ゴジラ・アースに転生したので色んな侵略者から地球を守ろうと思います   作:アメコミ限界オタク

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第十二話

 

 

起動したメカゴジラは総司令部の建物を缶詰めのように切り開き、中にいる総司令官とその副官を初めとする部下たちを巨大な機械の手で器用に摘まんでいる。

 

 

 

今この瞬間にも握り潰さないのは、ストーム1……彼女にもなにかしらの考えがあるのだろう。

 

 

 

「ストーム1に告ぐ!今すぐに武装解除してメカゴジラから降りるんだ!!」

 

 

 

「大将!いったいどうしちまったんだ?!落ち着いて話し合おうぜ!!」

 

 

 

ブルートからストーム2隊長と部下は彼女を説得しているが、内心では彼女の怒りに共感している。

 

 

 

だからこそ、今は膠着状態で済んでいるのだ。

 

 

 

メカゴジラを取り囲むのはストームチーム全隊員、そしてコンバットフレーム・エイレンⅣを含む最新鋭兵器に、対ゴジラ用に装甲とカッパー砲をより強化された100m級にまで大型化されたアーマメントバルガⅡまで駆り出されている。

 

 

 

だが相手は最新鋭の対ゴジラ兵器たるメカゴジラ。

 

300mを超す巨体。

 

専用装備である口内のプロトンキャノンの威力もアーマメントバルガⅡのカッパー砲と比べても桁違いに大きい。

 

 

 

加えて、それを操るのは人類最強の兵士であり大いに尊敬を集めており、同時にEDFのアイドル的・マスコット的な存在としても熱狂的な支持と人望を集めているストーム1だ。

 

 

 

もし、これが他の兵士であれば即座に鎮圧されていただろうが、ストーム1の実力と人望が彼女を取り囲む兵士から武力行使という選択肢を限りなく後回しにしていた。

 

誰も彼女と敵対したくないのだ。

 

 

実力としても、人間としても。

 

 

『……皆さん下がってください。移動します』

 

 

数時間続いた膠着状態の末、ストーム1はスピーカーを通して通達する。

 

 

彼女は説得に耳を一切貸さなかったが、他の兵士たちを労る心は残っている。

 

 

メカゴジラがゆっくりを歩くと、地上部隊は「わっ」とモーゼの十戒の如く道を開ける。

 

 

「踏み潰さないように気を付けて……っと」

 

 

おっかなびっくりメカゴジラの操縦悍を操作する。

初操縦であるにも関わらず、バルガよりも複雑なレバーやスイッチの設定を間違えることなく行えるのは紛れもなく彼女のスキルと能力の高さを証明できている。

 

 

「我々をどこへ連れていくつもりだストーム1!貴官が行っているのは重大な反逆こぅ……ふぐぅっ!!」

 

 

「少し黙って!集中したいんだから!」

 

 

総司令部の副官を潰さない程度の圧力で黙らせ、ストーム1はゴジラの元へと向かう。 

 

「ストーム1、どこへ行くつもりだ!?私や部下を処刑するつもりかね!?」

 

コックピットの副操縦士のシートに縛られているEDF総司令官が彼女に問う。

 

 

「これからゴジラの元へ向かい、あなた達を差し出します。そうすればゴジラが人類の敵じゃないことを証明できる筈です」

 

 

「怪生物が敵じゃないだと!?気でも狂ったか!?」

 

 

喚く総司令官を無視してストーム1は操縦に集中する。

彼女の耳には追走して降伏を呼び掛けるストームチームの言葉も届かず、ひたすら海へと海へとメカゴジラを走らせる。

 

 

途中、痺れを切らしたストームチームがメカゴジラを破壊しようと攻撃してきたが、効果は無かった。

 

 

歩兵であるストームチームの足でいつまでも要塞並みに巨大で、かつ恐ろしく俊敏に動けるメカゴジラの挙動に着いてくることはできず、軍曹チーム、グリムリーパー、最後はスプリガンも振り切ってストーム1は駆け抜けた。

 

 

ゴジラの元へ行くストーム1。

 

ビルよりも高い足は風のように素早い。

 

あっという間に太平洋に進出したメカゴジラは、ゴジラの元へと向かう。

 

  

 

 

 

「放射能うめぇ~~!!」

 

 

 

GYAAAAAAAAAAAAAAAA!!!

