シンフォギア   作:刃狗

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10.終局

ガキィンッ

 

「―――――。」

 

「まったく…意識がないのかやけに反応がいいですね。人間、というよりは獣に近いですね…まぁ璃音の場合は別物かもしれませんが過去に存在した神の力というのも面倒なものですね」

 

「―――――ッ」

 

ジャキンッ―――――ドォォォンッ

 

「はぁ…璃音とは違う戦い方な上にあの空間は出すだけ、収納するだけじゃなく、空間を繋げるという使い方ができるとなれば…半分やりたい放題ですか。それに二刀流ともなると…こちらも二刀流…は面倒ですねぇ…とはいえ、一番問題は…」

 

ゴォォォッ

 

「この焔ですよねぇ…神器と焔で構築した剣…それにネフィリムも放置できませんから…サクっと倒しますか。やっぱりアヴァロンの機能を璃音に使ってる状態を継続しつつ戦闘というのは大変ですが…仕方ないですね」

 

歌唄はカリバーンを構え、璃音へと突っ込んでいった。

そして響達は―――――

 

「歌唄さん…」

 

「立花、月読が暁を相手している間にこっちを終わらせるぞ」

 

「アイツは負けねぇだろうけどな…気になるならこっちをさっさと片付けたらいいだけだろ?」

 

「翼さん…クリスちゃん」

 

「「……。」」

 

「?どうしたんだ?お前達」

 

「…いや…なんでもないデスよ」

 

「切ちゃん…」

 

「大丈夫デスよ、調…」

 

ギュッ

 

「手、震えてる」

 

「…ねーちゃんがきっと助けてくれる…頭では理解してるんデスけどね…」

 

「…大丈夫、お姉ちゃんが絶対に助けてくれる。私を信じて?」

 

「調…解ったデス」

 

調の言葉を信じ、切歌は目の前のネフィリムへと意識を集中させる。

そうして響達はネフィリムとの戦闘を開始する中―――――

 

「何処だ…ここは」

 

璃音は何処とも解らない暗闇の中を歩いていた。

 

「―――――。」

 

「…この先に何かが居るな…っ、ここは…」

 

何かを感じ取った璃音はその方向へ歩いていくと、景色が変わり、明るい場所へと出た。

 

「…礼拝堂か…?見たことない場所だな…」

 

「―――――。」

 

「…これはバッドエンド直行√か?」

 

【貴様ハ…人間カ?】

 

「半分人間、半分化け物だな…というか頭に直接話しかけてくるのも、俺と同じ顔の奴が喋るのも驚きだが…」

 

【貴様ノ姿ヲ借リテイルダケダ。シカシ…混ジリ者カ】

 

「混じり者?」

 

【貴様達ガ神器ト呼ブモノ…ソレニ神ニ匹敵スル力ガ混ジッテイル】

 

「神に匹敵…聖遺物の事か?」

 

【ソウダ】

 

「俺は聖遺物を持っていないぞ?適合もしていない」

 

【貴様ハ持ッテイル…アノ剣姫ガ持ツモノニ近イモノヲ】

 

「剣姫…?」

 

【貴様ノ腕ヲ治シテイタ者ダ】

 

「歌唄か…っていうかなんで知ってるんだ?」

 

【貴様ト我ハ同一体ダカラナ…貴様ノ力、ト言エバ理解スルカ?】

 

「…神器の意識体、みたいなもんって事か」

 

【貴様達ノ言葉デ言エバソウダナ。シカシ…コノママ戦エバ貴様ハ我ラト同族ニナル】

 

「化け物になるってか?」

 

【化ケ物デハナイ…神ヲ殺ス神…荒神ニナル。貴様ガ使ッテイル力モ荒神ノ力ダ】

 

「…なるほど。荒神とやらの力は強すぎるから使えば使うほど浸食されるって事か。

ま、神の器っていうぐらいだしな」

 

【驚カナイノダナ?】

 

「力を使えば浸食されるのは理解してたしな…LiNKERで進行を抑えられるって言ってもな。切歌達を護る為ならそれでもいいさ」

 

