すごろく場から戻ったら、ゲームクリアされてた 作:フライングトースター
※人によっては鬱展開につき閲覧注意です。
勇者とそのパートナーの登場に沸く民衆。しかし、俺はその光景に動揺を抑えることが出来なかった。
(は、はは。おいおいおい、冗談きついぜ。何故奴らが俺の装備を持ってやがる?偽物?偽物か、そうに違いない。でももしあれが本物だったら・・・どういうことだ?ああ、感情が。考えがぐちゃぐちゃで纏まらねえ!とに、とにかく事実確認だ。宿屋の荷物・・・そうだ、リムルダールへ行かないと)
顔面蒼白で後ずさり、町の外へ静かに歩み去っていく俺。心は冷静に、目立つな、迅速に―――などと考えていた俺は、しかし自分がどれだけ奇妙な行動を取っていたか。そしてそれを追うオルテガの鋭い目線に、ついぞ気付くことは無かった。
結論から言うと、リムルダールの宿屋に置いていた俺の荷物は無くなっていた。
どういうわけか知らないが、
と、いう事はだ。あいつらの身に着けていた荷物は俺の荷物で、それを利用してゾーマを倒したという事か?
不可能では、ない。〝やいばのよろい″や〝ひかりのたま″、各種貴重なアイテムはほとんど全てあの道具袋に入れていた。闇の衣を纏った状態のゾーマ―――通称闇ゾーマなら無理だろうが、通常の状態のゾーマならば。あるいは、奴らのレベルでも倒せたのかもしれない。
いや、結果を見ろ。アレフガルドから闇は取り除かれ、晴れた空が見える。ゾーマは倒されたのだ。そして、奴らは勇者として称賛され、俺は偽勇者として指名手配されて。
おかしいだろ。
何で俺がこんな目に合わなきゃならない?
旅の途中で倒れたとかいう
ボストロールとやまたのおろち、そしてバラモスを倒し。
石にされたルビスを開放し、勇者の装備をそろえ、虹の橋を架け。
もうすぐだったんだ。
伝説に語り継がれる勇者ロトとしての名声までもう少し。
それを、あいつらが・・・
ア イ ツ ラ ガ
よし、殺そう。
俺の中で奴らは旅の中で出会ってきたモンスターと同列になった。
殺した後なんて考えない。
俺の邪魔をした奴らが悪い。
だから、殺す。
強力な敵だ。何せ奴らは仮にもゾーマを倒したんだ。それに俺の荷物、装備も持ってやがる。
だが、殺す。
これはもう、決定事項だ。俺の人生を狂わせた奴ら―――あいつらを生かしてはおけない。
しかし努めて冷静に、だ。確実に、初手で、殺しきる。
冷静に、確実に―――
だが侵入したラダトームの城で乳繰り合っているオルテガとヴィヴィアンを見た俺は、殺意を抑えることはできず、衝動のままに飛び掛かっていた。
Q.ねえねえ、今どんな気持ち?どんな気持ち?
A.数億円の宝くじを盗まれて打ちひしがれていたところに、よりにもよって自宅のベッドで窃盗犯が盛っていたのを見た時のような気持ち