死神が如く   作:フェルトファン

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七話 少年同士の最初の出会いは、大体喧嘩が始まる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まったく!……父上といい爺様といい……なぜ私が.........」

 

 朽木白哉は、ぶつぶつと呟きながら歩いていた。

 

 向こう側の塀が見えないほど広い庭。池と小さな川があり、橋まで掛かっている。この庭は白哉のお気に入りであり、憩いの場所でもある。しかし今ばかりは、その庭を歩いていても機嫌が悪かった。

 

「なぜ私が、化け猫の遊びにいちいち付き合わねばならぬのだ!?」

 

 時々朽木家に訪ねてくる夜一の事を“化け猫“呼ばわりする白哉。一応あれで二番隊隊長で隠密機動総司令官で刑軍軍団長。そして四楓院家二十二代目当主でもあり、“女性“初めての当主だ。確かに実力はあるが、その奔放過ぎる性格は上に立つ者(当主)には相応しくないと白哉は思う。

 

 いつもは何の脈絡もなく来る夜一が、今回は前もって父と祖父の許可を得て訪問の予定を立てたと聞いた。だが白哉は、何かとんでもない企みごとをしているに違いないと考えていた。

 

 それに乗っかる父も父で、祖父も祖父だ。無論二人のことは心から尊敬しているのだが、こういう所は正直全く理解できない。

 

 だからこそ白哉は、彼女のくだらない遊びに付き合うつもりもなく、どうにか父と祖父の目を盗んで出奔に成功した今、こうして適当に庭を歩いている。

 

「はぁ〜〜、どうしたものか……」

 

 正直、今の彼は暇である。本当なら鍛錬がしたいのだが、それでは居場所がバレてしまう。まして夜一には絶対に見つかられたくないのだ。

 

 そう考えていると、ひらりと桜の花びらが飛んできた。

 

「……そういえば、もうしばらく桜も終わりか。」

 

 ひらりひらりと動く花弁に誘われて、まだ咲き誇っている桜の木が植わる場所へと向かう。屋敷本体の角を曲がり、木のある向こう側へ視線を向けて――瞠目した。

 

 見事な桜を見たからではない。

 

 その、桜の木の前で立つ少年がいたからである。

 

「……誰だ……?」

 

 気の物陰に隠れた白哉は、少年の方を見る。両の掌を上に向けて桜の木を見上げている姿は、何やら不思議そうに桜の木をじっと見つめていた。

 

 その少年はきょとりと目を瞬かせるばかりで、動く気配はない。まさか、不法侵入なのか?そう思い、白哉は、こっそりと少年の方に近づこうとした。

 

 その直後、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バッキ!!!!!

 

 

 

 

 

 少年は一番距離が近い枝に手を出し、無理やりへし折る。

 

 

「(お、折ったぁ!?)」

 

 桜の木を見ていた少年の行動に思わず驚きを隠せなかった白哉。一瞬声を出そうと思ったが、なんとか両手で防ぎ、再び木の影に隠れた。

 

 

 そして少年は、取った枝についてある桜の葉を見つめ……

 

 

 

パック

 

 

 口に入れる。

 

 

もぐもぐ.........

 

 

 そして、食べる。

 

 

「(た、た.........食べたぁぁぁぁ!?)」

 

 まさか、謎の少年が桜の葉を食べるなんて思いもしなかったのだろう。やがて、少年が葉を飲み込もうとした直後.........

 

 

 

「もぐもぐ..................

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おげえぇエェッぇぇぇ!!!!???

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 庭中に吐いてしまった。

 

 

 

「(は、吐きやがったーーーー!?)」

 

 

 少年が吐いたしまった事で、桜の木の下はゲ◯まみれのなってしまったのだった。

 

 

「(な、なんなんだアイツ!?)お、おい!貴様!!!」

 

 流石にこれ以上見過ごせないと、白哉は少年の元まで近づいた。

 

「げぇぇ〜〜.........あ?誰だテメー?」

 

「貴様!家の屋敷の庭に何しておるのだ!?っと言うか貴様は誰だ!?」

 

「あぁ?なんだおm.........

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オエェェェェェェ!!!!