【コノママ使イ続ケレバ…】

 

「俺というモノが死んで、荒神になって暴走、だろ?」

 

【解ッテイテモ使ウカ…】

 

璃音は神器の力を使い続ければどうなるか、理解した上で神器の力を使い続けており、その結果どうなるかも理解していた。

 

しかし、璃音に辞めるという選択肢はない。

誰が望んだものでもない復讐…研究所で家族だった子供達やセレナ、マリア、切歌、調達を護る為に力を手にし、敵を取ると決めた時から。

 

「それに…お前としてはそっちの方がいいんじゃないか?荒神」

 

【混ジリ者ガヨク言ウ…薬デ維持シ、人間デモ荒神デモナイトイウノニ。剣姫ノ力デ人間トシテノ形ヲ維持シテイル…コレ以上使ワナケレバマダ引キ返セルゾ?半身】

 

璃音の姿をした荒神?は嗤う。

 

「…お前が俺の半身というなら…解るだろ?言葉にせずとも」

 

【アア…ガ、コノママイケバ剣姫モタダデハスマナイ】

 

「どういう事だ?歌唄は聖遺物を複数持っているが」

 

【貴様ノ浸食ヲ抑エナガラ戦エバ当然…表ノ貴様ハ暴走シテイルカラナ、加減ナドデキン。ツマリ、貴様ガ神器ノ力ヲ使イ続ケレバ剣姫モ危ナイ】

 

「……。」

 

荒神の言葉に璃音は黙り込んだ。

そんな璃音の事を理解してか、荒神?は言葉を発する。

 

【貴様ハ好キナ女ヲソノ手デ殺スカモシレナイ。護ル為ノ力デ大切ナ者達ヲ殺ス…ソレヲ貴様ハ望ムカ?】

 

「……俺は」

 

荒神?の問いに璃音は言葉を続けれないでいた。

護る為に戦って来た璃音にとって自分のしている事が周囲を…大切な者ヲ傷つける事になっているのだから。

 

今まで復讐のために生き、戦って来た璃音はこの時、初めて迷っていた。

復習を取り、荒神となるか、人として護るか―――――。

 

「はぁ…中々に手こずりますね」

 

「―――――。」

 

「理性がない分、楽だと思ってましたが…いやはや、治療と同時に全力に近い戦闘というのは疲れる上に大変ですが…これならネフィリムを相手にしてる方が楽でしょうね…刀身を切り替えたり銃になったり、空間収納を使ったりで…変則的な上に殺せないからある程度加減はしないとダメですしね…生け捕りがここまで大変だとは…絶唱して吹っ飛ばすというのが出来ないというのもアレですねぇ…アヴァロンの治癒機能で多少の怪我なら治るんですが…少々傷が増えてきましたね」

 

暴走している璃音と戦う歌唄はどれぐらい戦ったのか、服は軽くではあるが損傷し、腕などにも傷が出来ていた。

 

璃音へアヴァロンによる治療を行いつつも戦い続ける歌唄だが、本来の使い方とは違い、戦闘をしながら治療するという事がオーバーヒートに近い現象を起こしており、歌唄への治癒が追いついていなかった。

 

勿論、璃音の治療を止めれば怪我は治るのだが…

 

「(現状の力の使い方で璃音の浸食は抑えれているとはいえ…コレ以上は時間の問題です。絶唱を奏でる隙すらないですからねぇ…仕方ないですね。奥の手、と行きましょうか)」

 

ガキィンッ

 

「―――――ッ」

 

「ここから少し手荒に生きますよ、璃音―――――」

 

―――――Gatrandis babel ziggurat edenal Emustolonzen fine el baral zizzl―――――

 

「―――――。」

 

歌唄は鍔迫り合いの状態で絶唱を奏でる。

高まるフォニックゲインに璃音は無言のまま力を入れ、刀身を押す。

しかし、ここで歌唄は―――――

 

「こういう戦い方は二度とごめんですね…痛いかもしれませんが―――――」

 

「―――――!?」

 

絶唱状態のカリバーンで璃音を押し返し零距離から

カリバーンに溜められたエネルギーを璃音へと放った。

 

