ダンジョンにモニカがいるのは間違っているだろうか 作:刺身の盛り合わせ
どうも、気づいたら一年終わりそうでゾッとしてる刺身の盛り合わせです。
ということで最新話。
今回はラキア侵攻についてのお話。
ということなので、モニカやベル、ヘスティアは出ませんのであしからず。
そして新キャラが一気に四人も登場です。
一体誰が出るのか、お楽しみに。
感想と評価、お気に入りを登録してくださった方々、そしてこの作品を読んでくださっている方々。
本当にありがとうございます。
それでは、どうぞ。
―――ラキア王国軍、出兵。
大陸西部に位置する君主制国家でありながら、『軍神アレス』の
交戦的な神の意志によって
とある『魔剣』の恩恵により、かつて不敗神話さえ誇っていたラキア王国の軍隊。
そんな軍隊の向かう先は、大陸西部から更に西へ進んだ大陸の片隅。
世界に一つしか存在しない壮大なダンジョンを保有し、
巨大な市壁と天を
西進を続け押し寄せてくる大軍はオラリオ周辺地域でもとうとう観測された。
突然のラキア王国侵攻に対し、迷宮都市オラリオは通常通り、何も変わらなかった。
遥か西方の曇天とは無縁な晴れた青空が広がっており、うららかな日差しを浴びる都市の住民達は、動じる素振りを欠片も見せない。
普段通り賑やかな生活を送っている住人達は、『あぁ、またか』と心の声を一つにした。
終始平和そうな光景が広がる都市の彼方、市壁外部の遠方からは、開戦を知らせる悲鳴のような声々が
しかし、その市壁外部の遠方での戦場では、通常とは異なる光景が見られた。
「―――どぉぉぉりゃぁぁぁぁああ!!」
軍旗をはためかせる無数の騎兵隊を、手に持った
懲りずに突撃してくる別動隊、第二、第三騎兵隊にもはや溜息も出てこない中、
そのことに気付いたガレスは、先ほどと同様に大戦斧を真一文字に
「ぅおわあぁぁっ!?危ないっスぅぅぅう!!?」
攻撃されると思っていなかったのか、
騎兵隊と同様に吹き飛ばされはしたものの、盾を斜めにして振り抜かれた斧の軌道から滑るようにずれたことで、結果的にはそこまでのダメージを負うことはなかった。
「くぅぅ~、上手くいったと思ったんスけどなぁ~!」
「ふっ、お主のようなひよっこに負けるわけがないじゃろう?―――それと、こっそり儂に近づいて来とるようじゃが、バレバレじゃぞッ!」
「うわっとと!?」
吹き飛ばされたものの、スーパーヒーロー着地で地面に降り立った
そして、
「だ、大丈夫っスか、智(トモ)ねーちゃん!?」
「大丈夫だよ、マツリちゃん。それにしても…流石Lv.6。近づくのも難しいね」
放たれた裏拳をバックステップで躱した黒髪のヒューマン――
簡単に自身の周囲を見渡し、自分達とガレスを囲むように騎兵隊が居るのを確認すると、周囲の騎兵隊に指示を出した。
「騎兵隊は一度本陣まで撤退、その後体勢を立て直してここ以外の戦場に向かって!撤退時間は私達で稼ぐから!」
「で、ですが
「大丈夫、後は自分達に任せるっス!さぁ、早く行くっスよ!」
「―――ご武運をっ!」
「儂がお主らを逃がすわけが――「悪いけど、見逃してもらうよ!【ミクマ流剣術・燕返し】!」――ぬおぅ!?」
「ついでにこれも喰らうっス、【タイガーショック】!」
「ぐぅぅぅ、耳がキンキンするわ!?」
トモの指示に従い撤退を始めるラキアの騎兵隊。
背中を見せながら逃走する騎兵隊に追撃を行おうとしたガレス。
その攻撃を
想像以上の剣速に背後に飛び攻撃を回避するガレス。
更に畳みかけるように、マツリが右手に持った剣で左腕に装備した盾を叩き、騒音を出してガレスの動きを制限。
その結果、ラキアの騎兵隊は本陣まで戻ることに成功したのであった。
「さぁ、出来る限りの時間を稼ぐよ、マツリちゃん!」
「りょ、了解っス、
「お主ら二人で儂の足止めじゃと?笑わせてくれるわ、やれるものならやってみよ!」
「―――ゥォォォオオオッラァ!!!」
「―――フンンンッッッ!!」
ガレスがトモとマツリの二人に足止めを食らっている一方、本来であればリヴェリアとアイズの三人で北の森へ向かう予定だったベート。
しかし、フィンに命じられ一人東方へ向かったところで、ガレスと同様に足止めを食らっていた。
「ハッ!雑魚ばかりと思ってたが……ちったぁマシなやつ奴がいるじゃねぇか!」
「あの有名なッ、
そう言いながらベートの蹴りを剣で受け止めるのは全身に漆黒のフルフェイス兜とフルアーマーを身に纏った騎士――ジュン・アルジェント。
声の高さからかろうじて女性と分かるが、その見た目と威圧感からはどう見ても男にしか見えなかった。
「それにッ、ここでのッ、わた、しの役目はッ!………時間稼ぎだ。付き合ってくれるか、
ベートによって繰り広げられる蹴りの一発一発を、全て大剣で弾き返すジュン。
全ての攻撃を弾き返したことで鎧には傷一つ付いていないものの、最後の一撃はこれまで以上に重かったのか、最後の一撃を弾くのに合わせて後方に飛び、距離を取ったジュン。
