死神が如く   作:フェルトファン

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三話 少年の名付けと住む場所

 

 

 

 

 

「……でっけー家……」

 

 四楓院夜一の屋敷(・・・・・・・・)の前に立った少年の、第一声はそれだった。

 

「そうじゃろう。ま、気にするな。直に慣れるわ。」

 

「イヤイヤ夜一サン。いきなりこんな広い屋敷を見せたらそりゃ驚きますって。」

 

 ちなみに喜助は何度も夜一の屋敷に遊びに来ているが、それでも使用人たちが“ズラーーーッ”と並ぶこの出迎え方は、隊長になっても慣れない。もちろん、少年から見て初見である。

 

「ひ、人多すぎだろ.........」

 

 若干の緊張は少ないものの、やはり大勢の人々が目の前にいる事に慣れていないだろう。

 

「(そもそも、何でこうなったんでしたっけ....)」

 

 浦原は、少年が退院する前の出来事を思い出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一週間前.........

 

 

 

 

 

 

「俺は....アンタの養子になってやる。ただし今俺にも条件がある。」

 

 夜一の養子になることを承諾した少年『カズマ』は、そんなことを言い出した。しかも相手は、五大貴族である夜一に堂々と条件を出す勇気を持っている。

 

 ちなみにカズマは、夜一が五大貴族である事や五大貴族とは何なのかも知らない。

 

「条件じゃと?」

 

「あぁ.........二つだ。この二つの条件を聞いてくれたら、アンタの養子にでもなってやるよ。」

 

「ほう......言うてみい......」

 

「まず一つ、美味い飯を食わせてくれ。腹が減った。」

 

「「…………マジで(っスか)?」」

 

「.........マジだ。」

 

 少年からの一つ目の条件は意外である。その条件を聞いた二人は、ポカンっと口を開けていた。

 

「そ....そうか。それで、二つ目は何じゃ?」

 

「“レッカ”を返せ。それが二つ目の条件だ。」

 

「.........お主の斬魄刀を返す条件か....分かったいいじゃろう。お主の斬魄刀を返して貰うよう、総隊長に説得するわ。」

 

「.........おい、いいのか?」

 

「どういうことじゃ?」

 

「いや.......てっきり返さないって思ったけど。マジで返してくれるのか?」

 

「そういうことか。儂はお主の力を気に入っておるからな。それにお主の斬魄刀もとても興味持っとるわ。」

 

「そ.....そうなんだ.........」

 

「あぁ.....それとな。屋敷の者達にはお主の事を儂の弟子である事を伝える。」

 

「弟子?.........何でだよ?」

 

「家ではちょっと事情があってな。ああ見えて頭は硬いし厳しいからのう。お主が弟子であれば多少は問題ないんじゃ。」

 

「要するに.........その屋敷の人達には、俺がアンタの弟子だって事を嘘つけばいいんだな。」

 

「お!話が早くていいな。」

 

「レッカを返してくれれば、アンタの養子でも弟子でもなんだってなるよ。」

 

「相変わらず可愛げがないのう.....よし!お主が退院した後、主に住む場所などを紹介するわい。ついでに儂がよく遊びに行く屋敷もいいのう。」

 

「(よく遊びに行く屋敷って.....絶対、朽木家でしょ。)」

 

  何かを察しした浦原は、内心でツッコむ。

 

 

 

 

 

 

 

 そんなことがあってから、一週間後に退院したカズマは、早速、浦原達が用意してくれた服に着替える。新品ではあるが、そんなに高級感がないただの服である。勿論、どこにでも売ってある一般の普通の服でもある。だが、カズマから見れば高級で値段が高そうとは思っている。

 

 浦原達から貰った服に着替えて、夜一の屋敷に向かい、今こうして門の前に立って居るのである。

 

「ところでお主、何でフードなんか被っておるんじゃ?」

 

 

 少年.....カズマは顔を隠すよう、誰にも見られないようにフードを深く被っている。

 

「お主....確かに今日は少し暑いが、そこまでせんでも良いじゃろ。」

 

「あ、暑くねーよ。俺は自分の()を誰にも見られない為なんだよ。」

 

「目?どうしてですか?」

 

「だって....俺の目........気持ち悪いだろ.....」

 

 確かに彼の瞳は、他の者とは違う。まるで宝石のようだと感じる事もあるだろう。

 

「俺は.........この目のせいで.....いろんな奴らに嫌われたり、殺されかけたり、化け物扱いされた事もあるんんだぜ。だから俺は....この目が大っ嫌いなんだ...」

