ナンバー03
ナンバー04
彼等はこの終末世界の生き残り。
そんな彼等は今……
「パンはジャムだ!」
「いいや!マーガリンだね!」
一枚のパンで争っていた。
『いや、お前らなにやってんだよ!』
とツッコミたいところだが、今はそれどころではない。
何故ならここは
「俺は断然ジャム派なんだって!」
「マーガリンこそ至高さ!」
「いーや!パンには絶対バターだよ!」
「「……」」
無言で睨み合う二人。
すると二人は同時に口を開く。
「「ジャンケンポン!!」」
「よっしゃあああ!!俺の勝ちぃいい!!」
「くっそおおおおお!!」
勝負を制した男はガッツポーズをして喜び、負けた方は悔しそうにしている。
しかし、勝った男もどこかホッとしているようだった。
(ふぅ~なんとか勝てたぜ……。こいつとは決着をつけないといけないと思ってたんだ)
そして彼はある少女の方へと視線を向ける。
そこには可愛らしいエプロンを着た業務用ロボットがいた。
彼女は彼に向かって微笑むと優しく語りかける。
『お疲れ様です、マスター』
「おう、サンキュー」
彼等の名は『マスター』。
この世界で生き残った最後の人類であり、彼等のリーダー的存在である。
そして業務用ロボットの名は『ナンバー08』
謎の施設から発掘したなんでもできるデカブツである。そんなデカブツが今、彼の為に食事を用意してくれていたのだ。
その食事を見て彼は感動する。
「うぉおおお!!すげぇええ!!」
パンにジャムが塗ってあるだけの料理だったが、彼にとっては最高のご馳走であった。
「いただきます!!」
早速食べようとする彼をナンバー08が止める。
『待ってくださいマスター。食べる前にまずは手を洗ってきて下さい』
「ん?なんで?」
不思議そうな顔をしている彼に、彼女は呆れた表情で言う。
『なんでって……そのまま食べたら汚いじゃないですか』
「あぁそういうことか。分かった分かった。じゃあちょっと行ってくるわ」
「俺も〜」
彼等は手洗い場へと向かう。
そして手洗いを済ませた後、席につくとすぐに食事をはじめる。
「うめぇ!マジ最高だぜ!」
彼が美味しそうに食べている姿を見て、ナンバー08も嬉しそうだ。
『喜んで頂けて良かったです』
「うんめぇええ!!」
本当に幸せそうな顔をしながら食べ続けるマスター。
そんな彼を見ながらナンバー08はあることを考えていた。
(私は断然マーガリンなんですけどね……)
彼女の言う通り、ジャムなんて所詮は調味料に過ぎない(諸説あり)
それなのにマーガリンは最強だとよく分からない理論を振りかざして譲らないのである(どちらも同じ)
(でもまぁ別にいいですよね。だってあの人達が幸せならそれでいいのですから)
そう思いながらナンバー08は笑った。
ちなみに負けた方は泣いた。
そうして食事を終えた2人(と1機)は食後のティータイムを楽しむ。
「ふぅ~今日もいい天気だなぁ……」
『ですねー』
「だな〜」
穏やかな時間が流れる。
そんな中、マーガリン派の彼はナンバー08に話しかける。
「お前さ、最近なんか欲しいものとかないのか?」
『急にどうしたんですか?』
「いや、ずっと働かせてばっかりだし、たまには何か買ってあげようかなーとか思って」
『気にしないでください。私がやりたくてやってることなので』
「そうはいってもよ〜。ほら、俺達仲間じゃん?」
『……』
「だから遠慮せずに言ってみてくれないか?何かあるなら買いたいしさ」
その言葉を聞いて彼女は少し考える素振りを見せた後、ゆっくりと口を開いた。
『では一つだけお願いしてもよろしいでしょうか?』
「もちろん!何でも言ってくれ!」
『ありがとうございます。実は私、新しい身体が欲しかったんですよね』
「えっ……」
「まじかよ……」
彼女は冗談を言うタイプではない。
だからこそ彼女は本気で言っているのだろう。
「それは……つまり……」
『はい、今のボディを捨てて新しく作り直したいと思っているんです』
「そっか……」
「ん〜……」
『ダメ……ですか?』
悲しげな表情を浮かべる彼女に彼は答える。
「いいぞ」
『えっ!?』
「はあ!?」
「よし、じゃあ明日買い物に行くか」
『あっ、はい!よろしくお願いします!』
「待て待て待て!!買い物って程簡単じゃないぞ!?工場付近は化け物がウジャウジャと蔓延ってるんだぞ!?」
「それでもだ」
彼は強い眼差しでナンバー3を見つめた。
「俺は仲間を失いたくない」
「頼む……」
「前の事があるだろう!!ナンバー7の事を思い出せ!!」
「あいつはもういないんだナンバー3……」
「だが!!」
「それに、まだ死んだとは限らないだろ」
「えっ……」
「アイツは生き残っているはずだ。きっとどこかにいる」
「でもどうやって探すんだよ……。ここら辺に生体反応なんて無いし、そもそもあんな化け物だらけの場所を探すなんて無理があるだろ?」
「そのための新しいこいつの体だ」
『そういうことですか!!だから許可したんですね!!』
「ああ」
彼は力強く肯定した。
「今のままじゃ戦えない。俺たちだけで生きていけるほど、この世界は甘くないからな」
「………まさか……」
「ナンバー3……お前も手伝ってくれるよな?」
「うぐぅ……」
「頼む……この通りだ」
彼は頭を下げる。するとナンバー03も仕方がないといった様子で言う。
「分かったよ。ただし、絶対死ぬんじゃねえぞ」
「おう!!」
こうして彼等は新たな一歩を踏み出した。
そして翌日。
「準備はいいか?」
『バッチリです』
「いつでもいいぜ」
彼等が向かう先は工場跡地。
そこはかつて人類が栄えていた場所であり、今となっては見る影もない廃墟と化していた。
そんな場所に彼等は足を運ぶ。
『マスター、気をつけてくださいね』
「分かってる。お前も油断するなよ」
『了解です』
「さあ、行くぜ!!」
そして3人は歩き出す。
それはいつだったか。
ある日、とある少女は夢を見た。
その日はとても綺麗な青空で、雲一つなく太陽が輝いていた。
そんな空を彼女は見上げていた。
「あれ……ここはどこ……?」
辺りを見渡すも、見えるのはどこまで続いているかもわからない地平線。
そこに彼女は居た………その筈である。
急激な変化で読者の胃を痛めつけます