ゴジラ・アースに転生したので色んな侵略者から地球を守ろうと思います   作:アメコミ限界オタク

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前回の展開、マインドストーンの影響でナザリック側の悪意とか傲慢さが増幅されてるって地の文でも後書きでも書いてたからこれで充分だと思ってたんだけど、自分で読み返したらちょっと色々と説明不足な感じがしたんで、今回は補足回です。

ちなみにこの作品では完全にかませで小物ですけど作者はオバロ自体は好きです。

ナザリックが二次創作で色んな世界を蹂躙したり、蹂躙されてたりするのを見るのが好きです。



第三十話

 

 

時間はロキの侵略の直後まで戻る。

 

 

「許せん、おのれ……。ゴジラ……、それにあの小娘もだ!!」

 

ゴジラの巨大な尻尾に潰される直前、ロキは魔法で分子レベルで自分と瓜二つの分身を作り、自身はテレポートで逃げて入れ替わっていた。

分身はアスガルドを支配して地球へ攻めるまでの記憶まで精巧に作られている。

 

分身本人すら自分の事を影武者だと自覚していない。アスガルドでも屈指の魔法使いであるロキの呪文はそれ程までに精巧な術なのだ。

計画が失敗した際、あらかじめ逃走用に虹の橋とスペースストーンを併用した特殊なポータルを用意していた事も巧を奏した。

 

「それにしても……ふははははは!!!分身と入れ替わっている事にも気付いていないとは、兄上はもちろんだが、EDFもゴジラも、オーディンですら!!とんだ大間抜けばかりだな!!」

 

ポータルを抜けた先、そこはホワイトホールでこの宇宙と繋がりを持つマルチバース。

 

 

マルチバースに存在するワールドシップへ飛んだロキの前には見渡す限りの黄金の甲冑に身を包んだ巨人の兵士、完全武装のクルールとコロニスト。

地平線を埋め尽くすほどの黄金の怪物と赤いアンドロイド、黒いキュプロクスの群れ。

彼らを守るようにシールドベアラーが複雑な光の要塞を固める。

 

 

空にはところ狭しとクラーケンが漂い、その周辺を壁のようにヘイズが集まる。

黄金の船団とその周囲を守るようにプライマル種とクイーン個体の怪物、無数のドローンが飛び回る。

ゴジラに狩られ尽くしたと思われていたエルギヌス、アーケルス、サイレンまで集められている。

 

これは全て、時空を超えて集められたプライマーの総戦力だ。

 

 

「準備は整っているようだな、先駆者たちよ」

 

 

『無論、全ては我らが生き延びるために』

 

 

ロキの問いかけに答えるのは銀の巨人。

 

プライマー文明の頂点に立つ存在。

 

念力で自由自在に宙を舞い、意思の力だけで無尽蔵のエネルギーを生み出して操る超能力を持つ、プライマーで最も進化した生命であり、彼らの絶対の支配者として君臨する支配種。

その中でも彼はその支配種の頂点に立つ『かの者』だ。

 

 

その軍隊の隣には身長50メートルを超える黄金の巨人を象った巨人と、その足元を蠢く無数の怪物たち。

 

『偉大なるハイブマインドが……我らが求めるのはゴジラという甘美のみ……ならばこそ、貴様の提案を承諾したのだ』

 

ティラニッド。

満たされない飢餓の衝動に突き動かされ、星から星へ、銀河から銀河へ、果てなき暴食の旅を続ける流浪の種族。

 

彼らは捕食した生物のDNAやエネルギーを自らの体質に組み込むことで自らの進化をコントロールし、意図した姿、能力を手にする力を持つ超進化生命体であり、至高のエネルギーと究極の遺伝子を求めてゴジラを狙っている。

彼らが一度狙った獲物を諦める事は絶対にない。

 

 

ここに集まっているプライマーとティラニッドたちは、密かにロキが連絡を取っていた者たち。

彼らの目的を理解していたロキは、地球を襲撃する前にプライマーの本隊やティラニッドの残党とコンタクトを取っていたのだ。

 

万が一、アスガルド軍で地球侵略をしくじった場合に備えてロキはプランBとして彼らを用意していた。

 

彼らと合流し、体制を整えてゴジラとEDFへ反撃のチャンスを伺う。

 

これがロキの計画だ。

 

 

 

 

ロキの提案に対してプライマーは人類絶滅という目的のために承諾。

そしてティラニッドも、ロキにとって最大の邪魔者であり、彼らの最大の獲物であるゴジラの捕食を約束されて一時的に彼の提案を受け入れた。

 

