ゴジラ・アースに転生したので色んな侵略者から地球を守ろうと思います 作:アメコミ限界オタク
そして何気なく初投稿の日を見たらまだ27話しか進んでないのにもうすぐ1年も経つのが個人的に最大のビビりポイント。
「このトカゲさんすっごく大きいねー!」
「大きいですなあ」
「尻尾太いねー!」
「太いですなあ」
「背鰭とげとげだねー!」
「とげとげですなあ」
「肩のクリスタルきれいだねー!」
「綺麗ですなあ」
甲冑を着たむさ苦しい男ばかり砦に、この場には似つかわしくないきらびやかなドレスを纏う小さな女の子が山のようにそびえ立つ巨獣を見上げていた。その大山のごとき巨体は、ドラゴンやトロールが巣食うこのユグドラシルに置いてもなお、生物と呼ぶには余りにも、余りにも
女の子はその巨獣の足下で無邪気に、のほほんとした笑みではしゃぎ、様子を和やかに見守る兵士たちの父性と変態という名の紳士の心を刺激していた。
(どうしてこうなったーーー!!!)
その胸の内に本音をひた隠しながら。
(ビーストマンは侵略してくるわ!!王国はもう破産寸前だわ!!民ももう限界だわ!帝国のクソガキは王国と仲良く喧嘩するのに忙しいわ!!兵の士気のためにこっぱずかしい思いまでしてしたくもない幼女のフリして!!スレイン法国の支援は打ち切られそうだわ!挙げ句の果てには!!!!空から神話の竜王が降ってくるわ!!!!
もうしっちゃかめっちゃかじゃない!!どうすればいいのよぉぉぉぉ!!!)
報告書を読んだ瞬間には遂にストレスの限界に達して眩暈に頭痛に吐き気にとストレス障がいのオンパレードを同時に叩きつけられ、胃が潰れるほどのストレスを味わったここ三日間。
今も女の子……のフリをした竜王国女王ドラウディロン・オーリウクルス(年齢不明)はゴジラを名乗った巨獣が目覚める時を待っていた。
そう、彼女は竜王を―――怪獣王ゴジラの名を知っていたのだ。
かつて伝説とまで謳われたプレイヤー達。かの十三英雄や八欲王によって語られた破壊の――あるいは守護神の名は、現代まで竜王国やスレイン法国などの古い歴史を持つ一部の国家の、その王族のみが口伝によって子々孫々と残し続けてきた隠された神話。
そのお伽噺の怪物が目の前に存在するという事実だけでも彼女は胃もたれと胃潰瘍を併発した。
『―――はっ!』
ぐっすり眠り過ぎていたようだ。ストーンとコズミックパワーの知覚能力で経過時間を調べたらあれから三日も経過していた。
これだけ時間があれば、竜王国の方もそろそろ話がまとまる頃だろう。
竜王国の方角に目を向ければ、どうやって造ったのか、石造りの壁の上で400~500メートルは離れたところで弓や杖を持った兵士や投石機やバリスタがズラリと並んで立っている。どうやら、あいつらは俺の見張りらしい。
俺が眠っている間、ずーっとあそこに突っ立っていつ起きるのかも分からない怪獣を見張ってたのか。お疲れ様。
『話を、聞きに行くか』
ずしーん、ずしーんと歩いて行けば、一歩近づくごとに兵士が狼狽えて騒ぎだす。
「お、おい!あいつこっちに来るぞ!!」
「ひいぃぃ!!!」
「杖を構えろ、いつでも撃てるようにしろ!!」
「こっちに来る!!来るな!!来るんじゃない!!!」
ある者は武器を捨てて悲鳴を上げ、ある者はなんのつもりなのかよく分からない杖を構え、ある者はバリスタの引き金に指をかける。
壁の手前で止まり、大人が小さい子をあやすように膝を着いてゆっくりと目を合わせる。
実際の体格差は大人と子どもの数百倍以上ある。壁の高さも一応50メートルほどあるのだが、低すぎて膝を着いてもまだ俺の膝より高度が低い。
『例の件はどうなってる?』
「降伏する……」
普通に聞いたつもりでも、めっちゃ高圧的になってるせいで会話が全然噛み合ってない。
『落ち着け』
感応波で荒ぶる兵士たちの心を静める。
『進捗は?』
「先日、女王陛下がこの砦にやってきて、直々にあなた様に謁見する予定だと聞いています」
『それは良かった』
大剣を背負った老将軍、最初に俺とコンタクトを取ったあの男がやってきた。この人が例のガッツ将軍のようだ。
丸まった羊毛紙を広げると、砦のどこにいても聞こえそうなほどの大声で叫ぶ。隣にいる兵士はあまりの声量に耐えきれず耳を塞いでるほどだ。
「ようやく起きたか寝坊助め!!女王陛下は三日も前から砦に在らせられぞ!!!」
この声量に言葉使いといい、さては貴様、海兵隊の鬼軍曹だな?
「ば、ばか!!態度を改めなさい!!」
隣で真っ青になりながら将軍を諌めるお姫様のようなドレスを着たちっさい女の子。
もしかして、この子が……?
『女王……なのか?』
女王らしき幼女は、はっと襟を正すと胸を張って言った。
『フライ』
隣にいるガッツ将軍がそう唱えると、幼女と将軍がなんの装置も道具も無しに浮き、俺の顔の前で制止する。
「そうだ!この私こそ、竜王国女王ドラウディロン・オーリウクルスだ!」
バアアアアアアン!という効果音を背景に幻視するほどの超ドヤ顔。
て言うか、それどうやって飛んでるの?ソーなの?魔法なの?アスガルド人なの?
『お初お目にかかります、女王陛下。俺……じゃなくて私はゴジラと言います。』
女王への挨拶はこれで良いのかな?不敬になってないかな?と内心思いつつも、幼すぎる女王に頭を下げる。
「今回の貴公の活躍、兵士たちからしかと耳にしたぞ!よくぞ我が民と兵士を救ってくれた!感謝するぞ!」
『畏れ多いです』
恭しく頭を下げた……つもり。
いずれ地球に帰るにしても、無駄なトラブルを起こすつもりはない。かき捨てた旅の恥は、いずれ自分以外の旅人が精算させられるのだ。
その旅人がどこにいるかは知らんけど。
「ところでゴジラ殿!我ら竜王国では貴獣は救世の竜王として噂されているのはご存知か!」
初めて聞いた。
「して!我らは貴公を国賓として是非もてなしたい!受け入れて貰えるか!?」
……………。
『了解、もてなして貰います』
そう答えると女王とガッツ大将は顔を見合わせてにやりと笑うと、会談を見守っていた砦の兵士たちに高らかに宣言する。
「さあみなのもの!!今この時より、竜王ゴジラ様は竜王国の国賓となった!!竜王ゴジラ様を讃えよ!勝利を祝え!!杯を掲げよ!」
「宴じゃ!」
竜王国合法幼女王
ロリババア。
ゴジラ
怪獣王。とりあえず偉い人相手には敬語。
竜王国国賓として現地と繋がりを得た。
ナザリック&EDF
出番なし。