シンフォギア   作:刃狗

15 / 15
Ex03.燦然と輝く王剣

ネフィリム・ガイストとの戦闘で神器が大破し、療養の為に向かった温泉にて―――――

 

「…璃音」

 

「ん?ああ、歌唄…おはよ」

 

「おはようございます。腕の方は…」

 

「…まぁ、御覧の通りだよ。歌唄の治療でなんとか人の形を保ってる」

 

初日はのんびりし、翌日の早朝、璃音は部屋から外を眺めている処に

歌唄が目を覚まし、やってきた。

 

「すいません…」

 

「歌唄のせいじゃねぇって…そういえば、あの聖遺物は」

 

「エクスカリバーとロンゴミニアド…どちらも騎士王アーサーが使っていたとされる聖遺物ですが…どうしました?」

 

「いや…アレから治療やら受けて来たけど…コレが、な」

 

ジャキッ

 

「…紅い剣ですね。それに…普通の剣じゃないですよ?コレ…一体何処で」

 

「起きたらあった…剣の名は…」

 

「名は?」

 

璃音は立てかけていた真紅の剣を手に取り、歌唄は名を問いかけるが璃音が言いよどみ…

 

「…剣の名は…クラレント。魔剣クラレント」

 

「クラレント…何処かで…」

 

「…ブリテン王、アーサーを殺したとされている剣だ」

 

「…ロンディニウムの騎士でもあり叛逆の騎士として名を残す者…モードレッドの剣、ですか。確か、書物などではクラレントは王位継承の証、でしたよね?」

 

「ああ…燦然と輝く王剣クラレント…ソレは如何なる銀よりも美しい剣だと言われている」

 

「ですが、銀ではなく紅。…璃音、1つ聞いてもいいですか?」

 

「なんだ?」

 

「フロンティアで璃音が暴走し、止めた後、治療の際に神器に触れてしまったんですが…」

 

「大丈夫だったか?」

 

「はい。それで、ですね…アーサーと呼ばれる女性とこの紅い剣を持った男性が戦っている映像…の様なモノを視ました」

 

「……。」

 

「その映像が事実とした場合、確かにコレはクラレントでしょう…しかし、書物などに書かれている物とは違う、という事を踏まえると…語り継がれているクラレントが銀ではなく、紅であった可能性…または、if存在のクラレント、という可能性ですね。恐らく後者だと思いますが…確証はないです。しかし、私達が知る書物での聖遺物とは違うにも関わらず、普通ではない感じがありますから…」

 

「それに…調べて解ったが、オルレアンの娘は鎖を持っていない上にハデスの兜は兜ではなく、帽子の様なモノだ…」

 

「では…あの時に使った鎖は…一体」

 

「解らん…ただ…そのモノの使い方と名前、モノについてだけは解るんだ…」

 

「…なるほど。まぁ、正解が解らない以上どうもできませんから…それと、璃音」

 

「ん?」

 

「貴方の検査を行った際…貴方から完全聖遺物に近い…厳密に言えばエクスカリバーに近い反応がでました」

 

「…俺、から?」

 

「ええ。ああ、安心してください、この事を知っているのは私だけです。それで、璃音が昔にLiNKERを使われ聖遺物の適合試験を繰り返したにも関わらず適合しなかったのは恐らくコレが…クラレントが影響していたと推測されます。そして…ここからが大切なんですがクラレントは…恐らく、聖遺物を破壊できます」

 

「折れたり砕けたりはするが破壊は人為的には無理じゃ…」

 

「…試しに、持っている聖遺物の欠片をクラレントに当ててみてください」

 

「あ、ああ…」

 

璃音は言われた通りに空間に収納している聖遺物の欠片をクラレントに乗せた。

すると―――――

 

ピシッ

 

「…砕けたな」

 

クラレントの刀身が淡く発光し乗せた聖遺物の欠片が砕け散った。

 

「ですね…アーサーを殺した邪剣…騎士王自体神聖な存在でしたからそれを殺したともなれば可能かと思ったんですが…できてしまいましたね。しかし壊れるまでに少し時間がかかった処を見ると…」

 

「壊すには条件があって、その条件が触れる事…?」

 

「恐らく、ですが」

 

「…まぁ欠片とか使えないモノは多いから実験してみるか」

 

「いいんですか?」

 

「銀鎖とハデスとコレがあれば戦えるだろ…」

 

そうして、璃音と歌唄は聖遺物の欠片等でクラレントの実験をすることに。

 

その後、様々な実験を繰り返した結果―――――

 

「…やはり、砕けましたね」

 

「…聖遺物殺しの魔剣、か」

 

「流石の私でも直撃すれば危険ですが…しかし、気になるのはこの金属の帯の様なモノですね…封印、でしょうか?」

 

「封印というよりは抑えている…リミッターの様な気がしないでもないけど…つまり、クラレントで神器に触れたら…」

 

「そんな事をすれば神器が完全に壊れて貴方は…」

 

璃音の言葉に歌唄は即否定する。

そんな事をすれば荒神化する可能性があり、そうでなかったとしてもかなり危険な賭けになる事はすぐに理解できた。

 

しかし、璃音は―――――

 

「…荒神になったら、俺を殺せ」

 

「…好きな人をこの手で殺せ、と?」

 

「俺だって嫌さ…けど、行った実験から考えるに…浸食も神器の一部ではあるから殺せる可能性はある」

 

「ですが、そんな命をかける危険な賭けじゃないですかっ」

 

「俺だって…お前を残して逝くつもりはないよ…っ」

 

璃音はクラレントを逆手に持ち…その刀身を神器へと触れさせた後、神器へと刀身を突き刺し、部屋には紅い光が満ちた。

 

ガチャッ

 

「にーちゃん、起きてるデスk―――――何事デスか!?」

 

