ダンジョンにモニカがいるのは間違っているだろうか   作:刺身の盛り合わせ

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なんか気づいたら11月も半ばでびっくり。
どうも、仕事で書く時間を取れなかった刺身の盛り合わせです。

ということで、最新話。
第六章にして、この作品の締めくくりの章です!
今章は原作第8巻の内容を中心に、オリジナルな内容を書いていきます。
原作ではベル達のオラリオでの日常+ラキア侵攻の短編集のような内容でしたが、本作ではラキア侵攻を中心に、モニカが主役の話となります。
2巻のリリや7巻の春姫と似たような感じです。
また、今章はモニカ・ベル・三人称視点の三つで書いて行ければと思います。

感想と評価、お気に入りを登録してくださった方々、そしてこの作品を読んでくださっている方々。
本当にありがとうございます。

それでは、どうぞ。



第六章
第75話 『帰郷』


 

「どうして………!?」

 

ベオル山地奥部。

視界の片側に谷間が広がる険しい山道の一つ。

【アレス・ファミリア】の主神、アレスに連れ去られたヘスティアを取り返すため、アスフィの先導の元にアイズと共にラキア軍を追いかけていたベル。

アレス達を狙って放たれたアイズの一撃は、【ヘスティア・ファミリア】の仲間である―――

 

「どうしてこんなところにいるんですか、()()()()()ッ!?」

 

「………」

 

―――モニカ・ヴァイスヴィントによって止められたのであった。

 

 

○○○○○

 

 

なぜこのような事態になったのか。

話は数週間ほど前までさかのぼる。

 

「モニカさーん、モニカさん宛てに手紙が届いてますー」

 

「むっ、そうか。すまんな、ベル」

 

その日は【イシュタル・ファミリア】から脱退した春姫(ハルヒメ)が【ヘスティア・ファミリア】へ入団してから数日後のことである。

春姫(ハルヒメ)を加えたパーティーでの初めてのダンジョン探索を終え、休日を取ることにしたベル達は、バイトに向かうヘスティアを送るとそれぞれ思い思いに過ごしていた。

(ミコト)春姫(ハルヒメ)は一緒に【タケミカヅチ・ファミリア】へ、リリは以前お世話になっていた人物の手伝いへ、ヴェルフは鍛冶場に籠り整備を行っており、ベルとモニカはホームの掃除や鍛錬、読書などを行っていた。

 

「ッ!これは……そう、か」

 

モニカ宛の手紙が届いているのを見つけ、モニカに渡したベル。

手紙を受け取ったモニカは、宛名しか書かれていないことに違和感を感じながら、封筒を開ける。

手紙に書かれた内容を読み進めていくにつれ、表情を険しくしていくモニカ。

最後まで読み終えたところで諦めたような、悟ったような表情を浮かべると、ベルの方を向き話を始めた。

 

「…ベル、急なのだが、故郷に帰らなくては行けなくなった」

 

「えっ!?きゅ、急ですね、それは…。ちなみにいつオラリオを発つんですか?」

 

「そうだな……早い方がいいからな、明日にでも出ようと思っている。申し訳ないがベル、私の帰郷をヘスティア様達に伝えてきてくれないか?」

 

「あ、明日ですか!?分かりました、ヘスティア様達に伝えてきます!」

 

「………もう、ここでの生活も終わりか」

 

モニカからの頼みごとを聞き、ヘスティア達の元へ向かうため居室(リビング)を出ていくベル。

モニカの呟きは、居室(リビング)から出ようとしていたベルの耳には届くことはなかった。

 

 

○○○○○

 

 

「―――それにしても随分急な帰省ですね、モニカ殿」

 

(わたくし)、もっとモニカ様とお話したかったです……」

 

「すまないな、あちらから急に帰ってくるように言われたのでな」

 

モニカの帰省が決まった翌日。

ベル達はモニカを送るため、ホームの門の外に集まっていた。

 

「……あの、見送りはここまででよかったんですか、モニカさん?」

 

「ああ。お世話になった人達に挨拶をしながら検問所に行く予定だからな。それにお前達にも予定があるだろう、気にするな。……そうだ、私がいない間も迷宮(ダンジョン)攻略は進めておいてくれ」

 

「となると、また編成を考え直さないといけませんね」

 

「それは別に後ででいいだろ、リリ助。今はモニカの見送り優先だぞ」

 

「分かってます、それぐらいっ!」

 