 

 

 

「ぎゃぁぁぁ!?また吐いたぞコイツ!?」

 

 少年に尋ねようとした直後、再び白哉の前で吐いてしまった。

 

「き、貴様!いいかg

 

 

オロロロロ!!!!

 

 

〜〜〜吐きすぎだろ!?それと近づくなー!服についてしまう!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※しばらく、お待ちください

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「全く!庭が散々だ.........それに。そなたは一体何者だ!?」

 

 

 半ば呆然として問うた途端。

 

 すると........ぴしりと、白哉の眼前に小さな指先が付きつけられた。

 

 

「人に名前を聞く時は、まず自分から名乗るんじゃねーのか?」

 

「.........はぁ!?」

 

 

 予想もしていなかった元気な声に切り返された。今の今まで散々庭を汚してしまった少年は、ほんの少し唇を尖らせている。

 

 それを見た彼は、正直イラついている。だが、すぐに冷静となった白哉は言われたことをようやく口を開いた。

 

「わ、私は、朽木白哉だ。」

 

「ふぅ〜ん、俺は日龍一真だ。」

 

 よろしくなっと笑う少年。その時、何かに気付いた白哉は「ん?」と声を上げた。

 

「あ、どうした?お前も吐くのか?」

 

「違う!ってか一緒にするな!!そ、そなたは、何も感じないのか!?」

 

「ーーーーーーなにが?」

 

「私の姓が“朽木”である事をだ!」

 

「ーーーーーー別に。なんか意味あんの?」

 

「ーーーま.........まさか......で、では!五大貴族については!?」

 

「五大貴族.......美味いのかそれ?」

 

「違う!食べ物ではない!..................まさか本当に知らないのか!?」

 

「ウルセェな、知らねーよ。ってかなんだそれ?」

 

「.........なん.........だと!?」

 

 少年の言葉に呆然と眺める白哉。

 

 

 

朽木家(くちきけ)

 

 この瀞霊廷内に知らない者は、ほとんど無いだろう。この家系に生まれた者は、他の貴族同様に生まれながらにして高い霊圧を有する。いわば、上級貴族のさらに上でもある。

 

五大貴族(ごだいきぞく)

 

 最高位である「正一位」の位を持つ一族の総称で、その確かな起源が判明している数少ない家系。 特徴として、生まれ持った霊圧の高さが挙げられるている。

 

「(それを知らないだと!?この一真っと言う男がか!?)」

 

 まさかその貴族について知らない人間がいるとは。まかさ流魂街から来たのか?だとしたら、この少年は一体どうやって屋敷に入ったのだ。

 

 白哉は、不法侵入できたのかと半ば疑惑を込めたが、すぐに否定する。

 

「(いや流石に誰かと共に来たのだろう。この屋敷の敷地内に入った後であまりの広さにはぐれてしまったろう.......)」

 

「あーーーこの木の葉っぱを食おうと思ったけど.........結構不味いんだな。」

 

「(.....................前言撤回。やはり不法侵入だ。っと言うか食うな!!)」

 

「っていうか、その...朽木のお屋敷に来るなら夜さんも言ってくれればいいのに……」

 

 夜さん、という単語にぴくりと反応する。思い当たる節はある、だが.......嫌な予感を頭から追い出す。

 

 取り敢えず、目の前でうんうん唸っている迷子の少年を放っておくわけにもいかない。いずれその『夜さん』とやらが迎えに来るだろう。そう判断し白哉は再び口を開いた。

 

「桜.........初めて見たのか?」

 

「あ?............こんな色の葉っぱは見たことねーよ。」

 

 声をかければ唸っていたのが嘘のように、目を丸くしてあっさり答える。

 

 しかし、続いた言葉に驚いた。

 

「見るの初めてつーか、この桜って葉の名を聞いたのも初めてなんだよな。」

 

 白哉は生まれた時からこの屋敷で育った。故に、桜は毎年春に見てきた。しかしこの少年……一真は桜を、初めて見たと言う。一体どんな環境にいたのか。

 

 無邪気な顔が切なげなものに変わり、何となく不満を覚える。そんな表情は似合わない、笑顔が見たい、他にもいろんなものを見せてやれば笑うだろうか。そんな思いが芽生えた。

 