 

 

「.....................なんじゃ?そんなに自分の目が嫌なのか?」

 

「あぁそうだよ.........俺は自分の目が嫌いなんだy「儂は好きじゃよ。」......え?」

 

「じゃから......儂はお主の目が好きだと言っておるのだ!それに.....ホレ!」

 

 夜一は少年の前にしゃがみ、自身の金色の双眸を見せる。それを見た少年は少し驚く。

 

「儂もお主と同じ気持ちじゃったわい。だが今となっては、自分の目は誇りだと思っておる。無論、お主もじゃよ!」

 

 ニカっと笑い返した夜一は、少年の頭を優しく撫でる。

 

「な、何するんだ!?」

 

「ハハハハハ!いや〜、一瞬お主が弟と似てきたからのう!それじゃ行くぞ!」

 

「はぁ!?ちょっ!?」

 

 少年の手を取り、せっせと屋敷内へ向かう。彼らは門をくぐり屋敷の前まで来ると、女中頭の女性が進み出てきた。若くはないが高齢には見えない彼女は厳しそうでしっかりした印象で、面倒見がいい感じでもある。

 

「お帰りなさいませ夜一様。そしてようこそおいでくださいました喜助様。」

 

「あー挨拶はよい。それより料理長に食事の用意を伝えてくれるか。この少年に食べさせてあげたいんでな。」

 

「.........恐れながら夜一様、そちらのお子さんはどのような……」

 

「流魂街から拾ってきた、『カズマ』という者じゃ。まぁ〜顔を隠しておるが、少し恥ずかしがり屋なんじゃ。」

 

「は、はぁ.........」

 

「それとな、今日から儂の弟子として、この屋敷に住まわせる事にしたわ。」

 

「............はい?」

 

「じゃから、この少年を弟子として住まわさせる事にしたっと言っておるのだ。」

 

「で、弟子でございますか!?」

 

 周囲がざわつく。噂に聞いた、何の話だ、あんな小僧が、などなど、あちらこちらで声が聞こえる。

 

「何じゃ、知らんかったのか?」

 

「初耳でございます!しかも.....弟子だなんて.........」

 

「文句は受け付けんぞ。いいから料理長に伝えろ。それから此奴の生活用品の手配も頼む。」

 

 流石この屋敷の主と、今更のことながら感心する喜助。異論を唱えさせる間もなく指示を出した夜一は、少年の手を取りさっさと中に入っていく。その隙に浦原は、夜一の耳元まで寄り、こっそりと話しかける。

 

「ちょっと夜一さん!まさか事前に屋敷の人達に伝えてなかったんですか!?」ヒソヒソ

 

「あ〜全員に説明するには面倒じゃったから、直接連れて行った方が早いかな〜と思ってな。」ヒソヒソ

 

「(.........マジっスかこの人。)」

 

 夜一が屋敷に人達に事情を説明すていない事を内心でツッコむ浦原。

 

「(ま〜そりゃ、“養子”っと言われるよりかはマシなんっスよね。)」

 

 

 

 

 

 夜一に手を引かれながら周囲をきょろきょろと落ち着きなく見回す少年。その二人の後を歩いている浦原は朗らかに笑い、軽く腰を屈める。

 

「そんなに珍しいっスか?」

 

「.........普段は人の目から離れながら生活していた......って言うかこんなに人がいるなんて聞いてねーぞ。」

 

「それはそうっスよ。五大貴族のお屋敷っスよ。」

 

「そういえば、『おっさん』はよくここへ来るのか?」

 

「お.........おっさん!?」ガーン

 

「ぶふっ!!」

 

 『おっさん』っと呼ばれた事に内心でショックを受ける喜助と、それ聞いて噴き出してしまった夜一。

 

「お....おっさんか……くっくっ。よ、よかったのう、『おっさん』.........ぶっ!!」

 

 口元を手で覆い、ぷるぷると肩を震わせる夜一に文句を言いたいところではあったが、名乗っていなかったのも原因と、ひとまず浦原は少年に自己紹介することにした。

 

「オッホン!そ、そういえばまだ名乗っていなかったっスね。ボクは、浦原喜助。十二番隊の隊長をやってるっス。」

 

「隊長?死神って隊長もあるのか?」

 

「あ〜まずはそこから説明しなければならないんっスね。簡単に言えば、一番偉い人って事なんっスよ。ほら、この白い服も」

 

 浦原は、今着ている隊長の羽織をカズマに見せる。それを見た少年は、何と無く理解出来だようだ。

 