 

 

 

俺こと、ゴジラアースはひたすら放射能の味を堪能している。

牛肉のステーキみたいな味を全身で感じるのは不思議な感覚だが、全身でご馳走を味わえるのは良きかな。

 

そんな風に舌鼓を打っていると、海の向こうから近づく敵の気配を感じた。

 

 

「なんだ? ……なにかが来る?」

 

 

パワーアップまで果たして、もはや敵なしの俺ではさえなんとなく、本能が警笛を鳴らすほどの敵が迫っている……ような気がする。

 

とりあえずは警戒のために近く無人島らしき島に移動し、足場を確保。

 

 

沖合いから近づいてくる敵の正体、それは……。

 

 

「メカゴジラじゃねえかぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

 

しかもハリウッド版メカゴジラ。

 

ゴジラとのタイマンで実質勝利し、コングとの即席タッグも後一歩のところまで追い込んだ大健闘を果たしたギドラ転生体とも呼べるメカゴジラだ。

それもデカイ。300mはある俺とほぼ同じ背丈だ。

 

これは、先に仕掛けるべきか……?

 

それとも様子を見るか?

 

俺が行動を決めあぐねていると、メカゴジラの頭部が開いて誰かが出てきた。

 

フェンサーだ。

 

あの白い装甲は見たことある。

以前、スラターンと戦った時に崩れたビルに潰されそうになったところを助けたやつだ。

 

なぜあいつがここにいる……。

 

「私の声、聞こえてる?」

 

ヘルメットにスピーカー機能でもあるのか、やたらと声がデカい。

 

しかも厳つい見た目のスーツとは裏腹に、女性らしい柔らかい声だ。

 

メカゴジラが握っていた拳を胸の前で開くと、そこには何人かの人間がいた。

 

おいちょっと待て、なんつー運びかたしてんだ。

 

「この人たちは私たちの総司令官で、この人たちがあなたを核攻撃した」

 

 

そう言ってヘルメットを脱ぐフェンサー。

 

その中身は……なんと、なんということでしょう。

 

俺のストライクゾーンド真ん中ドストレートの白髪碧眼の美少女がそこにいた。

 

しかも胸部装甲(比喩なし)の膨らみを見るに、胸部装甲(比喩)の方もかなりの戦闘力を秘めているようにお見受けした。

 

俺好みな美少女がなんの用だろうか。

 

あ、ちょっと待って。この娘の美貌に見惚れてて、今、大事な話を聞き逃したような気がする。もっかい言ってくれないかしら?

 

「だから、総司令部をあなたに差し出すから好きにしていい」

 

すまん。

 

なにが「だから」なのか分からない。

 

聞き逃してたところにめっちゃ大事な話が含まれていたようだが、人語を喋れないこの体では「もう一回説明してもらっていい?」すら言えない。

 

とりあえず総司令部の人たちに顔を近づけて……。

 

 

「ヒイィィィィィィ!!!」

 

 

あ、露骨に怯えてる。

 

……それから無言で首を横に振っておこう。

 

 

これでなにか察してくれ。

 

 

「……ふふ、やっぱり、私の勘は正しかったのね。ねえみんな、聞こえてる?