「なぁ、この屋敷にさ、池があるんだけど。もしかして、魚でもいるのか?」

 

「あ、あぁ。もしや、鯉の事か?」

 

「おいおい、誰も好きっていってねーぞ?」

 

「そうそうこれだよこれ。最近ちょっと好きなこt…………ってバカ!違う違う違う!そっちの“恋“ではない!錦鯉の“鯉“だ!」

 

 鯉の事を恋だと間違える一真にツッコミを入れる白哉。そして、一真にこっちだと言って歩き出すと小さな足音が後からついてくる。川と繋がる池の縁へ案内し、水の中を泳いでいる鯉を見せる。

 

「ほら、これが鯉だ。」

 

「へぇ〜〜……結構でっけーな……」

 

 意外と子供らしい呟きに興味で鯉を見ている一真。ちなみに白哉は袂を探って鯉の餌を取り出し、ひとつまみ投げ入れてやれば泳いできた鯉がぱくりと呑み込む。

 

「へぇ〜〜〜、その餌で鯉って魚に食わせてあげてんだな。なんか俺も腹減ったな…………そうだ!」

 

「ん、どうした?腹が減っておるなら、何か持ってくるz…」

 

「この鯉って奴を食っちまおうぜ。」

 

「ーーー」

 

「よし!早速この棒で捕まえて……」

 

「ーーーーーーーーーーーーーーーーいや!待て待て待て待て!!!!」

 

 一真はちょうど良い長さの棒を拾い、鯉を捕まえようとする。呆然となった白哉だが、すぐ我に戻り、一真を止めた。

 

「……んだよ。まさかお前も食いたいのか?」

 

 人の屋敷を勝手に入ってきた事(白哉の勘違い)にも関わらず、飼っている鯉を食べようとする。そんな事を悪びれた様子のない一真。

 

「違うわたわけ!!!っと言うか家の鯉を勝手に食おうとするな!!」

 

「いいじゃねーか!一匹ぐらい!」

 

「ダメだ、それとこれは没収だ!」

 

「あぁ!テメー、そいつを返せ!っというか離せ!」

 

「お前が鯉を食うのを諦めるまで、離さぬ!!」

 

 たった一本の棒を奪い合う二人。どちらかが手を離すまで、終わることができなくなったしまった。

 

「「このヤローーーー!!!」」

 

 

 

 

 

 その時………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーズリーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

「「ーーーーーーあ。」」

 

 

 池の近くにいた為、庭の地面は少し少し濡れていた。その場所で走ってしまったら、間違いなく滑ってしまい、池に落ちてしまうだろう。

 

 

 

 

 

ザッパーーーーン!!!!

 

 

 

 だが、そんな事を全く気にしていない二人は、あっさりと池に落ちてしまった。それも、錦鯉達が、住んでいる池の中に。

 

 

「「ブハアァァァ!!!」」

 

 

 池の水中から上がった二人は、互いに面と向かい.......

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「上等だこのヤローーーーー!!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 屋敷中に聞こえるほどの絶叫をする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「テメー!いきなり何するんだ!?」

 

「それはこちらのセリフだ!いい加減に観念しろ!」

 

「んだと!」

 

「やるのか!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やれやれ、お主らは一体何を喧嘩しておるのだ?」

 

 

 

 ーーその時、一真にとって聞きの覚えがある声と、白哉にとって最も聞きたくない声が、割って入ったーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼△▼

 

 

 

 

 

 

 

「そんで、此奴が日龍一真じゃ。」

 

「朽木銀嶺じゃ。よろしゅうの。」

 

「同じく朽木蒼純です。」

 

 ーーーといった平凡な挨拶を終え、今ーー

 

 

「それで結局の、早く会わせたくて一真を探しに行ったらのう、白哉坊が一真と喧嘩しおったのじゃ!」

 

 

 

 

 ――白哉は、今すぐこの場から立ち去りたい衝動に駆られていた。

 

 

 

 

 

※池に落ちた白夜と一真はびしょ濡れになったので、新品の着物に着替えました。ちなみに一真が着替えている着物は、朽木家から借りてきたものです。

 

 

「いや〜〜まさか、出会ってすぐに喧嘩腰になるとはのう。これは流石に参ったわ!」

 