「へぇ〜、じゃこの『おばさん』も隊長って事か。」

 

「..................はぁ!?」

 

「ブッフォッ!!」

 

 浦原が吹き出した。今度は夜一の事を『おばさん』っと呼ばれた事を聞いて噴き出しかける浦原。だが、じろりと夜一に睨まれ、慌ててそっぽを向く。

 

「……おい小僧、ほれぼれするほど良いじゃが、相手に対する口言葉に気をつけろ...世の中には、相手に言ってはならぬ言葉もあるぞ(怒)…」

 

「何だよ?なんか俺まずい事を言ったのか『おばさん』?」

 

「じゃからそれはやめんか!!!」

 

 五大貴族に対し恐れも感じない少年の勇気はたくましすぎる。その様子を見た浦原は口元を押さえぷるぷると肩を震わせた。

 

 このままだと埒が明かないと思ったのか、夜一が未だひれ伏したまま少年が住む部屋に到着する事ができた。

 

「はぁー、もうええわ。ホレ、この部屋を使うとよい。」

 

「……あれ? 夜一サン、ここって……」

 

 着いたのは、日当たりのよい、一人で過ごすには少々広い部屋。喜助は見覚えがあった……と言うか、よく来ている。

 

「ここって.....前夜一サンが住んでいた部屋っスよね?」

 

「そうじゃ。今この部屋は誰も住んでいないから少し困っててな。だが好都合な事にカズマがこの部屋で過ごしても何ら問題はあるまい。むしろ使っても構わぬ。」

 

「.........いいのか、こんな広い部屋を使って?」」

 

「構わぬと言っておろう。」

 

 始めて自分の部屋を持つカズマは、目を瞬かせた。それを見た夜一は繋いでいた手を離し、その手をぽん、と少年の頭に乗せる。

 

「な、何するんんだよ!?」

 

「いや〜お主、案外可愛いところもあるのう。」

 

「う.....うるさい四楓院(・・・)!」

 

「.........その『四楓院』というのはやめてくれんかの。苗字は照れる」

 

「何でだよ.....じゃ.....『夜一様』?」

 

「う〜〜微妙だな〜〜どうせじゃ……」

 

自分の事をなんて呼んで貰おうと考え、夜一は目を輝かせにやりと笑った。その笑顔を見て浦原は確信する。いろんな意味で…

 

「儂の事は『お姉様』と呼ぶがよいぞ!」

 

 そういうことか。喜助は呆れ返ってしまった。白哉の慌てたり怒ったりするところを面白がってからかっている夜一のこと。同じ年頃の少年をからかえば、どんな反応を見せるのか楽しもうと思ったのだろう。

 

夜一は少年…カズマの反応が見たかったのかもしれない。

 

 

 しかし彼女が想像していた反応とは、違かった………

 

「…………じゃ、『(よる)さん』で。」

 

「な、なんでじゃ!?」

 

 真顔で答えたカズマ、そしてそれを聞いた夜一は、思わずツッコむ。

 

「なぜじゃカズマ!なぜ“夜一“の“一“を取り出すのじゃ!? そしてなぜ儂の事を『お姉様』と呼ばぬ!?」

 

「いやだって、その方が呼びやすいし……大体その『お姉様』っと呼ぶなんて気持ち悪いだろ。」

 

「き……気持ち悪いじゃと……」ガーン

 

「それに……初対面でいきなりそんな呼ぶ名で呼ぶなんて、バカだろアンタ。」

 

「ぐぅっ!」+精神ダメージ100!

 

ただの少年に論破されてしまい、少し精神的なダメージを受けてしまった夜一は、何も言えなくなってしまった。

 

 確かに夜一は元々、呼び方などあまり気にしない性質だ。しいて言えば堅苦しい呼び方は苦手、寧ろ親しげに呼ばれることを好む。彼女の立場が立場なだけに、そんな風に呼べる者はごく僅かだが……今回は違かった。少年に提案した呼び名を反対された事に対して、少しショックを受けてしまった夜一。

 

 からかうことなど忘れ、落ち込んでいる夜一に浦原は苦笑していると、少年が振り向き、彼を見上げてきた。

 

 

「それじゃあ、アンタは『(うら)さん』で。」

 

「………は!?」

 

 なぜそうなる……と思い、すぐに冷静になり少年に疑問を問いかける。

 

「えーっと……どうしてっスか?」

 

「だって、その方が俺にとって簡単だからさ。」

 

「それは……いくらなんでも『浦さん』は……」

 

