すごろく場から戻ったら、ゲームクリアされてた   作:フライングトースター

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ゾーマに〝モンスター″ではなく〝魔物″と呼ばせているのはわざとです

まぁそこまで深い意味は無いですが。

さて、今回が今章の最終話となります


このわしのものとなれ、勇者よ

 

魔の島の我が居城に辿り着いたとき、そこは既に瓦礫の山であった。

人の気配も魔物の気配もしない。

人はともかく、魔物の気配がしないのは―――この世界に魔物が存在するための要素、『魔素』が急速に消えていっているためだろう。強い魔物程必要となる『魔素』が多く、膨大な『魔素』の維持・・・すなわち、特異点となる〝大魔王の力″が無くなった今、この世界には弱い魔物が野山の奥に隠れ潜む程度だろう。

このわしとて、『魔素』を保つためには人間の姿に擬態して過ごす他ない。そうでなくては〝大魔王の力″を持たぬ今、魔族の体ではこの忌々しい光に灼かれて消え去ってしまうであろう。まだ、ここで消え去るわけにはいかない。

 

瓦礫の山をかき分け、かつての玉座の間に辿り着いた。大規模な火災が発生したようだが、酸素の欠乏によっていまは消え去り、じりじりとした熱を持つだけになっている。

そこに、息子の姿(遺体)があった。

 

 

息子は、見るも無残な焼き焦げた姿に変わり果てていた。当たり前だが、既に死んでいる。

正面から何度も切り裂かれた跡が見える。魔法を打ち込まれた跡も。そのどれもが正面から、のみ。所謂逃げ傷は無しといった所だな。

仰向けに玉座に倒れ、天を見つめながらこと切れたようだ。

 

息子は、死の間際に何を思ったことだろう。

戻らぬわしへの恨み言はいかほどにあっただろうか。

さぞかし無念であったろう。

まさか己が、勇者ではない何者かに敗れて死ぬなど。

その何者かについて、一人心当たりがある。「上」の世界で消息不明となったというオルテガと言う男だ。

 

オルテガを確実に仕留めたという報告は無かった。むしろ、このアレフガルドにてその姿を見たという報告すらあった始末だ。

しかし、奴一人ならばわしの部下共に勝てる道理もない筈なのだが・・・一体どんな巡りあわせがあったのやら。

 

ともかく、息子の遺体を目にし、もうここでやれることはほぼないと現実を突きつけられた。

そう、一つだけ。

息子の遺体に手をかざし、わしはあるもの(・・・・)を回収した―――

 

 

 

そして、現在。

役目を全うできなかった〝勇者″と役目を全うできなかった〝大魔王″が向かい合っている。

 

「―――つーことは、なんだ?あいつら偽物の大魔王を倒して勇者として持て囃されているってわけなのか」

「偽物などと言ってくれるな。大魔王代理、だ」

「フン、紛い物には違いない。俺からすればな」

 

かいつまんで事情を説明すれば、勇者は吐き捨てるように言い放った。その表情からは、怒りが。そして瞳からはどす黒い怨念を感じさせた。ふむ、これならばいけるか?

 

「そなたに提案がある」

「提案?」

 

「このわしのものとなれ、勇者よ」

 

 

 

「・・・」

「・・・」

「いや、普通に嫌だが」

「嫌か?」

「嫌だ」

 

強い拒絶の意を感じる発言だった。ふーむ、こちらのプランは駄目か。まぁそうだろうな。

だが―――

 

 

「ならば、わしの力をそなたにやろう。これならどうだ?」

「―――なに?」

 

 

戸惑いを浮かべる勇者。わはははは、こちらなら通りそうだな?

悪いが、畳みかけさせてもらう。わしには、時間がない―――

 

 

「〝大魔王の力″が砕かれた以上、わしはそう長く存在しておられぬのだ。遅かれ早かれこの身は消え去り、遥か彼方の次元『闇の根源』に還るであろう。

しかし、わしには心残りがある。恨みがある。分かるであろう?息子の仇、奴らへの怨嗟がこのまま終わることを良しとしないのだ」

「・・・!」

「今、我が身には砕かれた〝大魔王の力″の残滓が残っておる。息子の遺骸より回収してきたものだ。

この〝大魔王の残滓″と〝魔族の特性″、そして〝大魔王ゾーマの権能″・・・これをそなたにくれてやる」

 

 

「これらは他の人間に与えても意味がない」

「ルビスの権能により全てを剥奪されたそなただからこそ、扱いうる力」

「時間は残されておらぬ。今、決めてもらう」

 

 

「全てを失ったまま、滅びゆく定めを受け入れるか」

 

「力を受け入れ、我が想いを受け継いで生きていくか」

 

 

 

「力を受け入れるのならば」

「世界の半分と言わず、その全てが―――そなたの手中に収まるであろう」

 

 

 

 

「光ある限り、闇もまた在る―――奴らが光を掴むというならば」

 

「そなたは闇となるがよい。我が力を受け入れ、そしてまた目覚めるとき」

 

「光を掴んだ勇者(オルテガ)は、もはや老いて生きてはいまい。あのルビスとて、目覚めたそなたにとって敵ではない筈」

 

 

 

 

さぁこの手を取るのだ、勇者よ(世界の全てはそなたのものだ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To Be Continued

 

Next STAGE is DQ.Ⅰ

 

 

Coming Soon ...

    Soon ... Probably?

 





世界は平和になりました。
ルビスとの対話を終えた勇者ロトは、あの自分と顔立ちの似た男の事を思いましたが、遂に彼の生涯一度も再会することは無かったのでした。

勇者ロトの残した武器や防具は精霊ルビスの手により選別され、大きすぎる力を持つ物は崩れ去り、いくつかの遺物が形を変えてアレフガルドの各地へと散っていったのです。

ルビスは大地を更に広げるべく、アレフガルドのあちこちへと創造の力を振るいました。
山脈、入江、雪山、島国。
これらは時間をかけて形となっていくでしょう。

しかしそれらはまだ遥か先の事。
今ひとたび、闇よりの脅威がアレフガルドの地を襲っています。
彼の名は竜王。闇へと堕ちた竜神と言う噂もあります。
おお、ロトの末裔よ。アレフガルドの危機に立ち向かいたまえ。

そして一つの光がラダトームへと舞い降りました。彼こそはロトの末裔エニクス
―――いえ、一つではなかったようです。
もう一つの歪な光がラダトームへと・・・

おっと、この先は未来の出来事でしたね。続きはまた今度、という事で。
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