 

本来ならば、プライマーもティラニッドもロキのような存在の提案にも計画にも協力など絶対にしない。

 

 

だが銀の巨人とハイブマインドは、己の種の生存と利益が掛かっている。背に腹は代えられない。

そしてなにより、彼ら両方がロキの魔法により完全では無いとは言え暗示をかけられて心を操られている。

 

彼らですら、ロキにとっては手のひらで踊る手駒なのだ。

 

 

「それでは、アース919の地球へ戻る前にあの惑星で適当に腹ごしらえと補給用の拠点を拵えるとしよう」

 

ホログラムの立体地図に浮かぶ星系をロキが指差す。

その星は魔法が存在するものの、この手にありがちな中世レベルの未開の文明しか持たずにいる星だ。

 

自然も豊かで魔力という特異なエネルギーを持つ多種多様な生物が豊富に存在する。

ティラニッドにとってはご馳走が大量に乗った皿がズラリと並ぶテーブルのような惑星だ。

 

プライマーにとってもこの程度の原始的な星であれば、ものの一日で制圧できる見込みだ。

 

「ふはははははは!!!ならば行こう!!我らの新天地へ!!」

 

 

ホログラムのアラートがレッドに代わり、緊急を知らせるベルが鳴る。

 

 

『あ、この惑星にゴジラが落ちたぞ』

 

 

「…………は?」

 

 

 

 

 

 

ロキたちは己の耳を疑った。

 

簡単に手に入る手頃で豊かな星…………ユグドラシルに目を付けて、そこに住む生物をティラニッドに貪り食わせて腹ごしらえをさせる。

そして地球での戦闘で減ったティラニッドの戦力を補充して、プライマーがこの星の手付かずの豊富な資源を元にこの星を兵器工場へ改造しようと考えていた。

 

こっちにはプライマーのタイムマシン・リングがある。

必要であれば10年でも、20年でも、それこそ100年でもかけていい。

あの星の未開の文明と劣等生物どもを一掃して戦力を整えて、地球を押し潰す。

 

その計画は実行直前だった。

 

そしたら、その星に都合良くゴジラがやってきた。

 

は?なんだそれは?どんなデウス・エクス・マキナだ?

 

 

「なんだそれは、なんの冗談だ? 銀の者よ、そなたらマーシアンでも冗談を言うのだな」

 

『冗談ではない。これを見ろ』

 

銀の人が示すのは観測装置を見せる。

 

その立体映像にはユグドラシルに落下したゴジラの姿。

しかもいったい何があったと言うのか。

その姿はロキが戦った数週間前より遥かに巨大で、凶悪で、強力に進化している。

 

「なんだあれは……? マインドストーンを吸収した影響とでも言うのか?」  

 

 

『ブラックホールのエネルギー、そしてインフィニティー・ストーンのエネルギーを吸収した影響のようだ。今のゴジラからは無尽蔵のエネルギーを生成する生体動力も同然だ』  

 

「仕方あるまい、しばらくは様子を見よう」

 

黄金の玉座にふんぞり返り、ロキは立体映像に注視する。

 

 

ゴジラが亜人を蹴散らし、竜王国を救い、彼らと交流を持ち、EDFが彼を迎えに来る。

この一連の流れの中で、ロキはゴジラを狙う勢力の存在を知る事になる。

 

ナザリックだ。

 

「面白い、これは使えそうな連中だ」

 

ユグドラシルの中でも次元の違う高エネルギー反応……すなわち高次元での戦闘力を持つと分析されたナザリックがゴジラとの接触や利用を謀っているのであれば、これはチャンスとロキは考える。

 

『だが、予測される奴等の戦闘力ではゴジラには……』

 

「分かっているとも。彼らでは勝ち目などないだろうな。だが、奴等の気を引き、地球の戦力を削ぐことは可能だ」

 

ロキは黄金の玉座から立ち上がる。

 

「ナザリックには地球を滅ぼすための鉄砲玉になって貰おう」

 

軽く手を振ると、ナザリックの中心となって動く2人の存在を対象に呪文を使う。

 

それはマインド・トリックと呼ばれる心に関する基礎的な魔法だ。

 

簡単な魔法であるが、効果は絶大。

 

ユグドラシルに存在しない魔法に対してその『2人』はあまりにも脆弱過ぎた。

 

純粋な悪意と傲慢に満ちている心と、人形たちの望む支配者を演じる小心な心の無意識を操り、彼らの思考を都合良く誘導する。

ゴジラの持つマインド・ストーンの影響で増幅されていた精神的特性をロキが誘導する。

 

