すごろく場から戻ったら、ゲームクリアされてた   作:フライングトースター

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いい感じに伏線回収できていると嬉しいですが・・・
長くなったので分割して。本日の2話目でした。


ヴィヴィアン・チーズという女 5

 

それから。適当に歩き回ってレベルを上げて―――転職してレベル1とはいえ、転職前のステータスも多少持っているし、遊び人はレベルが上がりやすいのだ―――ダーマ神殿に行くと、なんか『賢者』とやらに転職できるらしい*1

つよそう(小並感)。早速転職して、魔法を唱えてみる。「メラ!ギラ!レミラーマ!!」

・・・レミラーマだけぺかーっと発動した。やはりレベルを上げないと他の魔法は使えないようだった。

じゃけん()レベル上げましょうね~。

 

レベルを上げて新しい魔法を覚えていくのは楽しい。これなら勇者がレベルを上げるのに躍起になるのも分かる、と賢者ヴィヴィアンは思った。ドムドーラ、メルキド、そしてリムルダール。道中〝あなほり″しながらレベル上げをしていったこともあり、順調にゴールドが貯まって―――いやさ、旅が進みました。特にメルキドで拾った〝いのりのゆびわ″が優秀だった。使うと魔法力が回復するのに、何度使ってもなくならないのだ。*2

 

こんなに楽にゴールドが稼げるなら、いっそこのままの生活でもいいかな・・・そう思い始めた矢先に、ついに辿り着いたリムルダールの町で推定勇者の人相書き(アレル+髭バージョン)がヒット!話を(自分なりに)まとめてみたところ―――

 

・人相書きの男は、岬に向けて旅立っていった

・人相書きの男は、宿屋に泊まっていた

・人相書きの男は、宿屋に忘れ物をしていった

 

とのこと。

まず岬ってのが何なのか分からなかったが、方角を聴くと快く教えてくれた。なるほど、左か!*3

リムルダールの宿に先日まで推定勇者が泊まっていたようだ。これはいい情報だ・・・!

更に、推定勇者は宿に忘れ物をしていったらしい!聞いた男はしきりに「オルテガ様!」とか言っていたが、何だっけ?勇者アレルが前になんか言っていたような・・・まぁ、いいか。

 

勇者に追いつくために、ここは急いで行動しなければ!

ヴィヴィアンは宿屋に飛び込み、宿の主人に「アレルのパーティメンバーだけど、彼の忘れ物を取りに来た」と告げた。

 

 

「パーティメンバーだろうと、本人から預かったものをおいそれと他人には渡せないねぇ・・・」

宿の主人からは至極当然のことを言われる。しかし、ヴィヴィアンも諦めるわけにはいかない!

 

「私たちは魔王を倒す旅をしているの!お願い、預かったものを渡して!」

「何だって!?・・・そういえば、彼は去り際に『一世一代の大勝負に挑んでくる』と言っていた。ま、まさか!?そういう事、なのか・・・!!?」

「・・・(こくり。)」

「分かった。少し待っているといい。」

〝そういう事″が何なのかよく分かっていないが、取り敢えず神妙な顔をして頷く。

 

「こ、これは勇者様のどうぐぶくろ!こんなものを忘れていったなんて!!」

そう。何でも入る魔法の袋!こんな金になりそうな―――実際勇者装備をはじめ、高価なものがたくさん入っている―――ものを忘れていくなんて!誰かに盗られたらどうするの!!

 

「やはり大事な物のようだな。さぁ、早く追いかけてあげるといい。そして大魔王ゾーマを―――

後半何を言っているか聞き取れなかったが、多分激励してくれたのだろう。

一瞬、このままどうぐぶくろ*4を奪って逃げることも考えたが、どう考えても魔王討伐の報酬のほうが多いだろう。賢者ヴィヴィアンはそういうことが考えられる(オツム)なのだ。

 

 

教えられたリムルダールの岬とやらに着くと、何やら神秘的な橋が架かっていた。

きっと勇者様はこの先に・・・!敵も強くなっていたが、この程度ならば何という事は無い。特技〝しのびあし″でするーっと進んでいく。

そして辿り着くは敵の本拠地!魔王の城である!!

しかし、ヴィヴィアンには伝家の宝刀〝しのびあし″がある。道中の宝箱はしっかりと頂いたうえで、するするーっと進んでいく(ちなみに玉座の裏の階段は持ち前の嗅覚で難なく突破した)。

 

そして辿り着いた地下四階。おどろおどろしい橋の向こうで戦う一人の戦士が居た!

遠目に勇者アレルっぽい顔だし、髭だし、うん!あれは勇者!*5

モンスター相手に卑怯もラッキョウもない。ヴィヴィアンは推定勇者にベホマをかけ、敵に弱体化の魔法をかけ、出来る限りの援護をした。そして―――

 

キングヒドラを たおした!

 

「やりましたね勇者様!どうですかー?私も、役に立つでしょう?」*6

ドヤァ・・・しながら顔を向けると、勇者アレルに似ていながら渋みを感じさせる顔立ちが。

 

「―――ああ、助かった。礼を言う、お嬢さん。君の名は?」

「はぇ??」

 

なんと推定勇者はオルテガだったのだ!*7

思いもしないイケオジ具合にヴィヴィアンはドッキドキ。やだ、このオジサン格好良くなぁい?

こうならば変わり身が早いのが、ヴィヴィアン・チーズ(ヴィッチ)という女である。

 

「ど~もぉ♡初めまして勇者さま!アタシが賢者のヴィヴィアン・チーズよん♡」

足を肩幅に開いて―――キメッ☆

叡智の()しか感じられないアホ顔ダブルピースをキメたのであった。

 

 

そして程なくして。〝アレルのどうぐぶくろ″*8と賢者というバックアップを得たオルテガは大いなる闇を討ち果たし、勇者として称えられるようになるのであった―――

*1
遊び人のみ転職に〝さとりのしょ″が要らない

*2
壊れる確率を引かない限り、実質無制限。つまりそういう事です

*3
西です

*4
名前はまだない

*5
ほんとお?

*6
ファミコン版では、オルテガが単身キングヒドラに勝つ可能性も(理論上)あるそうな

*7
カンダタスタイル(裸マント)ではない

*8
〝ひかりのたま″や〝せかいじゅのは″果ては勇者装備等のお役立ちアイテムがぎっしり詰め込まれている




これは関係ない話なのですが、オルテガはデータ上冷気に強い耐性を持っているそうなんですね。半面、炎耐性がからっきしのようです。
もしオルテガが宿屋に〝いのりのゆびわ″を忘れていかなかったら・・・
もしオルテガが仲間を連れてゾーマの城に乗り込むことが出来たら・・・

なんか色々想像してしまいますよね!
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