尻尾ハグ短編集   作:ろめ~る

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ブラアマ編&エミュオベ編

・ブラアマ編

 

「ねーちゃん!尻尾ハグしよ!」

 

「ま、まて!早まるな!

 ブライアン!!」

 

「どうしたんだよ?」

 

「私とお前で尻尾ハグなんて……!」

 

「……なんだよ!

 ねーちゃんにとって私は特別な存在じゃないの!?」

 

「な、泣かないでくれ……

 その、尻尾ハグはお互い特別な存在同士でするのは正しい。

 だが、その特別な関係というのは姉妹同士は当てはまらないんだ」

 

「どういうこと?」

 

「尻尾ハグするのは結婚をしたい者同士

 あるいは結婚した者同士でする事なんだ」

 

「とーちゃんとかーちゃんはするけど

 私とねーちゃんはしないって……コト?」

 

「まぁ、そういうコトだな」

 

「あれ?じゃあ、姉ちゃんとさ

 結婚したら尻尾ハグしてもいいのか?」

 

「あのな!姉妹である以前に

 お前も!私も!結婚や尻尾ハグするのは早すぎるんだ!」

 

「わ、わかったよう……」

 

 

「ありゃ?今日は早いね。ブライアン。

 それにテレビを見てるなんて余計に珍しい」

 

「アマさん。目がさえてな」

 

「あ、懐かしい。LOVEだっちじゃないか。

 ブームになりすぎて色んな意味で騒がれたねぇ」

 

「私も子供の頃、姉貴に尻尾ハグをせがんだな」

 

「そりゃ、恥ずかしいね……」

 

「あの頃はよく理解して無かったからな」

 

「あるあるってやつだね……」

 

「アマさん」

 

「……なんでしょうか。

 ナリタブライアン=サン」

 

「尻尾ハグするか」

 

「……朝からかい」

 

「いつでも変わらないだろ」

 

「ムードってもんがさ……」

 

「私にムード作りを求めても無駄だと

 いつもアマさんが言ってるだろう」

 

「はぁ……早く済ませて朝飯にするよ」

 

「ああ」

 

「えーと、まずは尻尾を突き合わせて」

 

「尻を向け合うのか……」

 

「アンタがやるって言ったんだよ!

 はい!ひとまき!ふたまき!」

 

「これは……」

 

「尻尾からでも体温ってのは伝わるもんだね……」

 

「ああ……」

 

「毛も当たってるからくすぐったいというか……」

 

「アマさん」チョンチョン

 

「……口で言いな」

 

「……手も握ってくれ」

 

「はいはい」

 

「やはり、アマさんの手は安心できる……

 いつまでも握っていたい」

 

「アンタってそういう事

 よくシラフで言えるね……」

 

「なぜ恥ずかしがる?事実だろう」

 

「全く、もう……」

 

「……アマさんは私と

 一緒になって良かったのか?」

 

「あのね……

 ナリタブライアンの嫁なんて嬉しいに決まってるって

 いつも言ってるじゃないか」

 

「毎日、言ってほしい」

 

「ホント、ワガママな旦那サマだよ。アンタは」

 

 

 

 

・エミュオベ編

 

「Hey!オベイ!!」

 

「やだ」

 

「まだ何も言ってないよ!」

 

「君は私の嫌がる事しかしないでしょ」

 

「ミーと尻尾ハグするのはイヤじゃないよね?」

 

「イヤ。そもそも、そんなことする間柄ですらないでしょ」

 

「2回も一緒にG1走った仲だよ?」

 

「その通り。同じレースを走っただけの関係だよ。

 日本でのレースが近いから邪魔しないで。

 貴女だって今週もG1走るんでしょ」

 

「お互い次も頑張る為に尻尾ハグするんじゃん!」

 

「その理屈はおかしい」

 

「ニッポン行くと決めてからのオベイ冷たいよー……

 芦毛の小さい娘に夢中だし……

 学園長さんとコソコソ作戦会議してるし……」

 

「とにかく、渡航の手続きもあるから私も忙しいの。

 だから、君は君のするべき事をしなよ」

 

「じゃあさ!オベイがジャパンCを勝ったら

 尻尾ハグしてあげるね!」

 

「してあげるって……」

 

「じゃあ!お互いがんばろうね!」

 

「なんで……いつも君は……」

 

 

「 Hey!オベイ!!」

 

「忘れた」

 

「つまり、覚えてるってことだよね!」

 

「……」

 

「つれない顔しないでよ!

 空港まで遠かったんだよ!」

 

「そもそも、君がしたいのに

 私の勝利を条件にするのはおかしいと思わないの?」

 

「ミーも大きな賞を取ったから

 お互いのご褒美ということで!」

 

「……」

 

「ん?後ろ向いてどうしたの?」

 

「後ろ向かないとできないでしょ」

 

「ミーが後ろ向いたら逃げない?」

 

「いつも追いかけるのは私の方でしょ」

 

「そうだね!じゃあ、さっそく……」

 

「……」

 

「……あれ?オベイ?

 尻尾のクリームさ

 ミーと同じの使ってる?」

 

「使ってない」

 

「えー。同じサラサラ感あるし

 髪から、いつものシャンプーの匂いがするけど」

 

「……ところで

 なんで君は――」

 

「あ、誤魔化した」

 

「いいから。

 なんで君は私の勝利に賭ける事ができたの?」

 

「オベイはミー以外には負けないでしょ。

 当然のことだよ」

 

「……君は自分がとてもつもなく傲慢な自覚はある?」

 

「ぜんぜん」

 

「やっぱりね……

 でも、信じてくれてたのは感謝している。

 ありがとう。サニー」

 

「えへへ。どういたしまて!」

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