ぁ――!?」

 

「おい、嘘だろう……?」

 

天を仰いで地面に崩れ落ちたベルと、膝をつき顔を地面にぶつけるように倒れたモニカの側で、リリが悲鳴を上げ、更にヴェルフが引きつった声を、ヘスティアはその場に石像のように固まった。

そしてそれが契機だったかのように、前庭は瞬く間に阿鼻叫喚の絶叫に包まれた結果。

白日の下に晒された【ファミリア】の借金額(ばくだん)に、入団希望者達全員がモニカ達の前から姿を消した。

結果として、ホームはそれまでの賑わいが嘘だったかのように静まり返り、ホームには呆然自失とした【ヘスティア・ファミリア】の面々だけが残されたのであった。

 

~ヘスティア・ファミリアの借金:四○○○○○○○○―――四億ヴァリス~

 




ここまで読んでいただきありがとうございました。

今話の題名は『勝利の対価』でしたが、ここでの対価というのは【アポロン・ファミリアからの賠償金】と【アポロン・ファミリアのホーム】、【ベルのLv.3昇格】、そして【借金四億ヴァリス】のことでした。
借金の額が原作よりも多いのは、『ヘスティア・ナイフ』に加えて『ヘスティア・サーベル』の分の借金が追加されてるからです。

今回新たにプリコネからダイゴが参戦しましたが、本来であれば『忍びの頭領ハンゾウ』というプリコネのボスキャラを今章限りのキャラとして登場させる予定でした。
ですが、今後のストーリーの大まかな流れを考えた結果、ダイゴを登場させることにしました。

それと現在、簡単なアンケートやってます。
皆さんの考えを聞きたいだけなので、特に深く考えずに投票をお願いします。
この最後にモニカの現時点での【ステイタス】の数値を載せておきます。
詳しい内容は【ステイタス】を更新するので、そちらで確認を。

次回からは原作七巻の内容です。
どうやってモニカを絡ませるか、なかなか難しいところですが、お楽しみください。
誤字脱字、また文章でおかしな部分があれば報告をぜひお願いします。
それでは、次回。



【ステイタス】
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
モニカ・ヴァイスヴィント
LV.2
力:F308 耐久:F347 器用:F336 敏捷:F316 魔力:H139
狩人:I
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
魔法、スキルは特に変更なしのため割愛。
それぞれの数値の上昇理由としては、一週間の晶達との特訓+格上(ダイゴ)との戦いが主な理由。
その中でも耐久と器用の数値が高いのは、晶達との特訓でひたすらボコボコにされた+ナイフ投げや格闘による弱点の付き方をひたすら練習し続けたから。

モニカは……

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