それは一条の光となり、璃音を飲み込み、フロンティアの一部を消し飛ばした。

 

「…ふぅ、流石にこちらも無傷…とはいきませんね。まぁ…動けない訳じゃないですが。

さてと…向こうも片付きそうですし、璃音を回収しておきましょう」

 

歌唄は皹の入ったカリバーンを収め、璃音が墜ちた場所へと向かった。

 

「だから私に近くで見せて…貴方の言う…人助けを―――――私達に」

 

「…うん」

 

月のように優しく―――――沸き立つ未来―――――

 

「(つないだ手だけが紡ぐモノ―――――)」

 

「6人じゃない…私が束ねるこの歌は―――――」

 

70億の絶唱―――――ッ

 

「(エクスドライブ…大丈夫そうですね。この辺りなら安全でしょうから…治療に専念するとしましょう…)」

 

歌唄は璃音を回収したものの、カリバーンの絶唱の一撃を零距離で直撃しているため、アヴァロンで璃音の治療をしていた。

 

その過程で璃音の左腕に着く腕輪へと触れてしまい―――――

 

「っ」

 

歌唄は"何か"を視る―――――

 

【―――――。】

 

【コレが―――――の在るべき姿だというのか?アーサーッ。民からむしり取った財で醜く肥え太ったその面がッ…コレが貴様の望んだ国か!?】

 

紅い剣を手にする男性とそれに対峙するように立つ女性。

 

【アンタは…この為に調整され生まれた。けどね、アタシがここにいるのはアンタを止める為よ。―――――。】

 

【ふざけたことを…】

 

【ふざけてないわ…アンタを倒してこの戦闘を終わらせる。アンタはアタシに負けてアタシの言う事を聞くことになる…ま、本当はアンタを助けろって頼まれたからだけど】

 

【頼まれた…だと?】

 

【ええ…―――――にね】

 

【ッ】

 

男は女性の言葉に表情が変わった。

聞こえない部分は名前か何か…名称なのだろうが、そこだけはノイズが混じり聞こえなかった。

 

そして男は紅い剣を、女性は黒い剣を構え、ぶつかった。

 

「…っ、今のは一体…(それに…アーサーと呼ばれていた女性…それと対峙していた男性…アレは神器の…?それとも別の何か…考えても判らないですね。今は璃音の治療に集中しますか)」

 

【ドウヤラ、表ハ終ワッタ様ダナ】

 

「なら、俺はこのクソッタレな夢から覚めるのか?」

 

【ソウダナ。ガ、1ツ忠告シテオイテヤル…貴様ノ内ニ在ル力ハ荒神と叛逆者ノ力…使イ方ハ貴様次第ダガ…デキレバ、貴様ハコチラ側ニ来ルナ】

 

「…お前、元人間か?」

 

【イヤ…我ハ調整サレ生ミ出サレタ存在…アーサーヲ殺ス為ニ】

 

「アーサーを殺す為…まさか、お前は…っ」

 

【ソロソロ、目覚メル頃ダナ…目覚メレバ我ノ事ハ忘レル。ダガ…護ルトイウ選択ヲシタノナラ二度ト無理ハシナイ事ダナ…聖遺物ヲ殺シエル者ヨ】

 

「待て…お前は何故俺の中にいる?お前は…騎士だったはずだ」

 

【貴様ハ…聖遺物ガ適合デキナカッタノデハナイ…適合シナカッタダケダ…貴様ノ内ニアル我ノ剣ノ…魔剣ト呼バレルモノノ所為デナ】

 

「……荒神ではないのか」

 

【今、貴様ヲ蝕ンデイルノハ荒神ノ力ダ…我ハ貴様ノ内ニ眠ル魔剣ノ意識体…トデモイウベキカ】

 

「…なんだよ、荒神かと思ったのに」

 

【貴様ハ護ル事ヲ選ンダ…イツカ目覚メレバ解ルダロウ…神器ヲ殺セルカモシレナイゾ?】

 

「ご忠告、感謝しておくよ…叛逆者」

 

