ダンジョンにモニカがいるのは間違っているだろうか   作:刺身の盛り合わせ

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職場環境ががらりと変わってここ2週間執筆する気力が尽きてました。
どうも、ようやく書き終えた刺身の盛り合わせです。

ということで最新話。
今話は題名通り、戦闘娼婦が襲来するお話です。

感想と評価、お気に入りを登録してくださった方々、そしてこの作品を読んでくださっている方々。
本当にありがとうございます。
そして『白羽』さん、誤字報告ありがとうございます。

それでは、どうぞ。


第72話 『戦闘娼婦』

バベルを経由しホームへ帰ったモニカ。

一人でベル達を待っているとバイトを終えたヘスティアが帰宅。

なぜホームに一人でいるのかモニカを問い詰めていると、歓楽街から慌てた様子でヴェルフ達が帰ってきた。

しかしそこにはベルが居なかったため、胸が張り裂けるほどヘスティアが心配していると、甘ったるい香りを体中からプンプンと匂わせながら朝帰りしたベル。

これにはヘスティアは怒髪天を衝き、リリは般若(おに)の表情を浮かべていた。

少し離れたところではヴェルフが嘆息し、(ミコト)はあわわわっとあたふたし、その横ではモニカがシュン…とした表情で、『私は歓楽街でみんなと逸れた後、合流せずに一人でホームへ帰還しみんなを心配させました』という紙を持って正座させられているモニカがいた。

「変なことはしていない」というベルの言葉に嘘がないことを見抜いたヘスティアに、罰として一日の社会貢献を命じられたベル達。

 

「―――なるほど、そういう事情があったのか…」

 

その翌日、社会貢献の後再び春姫に会いに行き拒絶された(ミコト)を連れギルドに向かったベルを見送ったモニカとヘスティアは、ヴェルフから(ミコト)(ミコト)の探し人――春姫(ハルヒメ)の話を聞いていた。

 

「だが、(ミコト)が探してる春姫(ハルヒメ)がいる場所は第三区画……、あそこは【イシュタル・ファミリア】の勢力圏だ。下手に探りを入れるとこの前の戦争遊戯(ウォーゲーム)の二の舞…、いや、あれより酷いことになるのは間違いないな」

 

(ミコト)様には申し訳ないですが、【イシュタル・ファミリア】の関係者…しかも娼婦だなんて、ベル様に悪影響です!」

 

「……だがベルのことだ。困った仲間のことを見捨てることはしないだろう。ですよね、ヘスティア様?」

 

「確かに、ベル君が見ないふりする訳ないもんね……、ってお客さんかな?」

 

「私が出てきます、ヘスティア様」

 

話を聞いていると、ホームの正門の外から呼びかける声を聞いたモニカ達。

モニカがドアを開けると、そこには豪華な作りをした箱馬車が一台あり、男が一人立っていた。

 

「【ヘスティア・ファミリア】の方ですね。私こういうものでして……」

 

「【アルベラ商会】?」

 

「モニカくーん、一体誰が来たんだい?」

 

外に出てモニカが名刺を受け取ったところで、中から出てきたヘスティア達。

それに合わせて男は一枚の羊皮紙を渡すと、箱馬車に乗り込み正門前から離れていった。

 

「ヴェルフ、リリ、モニカさん、神様!」

 

「あ、ベル君。(ミコト)君も。帰ってきたんだね」

 

「今の馬車は何だったのですか?」

 

「商会からの冒険者依頼(クエスト)です」

 

「「商会?」」

 

ヘスティアにもらった羊皮紙を渡していると、馬車と入れ違いになる形で帰ってきたベルと(ミコト)に声をかけられ振り向くモニカ達。

ミコトからの質問に対し、ヘスティアの持つ羊皮紙を見ながら答えるリリ。

 

戦争遊戯(ウォーゲーム)の影響だな、これも。金にがめつい連中が接触してきた、ってわけだ。投資、とはまた違うが……オラリオではよくあることだな」

 

おうむ返しをするベルと(ミコト)に対し、頷き説明をするヴェルフ。

 

「ギルドを通さず直接指名してきたので、公式と呼べる冒険者依頼(クエスト)ではありませんが、相手ははっきりしています。しかも依頼人(クライアント)は商会。非公式の冒険者依頼(クエスト)より信用は遥かにあります」

 

「えっと、依頼の内容は?」

 

「14階層の食料庫(パントリー)での石英(クォーツ)採掘、だそうだ。……依頼内容に対して報酬が釣り合ってないがな」

 

「これから御贔屓してください、という真意が見え見えですね」

 

ベルの冒険者依頼(クエスト)内容についての質問に答えつつ、冒険者依頼(クエスト)の報酬を見て呆れた表情を浮かべるモニカとリリ。

依頼書を持つヘスティアに向かって、前のめりになりながら報酬額を聞くベルと(ミコト)

 

「「ほ、報酬は!?」」

 

