ゴジラ・アースに転生したので色んな侵略者から地球を守ろうと思います 作:アメコミ限界オタク
今回は初めての4000文字超え。
good押しきれないほどのコメントと応援感謝感謝デリシャッシャッシャ。
「核兵器うんめええええええええええええええええ!!!!!!!」
ガス欠状態から豪雨の如く核ミサイルカーニバル。
非対称性透過シールドのノイズの隙間をついて、皮膚の表面数ミリ程度がプラズマ化する程度にはダメージを受けてしまい、この世界に来てから初の負傷は少しだけとても痛かったが……逆に言えば被害はそれだけだった。
核爆発さえ凌いでしまえば残った高温も放射能もゴジラにとってはただのエネルギー源で、ご飯に過ぎない。
ちょうどガス欠を起こしていただけに、この差し入れは有り難く頂戴してエネルギーを補給する。
力を取り戻しすぎるくらいに取り戻し、今は通常形態でバーニングモード並みのパワーまで強化されていた。
ただし、この強化が一時的か永続かは不明だ。
そしてインデペンデンスシップについては、ただ今の核攻撃により、俺から見えている部分はほぼ全壊状態にある。
俺がシールドを壊したタイミングで核が撃たれたのが大きいな。
そうでなければシールドで防がれて無駄撃ちに終わる可能性が高かっただろうからな。
生き残りのファイターや歩兵隊はこの攻撃で大部分が消し飛んだようで、残ったインデペンデンスエイリアンはちりぢりに敗走している。
インデペンデンスシップはプラズマドリルも、船本体も完全に沈黙。
中にいるクイーンがどうなってるのかは分からないが、生きていたとしてこの調子ならわざわざ俺が止めを刺さなくても、どうせ長くは生きられないだろう。
そう遠くないうちにEDFに倒されてテクノロジーを、特にビーム兵器や航空技術なんかはリサージェンスのように人類に吸収されて終わりだ。
「Graaaaaaa……」
小さく鼻を鳴らすと、俺は汚染された海を気ままに泳ぐ。
放射能、熱、水、太陽光。
植物起源の怪獣にとって、養分の全てがここにある。
ここにある放射能を吸収しきるまでの間、怪獣王にとっての……ゴジラ・アース専用の楽園を謳歌しようじゃないか。
逃げたエイリアンの始末はEDFに投げればいい。どうせもうロクな戦力は残って無いのだから。
私、ストーム1は街を襲うエイリアンファイターと戦闘を続けていた。
プライマーのドローンとは全く違う、人類が使うような戦闘機をそっくりそのまま進化させたようなファイターが飛び交い、ウイングダイバーのミラージュシリーズのような光学兵器を使って街への爆撃と銃撃を繰り返している。
幸いなことに奴らの使う兵器には誘導機能がないらしく、攻撃をするときは必ず低空飛行で発砲してくる。
私はそのタイミングを狙ってカウンターで35mmバトルキャノンとアームハウンドのカウンターで敵を撃墜する。
「着弾!命中!撃墜!」
これで撃墜数は57機。敵のファイターはこれで全滅だ。
プライマーに航空戦力……特に戦闘機を壊滅させられていたせいで、戦闘機に対して人類は無力に等しい。
この街は特に多くのファイターから襲われているため、私が派遣されたのは不幸中の幸いだろう。
だが、他の街の戦況は良くないみたい。
「ストーム1から2、3、4へ。
そちらの状況はどうなってますか?!」
「こちらストーム2、敵戦闘機の撃破は成功したが未知のエイリアンの歩兵と交戦中だ!援護を求む!」
「ストーム3だ、歩兵隊を全滅させたがファイターに手が出せん。誰か救援を寄越してくれ」
「こちらストーム4、敵は全滅させた。我々が救援に向かうとしよう」
なら私はストーム2を援護に行こう。
長距離移動用装備を要請する。
『必要ならまた持ってきてやる』
それだけ言うと、コンテナを落として輸送機は去る。
プライマーとの歴史改変合戦では、歴史改変船団の出現する時間とタイミングに私がその戦場に居ることを祈る賭けだった。
賭けに負けて私がいる戦場から遠く離れた戦場に歴史改変船団が現れた場合、私とプロフェッサーはそのタイムラインの歴史改変を指を咥えて見ているしか出来なかった。
それもこの長距離移動用追加スラスター
が完成するまでのこと。
カイジューブルーを燃料にしたこの使い捨て大型スラスターは直線にしか飛べない代わりに、速さを追及した追加ユニット。
現時点でこの地球上で最も速い移動手段だ。
スケルトンにVOBを接続すると、全力でスラスターを噴かす。そして始まるのは、マッハ7の殺人的推進力による大加速。
強烈なGに負荷がかかり、お腹がボコッと潰れて吐きそうになるが、唇を固く閉じて耐える。
あっという間に遠くにいるストーム2チームと合流し、VOBを切り離す。
パージしたVOBを敵歩兵隊の中心にロケットランチャー代わりに叩き落としてやると、敵は突然現れた私に大混乱を起こす。
ビームライフルを乱射してくるが、連続慣性ブーストで回避。
目にも止まらぬ速さで死角に周りこんでアームハウンドでロックオンすると、ミサイルの弾幕をお見舞いする。
ドドドドドドドドド!!!!
