ダンジョンにモニカがいるのは間違っているだろうか   作:刺身の盛り合わせ

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生きてます
どうも、刺身の盛り合わせです。

大変長らくお待たせいたしました、最新話です。
書いては消して内容が煮詰まった結果軽く半年放置したりしてましたが、ご安心ください。
必ず完結はさせます。

前回はオラリオからヘスティアを連れ去って、それを取り返しに来たベル達と対峙したところまで。
今回はその続きからです。

感想と評価、お気に入りを登録してくださった方々、そしてこの作品を読んでくださっている方々。
本当にありがとうございます。

それでは、どうぞ。



第81話 『本当の気持ち』

「何、で……モニカさんが、ここに……?」

 

【ラキア・ファミリア】によって連れ去られたヘスティアの救出のため、上空にいるアスフィの先導の下、アイズに追従する形でラキアの兵隊を追いかけていたベル。

ラキアの兵隊を見つけ先に進んだアイズに追いつくと、そこには大剣を肩に担いだ金髪の女性とモニカが並んで先行したアイズと向かい合っており、その奥にはヘスティアとヘスティアをお姫様抱っこしている少女がいた。

 

「私にも理由があるのだ。…ヘスティア様は必ず無事にオラリオに届ける。だから引いてくれベル」

 

「嫌です。どうしてモニカさんがここにいるのかは分かりません―――みんなでオラリオに帰りましょう、モニカさん」

 

「………すまん。それは出来んのだ、ベル」

 

ベルからの問いかけに、苦々しそうな表情を浮かべながら否定するモニカ。

その横では、クリスティーナとアイズが和やかな雰囲気で会話していた。

 

「……久しぶり、クリスティーナ。……オラリオから出ていったのは知ってたけど、どうしてラキアに……?」

 

「何、今の主神様が神アレスの従属神になってしまったからな、仕方なくだとも。……それとだが、こちらには神質(ひとじち)として女神様がいる、戦えばどうなるか分かっているだろうな、アイズ?」

 

「………分かった、どうしたらいい?」

 

「そうだな……、私達が本陣に戻るまで追わずこの場に留まってもらおうか。上空でこちらを見ている万能者(ペルセウス)にもそう伝えておけ。撤収するぞ、(トモ)、モニカ……それではな、アイズ♪」

 

「……ではな、ベル」

 

クリスティーナに呼ばれ、アレス達の待つ本陣へ向かうヘスティアを抱えた(トモ)とベルに別れを告げ走って去ってゆくモニカ。

去ってゆくモニカに手を伸ばしたものの、声が出ず呼び止めることが出来なかったベル。

上空から降りてきたアスフィと三人でこれからの動きについての確認をしていた。

 

「―――では、私上空から(かぶと)で姿を消して追跡を行います。お二人は私が上空から合図を出すのでそれまで待機を。合図が来たらラキア陣営に気付かれないよう距離を取りながら本陣へ近づき、ヘスティア様の救助を。良いですね?」

 

こちらの手鏡の光が顔に当たったら合図ですので、と簡単に合図の説明をすると即座に兜を被り飛翔靴(タラリア)を用いて上空へ飛びあがっていく行くアスフィ。

そんなアスフィを見送ると、焦った表情をしたベルの方を向くと

 

「………とりあえず、合図が来るまで休憩しよっか?……とりあえず、お昼寝だね……」

 

「……分かり、ました……って昼寝?あっもう寝てるッ!?」

 

『えっ誰もいないこんなところで昼寝!?』

 

焦る気持ちを抑え、ヘスティアの救出とモニカの行動の理由を知るため、アスフィの合図が来るまでその場で待機することになったベルとアイズ。

しかし、すぐ隣で以前のようにアイズが昼寝をし始めたため、心の中で天使(ヘスティア)悪魔(祖父)の二度目の戦争が始まってしまい、アスフィの合図が来るまでほとんど休めなかったのであった。

 