「えーじゃあ、『()さん』とか? それとも『(すけ)さん』とかは……」

 

「あ〜もう!『(うら)さん』でいいっス!『浦さん』で決定!」

 

 もっと変な呼び名が定着する前に制止にかかった。呼び方に関してはこの際、多少は許してやろうと思う.........『おっさんとおばさん(・・・・・・・・・)』以外は。しかしこの少年を見る限り、先ほどとは違って素だったらしい。策士なのやら天然なのか、わざとなのか、理解に苦しむところだ。

 

「はぁ〜〜あ!そういえば、カズマサンはなんで自分の名前を知っているんっすか?両親は知らないのに……」

 

「そう言えば……そうじゃのう。おいカズマ、お主誰から聞いたのじゃ?」

 

よくよく考えたら、なぜ少年は、自分の名前を知っているのか。その疑問を少年に問いかけたら、意外な答えだった。

 

「それは……“レッカ”から聞いたんだ…」

 

「聞いたって……まさか。カズマサン、斬魄刀と話せるんっスか(・・・・・・・・・・・)!?」

 

浦原とその隣にいる夜一も驚きを隠せなかった。

 

「なんだよ?……そんなに珍しいのか刀と話すの?」

 

「そりゃ珍しいっスよ。君みたいな少年が、まさか斬魄刀と話すなんて、びっくりっスよ。」

 

「へぇ〜、そうなんだ。」

 

「えぇ、それはそうと夜一サン。この子の呼び名はどうするんスか?」

 

「呼び名って、どういう意味じゃ?」

 

「この子の名前っスよ。何か考えてあるんでしょう?」

 

「名前? でも、俺の名前は……」

 

「『カズマ』というのはただの名前、いわばあだ名でしょう? 例え君が死神になるかもしれないのなら、ちゃんとした名前を持っていた方がいいっス。」

 

「おい待て、俺は死神になるつもりはねーぞ。」

 

「例えばの話っスよ、それにあなた、自分の名前を漢字で書けますか?」

 

「うっ!……そ、それは…」

 

「あぁ、漢字苦手なんスね…自分の名前を漢字で書けないなら、師になる夜一サンが名付けるのが妥当っスよ。勿論、他の文字も習わなければならないっスよ。」

 

「そういうことじゃ。よいか?」

 

「わ……わかった…」

 

「ふふ……それではお主に、名を与えよう!」

 

 俯いて少し考えている様子の少年だったが、ふと夜一は笑い、少年の黒髪をくしゃりと撫でた。

 

そして夜一は、懐から一枚の上質な紙を取り出した。

 

「『一真(かずま)』、というのはどうじゃ!」

 

  夜一が出した紙には、『一真』っと書かれてあった。

 

「実はな、お主が退院する前に考えたんじゃ。一番の『(いち)』に『(まこと)』っと書く。それとこの『真』にはな、『嘘、偽り、飾り気がない、本物』っという意味もあるんじゃ。」

 

「悪くないっスね。カッコいいですし。」

 

「そうじゃろう! でだ、姓の方じゃが喜助、お主が決めろ。」

 

「そうっスね……って、はい!?」

 

「何じゃ、文句があるのか?」

 

「いやいや、文句と言うか……夜一サン決めてなかったんですか?」

 

「ま〜名前を決めるのに姓を考えるのを忘れてしまってのう。喜助、お主そんなに名付けるのが嫌か?」

 

「いや、そういう訳じゃなくて……困ったっスね〜」

 

ふと、視線を感じて夜一に向けていた目線を少年の方に向かう。

 

ーーその瞳には、不思議そうに浦原の事を見ていた。

 

「(あぁ……見なきゃ良かった。)……はぁ……分かりましたよ。ちょっと待ってくださいっスね。」

 

浦原は、自室に入って文机の引き出しを開け、中から筆と墨、そして上質な紙を一枚取り出した。

 

「(う〜〜〜ん……とは言ったものの、やっぱり難しいっスね〜……どうしたものか……)」

 

浦原は、夜一が考えた少年の名前『一真』に合う姓を考えているが、なかなか答えが出てこない。そこで浦原は、少年に関するキーワードを思い出す。

 

「(死神狩り……刀………炎………あ!)」

 

 

 

 程無くして浦原は筆を取り、それを紙に落とした。

 

 

 さらさらと紙を滑る音.........

