すごろく場から戻ったら、ゲームクリアされてた   作:フライングトースター

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ヴィヴィアン編、長くなってすまぬぅ。
これともう一話(多分)。それで勘弁して欲しいです。


ヴィヴィアン・チーズという女 4

 

目が覚めると、辺りは夜の暗さに包まれていた。夜の草原だ。しかし、夜よりも・・・なんだろう。闇に包まれている、と言った方が正しいような気がする。

近くにはモンスターの気配はないが、ヴィヴィアンは念のため〝しのびあし″でかろうじて明かりが見える方向へ歩き出した。

誓うまで来てみると、町の明かりだと分かった。かなり大きい規模の町のようで、どうやら城下町のようだ。遠くには薄暗い闇に紛れて城が見えている。

 

町の住民の話によると、この町はラダトームと言うらしい。聞いたことがない名前だ。しかし、そんなことはどうでもいい。〝キメラのつばさ"さえあれば、覚えがある町に飛べるはずだ。そう思ったのだが、彼女は無一文。武器もアイテムも、一切合切盗賊狩り(?)に奪われてしまった。

〝ひのきのぼう"くらいなら恵んでくれるんじゃないか―――そう思ったヴィヴィアンだが、武器屋に入って驚いた。驚くほど武器の質が良い。ついでに値段も高い。

仕方が無いので、町の外に出て〝あなほり″の特技を使ってみる。これは商人でテドン辺りをぶらついていたときに習得したもので、たまにゴールドやアイテムを掘り当てるものだ。

 

 

掘ってー掘ってーまた掘ってー♪

気付いたら半日くらい辺りを掘りまくっていた。収穫は上々でゴールドは勿論の事、てつのつめなんかのアイテムも大量に手に入った。これらを売って、適当に武器屋・道具屋で装備等を買い込む。ついでに辺りはいつもの癖で*1盗みに入ったところ、なんと教会の二階でカンダタが牢屋に入れられているのを発見した。

話をしてみると、この機会にカタギになるんだ~等と言っていた。なぜそんな考えになったのかヴィヴィアンには理解できずに色々と質問しようとしたが、急に誰かから押されて更に牢屋に入れられてしまった!あんまり吃驚したので、反射的に相手(何故か見えなかったが)から何かしらのアイテムをスリ取ってしまったくらいだ。去っていく足音を尻目にスリ取ったアイテムを物色していると、カンダタがソレのことを教えてくれた。

「〝しあわせのくつ″だな、そりゃあ。めったにお目に掛かれない代物で、装備していると何故か経験値がバンバン入ってくるんだ。売っちまうのは勿体ないだろうな」

 

「カタギになる」なんて相手にすり寄っても仕方ない。この町でも勇者の情報を集めよう。

そう考え、自作の似顔絵片手に町の人に聞き込みをすると、何人かに話を聴けた。曰く―――

 

・最近この町に来た

・少し前にこの町から出て行った

・大きなけがをしていたのではなかったか

・なんかもっと年上で髭生やしてたような気がする

 

らしい。そこでヴィヴィアンは情報を(自分なりに)まとめてみた。

 

・勇者は最近この町に来たが、もう出て行った

・なんか勇者でさえ怪我していたそうだし、自分もレベル上げておいた方がいいかもしれない

・見ない間に大人びて髭も生やすようになった

 

中々の名推理ぶりだ、とヴィヴィアンは自画自賛した。更に話によると、推定勇者はリムルダールの方へ旅立っていったらしい。そうと決まれば早くレベルを上げて勇者に追いつこう。〝魔王*2を勇者と共に倒して、報奨金がっぽり稼ごう大作戦part2″を実行するために、ヴィヴィアンもまた旅立っていった・・・

*1
闇のせいで暗くて夜っぽいから、というのが窃盗犯の供述

*2
よく分からないが、強いモンスターのことだろうと勝手に解釈している





ヴィヴィアンはラダトーム含めアレフガルドが別の世界の町という事に気付いていません。
作中でダーマ神殿に飛んでも「あ、いつもの明るさだ」としか思わなかったようです。
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