ゴジラ・アースに転生したので色んな侵略者から地球を守ろうと思います   作:アメコミ限界オタク

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第二十六話

 

先進科学研の廊下をバリアスよりも速く疾走する。

目当ての部屋を見付けると、鋼鉄のドアを蹴破る勢いで蹴り開く。

 

「私だ!ストーム1だ! プロフェッサー、ゴジラの居場所は分かった?」

 

プロフェッサーは申し訳無さそうに、気後れしてるように口ごもりながら答えた。

 

「……結論から言って、ゴジラは見つけることはできた」

 

「しゃあーー!!やったぁーー!!!」

 

両手を握りしめてガッツポーズ。ピョンピョン跳ねて全身で喜びを表現してると、プロフェッサーはこう続けた。

それは私にとっては絶望的な内容。もし上げて落とすの例があったらこれが良い例だろう。

 

「だが、彼の反応はブラックホールに飲まれたところでロストした」

 

「は……?」

 

その言葉を聞いた瞬間、頭をガツンと殴られたようなショックを受けてフリーズする私を置き去りにして、プロフェッサーは思考を続けた。

 

「先進科学研は現在使用できるEDFの外宇宙監視衛星、アスガルドのヘイムダルにも助力して貰い、ありったけの手段を使ってゴジラの行方を探している。

 

しかし、ブラックホールの向こう側になにがあるか?というのは今のところ、理論上にしか存在しない机上の空論、仮説でしかない。

 

ホワイトホールに繋がって放り出されるのか、それとも……。最悪の事態さえ考えられる。

 

君やオペレーターには酷な話だが、もしかしたら、人類は最高戦力の一端であるゴジラを喪ったのかもしれない……。

 

…………………。

 

いや待てよ、君の所有するインフィニティーストーン……空間を司るというスペースストーンのパワー。

 

それに、アスガルド人の虹の橋―――ビフレストの移動能力……。

 

ビフレストを使えば理論上、宇宙のどこにでも瞬時の移動が可能だ。それにヘイムダルの千里眼の魔法……。科学者としては魔法の存在は認めたくはないが、神話の神々や『かの者』のように超能力を扱える者が生物として実在する以上、魔法はある意味、生物の進化の極致点かも知れない。

 

すまない、話が脱線したな。

 

ヘイムダルの千里眼、それにスペースストーンのパワーを解析し、探知機のシステムとして利用できれば、その探知機はこの宇宙全体どころか、マルチバースに存在するのあらゆる物理空間に自由にアクセスできる。

 

となると……」

 

 

話してる途中でプロフェッサーの悪癖が出てきたのか、彼は自分の世界に入り込んでぶつぶつと呟いて思案している。

ミッション中の無線でも彼は研究の成果を喋りながらこうやって流れるように仮説を組み立てているから、多分生まれつき根っこの部分が研究者なんだと思う。

 

こうなると自分で戻ってくるのを待つしかない。

無限に続くループで何度も彼の悪癖には苦労してたけど、結論さえ出れば彼は必ずここから状況を引っくり返せるアイディアを出してくれる。

期待通り、プロフェッサーはなにか打開策が思い付いたらしく、迷いのない眼で私に指示をくれる。

 

「スケルトンだ。君のパワードスケルトンを持ってきてくれ。それに、ソーと……できればヘイムダルも連れてきてくれ」

 

 

 

 

 

 

 

「ゴジラを迎えに行こう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クレーター化した荒野で俺はひとり、怒りと興奮に心を燃やしていた。……自分自身に。

 

理由は勿論お分かりです、かなりド派手な着地をして、土地を大きく破壊してしまったからです。

 

被害は甚大。俺の周囲数百メートルに渡って巨大なクレーターが出来て、その数倍の距離まで破壊が及んでいる。戦でも荒野に居た生物にも相当な被害があり人と動物を掛け合わせたような生物……亜人と呼ぼう。

 

亜人と人間が戦でもしていたのか、見渡す限り中世レベルの武装をした軍隊がいて、俺はちょうど亜人軍のど真ん中に着陸したみたいだ。

 

ゴミのように踏み潰され、塵のように舞った亜人たちの生き残りが俺に武器と殺意と恐怖を向けている。

 

死屍累々。そんな言葉がピッタリだ。

 

 

………。

 

…………………。

 

………………………………………。

 

 

『アカン、やらかした』

 

スペースゴジラアースに進化した直後だったからこの身体になったばかりの調子に乗っていた頃の俺に、この世界を夢だと勘違いしていた時期に精神が逆戻りしていたようだ。

 

