すごろく場から戻ったら、ゲームクリアされてた 作:フライングトースター
なんか一回間違えて投稿してしまったのです。
申し訳ないのです。
「・・・せめてもの情けだ。お前はここで殺さずにおいてやる。それでいいですよね、精霊ルビス様?」
『勿論です。貴方の慈悲深さ、勇者として誇り高い行為を称賛します』
体に力が入らない。全てのアイテムが罅割れ、灰となって消え失せる。
恐怖が、俺の体を突き動かす。
駄目だ、この状態では誰にも勝てそうにない。
逃げなければ!
逃げなければ!!
逃げなければ!!!
兵士がこちらへ来る音が近づいてくる。
オルテガとヴィヴィアンは、これ以上こちらに関わる気がないのか目もくれない。オルテガはルビスと何やら話しているし、ヴィヴィアンはオルテガにしなだれかかっている。
悔しさも。腹立たしさも。憎悪も今は頭の片隅に追いやって。
俺は、その場から遁走した。
逃げて、逃げて、ひたすらに逃げて。
俺は城からも町からも何とか脱出をし、ラダトームの南の断崖絶壁までたどり着いた。
ここからは魔の島が見える。そしてゾーマの居城も。
今まで見ている暇はなかったが、ゾーマの居城は遠目に見てもそれは無残に壊れていた。
周囲からはモンスターの一匹の気配すらしない。どこかへ隠れたのか、消え去ったのか。確かなことは俺がレベルアップする手段が絶たれたということ。
生きている限り、この無残なステータスと指名手配と言う現状に向き合っていかなければならない。
そう、生きている限り。
このままここから飛び降りたほうが、あるいはまだ幸せなんじゃないか。
死んだらまた「やり直し」が出来るのではないか。
死への誘惑が、俺を誘う。
ふらふらと、崖へと一歩一歩、足が進む。
これでいいのか―――
これでいいんだ―――
「本当に、それで良いのか?」
誰かの声が、後ろから掛けられる。
思わず、足を止め・・・振り返った。
彼は―――
彼は―――!!
「すごろく場で会った、おっちゃん!!?」
おっちゃんだった。*1
「わはははははは!随分と久しぶりに思えるのぅ、ん?」
「・・・確かあんた、アマモジとか言ったな。そうだな、なんだか久しぶりに会ったような気がする」
「わしの名乗りを聞き届けておったか。流石よの。」
「いったい何の用だ?」
「闇は晴れ、魔物は消え、人々は喜び、町は沸いておる。そんな中、そなただけが大きな絶望の中にいるようだな」
おっちゃん―――アマモジはこちらをじっと見つめながら話しかけてくる。
やめてくれ。俺は、俺だけが、異分子だと。そう言いたいのか?
「・・・そう思うなら、放っておいてくれ。俺はもう―――」
「死にたい、か?だが先ほども言ったがの、そなた―――本当に、それで良いのか?」
「なんだよ。何なんだよ!!たった2回あっただけのあんたに何が分かるって言うんだ!!」
思わず激昂する。さっきまで死にたくなっていたのが嘘みたいだ。俺の中に、再び怒りの感情がぐらぐら湧いてくるのを感じる。
「たった2回とは、寂しいことを言う。
わしは、
その言葉に―――いきなり思考が止まった。
「・・・え?」
「初めはアリアハン
次はアレフガルドに初めて降り立った瞬間
そしてそこからは、ずっとだな。
わしはそなたをずっと待っておった。ずっと見ておった。
だからあの日、マイラのすごろく場で競い合って、わしは心底楽しかったのだぞ」
「!?え?何を言っているんだ?」
狼狽える俺に、しかしアマモジはニヤリと笑って返した。
そして指先に魔力を宿し、空に文字を描いて見せた。
「まだ分からぬのか?仕方ない、これで―――」
AMAMOZI
AM AMOZ I
I AM ZOMA
「―――わははははははっ!」