ゴジラ・アースに転生したので色んな侵略者から地球を守ろうと思います   作:アメコミ限界オタク

33 / 34
第三十二話

 

 

 

 

『ウオオオオオオオオオオオーーーー!!!死ねええええーーーーー!!!!』

 

水平に傾いたリングから次から次へと湧いてくるアンデッドの群れを尻尾で凪ぎ払い、体内放射の波動で消し飛ばし、バーニングモードの熱量で焼き払う。

もはや街の破壊など考えてなどいない。

 

あの白いフェンサーの娘は弾切れになって補給の為に撤退し、今は主に俺の蹂躙により廃墟化した都市を俺一人で防御している。

 

『死ねぇーーーー!!!!死んでる癖に動くなあぁぁーーーーー!!!!死ねえええぇぇぇぇーーー!!!!』

 

 

リングの中央、スピネルに特大の熱線をぶちかます。

バーニングモードでぶっ放したインフィニット熱線はマグマのように真っ赤な熱線の周囲をマインドストーンの金色のエネルギーがドリルの刃のように螺旋を描く。

 

スピネルを丸呑みにした熱線はアインズとロキが搭乗する宇宙船を掠めて太陽系外まで飛んで行く。

 

熱線は9つの世界の果ての星へ着弾。

死の女神が封印されている星の地表を破壊し、彼女に千年ぶりの自由を与えることとなったが、それはまあ、別のお話だ。

 

 

「うおっ!この船は大丈夫なのかロキ!」

 

「ふっ、はははははは!!何も問題は無いさアインズ!!奴には我々が見えていない。現にこの船に熱線は直撃しなかっただろう?」

 

船体のエネルギーバリアを紙屑のように簡単に突破し、分厚い装甲の一部が蒸発した事にアインズは少しばかり不安になる。

その心配をロキは笑い飛ばしてゴジラを嘲る。

 

「ほら、見給え。この星が血が染まっているぞ」

 

楽しそうに笑うロキが眺める無数の空中ディスプレイには世界中でアンデッドの軍団に抵抗するEDFの姿があった。

 

そのモニターの一つにアインズが注視する。

 

MONSTERの光線、ハンドキャノンの砲弾、ライフル弾、ブレイザーのレーザー。

あらゆる実弾と光線が破壊された歩行要塞の残骸の上を飛び交う。

 

ナザリックの奇襲でタイタンはエンジンまで凍りついてエンスト。コンバットフレームは破壊されて爆発。

アーマメントバルガはその桁外れの耐久力で無事だったものの、ナザリックの2体のNPCは小さ過ぎる上に、動きが速すぎて全く追い付けずに案山子も同然だ。

 

「遅い遅い、遅いでありんす!」

 

スポイトランスを構えたシャルティアがバルガのカッパー砲の砲門に飛び込み、そのまま貫通して破壊する。

 

「ウム、ワルクナイ兵器ダ」

 

そしてコキュートスがバルガの関節部を凍らせて、ただでさえ鈍いバルガの動きを更に鈍らせると充填中のバルガ2のカッパー砲のエネルギーが逆流。バルガの内部でそのエネルギーが炸裂する。 

 

『ぐあああああああ!!!!』

 

バルガ2はコクピットに致命的なダメージを受け、パイロットの断末魔の絶叫が無線に響く。

そしてバルガ2は爆炎を挙げて永遠に沈黙した。

 

そして残ったアーマメントにも大量のデスナイトが全身に張り付いて少しずつだが装甲や関節にダメージを蓄積させていく。

 

がむしゃらに拳や踏みつけを繰り出せば数匹のデスナイトを叩き壊せるが、そんなのは誤差の範囲だ。

カッパー砲でまとめて吹き飛ばそうにも、張り付かれていれば意味が無い上に、味方を巻き込む危険が大きい。

何より、コキュートスとシャルティアにバルガを破壊する絶好のチャンスを与えるのと同じだ。

出来ることはひたすら地道に拳を振り回す事だけだ。

 

 

グリムリーパーとスプリガンは破壊した歩行要塞を即席の砦にしてジワジワと迫るアンデッドの大軍を処理していく。

 

MONSTERの光線がデスナイトの頭が一撃で吹き飛ばすと、その隣にいるアンデッドのマジックキャスターが炎の魔法を飛ばしてくる。

それをグリムリーパーが隊列を組み、シールドで跳ね返してアンデッド軍に更なる損害を与えるが敵の数が多すぎて微々たる損害だ。

 

他の戦場はアンデッドがEDFを蹂躙しているが、それらとは違い、この戦場ではEDFがアンデッド軍を圧倒している。

 

にも関わらず死を一切恐れないアンデッドは無限にも思える数を頼りに距離を詰めてくる。

 

このアンデッドの戦列にバルガの相手に忙しいコキュートスとシャルティアが加わっていない事が救いだろう。

 

アンデッドの軍隊は防衛ラインに近づこうとしては、歩行要塞に陣取るストーム3、4の連携に頭部や心臓を、あるいは骨だけの体の大部分を消し飛ばされて動く骸から動かぬ骸に戻る。

 

「何なんだあの骨の化け物とゾンビ共は!!異世界からわざわざ我々の星に侵略しに来たのか?!」

 

『厳密には別の宇宙、平行世界や多元宇宙と呼べる世界の地球だ』

 

スプリガンのリーダーが苛立ちに叫び、プロフェッサーの全く空気の読めない無線に更に怒りを燃やす。

 

「貴様は黙っていろ!!!無線を切れ!」

 

『今キレているのは君の方だろう』

 