プライマー、インデペンデンス・エイリアン、チタウリ、ロキ、それにティラニッド。

 

地球を狙い、地球人類を攻撃した数多の侵略者を相手に無双しているうちに、俺は無意識で傲慢になっていたようだ。

 

『まあ、今更それ言うって話か……』

 

亜人と人間、両方の心を読んだ限りだと亜人側が力を嵩に着て人類に一方的な侵略を行っていることと、人類側の巻き添え被害は重軽傷で済んでいることは不幸中の幸いだった。

いや幸いじゃねぇ。侵略者とは言え、いきなり登場して踏み潰すのは流石にかわいそうなことをした。

 

「に」

 

 

『に?』

 

「逃げろおおおおおーーーー!!!」

 

「急げえええぇぇぇぇ!!!退却だあああああ!!!!」

 

「命が惜しければ走れぇぇ!!!足がもげても!!仲間を踏み潰しても!!走り続けろお!!!」

 

まあそうなるよね。

 

亜人たちは恐慌に駆られるまま、宣言通り転んだ仲間や戦で傷付いて倒れてる仲間を踏み潰して我先にと走り出した。倒れている亜人たちの断末魔と逃げる連中の絶叫でまるで統制がとれてない。地獄みたいになっとるやん。

 

 

とてもじゃないが、観ちゃおれん。

 

 

 

 

『静まれ』

 

荒野全域に黄金の波動が広がる。

 

その瞬間、ピタリと戦場の荒野が鎮まり帰った。先ほどまでの騒ぎが嘘のように静かになり、今では悲鳴や狼狽える声すら聞こえない。

 

『キチンと整列して、大人しく帰れ。怪我人や仲間の死体も手厚く保護していけ』

 

亜人たちは命令通り、行儀良く列を作って仲間を介抱しながら帰っていった。

 

 

『さて………』

 

 

 

 

 

『こっちはどうするかな』

 

そう言いながら人間軍に振り替えると、彼らは恐怖と絶望に染まった目で俺を見ていた。

EDFの兵士より装備が劣っていて、ストーム1のような精神的支柱となる英雄もいない分、絶望はより大きいのだろう。

 

敵じゃないよ~味方だよ~、とアピールしても信じて貰えないだろう。というか、まともに会話したところで絶対に拗れる。

 

まあ、最終的には困ったらテレパスで解決できるし、話ができなくても逃げればいいだけだ。話し合いが出来ても出来なくても、特に問題はないのだ。

 

いきなり感応波を使ったりしなくとも、のんびりやればいいだけの話だ。

 

それに、強化された知覚が告げている。

この出来事をどこかで見てる奴らがいる、と。

そいつらが何者なのかまでは分からんが、今は知らんぷりでもしておこう。下手に刺激したら問題になるかも知れないからな。

 

『安心してください、俺はあなた方の敵ではない。責任者との対話を所望する』

 

心を落ち着かせる感応波を声に乗せると、人間の兵士たちは憑き物が落ちたように安心した顔をする。

すると、派手な飾りを沢山着けた甲冑を着た老兵が前に出た。多分将軍とかの地位にいる男だ。側近らしきハゲ頭の老人や軍師らしき若い男に止められてるが、引きずって歩いてる。

 

あ、若い兄ちゃんが振り落とされた。もう年寄りなのに力強いな。

 

彼は俺の前に、といってもまだ200メートルは離れた距離で止まると対話に応じてくれた。

 

「私は竜王国軍将軍のガッツである!!貴獣の武勲は誠に感服の至り!!しかしながら!我らの女王陛下と謁見するには貴獣は巨大過ぎる!!故に!暫くの間猶予を貰いたい!!」

 

何百メートルも離れた位置にある俺の頭に届くように気を使って声を張り上げてくれてる。わざわざそんなことしなくてもテレパシーで会話できるんだけどここは素直に好意に甘えておく。

 

『なら待つ事にする。対話に応じてくれてありがとう』

 

ティラニッドとの戦いに、突然の超進化にと、エネルギーを使いすぎたらしい。

酷い睡魔に襲われた俺は、それだけ言うとさっさと眠りについた。

 

玉座にてアインズは遠隔視の鏡(ミラー・オブ・リモート・ビューイング)でかの者を偵察していた。階層守護者全員が集められており、会議を滞りなく進めるために彼の命令によって直立したままその映像を見ていた。

鏡に映されたのは山よりも巨大、森よりも深縁な魔物による亜人の大虐殺というあまりにも凄惨な光景だが、彼らは顔色を悪くするどころか冷や汗すら流すこと無く、むしろどこか愉しそうにその虐殺を眺めていた。