残弾全てを発射し、空になったアームハウンドをパージ。
肩に搭載してるガリオン速射機関砲M2に切り替えて秒間6発の連射を運良く生き残った歩兵隊に浴びせる。
フルオートで撃ちながらヘッドショットを狙い、エイリアン歩兵隊を1体1発で仕留めていく。
そして現着から僅か数秒でレーダーから敵の反応が全て消失。殲滅完了だ。
「やっぱりスゲーぜ大将は……」
「やっぱりあの人は特別だ!凄い才能があるんだ!」
「ベテランの技ってやつだな!」
「見事な働きだ!感謝する、ストーム1!」
ストーム2チームの唖然とする声と称賛する声に私は手を降ってこう返す。
「当然です、EDFは仲間を見捨てないんですから」
私がまだ弱かった頃、あなた達が命を懸けて守ってくれた恩がありますからね。
まだまだそのご恩は忘れてません。
「そうだ!今日は給料日だし、久々に大将に旨いもん腹一杯食わせてやるよ!」
「ホントですか!?やったー!」
私を大将と呼ぶこの人……心のなかで勝手に大将の兄貴ってあだ名を着けてるこの人は、こうして時々ご飯を奢ってくれるから好きだ。
死なせたくないし、死んで欲しくない。
こうして、ストームチームの活躍で未知のエイリアンの襲来は鎮圧された。
『私だ、プロフェッサーだ。聞こえているか、ストーム1。大変なことが起きた。今までのループで最も大きな変化かもしれない。
総司令部がゴジラを核攻撃した。
それも、1発や2発じゃない。世界各国と連携して待機状態の戦術核を300発も使った同時攻撃だ。
衛星映像からゴジラの生態を解析した結果、ゴジラは核攻撃じゃ倒せないどころか、以前のループでサイレンがグラウコスに進化したように、より強力な形態に進化する可能性すら発見したんだ。
このデータは急いで総司令部に送ったが、手遅れだった。
まだ一部の者にしか伝わっていない情報だが、核攻撃は15分前に完了している。
これから大変なことになる。
今すぐ先進科学研に来てくれ。
対ゴジラ用決戦兵器のプロトタイプを用意した。もし、ゴジラがデータを超えて進化していたら焼け石に水だろうが、無いよりはマシだ。
新しいVOBをそちらに送った。急いで来てくれ!』
は……?
頭が真っ白になりそうなほどの衝撃を受けたが、半ば無意識でプロフェッサーの指示に従いVOBを接続。
ここまで大規模な歴史改変はいままでのループでは起こらなかった。
私は考える。この改変が起きるきっかけとなった出来事を。
もし、ゴジラこそがこの無限に続く地獄を終わらせる鍵だとしたら?
こうなるくらいなら、もっと早く伝えるべきだった。後悔から涙が滲むが、泣いてる暇はない。
先進科学研に向かう。
車なら数時間でも、VOBなら数分の距離だ。
「来たな、ストーム1!!急いで乗ってくれ!!」
「プロフェッサー、なにが起こってるの!?」
「総司令部だ!総司令部が世界中の国家と協力してゴジラに核を撃ち込んだ!300発の戦術核……これだけの攻撃ならゴジラを倒せると踏んだのだろうが、考えが甘かった。いや違う、彼らはゴジラの力を過小評価していたんだ。
衛星のセンサーや兵士のヘルメットカメラから奴の体組織を分析したが、やつは体表にある種の電磁シールド……非対称性透過シールドと呼ぼう。物理攻撃・エネルギー攻撃の一切を遮断できる無敵に近い防御能力を有していたことが判明したんだ。核どころか、物理攻撃では絶対に倒せない怪生物……。
ゴジラは、やつは正真正銘の怪物だ。
だが希望はある。君とこの兵器があれば、やつを倒せる希望が……」
「決戦機動兵器メカゴジラがあれば」
プロフェッサーは私に対ゴジラ用決戦兵器……メカゴジラに乗るように促すが、私はずっとある考えが頭のなかをグルグルグルグル回っていた。
「ぷ、プロフェッサー……」
彼……ゴジラと会ったときから考えていたこと、感じたことを伝える。
「……ゴジラは、敵じゃない……」
同時刻、戦略作戦情報部及び作戦司令本部。
モニターでは、未知のエイリアン及び、ゴジラに対する狂気とすら言える未曾有の大爆撃の映像を映していた。
「なにが……一体、なにが起こっているんですか!?」
少佐の部下……オペ子のあだ名で親しまれているオペレーターがヒステリックに叫ぶ。
「……核攻撃です。EDF総司令部の命令のみでなく、全世界の国軍と連携した計330発もの戦術核による同時攻撃です。こんなの……いくらなんでも異常です」
「それほどまでにゴジラが恐ろしかったのだろう……。 考えても見ろ、やつのあの巨体は存在するだけで災害になりうる。
しかも、地上からマザーシップを撃墜しうるほどの能力まで備えている。今回はEDFでも把握していなかった外宇宙の敵にまで対応していた。
……もはや奴は怪生物という枠組みすら超えている。
あれは……文明の、人類への脅威だ」
「でもこれじゃあ! 地球環境も、地球そのものまで壊れてしまいます!!