「お姉ちゃん!?」

 

実験を始めてから時間が経過し、朝日が完全に出て、人が活動を開始する時間…突き刺すとほぼ同時に部屋へやってきた妹sは紅い光に驚きながらも中へと入って行き―――――

 

「「―――――。」」

 

「…痛っ」

 

璃音はクラレントを腕から引き抜いた事でかなりの出血状態に。

歌唄はすぐに治療を開始し、数分で出血は収まったものの―――――

 

「…何、してるんデスか!?にーちゃん!」

 

「…切歌、それに調も…いつから居た?」

 

「…何、してるの?」

 

「調、コレは―――――」

 

璃音と歌唄は誤魔化す事が出来ないと悟り、全てを説明することに。

 

「「何を馬鹿な事をっ」」

 

説明したものの、説明すればするほど妹sは怒り、璃音と歌唄は正座でOHANASHIされていた。その事は瞬く間にSAKIMORI達にも知れ渡り、OTONA達からも説教されたとか…そして―――――それから暫く時間が経った頃。

 

「調、あったデスよ」

 

「ありがと、切ちゃん」

 

「アーサー・ペンドラゴンに関する書物…というよりは円卓騎士やブリテン…アーサー王伝説に関する本デスから簡単に見つかったデスね。でも調?何を調べるデスか?」

 

「カリバーン、エクスカリバー、アヴァロン、ロンゴミニアド、クラレントの5つに関して」

 

「にーちゃんとねーちゃんの持ってる聖遺物デスね」

 

「聖遺物であるっていうのは知ってるけど、アーサー王に関係してる5つだからアーサー王伝説について調べたら解るかなって」

 

「なるほど…それじゃサクっと調べるデスよ!」

 

切歌と調の2人は朝から図書館にてアーサー王伝説に関する本を探していた。姉である歌唄と兄である璃音の持つ聖遺物の由来等について調べる為に…

 

そして調べていくとある程度の事は書かれており―――――

 

「…アーサー王を殺したのがモードレッドっていう騎士でアーサー王は聖槍ロンゴミニアドを、モードレッドは邪剣クラレントを使って互いを殺した…お兄ちゃんが言うには聖遺物を殺すにも条件があるって事だけど…」

 

「…つまり、ねーちゃんはアーサー王の聖遺物を、にーちゃんはモードレッドの聖遺物を持ってるって事デスね」

 

「そうだね…それに、コレにはアーサーには継承者としても、息子としても認めてもらえなかったって書いてる」

 

「どういう事デス?」

 

「えっとね?簡単に切ちゃんで例えるなら、お兄ちゃんから切ちゃんは妹じゃない…って言われるような感じ」

 

「そんな事言われたら立ち直れないデスよ…」

 

「…だから、モードレッドはアーサーに反逆した。その時に持ち出したのがクラレントみたい」

 

「なるほど…ただ、認めて欲しかったんデスかね?」

 

「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない…ただ、お姉ちゃんとお兄ちゃんを見てるとあったかもしれない…ifのお話を見てるみたいだなって」

 

「…騎士王(アーサー)に認められなかった叛逆者(モードレッド)と

騎士王(歌唄)に認められた叛逆者(にーちゃん)デスか…でも調?にーちゃんをお兄ちゃんって呼ぶのは抵抗ないんデスか?」

 

「ない、かな?お姉ちゃんの彼氏だし、研究所では一緒だったこともあるから…けど、切ちゃんは家族だし…だったら璃音さんをお兄ちゃんって呼ぶのは抵抗ないかな?」

 

「なるほどー…って事は調は私の妹になるデスか?」

 

「歳だけならそうなる…けど、1つしか変わらないし、多分ずっとお姉ちゃん達も含めて今と変わらないと思う」

 

「デスねぇ…調、調べものが終わったならそろそろ移動するデスよ!」

 

「そうだね、お姉ちゃん達と待ち合わせの時間もあるし」

 

そうして調と切歌は本を片付けた後、図書館を後にし、璃音と歌唄と待ち合わせしている場所へと向かう。

 

「にーちゃん!」

 

「っと、どうした?急に飛びついて」

 

「私はずっとにーちゃんの妹デスよね?」

 

「???熱でもあるのか?」

 

「酷いデスよ!?」

 

「なら、そんな当たり前のことを聞くな」

 

「お待たせ、お姉ちゃん」

 

「いえいえ、私達もさっききたばかりですから。それで、調べ物は終わったんですか?」

 

「バッチリ」

 

「そうですか。まぁ、2人はコレからリディアンに編入ですしね…大変だとは思うけど」

 

「大丈夫…いざとなったらお姉ちゃんとお兄ちゃんを頼るから」

 

「それはいいけど…できるだけ自分で、ね?」

 

「うん」

 

「それで?何を調べてたんだ?」

 

「「騎士王伝説」」

 

「「……。」」

 

璃音と歌唄は妹sが調べていたモノを聞いた瞬間、反応を示した。

 

「…お兄ちゃん、お姉ちゃんの事、お願い」

 

「ねーちゃんも、にーちゃんを頼むデスよ!」

 

「「任され(ましょう)た」」

 

妹達の言葉に苦笑しながらも答え、璃音達はフラワーへと向かい歩き出す。歌唄は騎士王の、璃音は叛逆者の…違いはあれ手にするは神が造り出した力。

 

またその妹達の力…女神ザババが2振り…イガリマとシュルシャガナ。

その2振りの刃は歌唄の持つエクスカリバーと璃音が持つクラレントに並ぶ神造兵器であることをまだ4人は知らない…例えどんな力であろうと…大切な人を護る為の力なのだから。

 

そして璃音のクラレントが起動したのは歌唄のエクスカリバーとロンゴミニアドが原因である事を知る者はいない。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。