ゴジラ・アースに転生したので色んな侵略者から地球を守ろうと思います   作:アメコミ限界オタク

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チンパン作者が誤字ばっかりしてる中、いつも誤字報告してくれてありがとうございます。
推薦書いてくれた方もありがとうございます。
そこまでこの作品を好きになってくれて嬉しいです。

※前回の後書きに書き忘れてたキャラ追加したんで良かったら見てください。


第九話

 

 

 

 

北極。

人間であれば秒で凍死するだろう極寒の海で人心地つく。

南極から北極までの大移動は何度もスキュラの妨害を受けてその都度小競り合いを続けることになった。

多分プライマーがスキュラを操って邪魔してたんだろう。知らんけど。

 

移動のついでに撃墜しようと思ってマザーシップに近付くと、必ずと言っていいほどスキュラが何百、何千という数でスクラムを組んで命を惜しんではマザーシップを守れと言わんばかりに進んで来るのは圧巻の光景だった。全員殺したけど。

 

「ふぅ、ギリギリ間に合った~」

 

邪魔さえなければ数日早くたどり着けたはずだったのだが、ようやく北極まで無事到着。

 

ため息はグルルルルル、とうなり声に自動変換される。

途中でスキュラを食べて多少はエネルギーも蓄えている。

 

熱線のチャージを始める。

 

数ヶ月間もあれば充分なエネルギーが溜まるはずだ。

 

それまでは静かに待とう。

 

 

 

 

「ストーム1、パワースケルトンの修理が終わった。既にそちらの基地に送っておいたから確認してくれ。スケルトンには注文通りのアップグレードも施しておいた。今度こそスラターンにも負けないはずだ」

 

プロフェッサーが造ってくれた新型スラスター搭載のスケルトン。

届いた直後にプライマーの襲撃が来たから慣らしもできずにいるので、ぶっつけ本番でやってみる。

 

プライマーはこの戦いに残っている怪生物と怪生物級の戦力全てを投入してきていた。

この戦いは後の世にこう呼ばれることになる。

 

 

巨神激突

 

 

青い電撃竜が陸の津波となって迫る。

その前に立ちはだかるは、万里の長城を築くが如く、横一列の陣形を取るウォーバルガ部隊。

 

「今日でエルギヌスどもを絶滅させてやるぞおおおおおおお!!!!」

 

「ウオオオオオオオオ!!!!」

 

「EDFッッ!!EDFッッ!!」

 

二足歩行の歩く要塞とカイジューの群れが激突する。

 

私、ストーム1はその足元で踏み潰されないように注意して飛び回る。

カイジューブルーは推進剤として凄く性能が良いようで、今までの慣性ブーストとは比べ物にならないほどの速度と機動力を実現できている。

 

私を狙って突進してくるエルギヌスの股下を潜り抜けて回避。カウンターでブラストツインスピアをありったけお腹に叩き込み、すれ違い様に尻尾を電刃刀極式で切断する。

そしてケンドーの残心で振り返り、がら空きになった両足首の腱を一刀両断。

立つこともできなくなったエルギヌスの頭に飛び乗り、止めのブラストツインスピアを叩き込む。

さすが、対ゴジラ用に極限まで威力を高めてあるだけのことはある。とてつもないじゃじゃ馬化しているため、事実上は私専用装備だ。

 

「いちッッッ!!」

 

『ストーム1がエルギヌスを1体撃破!』

 

オープンチャンネルで戦場にいる仲間たちにタマゴちゃんが戦果を報告する。

 

「ストーム1がやったぞ!!」

 

「俺たちも負けてられねーぜ!」

 

バルガ部隊の士気も高揚する。

スラスターの癖も今の一連のやり取りで把握できた。まるで私の手足のように自由に扱える。

 

倒した個体の側にいたエルギヌスを2体目の獲物に定め、スラスターを吹かす。

さっきは慣れないスラスターで『かなり』手こずってしまったけどもう大丈夫。

瞬間移動のような速さでエルギヌスに接近、一瞬で頭部に飛び乗り連続ブラストツインスピアを打ち込む。

連続で同じ場所に撃ち込んだスピアはエルギヌスの堅牢な頭蓋骨を破壊して脳を砕く。

ヒレから青い光が消えるのを確認する。

 

