自然系能力者の日記   作:自然系すき家

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2話

 

 ×月×日

 

 悪魔の実を食べてから2か月。クモクモの実の能力拡張の仕方についてある程度分かってきた。

 

 クモクモの実の能力を拡張させるには、多くの雲を視ることが重要である。

 

 クモクモの実だと自覚した時、アレは悪魔の実を食べてから初めて雲という存在を意識した瞬間だった。自分の上にある雨雲という存在。それを認知したその瞬間から雨雲を作れるようになった。だから、クモクモの実は視ることが重要。

 

 そう考えると能力拡張大作戦が一瞬で思いつく。

 

 

 

 ―――その名も、“もっと雲を視よう大作戦!!!”

 

 

 

 

 名前はアホっぽいが、新しく雲の種類を覚えるにはソレしかない。

 

 オレは前世で、空島編で出てきた鉄雲や島雲、海雲、新世界で出てきたわたあめ雲やカイドウの焔雲などONEPIECE世界での雲を何個も見ているはずだが、作り出すことが出来ない。また、現実に見た積乱雲なども作り出すことが出来ない。

 

 つまり、前世において視ている雲についてはリセットがされている。

 要は、強くてニューゲームは許されないということ。すべては、自分で視て覚えなくてはいけない。

 

 まぁ、だが難しく考える必要はない。無人島から出るには、そういった特殊な雲が使える必要はない。それよりも飛び続けるスタミナとかのほうが必要だ。それに、そういった特殊な雲を覚えるのは、冒険するときの楽しみにとくくらいが丁度良いはず。

 

 

 

 因みに“もっと雲を視よう大作戦”は、今のところ成果を出ている。自分がクモクモの実だと自覚してから、新しく覚えた雲は雷雲と暴風雲。嵐の日に空を見て覚えた雲だ。

 

 その使い勝手は、抜群。雷雲に関しては、今ではゴムゴムのピストルぐらいの十八番として使っている。

 

 雷雲から放たれる雷は、小さければ弱く大きければ強くと、雲の大きさに比例した威力で放つことが可能であり、未だに森の猛獣に使用したことはないが、その威力は十分だと思う。

 

 

 

 

 

 

 ……能力の拡張について色々語ったが、やっぱ基礎が重要だった。

 

 

 

 

 

 

 えー、雷雲的中率じゅうぱーせんと。

 

 

 

 

 

 ×月×日

 

 ―――覇気とは?

 

 誰もが持つ“意志の力”―――ソレを覇気と呼ぶ。

 

 その身に纏えば「最強の鎧」に、周囲に傾ければ「読心」や「未来予知」を可能にさせ、自身の感情に乗せれば「物理的な威圧」を生む。

 

 その存在は、正に「ONEPIECE」世界の根幹を成すともいえる力。

 

 

 あらゆる者が“意志の力”をその身に秘めているが、ソレを使いこなせる者は限られる。世間では、その常識では測れない力から超人、選ばれた存在として特別視されることがある。だが、“意志の力”―――覇気とは誰もが鍛錬をすれば習得が可能な技術である。

 

 その才能を開花させるまでの時間に違いはあれど、誰もが長期間の鍛錬をすれば扱うことが出来る。

 ソレが、覇気。意志の力というモノ。

 

 ただ、その為には自分を信じる強い意志が必要である。

 

 例え、仲間を全員失っても、自分より絶望的に強い相手に出会ったとしても、身体を失ったとしても疑わない心、折れない心があれば意志の力は応えてくれる。逆に、心が折れて自分を信用できない時には、意志の力は応えてくれない。

 

 つまり、ここまで覇気について長々と語っておいて何が言いたいかというと……。

 

 

 

 

 ―――前世が日本の温室育ちのオレにとっては、拳を岩に叩きつけても大丈夫だと思える自信がないということ。

 

 

 

 

 ×月×日

 

 武装色の覇気を目指した修業から1日。頭がスッキリした。

 

 昨日は、武装色の修業として岩を拳で殴りつけた。

 

 結果は、当然だけど途中で拳が失速して出来なかった。医者も薬もまともにないこの無人島でそんな自殺行為できません。まぁ、オレだって本当は思いっきり拳を叩き込むつもりだった……。でも、身体は誰よりも正直で、頭の中では「オレならイケる!」「ココは、ONEPIECEで少年漫画の世界なんだ。だったら、オレでも砕けるッ!」と声高らかに叫んでいても止まる。

 

 身体はONEPIECE世界の真新しいピッカピカ1年生の身体のハズなのに、岩を殴ろうとした一瞬……前世での壁を殴った時の鈍痛が脳内で再生される。

 