その表情は会議というより、面白い映画を観ているようだ。

当然だ。彼らにとってナザリック以外は全て資源や家畜。どうなろうと知ったことではない。

 

「今日集まって貰ったのは他でもない。この魔獣について、皆の意見が聞きたい」

 

真っ先に挙手したのは守護者一の頭脳を持つ悪魔デミウルゴスだ。

 

「どうやら、この魔獣がアインズ様が仰られていた例の強大な魔獣のようですね。確かに、アレはユグドラシルのものでは無さそうです。

だからこそ、アインズ様の興味を強く惹かれたのですね」

 

眼鏡の位置を直す仕草をしながら得意気に語ると、その意見を遊郭言葉が特徴の吸血鬼が否定する。

 

「山よりも大きいとはいえ、魔力も一切持たないのでしょう? あんなの、所詮はただ馬鹿デカいだけのトカゲでありんしょう?」

 

「馬鹿ね、これがただのトカゲならアインズ様がわざわざ私達を召集したりなどしないでしょうに」

 

「あぁん!?」

 

サキュバスにバッサリ切り捨てられていつも通りいがみ合う二人を無視して蟲の巨人コキュートスと対大軍戦を得意とするマーレがそれぞれ意見を述べる。

 

「タッタノ一撃デ万二届ク軍ヲ片付ケルトハ……ソレニ、最後ノアノ声ハイッタイ……?」

 

「え、えっと……魔法さえ使わずに、この破壊力は……凄すぎます……」

 

ビーストテイマーのアウラ、老紳士の風体の竜人セバスは……

 

「あれ私も欲しいな!!ねえねえアインズ様ー!あの魔獣私のペットにしていいですか!?」

 

「私が本気の姿に変身すれば、勝てそうではありますが……」

 

全員の意見が出終わるのを待つと、アインズは口を開く。

 

「あの魔獣……名はゴジラという。正確には怪獣と呼ばれる生物に分類されていてな、お前たちを創造するよりも、私がナザリックに加わるよりも昔の話だ――かつて、ユグドラシルで一度だけゴジラと出会ったことがある」

 

「おお!やはりアインズ様は全てを知り尽くしておられるのですね!」

 

デミウルゴスの称賛の声を上げ、更に言葉を尽くして称えようとするのを右手を向けて無言で制止すると、アインズは続ける。

 

「だが私が出会ったゴジラは凡そ100メートル前後の……モンスターバースというユグドラシルとは別の世界からやってきたワールドエネミーだ」

 

(ていうか、ゴジラ作品はよく知らないけど、あの時の俺が挑んだやつとは絶対違うゴジラだよなぁ……身体の色とか大きさとか、肩から生えてるアレとか……。

それに明らかに知性あるよなあいつ……。しかもなんだよあの洗脳みたいな能力!!俺の知ってるゴジラじゃねーーよ!!

 

うわ~~!こんな事になるならGODZILLAコラボの時にもっと調べておくんだったあぁぁぁ!!

ナザリックの図書庫にゴジラの本が無いか、後で確認しておこう!)

 

過去の自分がユグドラシルに夢中になって情報収集を怠っていたことを後悔し、今すぐにでも頭を抱えて叫びたかったが、精神鎮静が発動する。

 

「その当時、私はまだソロプレイヤーでレイドには参加できなかったが戦いの余波に巻き込まれて一度倒されたこともあった。

それに、他のワールドエネミーと比べても相当な強さだったと噂を聞いた。観察している限り、奴は別の個体のようだが、ゴジラであるからには最低でもワールドエネミー級と考えていいだろう」

 

「そんな、では……やつを倒す方法はないのですか……?」

 

崇拝するアインズですら歯が立たなかった事実に、守護者たちは顔を暗くする。特に、シャルティアは全員の意見を代表するように声を絞り出した。

 

「倒せなければ、いずれはユグドラシルが――ひいてはナザリックを滅ぼされるかも知れません。早急に手立てを考えなければなりませんね」

 

デミウルゴスはそんな空気が漂う中でも冷静に状況を分析する。

全員が落ち着くのを待ってアインズは今後の方針を指示する。

 

「リ・エスティーゼ王国侵攻の件については、一度後回しにする。バハルス帝国にも私から直接連絡をつけておこう。リ・エスティーゼ王国も今年は戦争どころじゃ無くなるだろうからな」

 

カッツェ平原で毎年行われるリ・エスティーゼ王国とバハルス帝国の形式的な合戦。

他のプレイヤーが転移していないかを確認できる絶好のチャンスであり、超位魔法のもたらす破壊と殺戮を楽しめる機会を彼は密かに楽しみにしていたが、これほどのイレギュラーが乱入してきたら四の五を言っていられない。

 

この世界にある生けとし生きるもの全てを犠牲にしてでも、ナザリックの存亡を懸けてあのゴジラ(破壊神)を倒さなければならない。

 

(いや待てよ、もしかしたら……戦う必要なんて無いんじゃないのか?)