「つぎ!」

 

3体目は少し離れたところでバルガと戦っている。

押し倒した4番機に馬乗りになり、電撃を放とうとしている。その前に回りこんで口内にブラストツインスピアをたらふくご馳走してあげる。たくさんお食べ。

私じきじきに「あーん」してあげたご馳走がよほど美味しかったのか、断末魔を上げる。

 

「つぎ!」

 

4体目と5体目は二番機を両サイドから挟んでヒット&アウェイを繰り返して装甲を削っている。

4体目の眼にゼロ距離から35mmバトルキャノン砲を撃つ。

脳みそをぐちゃぐちゃにかき混ぜながら貫通した砲弾は後頭部から飛び出して反対側にいた5体目の眼に直撃する。

 

4体目と同じように5体目は脳を破壊されて倒れる。

 

めったに出来ることじゃないけど、たまたま一撃二殺(ワンショット・ツーキル )が出来る位置と角度が整っていたおかげで無事撃破。

 

『え!? あれ? ちょっ、ちょっと待ってください、この動き、滅茶苦茶です!』

 

「………つぎ!」

 

タマゴちゃんがびっくりするのも今回だけは許してあげよう。

だってこの流れ、ほんの4~5秒間で起こった出来事だもん。

エルギヌスを5秒で5体撃破。

うん、セルフ新記録更新だ。

 

「マザーモンスターだ!マザーモンスターがいるぞ!」

 

「キングです!キングが来ました!」

 

「キュクロプスもいるぞ!黒いやつだ!」

 

「アーケルスの群れが接近!」

 

「タイプ3ドローンが来るぞ!!」

 

「!? サイレンです! サイレンの群れも来ます!!!」

 

エルギヌスが嘘みたいな早さで倒されていくのを見て、敵は次々と増援を呼び寄せてくる。

 

建物のような巨体が軍隊並みの数で(ぐん)を成すのは、街が動いているかのようにも錯覚するほどのド迫力。

空からは重戦車並みに分厚い装甲を持つタイプ3ドローンの鈍い銀色の輝きが星のように夕暮れの空を照らしている。

 

それでも、今の私の前では今さらその程度の数を揃えたところでモノの数ではないことを見せてあげる。

 

ホバリングしている高度を保ったまま、スラスターを吹かして敵の群れに突撃する。

音すら置き去りにする超音速の世界から繰り出されるのは白い閃光が巻き起こす斬撃とスピアと砲弾の嵐。

 

それはまさしく鋼鉄の雨(アイアンレイン)

 

山のように巨大な怪物を物言わぬ骸に変える嵐の天使が砲声と断末魔を音楽にして踊り、怪物の絶滅(インセクトアルマゲドン )を告げる。

 

全ての敵が灰塵となるまでそう長くは無かった。

 

 

……。

 

………………。

 

……………………………。

 

 

 

「実際に使ってみた感想はどうだった? 聞かせてくれ」

 

無線の向こうではプロフェッサーが最新装備の評価を聞きたがってる。

 

だから、私はありのままの意見を答える。

 

「さいッッッッッこう!」

 

エルギヌス、アーケルス、サイレン、マザー、キング、キュクロプスの残骸で出来たビルよりも高く、街並みに広い山の天辺に立つ私は心から叫んだ!!

 

「さいッッッッッッッッッッ高!な!くらい!最高!」

 

「そ、そうか、それは良かった」

 

若干引いてるプロフェッサー。でも本当に凄かったんだからそれくらい許してよ。

 

「ストーム1だ、俺は見たぞ。 ストーム1がほとんどの敵をひとりで倒しちまった!」

 

「バルガでも手こずるほどの大群を……たったひとりで……信じられない…」

 

怪生物や怪生物級の敵は歩兵だけで戦えるような相手じゃない、というのがEDFの常識だ。

 

だからこそ、怪生物級の群れに対し、こちらもバルガの大軍で迎え撃ったのにほとんどの敵が私ひとりの手で殲滅された。

 

この結果は敵も味方も誰ひとりとして、それこそ私自身も想像していなかった。

 