リリとヴェルフの言い合いをベルと一緒に止め、ひとまず【青の薬舗】へ向かおうとするモニカ。

何かベル達の背後で一番後ろで腕を組み目を瞑っていたヘスティアが、モニカに声をかけた。

 

「モニカ君、大体どのくらいでオラリオに帰ってくる、とか分かるかい?」

 

「……そうですね、ある程度したらこっちに帰ってくる、と思います」

 

「ッ!―――――そう、か。………モニカ君ッ!」

 

「?はい。どうしましたか、ヘスティア様」

 

ボク達(ファミリア)は家族だ、いつでもキミの帰りを待ってるぜッ!」

 

「―――はいッ!」

 

モニカの言葉を聞き、何かに気付いた表情を一瞬浮かべたものの、モニカに笑顔を向けるヘスティア。

ベル達に笑顔で送られたモニカは、【竈火の館】を出て【青の薬舗】へ足を進めた。

 

「………嘘を、つかれていましたね」

 

【竈火の館】から出ていくモニカを見送ったベル達。

モニカの姿が見えなくなったところで、(ミコト)がポツリとつぶやいた。

ベル達と話していた最中にモニカが浮かべていた笑顔は、以前春姫(ハルヒメ)が【イシュタル・ファミリア】で浮かべていた表情と瓜二つであった。

 

「付き合いの浅い(わたくし)でも分かりました。あれは、嘘をついておられる顔です。ですよね、クラネル様」

 

「はい、春姫(ハルヒメ)さん。だけど…」

 

「どこで嘘をついているのか分からない、ってところが問題なんだよなぁ…」

 

「……そうですヘスティア様です!神々は私達の嘘を見抜けると聞きます!それなら、モニカ様がどこで嘘をついたのか分かるんじゃないんですか!?」

 

神々は下界の子供達の嘘を見抜くことが出来る。

モニカがどこで嘘をついているのか、それを見抜いたのではと考えたベル達は、ヘスティアに尋ねた。

 

「―――確かに、モニカ君は嘘をついてたよ。『オラリオに帰ってくる時期』についてね」

 

「―――それ、は……」

 

ヘスティアの言葉を聞き、動きを止めるリリ達。

ヘスティアはモニカが『オラリオに帰ってくる時期』について嘘をついていると言っていた。

それはつまり―――

 

「まさか…モニカの奴、オラリオに帰ってこないつもりか!?」

 

「そっ、そんな!?」

 

「どうして止められなかったのですか、ヘスティア様ッ!?」

 

モニカが二度とオラリオに帰ってこないかもしれない。

その考えに辿り着いたベル達は、なぜ嘘をついたことに気付いていたヘスティアに止めなかったのか問い詰める。

リリに問い詰められたヘスティアは、自信満々な笑顔を浮かべた。

 

「確かに、モニカ君は嘘をついていたさ。でも大丈夫、きっと帰ってくる。ボクの勘がそう言ってるんだ!それに―――」

 

ヘスティアは自信満々な笑顔から優し気な笑顔に表情を変えると、右手を自分の胸元に当てながら答えた。

 

「――モニカ君の背中の象徴(シンボル)はまだボク(ヘスティア)のままなんだ。もしもオラリオに二度と戻らないのなら退団の儀式は行うはずだろ?でもモニカ君は退団の儀式を行っていないし、まだボクはモニカ君とのつながりを感じるんだ……だからモニカ君は必ずオラリオに戻ってくる、ボクはそう信じてるよ」

 

「神様の言う通りです。モニカさんは絶対帰ってきます」

 

「……モニカ様と一番付き合いの長いお二人がそう言うのです。でしたら――」

 

「私達はモニカ殿の帰りを信じて待つだけ、ですね!」

 

「まぁ…確かに、こちらに帰ってくるのが早くなる、という可能性がありますからね」

 

「まっ、ここで俺達が何言っても意味ないけどな」

 

「とにかく!モニカ君が帰ってくるまでは、いつも通り過ごそうじゃないか!」

 

「「「「「はいっ!」」」」」

 

ヘスティアの『モニカは必ず帰ってくる』という言葉に賛同するベル。

二人の言葉を聞き他のメンバー達も納得したところで、いつも通りの日常を過ごし始めるベル達。。

そうして、モニカがオラリオを出てから二日後。

ラキア王国軍出兵の(しら)せが、オラリオに届いた。

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございます。

ということで今話は導入回でした。
ベルと敵対しているモニカ、一体何があったのか……?
今後をお待ちください。

誤字脱字、また文章でおかしな部分があれば報告をぜひお願いします。
それでは、次回。
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