「お前本当に帰ったら覚えてろよ!!」

 

スプリガン1とプロフェッサーの漫才のような掛け合いを無視して大尉が冷静に状況を整理する。

 

「奴ら、俺たちを追いかけて来たのかも知れんな」

 

「だとしたら迷惑なストーカーも良いところだ」

 

グリムリーパーの隊員たちが続ける。その間にもデスナイトの頭が兜ごと粉々に砕かれ、ゾンビはレーザーで焼かれる。

 

「全くだ。奴ら、勧誘を断られて返り討ちにされたのが相当気に食わなかったらしいな」

 

グリムリーパーの一人が続ける。

 

「奴らの仲間をゴジラが踏み潰した復讐のつもりか!?」

 

「そうかもな、奴には責任を取ってこの化物共を掃除して貰おう」

 

 

 

 

ベース228。ストームチーム専用装備の研究・開発・整備・補給が唯一可能な最も堅牢な防備を誇るEDFの基地。

この基地のドックにテレポートしたストーム1に英雄に対する普段の緊張した態度も忘れて整備士たちは余裕の無い口調で叫ぶ。

 

「補給急げ!早く!」

 

「スケルトンのモーターの消耗が激しい、交換だ!」  

 

「ブースターの燃料も残ってないぞ!ミサイルもタンクごと外して交換だ!」

 

「FGZも銃身が焼き切れて使い物になりません!」

 

「なら他の装備を用意しろ!」

 

弾薬とブースターの燃料の消耗、無茶な機動によるパワースケルトンのモーターの故障。

整備チームも慣れたもので、壊れた武器の代わりを用意してスケルトンの壊れた部品や燃料タンクをパーツごと交換する。

 

こうなる事を見越していた整備チームが用意していた予備装備を全く迷いも見せずにストーム1は受け取ると、1分と経たずに補給を完了する。

 

両腕のFGZガトリングはM5ブラストツインスピアと電刃刀終式に、背中のFGXR高高度強襲ミサイルは取り外されてプロフェッサーが長いループで蓄積してきた知識と技術の集大成にしてEDFの切り札と言える火砲、プラネットバスターキャノンをウエポンラックに固定する。

ブースターと燃料もストーム1専用装備のVOB(ヴァンガードオーバードブースター)を大幅な小型化と出力向上に成功した特別装備のブースター【ストーム】へ換装する。

後世まで残る伝説となるストーム1に肖(あやか)って名付けられた装備。

天文学的な資金、最新鋭の技術、そして人類の怒り、ストーム1とプロフェッサーの執念の果てが惜しみなく注ぎ込まれた装備で身を固めた。

 

「行ってきます!」

 

整備士たちの声援を背に、ストーム1は再び戦地へテレポートする。

 

テレポート先は、ゴジラの元……では無い。

 

他の戦場だ。

 

アンデッド軍団の相手はゴジラに任せ、彼女はアンデッドや強力な敵に押されている戦場へ赴く。

 

アスガルドの兵士が常駐している特別実験基地やアスガルド大使館周辺は神々との共闘で完璧な防衛が果たされているが、他の戦場ではストームチームとゴジラがいる戦場以外は数の暴力で押され、潰されている。

特に優先されるべきはまだ市民の避難が完了していない激戦区。

 

ストーム1がテレポートしたのは2人のエルフのようなトンガリ耳の少年と少女が無数のアンデッドと奇妙な獣を率いて市民を襲っている戦場だ。

 

つまり、アウラとマーレが大暴れして人間食い放題殺し放題の屠殺場と化している市街だ。

 

 

「死ね死ね死ね!死んじまえ!!下等生物がアインズ様に逆らった罪!デミウルゴスを殺した罪を償え!キャハハハ!」

 

「ちょ、ちょっとかわいそうだけど、これもアインズ様の為だから、ね?」

 

 

エルフの少女は使役する獣に親の目の前で幼い子どもを敢えて足の先からジワジワと食わせ、絶叫する子どもの悲鳴と親の嘆きを音楽のように楽しむ。

 

エルフの少年は杖で軽く地面を一突きするだけで大地を引き裂き、その割れ目に大勢の人々が飲まれる。

そしてもう一突き地面をコツンと叩くと、割れた大地が逆再生のようにくっつき、何事も無かったようになだらかな平地に戻る。当然だが割れ目に落ちた人々は全員が圧死した。

 

 

彼らを守る筈だったEDFの兵士は既にエルフの少女の指揮する獣に屠られ、食い殺され、僅かな肉片となるか原形も留めないような無残な死体を晒していた。

 

あまつさえ、その死体の周りに無数のゾンビが蹲って臓物と血を貪り食っている。

そのゾンビ達の血と泥に汚れた服を見ると、かつて市民だった人々の成れの果てだと嫌でも理解できた。

 

あまりにも凄惨な血の宴。

悪魔たちによる狂乱の乱痴気騒ぎ。

 

光景にストーム1は激怒した。頭に血が上りすぎて目眩すらしている。

あまりの光景に絶句し、歯が割れそうな程食いしばる。

見開いたその青い瞳には復讐と殺意が燃えている。もし気の弱い者が見たら恐怖のあまり気を失う程の気迫を持って眼前の少年少女の姿をした悪魔たちに告げる。

 

「あなた達」

 

彼女の激怒は人類の怒りを体現した兵器、プラネットバスターキャノンの砲身から解き放たれた。

 

「死ね」

 

人類最強の兵士。

地球を守護する最強の戦士の本気の怒りをナザリックは思い知ることとなる。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。