【二度ト会ワナイ事ヲ祈ッテイルゾ…暁璃音】

 

「ああ…じゃぁな、―――――。」

 

璃音は名を呼び、礼拝堂を後にした。

そして璃音の意識が覚醒する。

 

「…んぅ…ここ、は」

 

「…気が付きましたか、璃音」

 

「…歌…唄?」

 

「はい…一応、怪我は治療し終えて、腕の方は一時的にですが」

 

「…そうか」

 

「…璃音、1つ聞いていいですか?」

 

「なんだ?」

 

「コレ以上神器の力を使えば戻れない可能性があります。それでも…戦い続けますか?」

 

「やらなきゃいけないなら戦うさ…歌唄、その傷」

 

「ああ…流石にアヴァロンで浸食を抑えながら戦ったのでオーバーヒートの様な感じで」

 

「…悪い」

 

「傷はアヴァロンで修復されますから…しかし、璃音」

 

「……。」

 

「ウェルは…確保され、弦十郎さん達が連れて行きました」

 

「…そうか」

 

「…まだ、殺したいですか?」

 

「…今は、護らなきゃ…な」

 

「そうですか…」

 

璃音が殺すと言わなかった事に歌唄は内心ホッとしており―――――

 

「…ネフィリムはどうなった?」

 

「響さん達が対処しています。ここも長くは持たないでしょう。なので、私も一度戻ります」

 

「そっか…っと」

 

「…あ、あの…璃音?コレは」

 

「船に戻るなら俺が跳んだ方が早いからな…っ」

 

璃音は歌唄を抱き上げ、浮いている岩などを足場に、二課の船まで戻る事に。

 

「り、璃音。落ちてますけど…」

 

「アイツら…自分達だけ脱出とか…銀鎖」

 

璃音は歌唄を抱きかかえ、二課の船までたどり着いたのだが、崩壊が進むフロンティアは危険と判断したのか、船の周りの地面へミサイルを撃ち込み、爆破…崩れた足場から脱出を開始していた。

 

その為、璃音達は眼下に落ちていく船を見ながらも、船へと向け、跳躍し、璃音は眼に見える船の装甲の一部に空間を繋ぎ、そこから鎖を出し、

それは円を描き、足場へと変わった。

 

そこへ着地し、璃音と歌唄は船へと着地した。

 

「…コレは普通の鎖ではないですね」

 

「研究所から脱走して英国の遺跡で見つけたモノでな…六護式仏蘭西-エグザゴンフランセーズ-を救った人が使ってた天使を束縛できる力を持ち不死系の力を付与改造された鎖らしい」

 

「…そんなもの持ち出していいんですか?」

 

「知らない…砕けても修復機能付きだし結構使えるからな…確か、オルレアンの娘の使用していたモノだとかなんとか…詳しいことは知らないけど。使えるか使えないか…それだけだし」

 

「というか…そういう遺跡などは立ち入り制限があるんじゃ…」

 

「開いてたから入った。ハデスの兜っていう面白い物もあるしな」

 

「…璃音、一体いくつ聖遺物を持ってるんですか?」

 

「使える聖遺物は少ないな。ハデスの兜、銀鎖ぐらいだし…後は欠片だったりだから」

 

「そ、そうですか…(全部でいくつあるんでしょうか?まぁ…ギアには勝てないとはいえ…それに、保有しているモノの中に適合しているものがあるとすれば、LiNKERを使っても適合しなかったのはうなずけますし…あの時視た映像も関係あるかもしれませんね)」

 

そんな話をしながら、船が海面に降りるのを待つ二人。

その後、船は何処かの海岸に到着した一方―――――

 

「マリアさんはもう一度宝物庫を開くことに集中してくださいっ」

 

「何?」

 

「外から開くなら、中からも開けられるはずだっ」

 

「鍵なんだよ、ソイツはっ」

 

「セレナァァアアッ」

 

バビロニアの宝物庫内部で戦闘していた装者達は脱出する為に全力を尽くしていた。そしてバビロニアの宝物庫の鍵であるソロモンの杖で宝物庫内部から再び開き、外への脱出を試みる。