やっぱりゴジラは敵じゃないみたい」

 

そのフェンサーの女の子は、さっきまでの真剣な表情が崩れ、一転して微笑みを浮かべる。

 

やべえ、超可愛い。声も可愛い。言動や仕草のひとつひとつがいちいち可愛い。

 

おっさん達はともかく、俺と白髪の女の子の間には和やかな雰囲気が漂う。

 

いい感じだ。

 

このまま戦闘になるのは避けて通らないと。

 

俺がその娘に顔を近寄せると、キングオブモンスターズの芹沢博士のように、その娘は俺の体に触れる。

 

 

「ゴジラ……あなたってとっても硬い体をしてるのね」

 

 

それに優しい目をしてる、と言って女の子は笑う。

 

 

『ギィィィィィィィィイ!!!』

 

 

ラブコメでいい雰囲気になったら必ず邪魔が入るように、黒板を引っ掻くような不快な叫び声が耳をつんざく。

 

「きゃんっ!」

 

そして、緑色の光の砲弾が俺の顔面に直撃し、女の子が爆発に巻き込まれて吹っ飛ばされる。

 

ヘルメットを脱いでいた女の子は、無防備のまま砲撃の爆発を浴びて、海へと投げ出された…………ということは無く、空中でブーストを吹かして体勢を整える。

 

「邪魔しないで!!」

 

そのまま12連続の慣性ブーストダッシュ。

 

砲撃が飛んできた方向へ飛んでいく。

そこにいるのは、インデペンデスデイエイリアンのクイーンだ。

 

ご丁寧に武器も持っている。大砲よりもデカい武器を。

 

あの武器であの女の子を巻き添えにして俺を撃ったんだな……。

 

「死ねぇぇぇぇぇぇ!!」

 

『ギャイイイイイイイイイイ!!!!』

 

戦闘シーンすら省略され、蜂の巣にされるクイーンは断末魔の叫びをあげる。

 

なにあれ……強すぎ…。

 

メカゴジラの頭部に戻ってきた女の子は、砲撃で変形したコックピットハッチを強引にこじ開けた。

 

……スケルトンのパワーだと思いたい。

 

丁度そのタイミングでEDFのヘリ部隊が駆けつけた。

 

女の子はフェンサースーツを脱いでコックピットから出てくる。やはり胸部装甲の厚みは凄かった。

 

EDF側にも俺に敵対意思が無いことが伝わっているのか、それとも女の子や総司令部の回収が先なのか、攻撃は来なかった。

 

女の子と総司令部のおっさん達がヘリに乗せられる。

 

すると女の子を含む隊員たち一同が俺に向かって敬礼をすると、ようやくEDFは去っていった。

 

メカゴジラもゲームにも出ていたビークルを運んでくれる輸送機が10台くらいで吊り下げ、運んでいった。あの輸送機馬力ぱねぇな。

 

ようやく落ち着いた俺は無人島に横たわり、静かに目を閉じるのであった。

 

 

 

 




ゴジラ
放射能バイキングを満喫してたらメカゴジラが来て死ぬほど慌てた。ちなみに放射能はほとんど食べきっていた。

ストーム1
メカゴジラを使ってゴジラの元まで総司令部を差し出しにきたやべー女。
多分ヤンデレになったら献身・崇拝型の複合タイプ。メカゴジラの通信機能を通してゴジラが人類に敵意が無いことを証明して見せた。

EDF兵士
ストーム1の反乱に大パニックを起こし、ゴジラの元へと単機突撃されて更に大パニックを起こした。
ゴジラが敵じゃないことが証明されて、ある程度の敬意を持つようになる。

本部
通信を通して全部見てた。
ゴジラが敵じゃないと分かった今でも対策はすべきだと思うようになる。

総司令部
彼らは犠牲になったのだ……。
ゴジラと人類の友好な架け橋をかける……。
その犠牲にな……。


メカゴジラ
ハリウッドで大暴れしてたやつ。
素材はウォーバルガと同じくE1合金。
プロトンキャノンはプロトン粒子ビームを映画と同じブレスの勢い&カッパー砲の10倍の爆発付きで発射できる。

放射能を除染できる機能もある有能。


インデペンデンス・エイリアンクイーン
ラブコメの邪魔をした結果、ストーム1に戦闘描写すらハブられるレベルの猛攻を受けて瞬殺された。
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