ゴジラ・アースに転生したので色んな侵略者から地球を守ろうと思います   作:アメコミ限界オタク

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第六話

南極の海。生物が生きていくには厳しくも穏やかな環境だったこの場所が、今ではプライマーのマザーシップ3隻が結集した決戦場となっていた。

 

光弾とレーザーが飛び交う地獄の戦場、その中心では俺ことゴジラアースがプライマーの集中攻撃の嵐に遭っていた。

 

「ウオオオオーーー!!死ねーーーー!!!」

 

人がいないのを良いことに放射能汚染を一切気にせず熱線をぶっぱなしまくる。

 

顔に向かってレーザーを撃ってくるクソ鬱陶しい重装コスモノーツは断末魔の悲鳴すら残せずに消滅、即座に熱線を右に左に凪ぎ払い、周囲の重装コスモノーツを滅却。

 

天を飾るオーロラにまで届くような爆発の壁が夜の南極海を照らす。

その光に照らされて引き寄せられたサイレンの群れが海の彼方から姿を現す。

 

 

ギャオオオオオオオオ!!!!

 

ギャアアアアアアアア!!!!

 

ギャアア!!ギャアアアア!!!

 

三匹のサイレンの鳴き声が合唱のように重なり、その声がスキュラの群れを無数に呼び寄せる呼び鈴となる。

 

「お前ら全員くたばれやあああああぁぁ!!!!!」

 

 

■■■■■■■■■■■■!!!!!

 

ゴジラ声帯を通した俺の叫びがサイレンの鳴き声をかき消し、プライマーの兵士たちとそれなりに知能があるらしい怪生物たちが怯んだ。

 

全身に帯電してスキュラの群れ目掛けて全身全霊の体当たり!!

同時に海水を通して電撃をぶちかます。

死んだ魚人がぷかぷかと浮かぶ。

俺はスキュラの死体ごと空に浮かぶマザーシップを熱線で狙撃する。

 

雲の上に浮かんでいようと、都市サイズの超大型船を見逃すほどゴジラアースの知覚能力は低くない。

 

サイレンの一匹を巻き込んで夜空に風穴を空けた熱線は、エネルギーシールドによって弾かれる。

 

「!?!?!?」

 

一瞬、何が起こった分からず混乱したが合点が行く。

 

プライマーはゴジラの力に対策を練ったようだ。

シールド発生装置を改良して熱線を防げるくらい、超強力な出力に改造したのだ。

こうなってしまえば、やはりゲームのようにシールド発生用の砲台を破壊する必要が出てきた。

 

「と思うだろ?」

 

海に潜航すると、俺は熱線をチャージする。

今度は普段のような数秒間のチャージではなく、前日譚小説のアースが妖星ゴラスを撃ち落としたように時間をかけたチャージだ。

と言っても、五年もかけてられないのでチャージ時間はせいぜい数十秒から一分程度だ。

だが前日譚から2万年掛けて成長した状態であれば、数十秒もあれば充分だ。

 

チャージから一分経過。

-40℃の南極海が沸騰して泡立つほどの超高温の放熱。

 

追撃のために追いかけてきたクルールが慌てて逃げている。

逃げ遅れたやつはそのまま茹でダコと化していく。

 

「喰らえやぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

闇夜の南半球を一筋の光が照らす。

それを目撃した人々は後に「光の竜が天に舞って行くのを見た」と証言することになる。

 

 

バーニングモードにならずにバーニングモードの力をちょっとだけ引き出した状態。

名付けて『ちょっとだけバーニングモード』から放たれた赤い稲妻を螺旋状に纏った蒼い熱線はマザーシップのシールドをぶち抜き、黄金の装甲をバターのように貫通。

 

装甲に守られた赤い装置を貫いて頭の天辺から飛び出して宇宙空間まで到達した。

その代償として南半球の人工衛星の大部分を電磁パルスで破壊して、人類の宿敵であるマザーシップのひとつが撃墜された。

 

「まだまだ行くぜぇぇーーー!!」

 

続いて第二射、三射と〝ちょっとだけ〟バーニング熱線を撃つ!絶対に逃がさんと殺意を籠めて撃つ!!

 

姉妹船が撃墜されて逃げようとしていた他二隻のマザーシップも空の藻屑となり、綺麗な花火としてオーロラを引き立てる立役者となる。

 

「完っ璧な!!勝利だああああああ!!!」

 

Gyaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!!