「まったくですな。人生には判らないものもあるのですね。」

 

「それにしても白哉が、初対面の少年といきなり喧嘩をするとは。珍しいこともあるものじゃ。」

 

 

 保護者同士の会話。正直、聞いていて耳が痛い。

 と言うか、『まさか本当に』はこちらの台詞だ。先ほど予感していた『まさか』が、本当に当たっていたとは…

 

 彼女の隣に座っている日龍一真は、四楓院夜一の連れだった。まだ日は浅いそうだが師弟関係でもあり、内心は養子だという。今日は白哉に引き合わせる為にわざわざ連れて来たらしい。

 

 父と祖父に両脇に挟まれながら座っている白哉は、正面に座っている少年の方をちらりと見る。正座もせず、足を広げて座ったり、茶を音うるさく啜っている彼は、“元“流魂街に住んでいたんだなっと理解できる。

 

「そんなわけだ白哉坊。これからも、その一真とやらの“友“になってくれんかの。」

 

 本来の目的は、一真よる歳が2歳上の白哉に友達になってもらうはずだったが……

 

 

 

 

 

 

 

「ーーー絶対に断る。」

 

 即答で夜一の頼みを断る白哉。

 

「奇遇だな、俺も反対だ。」

 

 ついでに、一真も反対するのである。

 

 

 

 

 

 

「ハァァァァァ、お主ら。まだ仲直りしておらんのか?」

 

「当たり前だ四楓院夜一!!!勝手に庭で吐いて!勝手に家の鯉を食おうとす馬鹿者と“友“になるなど、断固反対だ!!」

 

「これこれ白哉。少しは落ち着けい。」

 

「これが落ち着いてやりますか爺様!?ってかお前は菓子食い過ぎなんだよ!」

 

「あぁ?ウルセェな、腹減ってんだよ。つーか、女の癖に男っぽい声しているんだな。」

 

「なんだとーーーーーーーーーは?」

 

 反応が遅れてしまった白哉。

 

「お前………今、なんて言ったのだ?」

 

「あ?“女の癖“に男っぽい声をしているって言ってんだよ。っというか、お前の名前も、なんで男っぽいんだ?」

 

 一真がその言葉にした瞬間ーーー

 

 

 

 

 四楓院夜一の、大爆笑が響き渡った。

 

 

 

 

 

「ぶわーーはっはっはっはっ!! おっ、男!みたっ、くくくwww……!!」

 

「よ、夜一殿、そんなに笑っては……くっ」

 

「……っ……」

 

 夜一のみならず父と祖父までもが必死に笑いを堪えているのがありありと判る。爆弾発言をした当の本人はその意味が理解できないようで、「なんだ?」っと目を丸くする一真。

 

 堪え切れなくなった白哉はばんっと掌で畳を叩き、ほとんど叫ぶようにして言った。

 

「私はっ、れっきとした男だ!!!!!」

 

 

 

 

 それを聞いた一真は更に目を丸め、一拍後「ーーマジで?」と疑った。

 

「大真面目にだ!一体私をどうみて男だと思ったのだ!?」

 

「いやだって髪長いし。」

 

「貴様!私を馬鹿にしているのか!」

 

「いや別に..................フッ。」

 

「なっ!?今笑っただろ!!っというか、貴様だって女みたいな顔をしておるではないか!!!」

 

 

ーーーぴたーーー

 

 白哉に対して鼻笑いした一真は動きを止め、同時に保護者三人の笑いも止まった。

 

「ーーーーーーおい。テメー喧嘩売ってんのか?」

 

「.........はぁ?」

 

「テメェ!誰が女みたいだと!?」

 

 今度は、白哉に対して怒鳴る一真。どうやら彼は、自分の顔が女だって事を気に入らないらしい。

 

「(そういえば.........見えなくはないな。)」

 

 白哉の言葉に聞いた夜一は、改めて一真の顔を見る。彼はああ見えて美形であり、上手く女装すれば女である事を間違われてしまうんじゃないかと。

 

「な、なぜ貴様が怒鳴る必要があるのだ!?」

 

「うるせぇ!っというか、お前の方がよっぽど女っぽいんだろが!!!」

 

「な、なんだと!!もう許さん!!」

 

「上等だ!!」

 

 再び喧嘩をしようと、2人は同時に面と向かって飛び出そうとすると.........