地球を壊してまで自分たちの脅威を消す権利が誰にあるんですか!?
………私たちに!人類に!!そんな権利があるんですか!?」
「ないさ、ないとも。我々に自分たちが暮らす世界を壊す権利などない。
誰にもそんな権利はない。
だが今は祈ろう。この攻撃でゴジラが死んだことを」
画面の大部分を占めるキノコ雲。その向こう側は核分裂の熱で全てが蒸発し、死の灰が降り注ぐ地獄だ。
現に未知のエイリアンのマザーシップは少なからずダメージを受けており、爆発の有効範囲内では船の装甲すら蒸発している。
金属が蒸発するほどの熱核攻撃。
これならゴジラが如何なるバケモノであろうと、確実に仕留めたはずだ。
その確信を裏切るように、キノコ雲の中心から巨大な生物が悠然と歩く姿を本部一同は見届けてしまった。
驚愕と畏怖、衝撃が彼らの心を支配する。
「うそ……信じられない」
オペ子の口から漏れた呟きは、本部一同の本心を代弁していた。
ジリリリリリリ!
総司令部からのホットラインが掛かる。
「は、はい!こちら戦略作戦本部少佐です!」
少佐は動揺しつつも、普段通り冷静に職務を果たす努力をする。兵たちを指揮する立場にいる自分が恐怖に支配されてはならないのだ。
「こちらはEDF総司令部……緊急事態が起こった!大至急ストームチーム全部隊を総司令部に寄越してくれ!!ストーム1を止めてくれ!!」
狂った規模の核攻撃を行い、最高戦力を全て寄越せ、というのはめちゃくちゃな言い分だ。
あなた方の核攻撃以上の緊急事態があるのですか!?
そう叫びたい気持ちをグッと抑えて少佐はホットラインの相手に詳細な情報を求める。
「緊急事態とはなんですか?」
すると、信じられない言葉が返ってくる。
「ストーム1が総司令部にクーデターを起こした」
少佐は己の正気と耳を疑った。
ストーム1
とうとう言えた人類最強の乙女。
世界観がひとりだけアーマードコア。
EDFの愉快な仲間たちのことが大好きだけど、長いループの中で大勢の救えなかった仲間のことを悲しみと罪悪感と後悔を引きずり、無限に続くループの中で無自覚のうちに心を病んでいた。実は胃潰瘍や血尿も無自覚の悲鳴だったりする。
蓄積していた心の闇の爆発とゴジラを信じるあまりゴジラを殺そうとした総司令部への不信感、地球すら壊しかねない規模の核攻撃と怒りが臨界点を超えた彼女は誰にも止められない修羅。
激おこプンプン丸ファイナルインフィニットバーニングラグナロクモードと化し、メカゴジラを使って反乱を起こすやべー奴へとメガ進化した。
ストーム2 ストーム3 ストーム4
ストーム1の仲間たち。大将の人以外は何気に初登場。
ストーム1は皆のことを好き好き大好き超愛してるが、どんだけループしても彼らを救えない後悔と罪悪感が心を病むきっかけになっていた。
大将の兄貴は意外と面倒見が良く、自分の妹と似ているストーム1を特に可愛がってくれたため、彼が戦死したときに与えたショックはかなり大きかった。
ストーム1は皆を大いに尊敬して愛しているので、多分この人達が説得すれば正気に戻る。
プロフェッサー
歴史改変の賭けに負けた場合、その場所にストーム1を運べればいいと考えて脳筋の発想でVOB開発に至る天才。
計算された筋肉は全てを解決する。
ストーム1の「ゴジラは敵じゃない」発言から瞬時にゴジラのこれまでの軌跡を思いだし、総司令部の暴走も加味してストーム1に協力することにした公式頭脳チート。
総司令部の暴走を許すな。
総司令部
ゴジラへの恐怖のあまり、核攻撃を実行するも無傷だったことに絶望し、追撃にストーム1が反乱したことで最終回のジョーばりに真っ白に燃えつきた。
除染できるからええやろーの軽いノリで取り返しがつかないほど人望を失う。
本部
総司令部のやらかしがヤバすぎてタマゴちゃんがまともなこと言ってるやつ。
地球環境すら壊しかねない核攻撃にぶちギレ不可避。
多分ストーム1支持派
インデペンデンスデイ・エイリアン
ゴジラ戦で母船と戦力の大半を失い、ゴジラ宛ての郵便のとばっちりを受け、最期の悪あがきをすればストームチーム無双される哀れな宇宙イナゴにして有能かませ犬くん。
映画では地球人と友好宇宙人が団結した決死の反撃で勝利したが、この作品では秒殺された。
女王陛下はご存命な模様。
ゴジラ・アース
放射能うめぇwwwwwwww