「一〇〇万ヴァリス」

 

「「ひゃ、一〇〇万……!!」」

 

「この冒険者依頼(クエスト)はどうしましょうか、ヘスティア様?」

 

「んー…、あまり商人や商会とは繋がりを持ちたくないなぁ…。よし、先方には悪いけど、この依頼は断って――「「やりましょう!!」」――どわぁ!?」

 

冒険者依頼(クエスト)を断ろうとしたヘスティアだったが、ベルと(ミコト)による身振り手振りを交えた必死の同時懇願。

春姫(ハルヒメ)の『身請け』の話や春姫(ハルヒメ)が娼婦ということを聞き、最初は渋―い顔をしたヘスティアだったが、(ミコト)の想いを聞きこれまたしぶしぶ許可を出したことで、正式にアルベラ商会の冒険者依頼(クエスト)を受諾することとなったのである。

 

 

○○○○○

 

 

ダンジョン14階層。

話し合いから二日後、探索の準備や冒険者依頼(クエスト)受諾の連絡確認に一日使い、14階層の食料庫(パントリー)に向かっていた。

食料庫(パントリー)に辿り着く直前、食料庫(パントリー)方向から外套(フーデッドローブ)を被った冒険者達がモンスター達と共に姿を現した。

全員で別れ道まで引き返し広い十字路に逃げ込んだ次の瞬間、モニカ達を挟む形で左右の道から別の冒険者と怪物の集団が雪崩込(なだれこ)んできた

 

「モンスターの雪崩に巻き込まれないよう、全員身を寄せ合うんだ!」

 

「んなこと言ったって……うおおおおおおおおおおおおおっ!?」

 

「み、みなさんっ!?」

 

衝突中心地にいたモニカ達を起点に大混戦が巻き起こる。

一塊になるようモニカが声を荒げたものの、恐ろしいほどのモンスターの数によってベルとリリ、モニカとヴェルフと(ミコト)に一瞬分断されかけた。

全員離れ離れになるまいとその場に踏みとどまろうとするが、止めとばかりに最初に遭遇した『怪物進呈(パス・パレード)』が合流した。

四方八方をモンスターによって作られた檻に完璧に閉じ込められる中、『怪物進呈(パス・パレード)』を敢行した三つの冒険者達(パーティー)は、すれちがった側から反転するとモニカ達に襲い掛かってきた。

 

「なんだ、こいつ等!?」

 

大刀を振り回すヴェルフに曲刀(シミター)が、刀を振るう(ミコト)には棍棒、サーベルを振り回していたモニカには大剣が。

色違いの外套(フーデッドローブ)の集団は同士討ちを行うモンスター達を飛び越え舞うように攻撃を仕掛けてきた。

それぞれ襲いかかってきた冒険者達の対処を行っていると、突如ベルがモンスターの檻の中から吹き飛ばされ、モニカ達と分断された。

 

(ミコト)様、ベル様を追ってください!?」

 

「しかし!?」

 

「こちらは私達だけで大丈夫だ、ベルのことを頼む!」

 

「俺達で道を開けるッ、急げ!!」

 

「――はいッ!!」

 

リリからの助言、そしてヴェルフとモニカの連撃によって空いたモンスターの隙間を縫うように抜け出し、ベルが吹き飛ばされた方向へ走って行く(ミコト)

それから数分後。

 

「くそっっ!?」

 

最後まで残っていたに大刀を叩き込み、灰へと変えたヴェルフ。

周囲にはモンスターの数えきれない死骸と大量の灰がうずたかく積もっていた、

大刀を地面に突き刺し杖のようにして体を支えるヴェルフの側には、同じようにその身をボロボロにして、四つん這いになっているリリと片膝を立てて地面に座るモニカがいた。

 

「何だったんだ、あいつ等は!?」

 

「わかりません!?ベル様も、(ミコト)様も戻ってこない………!」

 

「嘆いている、時間はない…!早く、ベル達を探すぞ……!」

 

ヴェルフの苛立ちの叫声とリリの取り乱した悲鳴に、自身を鼓舞する意味も込めて声を出すモニカ。

モニカ達を好きなだけいたぶり、刃向かうモンスター達を虐殺していった外套(フーデッドローブ)の集団は、ベルと(ミコト)を道連れに嵐のように姿を消した。

混乱しながらも体に鞭を打ってモニカとヴェルフ、リリはベル達の捜索をしようとした。

しかし、ボロボロの状態をたまたま通りかかった上級冒険者が発見したことで、ベル達の捜索は一時中断、地上へ帰還することとなった。

 

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございました。

ということでサクッと?襲撃まで終わらせれることが出来ました。
今回自分で書いててお気に入りの部分はモニカが紙を持って正座させられているシーンです。

次回はイシュタル・ファミリアへのカチコミ。
大体2~3話を予定してます。
誤字脱字、また文章でおかしな部分があれば報告をぜひお願いします。
それでは、次回。
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