 

○○○○○

 

 

「フッハハハハハハ!見たかマリウス!見事にオレの作戦が「いいから早くボクを解放しろ~!」ブゲェ!?」

 

「「「「「ア、アレス様~ッ!?」」」」」

 

場所は変わってラキア王国本陣。

無事にヘスティアを誘拐することに成功し、テント内でマリウス達に作戦の成功を自慢しようと勢い良く立ち上がったアレス。

しかし、側で縛っていたヘスティアのツインテールを顔面に勢いよく叩きつけられ、立ち上がった勢いそのまま後ろに倒れたのであった。

 

「突然何をするこのチビ神!」

 

「何をするじゃないやい!ゴチャゴチャ言わないで早くボクをオラリオに帰せ、って言ってるんだい!」

 

「ここに来るときも言ったが、貴様はクロッゾの(せがれ)に魔剣を打たせるための神質(ひとじち)だ、何故解放する必要がある!?おいお前達、このアホ神を牢屋に連れていけ!――恐れ多くてそんなこと出来ない?えぇい仕方ない、俺が牢屋に連れて行くからお前達はそこで待っtイタタタタタ!?腕を噛むんじゃないこのアホ神ィ!」

 

女神相手に粗相など出来ない、と結局誰も牢屋に連れて行こうとしなかったため、ヘスティアに腕を思いっきり噛まれながらも連れていくことになったアレスと、その背後をついて行くマリウス達。

ヘスティアを連れ帰ってきたクリスティーナ達は、そんなアレス達を尻目に解散。

モニカはクリスティーナと(トモ)の二人と別れると、テントに戻りオラリオでの出来事を話していた。

 

「――ということがあって、私達【ヘスティア・ファミリア】は見事【アポロン・ファミリア】に勝利したのです!」

 

「【アポロン・ファミリア】は確か中堅ファミリアの一つ。それをたったの六人で倒すとはな……やるじゃないか、モニカ!」

 

「ぉわっ!?も、もう子供ではないのですから頭をなでないでください、お父様!?」

 

【アポロン・ファミリア】との戦争遊戯(ウォーゲーム)の顛末を聞き、豪快にモニカの頭を撫でまわすエルドアと、嫌がっているような口ぶりではあるものの口元は笑みを浮かべていた。

そんな二人を眺めていたティモロは自分の紅茶を飲み切ると、真剣な表情を浮かべるとモニカの方を向き直した。

 

「――ねぇモニカちゃん。オラリオとラキア、どっちが楽しい?」

 

「い、いきなり何の話ですか、お母様?……まぁ、お母様達のいるこちら(ラキア)の方が楽s「はい、嘘」いひゃひゃひゃひゃ?!ほ、ほほをひっはらはいでふあはい!?―――あぁもうっ、やめてください二人共!髪の毛がぐちゃぐちゃになっちゃったじゃないですか!?」

 

ティモロからの突然の問いかけに少しだけ悩み答えを出したものの、ティモロに両頬を引っ張られこねくり回されるモニカ。

エルドアからは頭、ティモロからは頬を10分ほどかけてもみくちゃにされたモニカは、二人を引き剥がしたのであった。

 

「もうっ、髪がボサボサです……それで、お母様はどうして私が嘘をついていると思われたのですか?」

 

「そんなの見てたら分かるわよ。だってモニカちゃん、ラキアに戻ってきてからはどこか元気が無かったけど、私達にオラリオでの話をしてる時は凄くいい笑顔をしてるんだもの」

 

「そんなモニカの姿を見てたら、すぐに嘘ってわかるもんだ。……なぁモニカ、本当にやりたいこと、あるんじゃないか?」

 

「もちろんこっち(ラキア)でやりたいことがあるなら言わないでいいのよ?でも、モニカちゃんのさっきの言葉は本心じゃないでしょ?」

 