 そのせいで、昨日は泣く泣く武装色の修業は諦めた。

 

 

 

 

 

 

 だが、昨日の失敗から新しい修業を考えた。

 

 今のオレは身体がまだ筋肉がついていない推定12歳とかそこらのガキだけど、後々ONEPIECE世界特有の筋肉マッチョマンになる予定だ。だから、岩を拳で殴る修行は身体が出来上がるまでのお預けしておく。ただ、武装色の覇気は、ONEPIECE世界において必須も必須。冒険するなら確実に持っておきたい。現代におけるスマホくらい重要である。

 

 でも、オレには岩を殴る勇気がない。だが、諦めきれない。まだ、何か方法があるはずだと考えて一夜。ある秘策を思いついた。

 

 今のオレが岩を殴れないのは、前世の経験上岩に拳を叩きつけても手が骨折するという先入観に囚われているから。つまり、前世において植え付けられた先入観の中で武装色の覇気の修業に転用できるモノといえば……?

 

 

 

 

 そうッ! ソレは、刃物なら物を斬れるという常識。

 

 

 

 

 それこそが、武装色への第一歩。

 

 つまり、オレはルフィのような自身の肉体その身一つで戦うような肉体近接修業法ではなく、ゾロやワノ国の侍のような刀を使った修行法を目指すことが自分のスタイルに合っているということ。

 

 だから、今やるべき武装色の修業は、海賊船から手に入れた剣を使って素振りと何かを斬ること。そして、常に見えない力を刀身へ纏わせるイメージ。ワノ国風に言うなら、体内に流れている流桜を纏わせるイメージを忘れないこと。

 

 オレは、ONEPIECE世界においては覇気を一度も見たことないひよっこだが、前世において覇気を使った頂点の姿をこの目で見ている。確かに、ソレは漫画という娯楽の中であり紙を通してみた絵であるが、ソレでも見ているし知っている。

 

 その差は、この世界において大きい。

 

 「見たこともない聞いたこともない力を信じて鍛えること」と「見て知った上で鍛えるということ」には、明確に差が生まれる。

 

 オレには、レイリーのような世界最強の師匠はいないし、ミホークのような世界最強の剣士を師匠に持ってもいない。だが、オレの記憶の中に彼らがいる。“意志の力”を信じた先の頂点の闘いがその眼に焼き付いている。

 

 自分の目指す先に何があるのか知っている。出来ることも知っている。

 

 

 なら、あとは一歩ずつ歩いていくだけだ。

 

 

 

 ×月×日

 

 カッコイイことを書いて終わった次の日。

 

 感謝の素振り一万回を決行。やはり修業と言えば、ネテロ大先生の感謝の一万回を参考にせずして、誰が少年漫画読者と言えるのか。そう意気込み素振りが500回を超えたあたりから腕が持ち上がらず断念。そのあとは、能力伸ばしと狩りをした。

 

 能力伸ばしについては、今のところ身体雲化の時間短縮と分離生成雲の操作に力を入れている。

 

 身体雲化の時間短縮については、全身が体感1秒も掛からないくらい。部分が2から3秒くらいな気がする。ただ、それも戦闘状態ではない平時での時間。コレが戦闘中となれば、どこまでうまく切り替えられるのか自信がない。

 

 次に、分離生成雲の操作。まず、今作ることのできる分離生成雲は雨雲と雷雲、暴風雲の3つがある。

 

 この3つをナミの天候棒(クリマ・タクト)から生み出されるように出した後、操作する。前後左右に直線的な動きをさせたり、曲線を描いた軌道、急発進からの急停止など、動きに抑揚を持たせながら移動させる。そして、それぞれ雨、雷、風を出す。このサイクルを暇な時間がある時にやる。

 

 そして、食料狩りでは分離生成雲・雷を使って小動物を狩る。主に、鳥やネズミ、魚など。

 

 不規則に動く的に当てるというのは、非常に難しい。感覚的には、PCのFPSゲームでエイムアシストのないPADを使うような、敵に当てたくても当たらない。エイムが追いつかない感覚に非常に似ている。

 

 自分が攻撃を当てたくも相手の動きは格上。まるで枷がないかのように縦横無尽にその身体を動かす。

 

 その当たらないという感覚は、もどかしくあれど自身で雲を生み出し操る高揚感は何物にも勝る。自分に能力がある。自然を雲を自由に操れる。その常識では考えられない超常を自分が起こしているという全能感。

 

 ソレは、初めて味わう麻薬のような興奮を与える。

 

 だから、この修業を苦にも感じないしやめようと思わない。この日常から外れた非日常こそ自分の求める夢だったんだと心から感じる。

 