ベートを挑発するかのように話しながら剣を構え直すと、バロールのようにフルフェイス兜の奥の瞳を赤く光らせた。
『……北の森にリヴェリアとアイズ、東側からの増援にベート。これで
ガレス達やジュン達が戦う大平原から離れた
長槍を携える【ロキ・ファミリア】団長、
先ほどガレスが戦っている付近からラキアの騎兵隊が撤退、それを友軍が追撃していくのを見ていたため放置することにしていたフィン。
しかし、女性団員から友軍が騎兵隊を倒し損ねたことを聞き、広野から戦場に近い場所に騎兵隊の強襲対策として、ラウルを中心に第二級冒険者達を待機させたものの、未だに右手の親指の疼きが止まらないフィンだったが―――
「―――なるほど。親指の疼きが止まらないのはそういうことか」
―――戦場を抜け、自分達の下へ一直線に向かってくる騎兵隊、その一番前にいる人物を見て、親指の疼きが止まらない理由を悟ったフィンは、側で待機していたティオネにすぐさま指示を出した。
「ティオネ、銅鑼を鳴らしてラウル達に敵襲を伝えろ!ここにいる者は全員戦闘態勢、敵襲だ!」
「はい!」
「えっ、ちょっと待ってフィン!?今敵襲って言った!?ラウル達いるんだよ、あっち!?」
「あぁ、敵襲だ。彼女なら間違いなくここにやってくるはずだからね」
「か、彼女?それって…「て、敵襲―!敵襲―!」ほ、ホントに来たぁ!?」
本陣への敵襲、というフィンの言葉に驚きを隠せないティオナ達(ティオネ除く)。
驚きはしたもののフィンの指示に従い戦闘態勢を取りつつ、敵襲の人数を聞くティオナ。
尋ねられた男性団員は、しどろもどろになりながら答え――
「―――見つけたぞぅ、
――ようとしたその瞬間、何者かが上空からフィンに襲いかかってきた。
そんな突然の襲撃者に対して、携えていた長槍を振るい攻撃を受け止めるフィン。
少しの間鍔迫り合いを行うと、斬りかかってきた敵は剣に体を近づけると、もう一度飛び上がりフィンから距離を取った。
「私の攻撃を受け止めるとは、流石フィン・ディムナ……いや、
飛び上がりフィンから離れた敵は、地面に着地すると先程までフィンに振るっていた大剣を地面に突きたて、高圧的な笑みを浮かべながらフィンに話しかけ始めた。
周囲の団員達は突如上空から現れた敵に対して、いつ戦いが始まっても大丈夫なように、武器を構えて相手の出方を見守っていた。
「なぁ~に団長に攻撃してんだテメェはぁぁぁ!死ぃぃぃねぇぇぇぇぇっ!!」
「よせっ、ティオネッ!?」
しかし、愛しの団長に攻撃を行った相手に対して怒りを止められず、背後から敵に殴りかかるティオネ。
フィンの制止の声が届く前に振り抜かれたティオネの拳は―――
「――――はっ?」
―――敵に当たることなく躱されたのであった。
「おいおい、胴体がガラ空き、だぞッ!!」
背後から来るティオネの攻撃を
攻撃をモロに喰らったティオネは、広野から後方の主神達のいる場所まで吹き飛ばされた。
「アンタ、よくもティオネを―――「やめろ、ティオナ」――なんでさ、フィンッ!?」
ティオネを吹き飛ばした敵に敵意を向けるティオナだったが、フィンによって止められた。
「おいおい、私を倒さなくてもいいのか、
「倒したいのは山々だけど、君にスキルを使われると倒すのに手間がかかるからね。……それで、何をしにここへ来たんだい、クリスティーナ・モーガン?」
「何をしに、だと?…決まっているだろう、宣戦布告さ♪」
そう言いながら剣先をフィンに向け、不敵な笑みを浮かべる敵。
「今回の侵攻には私
「敵陣に突っ込んできた敵を、そう簡単に逃がすと――「全員手を出すな、帰してやれ」――ッ団長!?どういうつもりですか!?」
「流石はフィンだな。では、失礼させてもらおうか♪」
満面の笑みを浮かべながら、【ロキ・ファミリア】の包囲網から抜けていくクリスティーナ。
何故敵を逃がしたのか、そう聞いてくる男性団員に向けて、フィンは冷静に説明を行った。
「クリスティーナの持つスキルは厄介だ。実際にこの場で彼女と有意に戦えるのは僕とティオナ、ティオネぐらいだ。だが、ここで戦った場合、後方にいるロキ達に被害が及ぶ可能性がある。それは絶対に避けないといけないからね」
「……ねぇフィン。さっきのクリスティーナ?っていうの誰なの?」
「あぁ…。そういえば、ティオナ達がファミリアに入った時、彼女はもうオラリオにいなかったんだったね。――彼女は【
後に『第六次オラリオ侵攻』と呼ばれる
これまでとは違った戦いにより長引くこととなる戦争。
そんな中で、
ここまで読んでいただきありがとうございます。
ということで、ラキア侵攻でした。
ベートがアイズ達と別行動など、原作とは少しだけ違う部分もあったりしました。
そして新キャラ登場です。
プリコネから『王宮騎士団(NIGHTMARE)』の面々が参戦です。
クリスティーナやマツリは以前から伏線的なものを立てていましたが、ジュンとトモも参戦しました。
彼女達の簡単な設定については活動報告に後日公開する予定です。
誤字脱字、また文章でおかしな部分があれば報告をぜひお願いします。
それでは、次回。