秋の向こうへ、その向こうへ。   作:たいたい35

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トレセン学園中間テスト!

パサッ。ナタリーさんが思いっきりカーテンを開いて、朝の元気いっぱいな日差しが突き刺さりました。キジバトやスズメのさえずりの中で、私は目を覚ましました。もう少しだけ目を瞑っていたかったですが、重いまぶたをなんとか開かせて、ベッドから這い出ました。

 

「おはよ。よく眠れたみたいだね。よかったよかった。あたいはもう行くから、遅刻しないようにね」

 

耳をピクピク震わせてナタリーさんは出ていきました。私も眠気もそこそこに、髪を整えて、支度をして、朝食を食べに食堂へ向かいました。

 

 

「アーちゃんおはよ」

 

教室に入ると、半分目を閉じているウールちゃんがいました。事情を聞いてみると、これからの練習のことを考えていて、あまり眠れなかったそうです。それになんだか物欲しそうな目で私のことを見ています。これは、ノートを見せてほしい時の目です。

 

「早起きしてやろうと思ったんだけど、てへ。ということで、見せて、お願い!」

「もう、今回だけだよ。次はないんだから」

「助かったー。アーちゃん大好き」

 

ウールちゃんは調子がいいです。この調子だと、次は数日後になりそうです。貸してしまう私も悪いのですが、どうしても断れません。レースのことを考えていたのなら、ちょっとだけご愛嬌です。私も鬼じゃありません。

 

「そういえば、私たちのメイクデビューはいつになるんだろうね」

 

忙しなく手を動かす傍ら、ウールちゃんがこぼしました。まだトレーナーさんからは特に聞いてはいませんが、早くて七月くらいになるだろうとのことです。いつになるかは分かりませんが、少しずつ強くなれるようにトレーニングしないといけません。

 

「こんなことやってる暇は無いというのに、全くひどい先生たちだよね」

「勉強も頑張らないとダメだよ。私、文武両道なウールちゃんが好きだな」

「なっ。その言い方はずるいんじゃない?分かりましたよ、やりますよー」

 

さっきはレースのことを漏らしていましたが、今度は愚痴をこぼしながら私の課題を写していました。なんとか一限までには終わったそうです。始業のチャイムが鳴りました。

 

 

今日も一日の授業が終わりました。いよいよこれからトレーニングです。はやる気持ちを抑え切れず、ユウさんのもとに向かいました。

 

「ちょうどいいところに。メイクデビューのことなんだけど、順当に七月ごろになりそうだよ。結構期間がありそうに見えるかもしれないけど、意外と早く過ぎてくから、コツコツ努力を積み重ねていこう」

 

元気よく返事をして、今日もトレーニングが始まりました。炎のような残映が見守る中、私を含めた多くのウマ娘が、自分を追い込み、努力の汗をにじませていました。ウールちゃんやアイちゃん。それに、憧れのナタリー先輩やユウトレーナー。トレセン学園に入学する前は、色々な不安も抱えていましたが、私の四月は、最高の出会いで始まりました。これから、たくさん辛いこともあると思います。でも、それでも、みんなと一緒に乗り越えていこう、そう考えられる仲間と出会えたと感じます。練習が終わって部屋に戻って、そんな思いがふと頭をよぎりました。考えれば考えるほどこれからへの期待で胸がいっぱいになってしまって、いてもたってもいられません。なので、この思いを手紙でお母さんに届けることにします。

 

「拝啓、お母さん。私は、最高の仲間と出会うことができました。これからもっと練習して、お母さんに成長した姿をレースで見せられるように頑張ります」

 

他にも、もうすぐ中間テストがあること、国語が意外と難しくて、勉強が捗らなかったこと。学園の様子や行事について、先輩方のことなど、様々なことを認めました。最後にウールちゃんと撮った写真を同封して、完成です。お母さんを安心させてあげられるような手紙になっているでしょうか。自分の机に置いてある家族写真を見ていると、自然と笑みがこぼれました。お母さん、あなたが夢見た舞台へ、私は立ってみせるから。そう改めて誓いました。そろそろ寝ようと思っても、まだまだ浮き足立ってしまって、その日は目を閉じてもなかなか眠れなかったです。

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