 

しかし―――――

 

「迂回路はなさそうだな…」

 

「なら、行く道は1つ」

 

「手を繋ごうッ」

 

開いた出口から脱出しようとする装者達の前にネフィリムが移動し、退路を防いだ。その為、装者達は正面から撃ち抜く事を選び―――――

 

響のガングニールとマリアのアガートラームの細部パーツが外れ、外れたパーツはそれぞれ手の様なモノへと変化、ガングニールは金色に、アガートラームは銀色の光を放ち、装者達を守る様に展開され、ソレは正面からネフィリムを撃ち抜いた。

 

「杖が…っ」

 

「早くゲートを閉じなければ…もうまもなくネフィリムの爆発が」

 

「まだ…だ」

 

「まだ…心強い仲間は他にも」

 

「…仲間」

 

全力で力を使い果たした装者達の視線の先には―――――

 

「私の…親友だよ」

 

「(ギアだけが戦う力じゃないって響は教えてくれた…)私だって戦うんだっ」

 

響の親友である小日向未来の姿が。

そして未来はソロモンの杖を掴み、開いているゲートへと向かってソロモンの杖を投擲する。

 

そしてソロモンの杖はゲート内へと入り、ゲートを閉じた。

その直後にネフィリムは爆発、結果としてネフィリムとソロモンの杖は対消滅を起し、完全に消滅した。

 

その後、ウェルは護送され、ルナ・アタックから数か月後に発生した…後にフロンティア事変と呼ばれる月の落下による災厄は回避された。

 

そして、F.I.S.として活動していたマリアと切歌、調の3人と今まで問題視されていた璃音もまた身柄を拘束され、二課の監視下での生活を余儀なくされることに。

 

妹達を放置できない歌唄は監視という名目で仕事を与えられ、再び一戦を退くことに。その後、定期的に璃音は歌唄の治療を受ける日には弦十郎との面会が行われていた。

 

「…つまり、俺は」

 

「無茶な力の使い方で左腕の治療がかなり遅い。が…体は大丈夫なのか?LiNKERを投与してないが」

 

「頻繁に打つことはなくなったな…ホント、歌唄様様だよ」

 

「…歌唄くんから聞いたが…お前はどれだけの聖遺物を持っている?」

 

「よく使っていたのはハデスの兜と銀鎖だけだな…機能が使えるだけだからギアとしては使えないだろうけど」

 

「他には?」

 

「特に…でも」

 

「ん?」

 

「…暴走しているとき、何かを視た気がしたんだが…思い出せないんだよなぁ」

 

「ふむ…体は落ち着いているとは聞いているが…」

 

「ま、腕以外は問題ないし大丈夫だろ」

 

「司令、そろそろ」

 

「ああ、もう時間か…ならまた来る。大人しくしてろよ?」

 

「こんな厳重に拘束具付けられてるのに動けるかよ…」

 

「お前なら可能だから言っている。"絶対に"大人しくしていろ…いいな?」

 

「へいへい…用事が終わったならさっさと帰れ…飯喰って寝たい」

 

弦十郎と緒川が帰った後、璃音は部屋を後に自室へと戻り―――――

 

シュンッ

 

「…戻った」

 

「早かったですね、璃音」

 

「歌唄、来てたのか」

 

「数分前に、ですけどね。ご飯ならできてますよ」

 

「そっか…食べたら寝る」

 

「にーちゃん、食べてすぐ寝たら太るデスよ」

 

「知らん…それにしても、不便なもんだな。治療時以外は外すな、というのも」

 

「まぁ、私以外は拘束されている状態ですからね…多少は不自由ですよ。とはいえ…璃音、力は使ってませんよね?」

 

「ああ。とりあえずは」

 

「ならいいです。では食べ終わったら治療しますので」

 

「了解…」

 

フロンティア事変が終結に向けて動く中、璃音は歌唄の治療を受けながら日常を過ごすことに。かつて地球を救った英雄…奇跡を纏いし者達は再び人類を災厄から救い、再び戦いのない平穏…大切な者達との日常へと戻って行った。

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