炎と氷の海となった南極に、勝利の美酒に酔いしれる破壊神の咆哮はいつまでも響き続けた。

 

 

 

 

スラターン撃滅作戦終了後、戦略情報部から呼び出された私は、今回の会議のための情報提供を求められていた。

 

超大型怪生物対策会議。

 

私は人類の英雄として有名ではあるが所詮は一介の兵士に過ぎない。

そんな私が呼ばれたのは、EDFで唯一、怪生物を生身で単独撃破した記録を持ち、その記録を更新し続けているある種の伝説的な戦果があるからこそだ。

 

多分プロフェッサーの口添えの効果も無くは無いとは思うが。

 

「我々本部としては、君の意見が聞きたい。充分な装備や支援さえあれば、君にあの超大型怪生物……ゴジラを倒せるか。

それが出来なくても対ゴジラ戦術のアイディアでもいい。対怪生物戦のプロの意見が欲しい」

 

超大型怪生物ゴジラ。

 

少佐の部下が日本の大江戸島という地域の伝説に登場する龍神から取った名前だそうだ。資料にも英語表記でGODZILLAと書いてある。

 

神の名を冠する怪生物か……。

怪物だと思ってる相手に神様の名前をつけちゃうの?このMs.玉子ちゃんと少佐殿と偉いおじさんは。

 

クルールの名付けやナンバー11を探してる時の言動もそうだったけど、もしかして本部ってチュウニビョーってやつの集まりなのかしら?

オペレーターの娘がうわ言みたいにタマゴタマゴ言い出してた頃を思い出すだけで胃痛がキリキリしてくる。

 

あの頃は戦場で必死に戦ってる私にこの人は無線で弱音や愚痴を垂れ流し続けて本当に参った。ストレスで血尿垂れ流してたんだぞこちとら。

これでも私が応募の段階で落ちた事務仕事だけは完璧にこなせるのだから不公平だと思う。

なにとは言わないが、体のとある部位の大きさは私の圧勝だから別にいいけど。

 

話を戻そう。

 

スラターンの相手すらまともに出来なかったのに、そのスラターンをワンサイドゲームで倒せるゴジラにどう戦えと?

それにスラターン戦のゴジラの戦い方……あれはEDFの兵士を巻き込まないように気をつけて戦っていたようにも見えた。

 

初めは気のせいかな?と思っていたけど、私を瓦礫から庇ったことでその疑問は確信に変わった。どうも彼はおかしい。

普通のカイジューと違ってその行動には明確な意思がある。

少なくとも私にはゴジラは人類に対して敵意は無さそうに見える。

 

彼の行動原理は分からないし、そんなことを言ってもここで信用して貰うのは難しいだろう。

先進技術研究部の主任という地位にあるプロフェッサーほどの人物がデータを揃えて理路整然と説明してもタイムマシンのことを信じてもらえず、病院送りになるほどだ。

 

不用意な発言をすれば今度は私のミスで失敗することになる。

 

それはそれとして!少なくとも現時点の装備ではゴジラに傷をつけることすら難しいわよっっ!!だから私は包み隠さず答えてやった。

 

「今の歩兵用装備では絶対に無理です」

 

そう伝えたらプロフェッサーが露骨にショック受けてる様な顔をする。

ガーン!って効果音が聞こえてきそうなくらいのいい反応だったわ。

第8世代型の武器、性能も使い勝手も良いんだけどね。特にブレイザーが。

 

あれ早くフェンサー用作ってくれない?

 

私の回答に本部の人たちは特に落ち込んだ様子も無く、次の提案に移っていた。

対ゴジラ戦を想定した新型の大型バルガ建造についてだ。

私は他に特に意見も無く、出番も終わったようなので、退出許可を取って帰ろうとする。

兵士には休養も大事だ。

 

そうすると開けようとした扉が乱暴に開かれ、職員の男性が飛び込んで来て震える声で開口一番に報告した。

 

「ゴ、ゴジラが……ゴジラが南極で、マザーシップ三隻をげ、撃墜しました!!」

 

 

 

 

空気が凍った。

 





ストーム1は戦闘力全振りの脳筋の子にして苦労人の胃痛の子。
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