「―――ラキアから手紙が届いた時、お父様とお母様と久しぶりに会えると思いとても嬉しかった。……ですが、もう二度と【ヘスティア・ファミリア】の仲間達と会うことが出来ない。そう考えると、心が…とても苦しいのです。」

 

ティモロとエルドアの言葉を聞いてどこか悟ったような表情を浮かべると下を向き、モニカはポツリポツリと本心を話し始めた。

 

「もっとオラリオでみんなと過ごしたい。もっとみんなと共に冒険をしたい!私は、オラリオでやり残したことがたくさんあるのです!………だから私は、オラリオに帰りたい。いや、帰らなければならないのです」

 

「……そうか、モニカはそうするって決めたんだな。それなら、急いで女神ヘスティアを連れてここを出て行かないとな!良いものがあるから、ちょっと待ってろよ!」

 

モニカのセリフは次第に語気が強くなっていき、最後には絞り出すように本心を告げた。

そんなモニカの出した答えに対し、エルドアは納得の表情を浮かべるとモニカの選択を肯定する発言をしながら立ち上がり、テント奥の荷物置き場向かっていった。

 

「……止めないのですか、お父様、お母様?」

 

「あら、モニカちゃんは止めて欲しかったのかしら――――――でしょう?それに、元々二人で決めてたことなの。モニカちゃんがやりたいことが出来たら、止めるようなことはしないって」

 

「すまんすまん、待たせたなモニカ!ほら、これを持っていけ!」

 

ティモロからオラリオに戻ることを止めて欲しかったか聞かれ、首を左右に大きく振り否定するモニカ。

そんな話をしていると、テント奥から戻ってきたエルドアから何か小袋を投げ渡された。

危なげなく両手でキャッチしたモニカが袋を開けると、中には銀色の懐中時計が入っていた。

時計の蓋には十字剣と穴の開いた剣が交差されたものが刻印されており、それ以外は通常の懐中時計なのだが、どこか懐かしさを感じた。

 

「贈り物の懐中時計だ、せっかくだからダンジョンでも使ってくれ。……モニカは俺達の自慢の子供だ、きっとオラリオでも大丈夫!」

 

「これが本陣とオラリオ周辺の地図で、女神ヘスティアは本陣の奥にいる筈よ。きっと見張りの兵士がいる筈だから気を付けて。……何かあったらいつでも帰っておいで、美味しいスコーンを作って待ってるわ!」

 

「ッ!―――これまで育ててくれてありがとうございました。行ってきます、お父様、お母様!」

 

両親からの激励に涙を浮かべたモニカ。

コートの裾で目頭を拭うと、両親の方へ向き直り大きく礼をすると、テントを後にした。

ラキア陣営奥に幽閉されているヘスティアの下に向けて。

 

 

 

「―――それにしても、一人で抱えて悩み続けるところはお前そっくりだな、ティモロ」

 

「確かにそうかもしれないけれど、これだと決めたら一直線なのはあなたそっくりね」

 

「あぁ、そりゃ間違いないな!………さて、じゃあ俺達も準備するか?」

 

「そうね、可愛い我が子のためだもの。やれることはやらなくっちゃ、ね?」

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございます。

ということでモニカのラキアとの決別、そして両親との別れまででした。
『モニカと両親の仲は良好』と『両親がモニカの夢を応援する』という部分を書きたかったので何とか文章に出来てよかったです。

途中に出てきた懐中時計についてですが、神撃のバハムートの『タイムリープ・モニカ(レジェンド)』で描かれていた懐中時計が元ネタだったりします。
この懐中時計は番外編で書く予定の過去編と繋がりを作るためのアイテムなので、本編では迷宮内外での時間確認で使われるぐらいです。
一体誰が使っていた剣が刻印されていて、何故モニカの家にこの時計があったのかはその内書けたらなと思います。

エルドアとティモロが何をしようとしているのかは後の話で。

誤字脱字、また文章でおかしな部分があれば報告をぜひお願いします。
それでは、次回。
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