 

 

 

 

 

 

「………『日龍(ひりゅう)』というのは?」

 

 

浦原が思いついた姓、『日龍』と書いて、少年と夜一に見せる。

 

 

「日……龍……?」

 

「喜助?どういう意味じゃ?」

 

「一真サンは、炎を出せるでしょ。最初は『火』ってつけようとしましたが、それじゃ流石に目立ちすぎると思います。ちなみに『日』は太陽って意味もあるっスよ。」

 

「それは大体分かったが、『龍』はなんじゃ?」

 

「日に合う動物を考えたんですが、やっぱり龍が一番だと思います。それに男の子だったら、カッコイイでしょう!」

 

「……お主にしては、随分と子供っぽいのを考えたものじゃな。」

 

「うっ……確かに……ボ、ボクにしては……」

 

夜一に言われた事で浦原は精神的にぐっさりと来たのだが、夜一はそんな事を気にしていないよう、再び少年の方を見下ろした。

 

「と言うわけじゃ.........どうじゃ“一真”?」

 

 少年は答えない。あまり名前や姓に関しては、どちらでもいいと思っているだろう。

 

 ーーだかーー

 

 

 その空色の瞳には、嬉しそうに輝いていた。

 

 

 

 

「ふっ……決まりじゃな。」

 

 夜一はにやりと笑うと、喜助が書いた“姓”の紙と自分が書いた“名前”を繋げ合わせた。二つを一つにした紙を手に取り、少年に突き出す夜一。

 

 

 

 

「今日からお主は『日龍一真(ひりゅうかずま)』じゃ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▲ ▽ ▲

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて名も決まったし、そろそろ残りの問題に入ろうじゃないか。」

 

「残りって、まだあるんっスか?」

 

「あぁ、とは言っても一つだけじゃがな。もうそろそろここへ来るじゃろ。」

 

「来るって………誰だよ?」

 

また人が来るのかと思う一真。そんな時、トタトタっとこっちに向かってくる足音が聞こえてくる。

 

「――砕蜂、ただいま参りました!夜一様!」

 

彼らの前に立っているのは、夜一の部下でもある砕蜂であった。

 

「あ、お前……」

 

「ん?……な、なぜ貴様がここにいるのだ!?」

 

砕蜂が一真を見た瞬間、すぐに睨まれていた。それを見た浦原はなんとなく予想がつく。

 

「(あぁ……もしかして一真サンが夜一サンの養子になった事について嫉妬しているんですかね…)」

 

「なんじゃ砕蜂?そんな怖い顔をしおって?」

 

「はっ!?い、いえ!それより私にどのような要件でしょうか?」

 

「おいオカッパ、なんでテメーがここにいるんだよ?」

 

「なっ///き、貴様!まだそのあだ名を呼ぶのか!」

 

「だってお前の頭オカッパだろ!?それともバカって言えば呼べばいいのか?」

 

「もっと酷くなっているだろ!?貴様私の名前を忘れたのか!?」

 

「名前…………………………………忘れたわ…」

 

「なぜだ!?なぜ忘れるんだ!?」

 

「ウルセェな………さっきからゴチャゴチャと……」

 

「お前のせいだろ馬鹿者!!!」

 

「誰が馬鹿だ!!」

 

ガミガミっと再び喧嘩し始めた二人。そんな二人を止めようとする夜一と浦原。

 

「ちょ、ちょっとお二人さん!喧嘩はやめましょうって!」

 

「そうじゃ、せっかくこれから二人で一緒に暮らすからのう。」

 

「そうですよね夜一サン………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

................................................。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……………え?」

 

「「………………………え?」」

 

「ん?なんじゃお主ら?」

 

何かとんでもない事を聞いてしまった浦原。そして少し遅れて反応した少年少女も戸惑いを隠せなかった。

 

「夜一サン………今……なんて?」

 

「じゃからな……これからは、“二人で暮らすから(・・・・・・・・)”って言っておるが?」

 

「その二人って......まさか.........」

 

「そうじゃ、一真と砕蜂じゃ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!???」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夜一の一言によって屋敷内で響いた、絶叫。後にその叫びを聞きつけてくる事実を知らない部下達から、質問攻めに合うことになろうとは思わないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この日一真は、少女砕蜂と初の同棲生活を送る事になった.........

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





お待たせしました! 野薔薇ファンです!

前話を描き終えた後、次回話をすぐに投稿しようとしましたが、まさか一週間以上かかってしまいました。すみません!後今更なんですが、キャラの喋り方が難しくて、難航しました……特に関西弁は…

もしもキャラの喋り方が違かったら、コメントもよろしくお願いします。

次回話も頑張ります!

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