作戦に参加したバルガチームは煙を吹いている機体もあれど、全員健在。

切り札として控えていたアーマメントチームも出番が無かったので当然ながら無傷。

そして私も白い装甲服に傷や汚れすらない意気軒昂。

 

後の世で『巨神激突』と呼ばれ、教科書に載るほどの戦いとして後世に語り継がれることになるこの一大決戦は、EDFの圧勝で幕を閉じるのであった。

 

プライマー打倒の日は近い。

 

誰もがそう確信していた。

 

……銀河を渡り、外宇宙から迫る新たな脅威にはまだ誰も気づいていなかった。

 

 

 

 

 

総司令本部。

 

「先ほど先進科学研の主任から連絡が来ました。例の装置が完成したようです」

 

「ようやくか。放射能を除染できる、というのは本当なんだろうな?」

 

「はい、既に廃棄予定の核物質でテストされたデータが届いています。このデータなら、ゴジラによる汚染も中和できるはずです。

この技術を兵のボディアーマーや装備として応用すれば汚染からも身を守れるはずです。

既に試作段階の装備を一部の兵に配備しています」

 

 

 

 

 

 

「つまり、核による汚染を考慮する必要もなくなる訳だな」

 

 

 

 

 

 




ストーム1
今回の主役。ループの果てに身に付けた超人的戦闘力で無双する人類代表公式チート。

彼女の動きはYouTubeの某大きな人の動きを二倍速にしてブースターリチャージと武器リロードのラグを無くしたような感じ。
つまりは戦場の女神。

専用のアーマメントバルガを2機も用意されている特別待遇だが、生身の方が強いため使わなかった。

最近になって広報部の罠にはまり、彼女が歌う「レッツゴーEDF!」をBGMにした兵士募集の広告動画で素顔を晒されたことで民間人にも人気が出てCDや写真集の発売に至る。
多分落とした事務所は歯軋りして後悔してる。


ゴジラ・アース
今回出番無しの王。なろう系もびっくりなチート転生ガチャ大成功者。というかこれがオリキャラだったら完全になろう。
本人は未だに夢の中なのか現実なのか朧気な模様。
転生して数ヶ月立つため『ここ現実じゃね?』くらいには自覚が芽生えてきてるいろいろと図太い子。
ストーム1がストライクゾーン直撃美少女であることをまだ知らない。


プロフェッサー
カイジューブルーのノウハウを生かして怪物の体液から放射能汚染を除去できる薬品の開発に成功した公式チートその2。
ストーム1ファンクラブを作ってストーム1グッズを売れば金儲けできるんじゃないかと密かに考えている。
家族を助けるために慣れない銃を手にし、戦いに赴く愛妻家。
ゲームでも涙ながらに家族だけは助けたかったと訴える無線は泣ける。


新しい宇宙人
今回出番無しの空気の子。
ゴジラ以外は誰も存在に気づいて無い上にワープ航法を持つ高度な文明の所有者。
映画では過去撃退に成功した文明は地球だけだと語られている列強種族。

多分いくらかは撃ち漏らしたやつが地球に着陸する。

総司令部
なんかえらいことやらかしそうな人たち。
少佐とタマゴちゃんのいる戦略情報部と本部より上にいる総司令官直属の偉い人たち。
核攻撃でゴジラ倒せんじゃね?という総攻撃派みたいなことを考えてる。


バルガ部隊
歴史に残る伝説を目の当たりにしてテンション大爆発。 E・D・F!!E・D・F!!

ストーム1の噂は聞いていたが、この戦いでグッズが売られたら保存用と観賞用と布教用と実用を予備まで買うストーム1ガチ勢となる。


プライマー
転生ゴジラアースにボコボコにされまくり、強化型公式チートにもボコボコにされる哀れな被害者と化した。


巨神激突
人類史が続く限り歴史に残る戦いとなり、ストーム1・ファクト(ガチ)を語る上では絶対に欠かせない話題となる。

ゲームではカッパー砲脳死連打で楽に勝てるミッションなので絶好の稼ぎ場として誰でもできるプライマーらくらく屠殺場として利用される。


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