魔法のエキスパートであるロキには余りにも簡単な仕事だ。

 

「よし、仕込みは済んだ。後は花火が爆発するのを待つだけだ」

 

時は現在に戻る。

 

「ま、待て!待ってくれ!!」

 

もう二度と会えない大事な仲間。

その一人であるウルベルトさんが作った形見とも言えるNPC。

そのデミウルゴスがゴジラに踏み潰されるのをアインズは黙って見ていることしか出来なかった。

 

「デミウルゴス、いったいどうして……」

 

デミウルゴスの残骸を抱えてうずくまるアインズ。

彼が殺された直後はデミウルゴスを虫でも潰すように気軽に潰したゴジラ、そしてそれを目の当たりにしても何事も無かったかのように軽く流したEDFの面子。

アインズとして、鈴木悟として、彼にとってかけがえのない宝物。残酷にもそれを奪ったにも関わらず、彼らにとってはまるで無価値な石や雑草を掃除したかのような軽い態度。

それがアインズにとって許し難い屈辱と憤怒と憎悪を掻き立て、幾度と無く精神鎮静を得てようやく落ち着きを取り戻すと、今度はアインズの脳裏に疑問が浮かぶ。

 

「どうしてだ……デミウルゴス。どうして俺の命令を無視したんだ」

 

踏み潰されて最期を迎える直前、あのデミウルゴスが自分の静止すら聞かずにゴジラに向かって行った。

普段演じている支配者としてのロールも忘れて素の口調に戻っている事すら気付いていないほど、アインズは考え込んだ。

 

 

そんなアインズの正面に降り立ち、ロキは問いかける。

 

 

「私はアスガルドのロキ。髑髏の王よ、汝の名を聞こう」

 

「私は……ナザリック大墳墓の支配者、アインズ・ウール・ゴウンという者だ」

 

「彼は君の部下か……実に残念だった。しかもそれをやったあの連中は今頃自分たちの世界に帰り、宴の席でこの話を肴にしている事だろう。さぞ悔しいだろう、無念だろう。私もかつて、ゴジラに苦渋を舐めさせられた。

君の気持ちは痛いほど良く分かる」

 

心にも無いお悔やみを述べながらロキはアインズに寄り添うフリをしてアインズの精神を操り、彼の心に燻る怒りと憎しみを増幅する。 

その魔法はオーバーロードの種族特性である『精神鎮静』の効果すら無力化してアインズの怒りを限界無しに増幅している。

 

この状況で都合良く救いに来るなど、普段のアインズであればまず疑ってかかるだろうが、彼は既にロキの術中の虜となっている。

ロキによって思考を誘導され、その影響がマインド・ストーンで増幅される。

 

ロキがアインズとデミウルゴスかけた呪文はそれだけだが、効果は絶大だった。

 

上手い具合にデミウルゴスが愚かにもゴジラに喧嘩を売り、返り討ちにされ、アインズがゴジラとEDFを憎むきっかけが産まれた。

 

 

「私と共に来ないか、髑髏の王よ。さすれば奴らの血と屍の山の上に我らの永久の帝国を築こうではないか」

 

アインズの髑髏の手が指し出されたロキの手を掴む。

 

全てがロキの計画通りに進んでいることを知らずに。

 

 




銀の人
EDF5と6のラスボス。
今作ではプライマーの支配種としてそれなりに個体数がいる設定。
それぞれが皇帝や将軍などの重要な地位に就いてる。
ティラニッドがユグドラシルを貪った後、手付かずの資源で軍備を整える算段だった。


ティラニッド
ハイブタイラントがロキと交渉して同盟入り。
ハイブマインドの命令でどうしてもゴジラが食べたい。
ユグドラシルを食い尽くそうとしたけどゴジラが来たから中断して計画変更に激怒ぷんぷん丸。


ロキ
プライマーとティラニッドの同盟のリーダー。
MARVEL屈指の魔法使いで策略家としての本領を発揮してみせた。


デミウルゴス
元々純粋な悪意と傲慢さに満ちていた心をロキに増幅され誘導された挙句、勝てない喧嘩を売らされて殺された実は被害者だった人。
彼の死でアインズがEDFとゴジラを憎むように誘導された。


アインズ
元々の感情や感傷をロキに利用されて怒りを増幅された上で、無自覚のまま話術と魔法で誘導されてる。
ユグドラシルに存在しないアスガルドの魔法に対して耐性が無い上にその知識も無いから防ぎようがない。





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