 

 ……あぁ、最高だよONEPICE。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ×月×日

 

 遂に素振りが1000回を超え始めた今日この頃、早くも猛獣との戦闘を始めるようになった。―――というのも、最近見聞色の修業に手を出し始めた。

 

 見聞色の修業は、習得するまでの修行法をハッキリと描いている唯一の覇気である。

 

 その修行法は単純で、目隠しで攻撃を避けるというもの。書いただけでも分かる無理難題。ソレが見聞色の修業第一歩。この無人島でやるとなれば、避けることが出来ず即死、細切れ待ったなしの猛獣の攻撃を目隠しで避けるという修業真っ青の殺し合い。

 

 まさに、言うは易く行うは難しとはこのこと。

 

 そんな簡単に言ってもこんな無人島じゃあ実行できないよ……と、思っていました。でも、よく考えればオレにはクモクモの実があるじゃない。なら、雲化した状態で頑張れば良いじゃない。ということで、身体雲化をした状態でチャレンジ。

 

 ―――結果は、自然系(ロギア)最強。

 

 攻撃が当たることはなかった。だが、何かを感じることもなかった。まぁ、ソレに関しては期待はしていない。最初から一発目から出来る技術なんてものは存在しない。ただ、今回はソレ以上の発見があった。

 

 身体雲化で猛獣の攻撃をすり抜けている間は、物騒な音を聞きながら瞑想というもどかしい時間が流れる。時偶、「ココだッ!」と叫びながら身体を動かす。ただ、それも何かを感じたからではなく不動に耐え切れず多動的に動くだけ。

 

 そんな無限にも感じる暗闇の中であることを思いついた。

 

 

 “今している身体雲化の雲を別種に変えた場合にどうなるんだ?”

 

 

 今の雲化は、通常の雲。みんなの上に浮かんでいる雲と差異はない。この雲化の種類は、無意識的に雲と言えばコレと想像して変化しているだけで意識したことは一度もない。

 

 ―――身体雲化を雷雲に変えた場合どうなるんだ。

 

 結果は、猛獣はビリビリして倒れた。

 猛獣は、オレの身体に触れた瞬間に感電して気絶。雷雲に変化した感想としては、今までほぼほぼ変わらない感覚。ただ、感電した瞬間は体中を何かが走った感覚があった。

 

 身体雷雲化の副作用としては、触った相手が感電するくらいだった。

 

 いきなり雷の速度になって無双することもないし、腕からエルトールすることもない。何なら腕から雷出すのも難しかった。今までの操作している雷雲からの落雷とは違いすぎて、威力・方向性どちらも上手く操作できなかった。

 

 使い勝手が良いのか悪いのか分からないけど、今後鍛えれば強くなるんだろうなってくらい。

 

 自然系(ロギア)の中で自分の身体を違う性質の自然に変えられるのって、クモクモの実だけじゃないか? 他のキャラだと、そこまで自然に種類というか性質変化がないし……なんか固有能力感あって嬉しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そう言えばシーザーがいた。アイツも性質変えられたはず。

 

 

 

 

 

 

 ×月×日

 

 クモクモの実は、ガスガスの実に近い。

 能力面において一番参考にすべきは、シーザー・クラウン大先生だとオレは思う。

 

 クモクモの実は、その見た目からモクモクの実に非常に近い性質的には同系統だと思っていたが違った。クモクモの実は、ガスガスの実に非常に近い。応用力においては、同系統と語って良い程には似通った性能をしていると思われる。

 

 クモクモの実は、身体を雲に変化させ、雲を自在に操ることが出来る。

 

 自然系(ロギア)として標準装備の物理攻撃無効化があり、雲化すれば空中移動が可能。そして、雲化でわずかな隙間も侵入することが可能とガスガスの実と似た性能をしている。ただ、ソレは他の自然系にも言える……が、もう一つの特徴がクモクモの実にはある。

 

 ソレは覚えた雲であれば、自由に雲を生み出すことが可能という点。

 

 ガスガスの実では、雲ではなくガスで同じことが可能である。つまり、自由に動かせる武器を生み出すことが可能であり、ソレは言わば手札を大量に持った決闘者(デュエリスト)。カードの種類が多ければ多い程、勝負に勝てるという訳ではないが、強いことは確か。

 

 そして、参考にすべき偉大な科学者シーザー・クラウン大先生は、肉体的には雑魚だったが自然系(ロギア)能力者としては強者だった。自身の能力の長所と短所を理解した上での運営方法を確立し、自身の戦闘向けの研究を進めていた。

 

 あそこまで自然系(ロギア)の理解を深めていた存在は、他にはいない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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