 

だが、奴には言葉を用いて他の生物とコミュニケーションを取れるほどの知性がある。

他の生物を無闇に殺さない理性と道徳も持ち合わせている。

 

「いや待てお前たち。倒すことはできないが、何も必ずしも戦う必要があると言っている訳ではない」

 

「なるほど、そういうことですか!流石はアインズ様です!!」

 

(うえぇぇ!?またなんか勝手に深読みしてる!?!?)

 

「どういうことでありんすの?」

 

(ナイスだシャルティア!)

 

「デミウルゴスよ、他の者にも分かるように説明してやれ」

 

 

 

「はい、アインズ様。

 

いいですか皆さん、アインズ様の言いたいことは、つまり―――アインズ様はゴジラを世界征服の駒として利用しようとお考えになられている、ということです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(そうなのぉ!?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゴジラには明確に知性があり、余計な殺生を嫌うような素振りすら見せました。つまり、これは我々が力でやつを屈服させることが難しくとも、言葉で説き伏せることが出来れば……例えば、アインズ様に助力すれば結果的には多くの命が救われる、とでも言えば人間のような愚かな価値観を持つあのトカゲを利用することは容易いはずです」

 

 

(なんでそうなる!?でも平和的に解決するつもりなら良かったぁ……)

 

「そういうことだ。 そして、その説得には私自身が向かうつもりだ」

 

(こればっかりはナザリック至上主義のNPCたちに任せたら絶対にろくな結果にならないだろうからなぁ……)

 

「お待ち下さいアインズ様!! いくらなんでも危険です!!」

 

「止めてくれるなアルベド。協力を求める話し合いの場にナザリックのリーダーがいないのでは無礼にもほどがあるだろう。では会議は終わりだ。皆ご苦労であった」

 

とっくに無くなっている胃袋がキリキリと痛むのを感じながら、アインズはゴジラを言いくるめる言葉を必死に考えた。

 

 

 

 





ナザリック
時系列はリ・エスティーゼ王国での虐殺直前くらい。
アインズの話を聞いて勝つことや倒すことより、ゴジラを利用することを考える。さすアイ。
アインズが知ってるゴジラはキングオブモンスターとVSコングのみ。アーコロジーにアメコミは無かったのでマーベル作品も知らない。
なお、実際の戦力差は現地民VSナザリック以上に絶望的な差がある。
もしも王国虐殺を行った場合は問答無用で滅ぼされて終了。
ワーカー達にやったことがバレても終了。
ゲヘナの件がバレても終了。
聖王国両脚羊の件がバレても終了の綱渡り状態なことに気付いてない。

NPCたちはデミウルゴスのせいでアインズ様ならゴジラを倒すくらい余裕だけど、なんか性格甘そうだし利用できそうだから殺さないんだと勘違いしてる。


プロフェッサー
ヘイムダルの千里眼、虹の橋の移動能力、スペースストーンの空間支配能力、EDFのチート軍事力でなんかする気の公式頭脳チート。

アスガルドの魔法も解析してかなりチート。


ストーム1
生身だと戦車並みに足が速い超人にしてウイングダイバー並みの恵体美少女で公式戦闘チート。
EDF6換算でレベル120近い武器と装備でガチガチに固めてる。

多分ユグドラシルだと合計レベル1000以上とかそれくらの強さ。



ガッツ大将
二秒で考えたオリキャラ。大剣背負ってる。
現地民で最初にゴジラとコンタクトを取った英雄。

女王への忠誠心マックス。



ゴジラ
落下地点がビーストマンの侵略を食い止めてる戦場のど真ん中(ビーストマン軍より)の場所だった。
ある日、いきなり空から降ってきたことでビーストマンたちに決して忘れられない恐怖と殺戮をもたらした。恐らくゴジラがいなくなっても何百年かは侵攻してこないレベルでかなり恐怖を感じさせた。
ユグドラシル換算なら多分スペゴジ進化前がレベル53万とかそれくらい()

進化後は数字が振り切れて測定不能。
ついでに言うとまだ伸び代が無限にある。
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