ゴジラ・アースに転生したので色んな侵略者から地球を守ろうと思います   作:アメコミ限界オタク

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スキュラって怪獣のエサにちょうど良さそう。


第二話

 

 

 

我が不倶戴天の敵!!プライマーよ!見ているか!!

 

そんな気合いを乗せて俺は荷電粒子ビームを放つ。

狙いは勿論、宇宙空間なら安全だとたかを括っているマザーシップだ。

ゴジラ・アースの射程数百キロにも及ぶ熱線は宇宙に陣取っていても余裕で届く。

 

まさか荒廃した地球に地上から宇宙への攻撃手段があるとはプライマー側も思わなかっただろう。

核兵器すら比較にならない破壊力の光速のビームは黄金の船の装甲を熱したバターナイフを差し込んだバターのように容易くぶち抜き、貫通する。

爆発四散していくのを目視で確認。撃墜完了だ。

ビルサルドのメカゴジラならこれに対抗できたってマ?って本気で思う。

そして俺によるマザーシップ狩りが始まった。

北へ行ってはビーム!南に行ってはビーム!東に行ってはちゅどん!西に行っては撃墜!

 

当然だが、プライマーもただやられるのを待っている訳がなく、彼らも決死で抵抗を試みていた。

 

アンドロイド軍団で俺の進軍を止めようとし、テレポーションアンカーをミサイルのように使って攻撃してきたり、あるいはテレポーションシップで特攻してきたり、最後の方ではマザーシップ五隻の集中ジェノサイド砲爆撃も受けたが、どれひとつ俺の足を止めることはできなかった。

 

残すはナンバー11のみだ。

やはりこの荒廃した世界はEDFの勝利を歴史改変で無かったことにした未来のようだ。

 

ストーム1やプロフェッサーや大尉と会ってみたいが放射能汚染を赤ちゃん並みに、あるいは決壊したダムの如く垂れ流しにしているこのゴジラ・アースボディで放射能対策をなにも取れない彼らと顔を合わせることは難しいだろう。

リングで過去の世界に飛ぶから平気だろうが、俺から被爆した影響でリング破壊作戦に失敗したら目も当てられない事態になるからな。

 

手の中で暴れる黒いキュクロプスを握り潰しながら俺はそう考えていた。

 

こうしてプライマーを壊滅状態に追いやってから数日。

 

逃げ回るナンバー11はとうとう月の裏という名の安地に陣取りだした。

 

「あの野郎……逃げやがったな……!!」

 

静かな苛立ちはグルルルルッという小さく確かな怒りを滲ませたうなり声として発声された。

 

いっそのこと月ごと貫通してやろうか、と思い、南極か北極でエネルギーをチャージしようか考えていたところ、遂にリングがやってきた。

ゲーム本編にもいたあのタイムマシーンだ。

 

「よっしゃキターーー!!!」

 

相変わらず人の言葉はゴジラ・アース声帯を通して自動的に大地を揺るがす咆哮に変換される。

 

そしてナンバー11は最後まで月の裏で逃げ回っていた。

 

 

 

 

そしてしばらくの後、俺はEDFの兵士を発見することができた。

 

それもリング攻撃作戦の参加者―――つまり、ゲーム本編の主人公であるストーム1とプロフェッサーが所属する部隊だ。

 

数日ぶりに人と会う嬉しさ、憧れの生ストーム1と出会った感動のあまり、俺は彼らの戦っている戦場から10キロ離れた地点でアンドロイドどもを踏み潰しまくっていた。ナムサン。

 

そしてやはり彼らも俺の存在に気づいているようであり、時折、EDFのヘリやコンバットトラックが俺の周りをうろちょろしている。

 

最初は航空機あるんかい!?って思ってたけど、よく見ると装甲は溶接跡だらけの継ぎはぎで、コックピットのガラスもひび割れや穴が目立つ。機体の姿勢もなんとなく不安定で今にも墜落しそう。見てるだけでヒヤヒヤもんだ。

 

恐らく、この世界に残されたかろうじて飛ばせる機体。虎の子のヘリなんだろう。

 

そんな明らかに大切な機体を俺なんかの監視に使わせるなんてすいません、あとコンバットフレームは足にガトリングぶっ放すのやめて。

俺、身動きとれないから。踏み潰しちゃうから。

 

そして対リング戦を観戦していると、赤い光が点滅したかと思うと、白い光が俺たちを包み込んだ。

 

あ、これ俺も過去に行っちゃうやつだ―――。

 

 

 

目が覚めると、深い深い深海の底。

俺は自分がいる場所がマリアナ海溝であると、なぜか直感的に理解した。恐らくはゴジラの体に備わった野生の本能的なセンスだ。

 

 

さて、問題なのは、今がEDF6に置けるどのくらいの時間なのかだ。

もしまた荒廃した世界だったり、あるいは戦争終盤だったら俺が今から参戦してたところでなんの意味もない。

さらに言うなら、重度の汚染が発生するから熱線の使用は封印せねばなるまい。せめてプロフェッサーが汚染から人類を守れる発明をするまではな。

 

そして次の課題は、街をなるべく壊さないことだ。

プライマーを倒したところで街をまるごと踏み潰してしまえば「勝った方が我々の敵になるだけです」と言われてしまう。

そして最も大事なのが、市民や兵士を殺さないこと。それが故意であれ、事故であれ、だ。

そんなことをしてしまえば俺は一瞬で人類の敵になる。特に足下には気をつけて戦わなければな。

 

一通り考えを整理をすると、俺は海上に浮遊しようとする。

そこで海溝の底におかしな裂け目を見つけた。

 

その裂け目はどこかで見たような覚えがある、そうまるであの映画の………。

 

そこまで考えたところで、裂け目から100mを超える怪獣が姿を現した。

まるで、巨大な娼婦だ。

 

怪獣は1体だけではなく、その後続が次々と出現する。 その数、合計4体。

 

斧のような頭の怪獣。翼のある怪獣。ゴリラのようなたくましく太い腕の怪獣。

どれも見たことがある怪獣ばかりだ。

 

 

「パシフィック・リムのKAIJUじゃねーかー!!!」

 

 

誰かー!誰かイェーガー呼んでー!!

 

KAIJUたちが一斉に襲いかかってきた。

 

 

マリアナ海溝最深部、ここに人知れずたったひとりの地球防衛戦が始まった。

 

 

 

「かかってこいやぁぁぁぁぁーーー!!!!」

 

 

 

怪獣王無双開幕である。

 

 

 





深海での戦い、三大潜水母艦の救済イベントになるかな?

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