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ええ加減にせんか、この馬鹿共!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 2人の間に割り入った夜一は、一瞬の速度で彼らの頭に手刀で打つ。それも結構強く。

 

 

「「グッファ!!?」」

 

 

 夜一に頭を打たれた事で、その場でバッタリと倒れる2人の少年。

 

「全く!お主らは仲良くもできんのか!特にお主じゃ白夜坊!お前は一真より年上なんじゃから、少しはしっかりせい!!」

 

「.....................夜一殿。」

 

「なんじゃ、銀嶺どの!?悪いが、今はこの馬鹿ガキ共には反省させなけれb...」

 

「もう聞こえてないと思うぞ。」

 

「ーーーーーーーーーーなぬ?」

 

「「」」チーーーーーン

 

 銀嶺の言葉に疑った夜一は、倒れた2人の様子を見る。よく見たら、白目を剥いたまま、起きる気配もなくなった。

 

 夜一の手刀の打ち方が少し強すぎたせいで、気絶してしまったようだ。

 

「..................」

 

「.....銀嶺殿.......蒼純殿.....その...すまぬ。」

 

 これは流石にやり過ぎたなっと感じた夜一は、珍しく朽木親子に謝罪する。

 

「いや、これで少しは落ち着いただろうと思うが、流石にこの2人が友になるには時間がかかるぞ。」

 

「.........そうだな.........」

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー数分後、2人が目が覚めても結局仲直りできず、そのままの関係で日が終える事になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△▼△

 

 

 

 

一番隊舎 : とある小さな小屋

 

 

 

 

 

カン! カン! カン!

 

 

 

 金属を叩く、甲高い音が潮風に乗って辺りに響く。

 

 甲高い音だが、軽くはない。

 

 重く、魂のこもった音。

 

 

「ちゃらちゃっちゃっちゃらっちゃ~♪ ちゃっちゃらちゃらっちゃ~♪」

 

「やれやれ、相変わらずじゃのう。」

 

 その音を聞きながら、山本はその音のする小屋へと入って行った。

 

 小屋の中には髪を後ろで結わえ、グラサンをかけている男が、一刀の斬魄刀を打ち続けていた。

 

 あらゆる奇々怪々な性質を獲得する雛形をほぼ単独で製作するため、時間はいくらあっても足りない。

 

 とはいえ、男自身に気負いや疲労は微塵もない。愉快なセンスの外見と同様に楽しげに刀を打ちながら鼻歌を奏でている。

 

 山本はその男を邪魔しないように、作業が見える座敷に座った。そう思ったところで、男は大きく振りかぶり、渾身の力を込めて金槌を叩き込んだ。作業が終わったのか、金属を並々水の張った樽に入れる。

 

 水は激しく音を立てて蒸発していった。

 

「そろそろ来る頃だと思ったZe、山本総隊長さんYo。」

 

 男は一兵衛に背を向けたまま話掛けた。

金槌を作業台に置き、再び別の作業を開始する。

 

「すまんのう“王悦”。わざわざお主が“霊王宮”から来てくれるとは。」

 

「気にすんNa。アンタが俺に打ち直して欲しい斬魄刀があるって聞いて見たけどな..................まさか“コイツ”だったとは思わんかったZe。それにこの斬魄刀があるって事は.........“アイツ”なのか?」

 

「いや、残念ながらハズレじゃ。その斬魄刀は、かつて”死神狩り“だった少年が持っていた物だ。」

 

「へぇ〜〜、聞いたZe。死神狩りの正体はまさかのBoyだったとはな!とても興味津々だZe!」

 

 山本の話に興味津々に聞く王悦は、樽に入れた刃を取り出す。まだ蒸気は残っているが、すぐ布の下に置く。

 

「でもNa、山本。この斬魄刀

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

呪われている(・・・・・・)Ze。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





以上、白夜との最初の出会い編でした^^


最後に総隊長と話していた、グラサンの『刀神』のキャラの喋り方を書くのは初めてだったので、上手くできたか心配でした。
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