ーーーー。つまらない。
それが俺のこの世界に対する率直的な感想だった。
別に友人関係や家族関係が悪いとは言わない。ただ、『刺激』が欲しかった。
過去に外国で行われた『感覚遮断実験』という実験では、被験者に数日間触覚、視覚、聴覚、などのあらゆる感覚を感じる所を塞ぎ、放置するという実験では、被験者はたったの2日間で精神が壊れ、帰らぬ人となった。
....それほど人間は刺激を受けないと生き続けられないというのが分かる。
現に俺はこうして刺激を受けて生きている。
しかし、その刺激の中にも種類というものがある。さっきもいったとおり、聴覚、視覚、触覚などから取り入れる刺激もある。だが、俺が求めるのはそういうものでは無かった。....ただ単にこのつまらない世界を覆す『ナニカ』が欲しかった。
........だから俺は今日も新たな刺激を求めながら生きている....
2022年 東京
『さあ!!いよいよ今日12時からソードアート・オンラインのサービスが始まります!!サービス開始まで残り10分を切りました!!』
古典的なテーブルの上に乗っているデジタル型の四角いテレビを、俺はベッドの上からボーっと眺めていた。
ーーーー。時は進み、2022年人類はついに仮想空間を実現した....その名も『ソードアート・オンライン』....通称SAOだ。この仮想空間を、発明したのは茅場晶彦という、20才前半という若い天才プログラマーだ。
ー....これが才能の差か....とテレビを見ている少年から、はぁ....と一つの小さなため息がもれた。少年もまたソードアート・オンラインを購入したのだ。
(頑張って学校を休みとって、一日前ぐらいに行っても10人目ぐらいだったからなぁ....)
そういえば、隣の家のニート(笑)もやるって言ってたな....
....まぁ、何でもいいのだ、楽しめれば。
....俺は茅場さんにはとても感謝をしている。ただでさえつまらなかった、この世の中に一つの『刺激』を与えてくれたことを....また、その種がどこまでもどこまでも広がって行くということも....
後5分か....と少年は小さく呟く。
ーーーー俺には、兄と姉がいる。しかし、母は父と別れ、今はシングルマザーと成っている。俺がまだ小学生の頃だったのであまり覚えては居ないが、とても言い争っていたのは覚えてる。....そして、離婚した。
....そこからだろうか....俺が異常に刺激を求めようとしたのは....あの頃から俺はあまり人とは、親しい関係を持っていない。家族の間でも俺はあまり口を聞かなかったが、母と兄と姉は優しく俺に接して来てくれている。
我ながら良い家族を持てて幸せだと思う。
しかし、やはり俺の心の中には真ん中に大きな穴が空いたような、虚しい感覚がある。....それはやはり、俺自身が刺激を求めているからだと、自分でも思う。
そして、そんな時に調度、発表されたのがこのゲーム、ソードアート・オンラインだった....
その発表された直後に、βサービスをアーガスは募集し、もちろん、俺も応募したが、とても応募者が多いということもあり、当選はしなかった。しかし、隣の家のニート(笑)には何故か当たってしまったので、渋々そいつに話を聞くと、目を輝かせ俺にまるで自分の事かと思う程自慢気に語っていたのを覚えてる。口元には四六時中笑みを浮かべて、隣の家のニート(笑)に、気持ち悪っと言ったが、そんなことはお構いなしなほど嬉しかったようだ。
11時59分
俺は自分の枕元に置いてあった、ナーヴギアという、媒体を手に取り、頭にかぶせた。事前に登録などは済ませており、後はただ待つだけとなった。
(さて....)
ふと、少年は考える。
(....ありがとよ、茅場サン....おかげでこの退屈だった世界に一粒の刺激を与えてくれて....)
思い返せば、俺はこれまで他人の事など考えてはいなかった気がする。毎日四六時中、何か刺激があるものを探していた。
....だからこそ、見つけたこのゲーム....
(存分に楽しませて貰おう!!茅場サン!!)
「リンク....スタート!!」
〜没ネタ〜
「リンク....スタート!!」
........あれ?
「あ、あと10秒だった。」☆~(ゝ。∂)