秋の向こうへ、その向こうへ。   作:たいたい35

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一部、原作のウマ娘の舞台には無い設定や、想像で書き出している設定があります。ご了承ください。

11月8日追記
誤字、脱字のチェックや改行を行いました。



ジュニア級編
ここがトレセン学園!


ついにここを過ぎました。このそびえ立つ大きな校門を。「トレセン学園」。正式名称、日本トレーニングセンター学園。各地域からウマ娘たちがそれぞれの夢を抱えて入籍する場所。ここから生まれた数々のスターウマ娘に憧れて、夢を掴むために。私は今その門を通り過ぎました。先輩方が周りで校舎内の地図を配っています。そして、辺り一面に咲き誇るソメイヨシノを中心とした桜の数々。新たな環境で、様々な不安と希望に胸を膨らませる私たちの背中を、そっと押してくれているようです。新しい友達はできるのでしょうか、どんな施設があるのでしょうか、トレーニングメニューはどんな感じなのでしょうか。さらに、レースに勝てるのでしょうか。トクントクンと高鳴る心臓に流されるままに、校舎の中へと私は入って行くのでした。私たちを迎え入れるその校舎は、当たり前ですが、校門よりはるかに高くそびえていました。

 

まず私たちは先生に連れられて、この学園に関しての説明を受けます。ここはどんな場所なのか、日々の授業について、加えてトレーニングのための施設についての話もありました。私は色々とメモを取っていました。一番の目玉は当然、「トゥインクル・シリーズ」について。トゥインクルシリーズは、国民的スポーツエンターテインメントで、人間離れした走力を持つウマ娘たちが、それぞれの目標を掲げてレースに出走するというものです。トレセン学園は、一般の学校と同程度の座学授業と共に、このトゥインクルシリーズへ参加するためのウマ娘を育成します。そして、トゥインクルシリーズのレースで上位の成績を修めると、「ウイニングライブ」で感謝の気持ちを応援してくれる皆さんに伝えます。そのような話をされていました。そしてその話をされていたのが、「シンボリルドルフ」生徒会長です。前人未到の無敗でのクラシック三冠、さらにG1レースを七勝した、「皇帝」の異名を持つ最強ウマ娘です。会長に惹かれてトレセン学園への入学を決めたウマ娘もいるとかいないとか。私は、三冠は三冠でも、ウマ娘史上初、トリプルティアラを達成した、名門メジロ家の魔性の天才、「メジロラモーヌ」先輩に憧れています。メジロ家らしく、優雅に美しく、全てを魅了して止まないあの走りに熱い尊敬の念を抱いています。それはそうと、オリエンテーションが終わると、自由時間が少しあったので、少しだけ学園内を見て回りました。紹介動画やパンフレットで想像していたよりもずっと広く大きく、一つ一つの施設が新品のように綺麗で手入れされていました。ウマ娘のパフォーマンス発揮のために、全力でサポートする体制が見てとれました。散歩から戻ると、クラス分けがありました。今日私と一緒に入学してきたということは、オリエンテーションで見た何百人のウマ娘たちは全員が私のライバルになるということです。この中で、どんな子たちと切磋琢磨していくのでしょうか。やっぱりクラス分けはいつでも緊張します。教室前に張り出されている表を見てみると、どうやら私はB組のようです。さっそく教室に一歩踏み出しました。

 

「えっと、私の席は」

 

自分の名前と照らし合わせながら、一番後ろの席に名前を見つけて、腰かけました。バッグを机の脇にかけようとすると、隣の子が話しかけてきました。

 

「結構でかいね、ここ」

「え、そうだね。その、私はアリアンス。よろしくね」

「しまった、挨拶がまだだったね、あたしはショートウールっていうの。よろしくねー」

 

急なコンタクトに少しとまどってしまいました。バラの耳飾りを身につけた、太陽に光らせる青髪が、新緑のように輝くショートウールちゃんでした。

 

「なんか気に入ったとこあった?やっぱり購買かな?にんじんロールパン人気らしいよ」

「そうなんだ。私どっちかっていうとご飯派だから、でもパンも好きだよ。購買はまだ見てなかったから、次の放課行ってみようかな」

「いいねいいね、このウールちゃんが案内してあげよう!まああたしもまだ、子羊も子羊なんだけど」

「うふふっ、ウールちゃん、面白いね。それじゃ、お願いしちゃおうかな」

 

その健気な姿に思わず笑みがこぼれました。ウールちゃんとなら良い友達になれそうな気がする、確証はないけれど、なんだかそう強く思いました。

 

「あ、そうだ。アリアンスちゃん、なんて呼んだらいい?うーん、アリーちゃん、アンナちゃん、そうだ、アーちゃんでいこう!どうかな」

 

えっへんと、テストで満点を取った子どものような瞳でウールちゃんが見つめています。私自身、あだ名をつけてもらったことがなかったので、少し恥ずかしかったですが、嬉しかったです。

 

「もちろん大丈夫だよ、嬉しいな。ありがとう、ウールちゃん」

「ああ、うん。そんなに喜ばれると照れちゃうじゃん。なんだかパンが食べたくなってきたねー、さあ早く行こう行こう!」

 

少しうろたえたようで、それを隠すようにさっさと前を歩いていきました。




不定期更新です。拙い文章ですが、見てくださった方々、ありがとうございました。
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