尻尾ハグ短編集   作:ろめ~る

1 / 8
オグタマ編

「タマ。尻尾ハグというのが流行っているらしんだ」

 

「尻尾ハグ?腹にでも絡ませるんか?」

 

「いや、尻尾同士を絡ませるみたいなんだ。

 まずは尻尾を突き合わせて……」

 

「こうか?尻を向け合うとかハズいわ」

 

「それで、尻尾を1周、2週と絡ませて」

 

「って無視かい!まぁ、ええわ。

 こうか?」

 

「みたいだと思う」

 

「なんか、こそばゆいな」

 

「ああ。タマの毛並みをいつもより感じるな」

 

「それにしても、オグリの毛はやっぱサラサラしとんなー」

 

「シチーがまた良いシャンプーを教えてくれたんだ。

 タマの尻尾はふわふわして気持ち良いな」

 

「そ、そうなんか……」

 

「……タマ」

 

「ど、どないした……?」

 

「なんだか……その……

 少し恥ずかしくなってきた……」

 

「お、おま!そんなこと言うたらウチかて……!

 ほら!こないなことしてないで

 はよトーレニングいくで!」

 

「タ、タマ!いきなり走り出すと!」

 

「ぐえ゛ー」

 

「そんな……!タマが私の下敷きに……!」

 

「オグリ……ケガしとらへんか……?」

 

「タマ!!キミは大丈夫なのか!?」

 

「大丈夫やけど、はよ退いてくれたら助かるわ……」

 

「す、すまない」

 

「いや、転んだのはウチのせいやし……

 とにかく、ほどいて朝練に行こや……」

 

 

「ってなことがあってなー。

 ワロてまうやろー」

 

「あの……タマちゃん……」

 

「なんや?クリーク?

 顔真っ赤にして?イナリも?」

 

「おタマさんや……

 尻尾ハグは特別なパートナーとするもんでな……」

 

「……え?」

 

「そのね、尻尾ハグが流行ったのはあるドラマがきっかけでね……

 『LOVEだっち』という作品の最終回でね……」

 

「その尻尾ハグていうのはな……

 恋人同士の契りみたいなヤツなんだ……」

 

「ほげぇ゛」

 

「タマちゃん!?」

 

「恥ずかしさに耐えきれんかったか……」

 

「オグリちゃんには……」

 

「あたしらから説明しないといけねぇだろうが

 まずはタマのヤツを保健室に運ばねぇとな……」

 

「は、はい……」

 

 

「ただいま……」

 

「お、おかえり……オグリ……」

 

「タマ……倒れたと聞いたが……」

 

「それなら心配あらへんよ……

 ちょっちビックリしすぎただけでな……」

 

「よかった……」

 

「すまんな。心配させて。

 まぁ、早よ着替えな……」

 

「……」

 

「……」

 

「タマ」

 

「ど、どないした……?」

 

「もう一度、私と尻尾ハグしてくれないか……」

 

「ヴェ!?」

 

「嫌ならいいんだ……」

 

「いや、そのな……

 イヤではないんやけどな……」

 

「ないんやけど……?」

 

「オグリはええんか?

 ウチとで……」

 

「タマとしたいんだ……」

 

「そ、そうなんか……」

 

「それで……」

 

「……ええで……やろか」

 

「ありがとう……タマ……」

 

「……」

 

「……」

 

「タマの尻尾はあったかいな……」

 

「オグリには負けるで……

 ポカポカして気持ちええわ……」

 

「……」

 

「……」

 

「タマ……」

 

「も、もう遅いから、このへんにしとこか……」

 

「結んだまま一緒に寝てくれないか……」

 

「……しゃーないな」

 

「すまない……」

 

「ええって。明日も早いからはよ寝よか……」

 

「……」

 

「……」

 

「タマの背中は安心できるな……

 まるでお母さんの背中みたいだ……」

 

「オカンみたいっておま。ヒトの事をなんだと思って――」

 

「……」

 

「なんや……もう寝てもうたんか……」

 

「……」

 

「……ありがとうな。オグリ。

 ウチを選んでくれて」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。